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公開番号2025024407
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-20
出願番号2023128490
出願日2023-08-07
発明の名称精製アルミニウム合金の製造方法
出願人本田技研工業株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C22B 21/06 20060101AFI20250213BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】使用済みアルミニウム合金製品を原料に用いても不純金属元素の混入量が少ない精製アルミニウム合金を得ることができる精製アルミニウム合金の製造方法を提供する。
【解決手段】アルミニウム合金の原料を単独でアルミニウム合金の液相線温度以上の加熱温度で加熱して液状溶湯を得る第1加熱工程と、液状溶湯を前記液相線温度未満でかつアルミニウム合金の固相線温度以上の冷却温度で冷却して、アルミニウム合金粒子とスラッジとを生成させて半凝固状溶湯を得る冷却工程と、半凝固状溶湯を液相線温度以上でかつスラッジの溶解温度以下の加熱温度で加熱して、アルミニウム合金粒子を溶融させることにより精製液状溶湯を生成させてスラッジ含有液状溶湯を得る第2加熱工程と、スラッジ含有液状溶湯のスラッジと精製液状溶湯とを分離して、精製液状溶湯を回収する回収工程とを含む精製アルミニウム合金の製造方法。
【選択図】図1

特許請求の範囲【請求項1】
アルミニウム合金の原料を単独で前記アルミニウム合金の液相線温度以上の加熱温度で加熱して液状溶湯を得る第1加熱工程と、
前記液状溶湯を前記液相線温度未満でかつ前記アルミニウム合金の固相線温度以上の冷却温度で冷却して、アルミニウム合金粒子とスラッジとを生成させて半凝固状溶湯を得る冷却工程と、
前記半凝固状溶湯を前記液相線温度以上でかつ前記スラッジの溶解温度以下の加熱温度で加熱して、前記アルミニウム合金粒子を溶融させることにより精製液状溶湯を生成させてスラッジ含有液状溶湯を得る第2加熱工程と、
前記スラッジ含有液状溶湯の前記スラッジと前記精製液状溶湯とを分離して、前記精製液状溶湯を回収する回収工程と、を含む精製アルミニウム合金の製造方法。
続きを表示(約 480 文字)【請求項2】
前記冷却工程で得られる前記半凝固状溶湯の前記アルミニウム合金粒子の含有量が10~90質量%の範囲内にある、請求項1に記載の精製アルミニウム合金の製造方法。
【請求項3】
前記冷却工程の前記冷却温度が、前記液相線温度に対して40℃低い温度以上、前記液相線温度に対して19℃低い温度以下の範囲内にある、請求項1または2に記載の精製アルミニウム合金の製造方法。
【請求項4】
前記第2加熱工程の前記加熱温度が、前記液相線温度に対して1℃高い温度以上、前記液相線温度に対して129℃高い温度以下の範囲内にある、請求項1または2に記載の精製アルミニウム合金の製造方法。
【請求項5】
前記第2加熱工程において、前記スラッジ含有液状溶湯を静置して前記スラッジを前記精製液状溶湯中に沈降させる、請求項1または2に記載の精製アルミニウム合金の製造方法。
【請求項6】
前記アルミニウム合金の原料が使用済みアルミニウム合金製品である、請求項1または2に記載の精製アルミニウム合金の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、精製アルミニウム合金の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
アルミニウムにケイ素や銅などの金属元素を添加したアルミニウム合金は、種々の工業製品に利用されている。また、使用済みのアルミニウム合金製品からアルミニウム合金を回収して再利用することは、広く行われている。使用済みアルミニウム合金製品からアルミニウム合金を回収する際には、使用済みアルミニウム合金製品を加熱してアルミニウム合金の溶湯とするのが一般的である。このアルミニウム合金の溶湯には、アルミニウム合金製品に使用されたビスやリベットなどの金属製固定具やアルミニウム合金製品の使用中に付着した金属が混入し、アルミニウム合金として溶け込んでいることがある。このため、アルミニウム合金の溶湯から、アルミニウム合金に添加された添加金属元素以外の不純金属元素を除去するための方法が検討されている。
【0003】
アルミニウム合金に混入した鉄を除去する方法として、鉄・マンガン含有材と、アルミニウム合金とを溶融させて溶湯を得て、得られた溶湯を冷却して、鉄化合物を晶出させ、晶出した鉄化合物を除去する方法が知られている(特許文献1を参照)。また、アルミニウム合金の溶湯に冷却体を接触させることによって、溶湯を冷却して、溶湯中に不純物の金属間化合物を晶出させ、晶出した金属間化合物を重力落下させるとともに、冷却体表面に精製アルミニウム固相を固着成長させて、アルミニウムを回収する方法が知られている(特許文献2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2020-111808号公報
特許第3250256号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
使用済みアルミニウム合金製品から回収されたアルミニウム合金を用いて、アルミニウム合金製品を再生産する場合、回収されたアルミニウム合金は使用前のアルミニウム合金製品で用いられているアルミニウム合金と組成が同等であることが望ましい。すなわち、使用済みアルミニウム合金製品からアルミニウム合金を回収する場合、使用済みアルミニウム合金製品の溶湯から選択的に不純金属元素を含むアルミニウム化合物のみを除去することが望ましい。しかしながら、鉄・マンガン含有材を用いる方法では、鉄・マンガン含有材がアルミニウム合金内に残留するおそれがある。また、冷却体表面に精製アルミニウム固相を固着成長させる方法では、冷却体表面に融点が高いアルミニウムが固着しやすいため、添加金属元素を含むアルミニウム合金を得ることが難しい。
【0006】
本発明は、使用済みアルミニウム合金製品を原料に用いても不純金属元素の混入量が少なく、そのアルミニウム合金製品で使用されていたアルミニウム合金と同等の組成を有する精製アルミニウム合金を工業的に有利に製造することができる精製アルミニウム合金の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、不純金属元素を含むアルミニウム合金の溶湯を冷却して、溶湯中にアルミニウム合金粒子とスラッジとを生成させて半凝固状溶湯を得て、得られた半凝固状溶湯を加熱して、スラッジを溶解させずに、アルミニウム合金粒子を溶融させた後、スラッジと液状溶湯とを分離することによって、上記の課題を解決することが可能となることを見出し、本発明を完成するに至った。よって、本発明は以下のものを提供する。
【0008】
(1)アルミニウム合金の原料を単独で前記アルミニウム合金の液相線温度以上の加熱温度で加熱して液状溶湯を得る第1加熱工程と、前記液状溶湯を前記液相線温度未満でかつ前記アルミニウム合金の固相線温度以上の冷却温度で冷却して、アルミニウム合金粒子とスラッジとを生成させて、半凝固状溶湯を得る冷却工程と、前記半凝固状溶湯を前記液相線温度以上でかつ前記スラッジの溶解温度以下の加熱温度で加熱して、前記アルミニウム合金粒子を溶融させることにより精製液状溶湯を生成させてスラッジ含有液状溶湯を得る第2加熱工程と、前記スラッジ含有液状溶湯の前記スラッジと前記精製液状溶湯とを分離して、前記精製液状溶湯を回収する回収工程と、を含む精製アルミニウム合金の製造方法。
【0009】
(1)の精製アルミニウム合金の製造方法においては、第1加熱工程にて、アルミニウム合金の原料を単独で加熱するので、得られる液状溶湯に外部からの異物が混入しにくい。また、アルミニウム合金の原料に混入した不純金属元素を含むアルミニウム合金不純物は、冷却工程にて固形のスラッジとされ、回収工程にてアルミニウム合金の溶湯から分離される。また、アルミニウム合金の原料に混入した不純金属元素を除去するための添加剤を必要としない。このため、(1)の精製アルミニウム合金の製造方法によれば、アルミニウム合金の原料として、使用済みアルミニウム合金製品を用いても、そのアルミニウム合金製品で使用されていたアルミニウム合金と同等の組成を有する精製アルミニウム合金を工業的に有利に製造することができ、得られた精製のアルミニウム合金は、そのアルミニウム合金製品の原料として有利に用いることができる。
【0010】
(2)前記冷却工程で得られる前記半凝固状溶湯の前記アルミニウム合金粒子の含有量が10~90質量%の範囲内にある、(1)に記載の精製アルミニウム合金の製造方法。
(【0011】以降は省略されています)

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