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公開番号2025023674
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-17
出願番号2023128015
出願日2023-08-04
発明の名称カテーテル
出願人株式会社カネカ
代理人弁理士法人アスフィ国際特許事務所
主分類A61M 25/00 20060101AFI20250207BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】体内の蛇行部に挿入しても捻れ難く、且つワイヤが突き破り難いカテーテルを提供する。
【解決手段】長手方向に延在する第1筒状部材と、長手方向に延在し、第1筒状部材と径方向に隣り合う第2筒状部材と、長手方向に延在し、第1筒状部材の少なくとも一部と第2筒状部材の少なくとも一部とを内包する部分を有する第1外側筒状部材と、を有するカテーテルであって、第1筒状部材の遠位端は、第2筒状部材の遠位端よりも近位側に位置し、第1筒状部材の近位端は、第2筒状部材の近位端よりも近位側に位置し、第2筒状部材は、第1外側筒状部材に固定されている第2固定部を有しており、第2固定部を含む径方向の断面のうち少なくとも一つの断面において、第1筒状部材は、第1外側筒状部材に固定されている固定部を有していないカテーテル。
【選択図】図7
特許請求の範囲【請求項１】
長手方向に延在する第１筒状部材と、
前記長手方向に延在し、前記第１筒状部材と径方向に隣り合う第２筒状部材と、
前記長手方向に延在し、前記第１筒状部材の少なくとも一部と前記第２筒状部材の少なくとも一部とを内包する部分を有する第１外側筒状部材と、を有するカテーテルであって、
前記第１筒状部材の遠位端は、前記第２筒状部材の遠位端よりも近位側に位置し、
前記第１筒状部材の近位端は、前記第２筒状部材の近位端よりも近位側に位置し、
前記第２筒状部材は、前記第１外側筒状部材に固定されている第２固定部を有しており、
前記第２固定部を含む前記径方向の断面のうち少なくとも一つの断面において、前記第１筒状部材は、前記第１外側筒状部材に固定されている固定部を有していないカテーテル。
続きを表示（約 1,000 文字）【請求項２】
前記第２固定部は、前記長手方向に延在している請求項１に記載のカテーテル。
【請求項３】
前記少なくとも一つの断面において、前記第２筒状部材は、前記第１外側筒状部材に接触していない非接触部を有している請求項１または２に記載のカテーテル。
【請求項４】
前記少なくとも一つの断面において、前記第１筒状部材は、前記第２筒状部材に固定されている第１固定部を有している請求項１または２に記載のカテーテル。
【請求項５】
前記第２固定部の遠位端は、前記第２筒状部材の前記長手方向の近位端から遠位端に至るまでの中点よりも遠位側に位置し、前記第２固定部の近位端は、前記中点よりも近位側に位置する請求項１または２に記載のカテーテル。
【請求項６】
前記第２固定部の近位端と遠位端は、それぞれ前記第２筒状部材の前記長手方向の近位端から遠位端に至るまでの中点よりも近位側に位置する請求項１または２に記載のカテーテル。
【請求項７】
前記第２固定部の近位端と遠位端は、それぞれ前記第２筒状部材の前記長手方向の近位端から遠位端に至るまでの中点よりも遠位側に位置する請求項１または２に記載のカテーテル。
【請求項８】
前記第２筒状部材は、複数の前記第２固定部を有し、
前記複数の第２固定部のうち最も遠位側の前記第２固定部の遠位端は、前記第２筒状部材の前記長手方向の近位端から遠位端に至るまでの中点よりも遠位側に位置し、
前記複数の第２固定部のうち最も近位側の前記第２固定部の近位端は、前記中点よりも近位側に位置する請求項１または２に記載のカテーテル。
【請求項９】
前記第２筒状部材は、複数の前記第２固定部を有し、
前記複数の第２固定部のうち最も遠位側の前記第２固定部の遠位端と、最も近位側の前記第２固定部の近位端は、前記第２筒状部材の前記長手方向の近位端から遠位端に至るまでの中点よりも近位側に位置する請求項１または２に記載のカテーテル。
【請求項１０】
前記第２筒状部材は、複数の前記第２固定部を有し、
前記複数の第２固定部のうち最も遠位側の前記第２固定部の遠位端と、最も近位側の前記第２固定部の近位端は、前記第２筒状部材の前記長手方向の近位端から遠位端に至るまでの中点よりも遠位側に位置する請求項１または２に記載のカテーテル。
（【請求項１１】以降は省略されています）
発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、カテーテルに関する。
続きを表示（約 4,100 文字）【背景技術】
【０００２】
人体の病変部を検査・処置するために血管等に挿入することが可能なカテーテルが用いられている。このようなカテーテルとして、例えば特許文献１には、長手方向に延び、遠位端と近位端とを有し、ワイヤが挿入される第１筒状部材と、遠位端と近位端とを有し、前記第１筒状部材と径方向に隣接する第２筒状部材とを備え、前記第１筒状部材の遠位端は、前記第２筒状部材の遠位端よりも近位側に位置し、前記第１筒状部材の近位端は、前記第２筒状部材の近位端よりも近位側に位置し、前記第１筒状部材は、ポリテトラフルオロエチレン、及びテトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体よりなる群から選択される少なくとも１種を含む内層と補強部材とを有する補強部を有し、前記第１筒状部材は、前記補強部の遠位端よりも遠位側には前記ポリテトラフルオロエチレンと前記テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体と前記補強部材とを含まない樹脂製の延在部を有するカテーテルが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
国際公開第２０２０／２５５７３７号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
特許文献１のような従来のカテーテルを３次元の蛇行が連続する冠動脈等の血管に挿入する際には、第１筒状部材と第２筒状部材が径方向に隣接している部分である２芯並行部分においてカテーテルの捻れが発生する場合があった。そこで本発明者の検討により、２芯並行部分において、第１筒状部材と第２筒状部材を互いに固定し更にこれらを内包する外側筒状部材に第１筒状部材と第２筒状部材をそれぞれ固定することにより、捻れを低減できることが分かった。しかし、上記のように各筒状部材が固定されたカテーテルを体内の蛇行部に挿入し、蛇行部への挿入後にワイヤをカテーテル内に挿入する場合には、ワイヤが長手方向の長さが長い第１筒状部材を突き破る場合があることが本発明者の検討により分かった。本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、体内の蛇行部に挿入しても捻れ難く、且つワイヤが突き破り難いカテーテルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００５】
上記課題を解決することのできた本発明の実施の形態に係るカテーテルは、以下の通りである。
［１］長手方向に延在する第１筒状部材と、
前記長手方向に延在し、前記第１筒状部材と径方向に隣り合う第２筒状部材と、
前記長手方向に延在し、前記第１筒状部材の少なくとも一部と前記第２筒状部材の少なくとも一部とを内包する部分を有する第１外側筒状部材と、を有するカテーテルであって、
前記第１筒状部材の遠位端は、前記第２筒状部材の遠位端よりも近位側に位置し、
前記第１筒状部材の近位端は、前記第２筒状部材の近位端よりも近位側に位置し、
前記第２筒状部材は、前記第１外側筒状部材に固定されている第２固定部を有しており、
前記第２固定部を含む前記径方向の断面のうち少なくとも一つの断面において、前記第１筒状部材は、前記第１外側筒状部材に固定されている固定部を有していないカテーテル。
【０００６】
本発明者の検討により、体内の蛇行部へ従来のカテーテルを挿入する際に発生するカテーテルの捻れは、主に、長手方向の長さが短い第２筒状部材の近傍の捻れに起因することが分かった。そのため、第２筒状部材が第１外側筒状部材に固定されていることにより第２筒状部材の近傍は捻れ難くなり、その結果、カテーテルを体内の蛇行部に挿入しても捻れ難くなる。更に、第１筒状部材が、第１外側筒状部材に固定されている固定部を有していない領域では、ワイヤを第１筒状部材へ挿入する際に第１筒状部材がカテーテルの周方向に移動し易くなる結果、ワイヤによる第１筒状部材の突き破りのリスクを低減することができる。また上記の通り体内の蛇行部にカテーテルを挿入したときの捻れが低減されるため、蛇行部への挿入後にワイヤをカテーテルに挿入してもワイヤによるカテーテルの突き破りが生じ難い。
【０００７】
更に実施の形態に係るカテーテルは、以下の［２］～［１６］のいずれかであることが好ましい。
［２］前記第２固定部は、前記長手方向に延在している［１］に記載のカテーテル。
［３］前記少なくとも一つの断面において、前記第２筒状部材は、前記第１外側筒状部材に接触していない非接触部を有している［１］または［２］に記載のカテーテル。
［４］前記少なくとも一つの断面において、前記第１筒状部材は、前記第２筒状部材に固定されている第１固定部を有している［１］～［３］のいずれかに記載のカテーテル。
［５］前記第２固定部の遠位端は、前記第２筒状部材の前記長手方向の近位端から遠位端に至るまでの中点よりも遠位側に位置し、前記第２固定部の近位端は、前記中点よりも近位側に位置する［１］～［４］のいずれかに記載のカテーテル。
［６］前記第２固定部の近位端と遠位端は、それぞれ前記第２筒状部材の前記長手方向の近位端から遠位端に至るまでの中点よりも近位側に位置する［１］～［４］のいずれかに記載のカテーテル。
［７］前記第２固定部の近位端と遠位端は、それぞれ前記第２筒状部材の前記長手方向の近位端から遠位端に至るまでの中点よりも遠位側に位置する［１］～［４］のいずれかに記載のカテーテル。
［８］前記第２筒状部材は、複数の前記第２固定部を有し、
前記複数の第２固定部のうち最も遠位側の前記第２固定部の遠位端は、前記第２筒状部材の前記長手方向の近位端から遠位端に至るまでの中点よりも遠位側に位置し、
前記複数の第２固定部のうち最も近位側の前記第２固定部の近位端は、前記中点よりも近位側に位置する［１］～［４］のいずれかに記載のカテーテル。
［９］前記第２筒状部材は、複数の前記第２固定部を有し、
前記複数の第２固定部のうち最も遠位側の前記第２固定部の遠位端と、最も近位側の前記第２固定部の近位端は、前記第２筒状部材の前記長手方向の近位端から遠位端に至るまでの中点よりも近位側に位置する［１］～［４］のいずれかに記載のカテーテル。
［１０］前記第２筒状部材は、複数の前記第２固定部を有し、
前記複数の第２固定部のうち最も遠位側の前記第２固定部の遠位端と、最も近位側の前記第２固定部の近位端は、前記第２筒状部材の前記長手方向の近位端から遠位端に至るまでの中点よりも遠位側に位置する［１］～［４］のいずれかに記載のカテーテル。
［１１］前記第１筒状部材は、前記第１外側筒状部材に固定されている固定部を前記長手方向の全長にわたって有していない［１］～［３］、［５］～［１０］のいずれかに記載のカテーテル。
［１２］前記少なくとも一つの断面において、前記第１筒状部材は、前記第２筒状部材に固定されていない［１］～［３］、［５］～［１０］のいずれかに記載のカテーテル。
［１３］更に、前記長手方向に延在している第２外側筒状部材を有し、
前記第２外側筒状部材は、前記長手方向に延在する内腔を有しており、前記内腔に前記第１筒状部材の一部が配置されている［１］～［１２］のいずれかに記載のカテーテル。
［１４］前記第２外側筒状部材は、前記第２筒状部材の前記近位端よりも近位側に位置する［１３］に記載のカテーテル。
［１５］前記第１筒状部材は、前記第２外側筒状部材に固定されていない非固定部を有している［１３］または［１４］に記載のカテーテル。
［１６］前記第１筒状部材の近位端部にはハンドル部が配置されている［１］～［１５］のいずれかに記載のカテーテル。
【発明の効果】
【０００８】
本発明によれば、上記構成により、体内の蛇行部に挿入しても捻れ難く、且つワイヤが突き破り難いカテーテルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【０００９】
図１は、第１の実施の形態に係るカテーテルの側面図である。
図２は、図１の領域Ｒ１の長手方向の断面図である。
図３は、図１の領域Ｒ２の長手方向の断面図である。
図４は、図１のカテーテルのＡ－Ａ断面図である。
図５は、図１のカテーテルの変形例の領域Ｒ１の長手方向の断面図である。
図６は、図１のカテーテルの変形例の領域Ｒ２の長手方向の断面図である。
図７は、図１のカテーテルの変形例のＡ－Ａ断面図である。
図８は、図１のカテーテルの他の変形例の側面図である。
図９は、図８のカテーテルのＢ－Ｂ断面図である。
図１０は、第２の実施の形態に係るカテーテルの側面図である。
図１１は、第３の実施の形態に係るカテーテルの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【００１０】
以下では、下記実施の形態に基づき本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施の形態によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。なお、各図面において、便宜上、部材符号等を省略する場合もあるが、かかる場合、明細書や他の図面を参照するものとする。また、図面における種々部材の寸法は、本発明の特徴の理解に資することを優先しているため、実際の寸法とは異なる場合がある。
（【００１１】以降は省略されています）

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