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公開番号2025019751
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-07
出願番号2023123541
出願日2023-07-28
発明の名称窒化ガリウムの製造方法、窒化ガリウムの気相成長装置および窒化ガリウム基板
出願人国立大学法人東海国立大学機構
代理人弁理士法人 快友国際特許事務所
主分類C30B 29/38 20060101AFI20250131BHJP(結晶成長)
要約【課題】n型窒化ガリウム基板の導電率を向上させることが可能な窒化ガリウムの製造方法を提供すること。
【解決手段】ガリウム原料に有機金属を使用しない気相成長法を用いた窒化ガリウムの製造方法である。製造方法は、ガリウムを含んだ第1原料ガスを、基板が配置されている反応容器内に供給する工程を備える。製造方法は、窒素を含み第1原料ガスと反応する第2原料ガスを、反応容器内に供給する工程を備える。製造方法は、スズを含んだ第3原料ガスを、反応容器内に供給する工程を備える。第1原料ガスを供給する工程、第2原料ガスを供給する工程、第3原料ガスを供給する工程は、基板の温度が700℃以上1100℃以下の範囲内で行われる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
ガリウム原料に有機金属を使用しない気相成長法を用いた窒化ガリウムの製造方法であって、
ガリウムを含んだ第1原料ガスを、基板が配置されている反応容器内に供給する工程と、
窒素を含み前記第1原料ガスと反応する第2原料ガスを、前記反応容器内に供給する工程と、
スズを含んだ第3原料ガスを、前記反応容器内に供給する工程と、
を備え、
前記第1原料ガスを供給する工程、前記第2原料ガスを供給する工程、前記第3原料ガスを供給する工程は、前記基板の温度が700℃以上1100℃以下の範囲内で行われる、
窒化ガリウムの製造方法。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
前記第1原料ガスを供給する工程、前記第2原料ガスを供給する工程、前記第3原料ガスを供給する工程は、前記基板の温度が800℃以上950℃以下の範囲内で行われる、請求項1に記載の窒化ガリウムの製造方法。
【請求項3】
前記第1原料ガスは、塩化ガリウムを含んだガスであり、
前記第2原料ガスは、アンモニアを含んだガスであり、
前記第3原料ガスは、塩化スズを含んだガスである、請求項2に記載の窒化ガリウムの製造方法。
【請求項4】
前記第1原料ガスに含まれる前記塩化ガリウムおよび前記第3原料ガスに含まれる前記塩化スズの合計のモル流量に対する、前記第3原料ガスに含まれる前記塩化スズのモル流量の比率が、1×10
-3
以上である、請求項3に記載の窒化ガリウムの製造方法。
【請求項5】
前記基板は、前記基板の表面に垂直な軸周りに回転している、請求項4に記載の窒化ガリウムの製造方法。
【請求項6】
前記第3原料ガスの供給と同時に、シリコンまたはゲルマニウムの少なくとも一方を含んだ第4原料ガスを前記反応容器内に供給する工程をさらに備える、請求項1-5の何れか1項に記載の窒化ガリウムの製造方法。
【請求項7】
ガリウム原料に有機金属を使用しない気相成長法に用いられる窒化ガリウムの気相成長装置であって、
反応容器と、
前記反応容器内に配置されている基板保持部と、
ガリウムを含んだ第1原料ガスを前記反応容器内に供給する第1原料ガス供給管と、
窒素を含み前記第1原料ガスと反応する第2原料ガスを前記反応容器内に供給する第2原料ガス供給管と、
スズを含んだ第3原料ガスを前記反応容器内に供給する第3原料ガス供給管と、
前記基板保持部に保持されている基板の温度を700℃以上1100℃以下の範囲で加熱する第1加熱部と、
を備えた窒化ガリウムの気相成長装置。
【請求項8】
前記第1加熱部は、前記基板保持部に保持されている基板の温度を800℃以上950℃以下の範囲で加熱する、請求項7に記載の窒化ガリウムの気相成長装置。
【請求項9】
前記第1原料ガス供給管および前記第3原料ガス供給管の入口には、塩化水素ガスまたは塩素ガスが供給され、
前記第1原料ガス供給管の出口からは塩化ガリウムを含んだ前記第1原料ガスが排出され、
前記第3原料ガス供給管の出口からは塩化スズを含んだ前記第3原料ガスが排出される、請求項8に記載の窒化ガリウムの気相成長装置。
【請求項10】
前記第1原料ガスに含まれる前記塩化ガリウムおよび前記第3原料ガスに含まれる前記塩化スズの合計のモル流量に対する、前記第3原料ガスに含まれる前記塩化スズのモル流量の比率が、1×10
-3
以上である、請求項9に記載の窒化ガリウムの気相成長装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本明細書では、窒化ガリウムの製造方法、窒化ガリウムの気相成長装置および窒化ガリウム基板に関する技術を開示する。
続きを表示(約 1,400 文字)【背景技術】
【0002】
n型窒化ガリウム(GaN)基板の導電率を向上させることが要求されている。オン抵抗を低減できるため、エネルギー損失の低減が可能となるためである。GaNのドナーとしては、一般に、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、酸素(O)などが用いられている。なお、関連する技術が特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2020-202366号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ドナーにSiやGeを用いる場合には、GaN結晶中への取り込み濃度を十分に高めることが困難である。ドナー濃度が高められないため、キャリア濃度を高めることが困難である。またドナーにOを用いる場合には、SiやGeよりも不純物濃度を高めることが可能である。しかしOのドナー活性化率が20%程度と低いため、キャリア濃度を高めることが困難である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書では、ガリウム原料に有機金属を使用しない気相成長法を用いた窒化ガリウムの製造方法を開示する。製造方法は、ガリウムを含んだ第1原料ガスを、基板が配置されている反応容器内に供給する工程を備える。製造方法は、窒素を含み第1原料ガスと反応する第2原料ガスを、反応容器内に供給する工程を備える。製造方法は、スズを含んだ第3原料ガスを、反応容器内に供給する工程を備える。第1原料ガスを供給する工程、第2原料ガスを供給する工程、第3原料ガスを供給する工程は、基板の温度が700℃以上1100℃以下の範囲内で行われる。
【0006】
本発明者らは、ドナーにスズを用いる場合に、一般的なGaNの成長温度に比べて低い成長温度を用いることで、GaN結晶中へのスズの取り込み濃度を大幅に増加させることができることを見出した。また一般的な成長温度に比べて低い成長温度を用いると、多数のピットにより荒れた表面となり、良好なGaN結晶が得られない場合がある。しかしスズのサーファクタント効果により、ピット形成を抑制できることを、本発明者らは見出した。これにより、本明細書の窒化ガリウムの製造方法では、スズの高濃度のドープと、良好な結晶性とを両立することができる。スズは、シリコンやゲルマニウムに比してドープ濃度を高くすることができ、酸素に比して活性化率を高くすることができるため、高いキャリア濃度および高い導電率を有するn型GaN基板を形成することが可能となる。
【0007】
第1原料ガスを供給する工程、第2原料ガスを供給する工程、第3原料ガスを供給する工程は、基板の温度が800℃以上950℃以下の範囲内で行われてもよい。
【0008】
第1原料ガスは、塩化ガリウムを含んだガスであってもよい。第2原料ガスは、アンモニアを含んだガスであってもよい。第3原料ガスは、塩化スズを含んだガスであってもよい。
【0009】
第1原料ガスに含まれる塩化ガリウムおよび第3原料ガスに含まれる塩化スズの合計のモル流量に対する、第3原料ガスに含まれる塩化スズのモル流量の比率が、1×10
-3
以上であってもよい。
【0010】
基板は、基板の表面に垂直な軸周りに回転していてもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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