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公開番号
2025024636
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-02-20
出願番号
2023128891
出願日
2023-08-07
発明の名称
蓄電デバイス用電極、二次電池、蓄電デバイス用電極の製造方法、および、蓄電デバイス用電極の製造装置
出願人
国立大学法人東海国立大学機構
,
NU-Rei株式会社
代理人
個人
主分類
H01M
4/133 20100101AFI20250213BHJP(基本的電気素子)
要約
【課題】カーボンナノ構造体を主成分とする新規な構造の活物質層を備え、高い電池性能を実現できる蓄電デバイス用電極を提供する。
【解決手段】蓄電デバイス用電極は、集電体を構成し、表面に微細な凹凸構造が形成された金属基板と、ナノグラフェンとアモルファスカーボンとで構成されたカーボンナノ構造体を主成分とし、前記凹凸構造の表面を緻密に覆うように形成され、前記蓄電デバイスの充放電に関与する金属原子が、前記蓄電デバイスの充電時に表面に析出する活物質層と、を備える。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
蓄電デバイス用電極であって、
集電体を構成し、表面に微細な凹凸構造が形成された金属基板と、
ナノグラフェンとアモルファスカーボンとで構成されたカーボンナノ構造体を主成分とし、前記凹凸構造の表面を緻密に覆うように形成され、前記蓄電デバイスの充放電に関与する金属原子が、前記蓄電デバイスの充電時に表面に析出する活物質層と、
を備える、蓄電デバイス用電極。
続きを表示(約 1,500 文字)
【請求項2】
請求項1記載の蓄電デバイス用電極であって、
前記活物質層の表面には、前記金属基板の厚み方向に見たときに、幅が0.1μm以上10.0μm以下である複数の凸部が密に分布している、蓄電デバイス用電極。
【請求項3】
請求項1記載の蓄電デバイス用電極であって、
前記金属基板は、銅、または、銅合金によって構成されている、蓄電デバイス用電極。
【請求項4】
二次電池であって、
電解液で満たされた容器と、
電気絶縁性とイオン伝導性とを有し、前記容器の内部空間を第1電極室と第2電極室とに区画するセパレータと、
前記第1電極室に収容され、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の蓄電デバイス用電極によって構成された第1電極と、
前記第2電極室に収容され、充電時にイオン化して前記第1電極に移動する金属原子を含む第2電極と、
を備える、二次電池。
【請求項5】
蓄電デバイス用電極の製造方法であって、
集電体を構成する金属基板の基材を、アルコール類の溶液中に浸漬させる工程と、
プラズマを発生させるための反応ガスを前記溶液の上に供給しながら、前記溶液の上に配置されたプラズマ電極と前記溶液中の前記基材との間に高周波電圧を印加することにより、プラズマを発生させる工程と、
前記プラズマにより、前記基材の表面に微細な凹凸構造を形成しながら、ナノグラフェンとアモルファスカーボンとで構成されたカーボンナノ構造体を主成分とし、前記蓄電デバイスの充放電に関与する金属原子が、前記蓄電デバイスの充電時に表面に析出する活物質層を、前記凹凸構造の表面を緻密に覆うように形成する工程と、
を備える、製造方法。
【請求項6】
請求項5記載の製造方法であって、
前記プラズマ電極を、前記溶液中の前記基材の表面に沿って移動させて、前記基材の表面上のプラズマの照射領域を移動させる工程をさらに備える、製造方法。
【請求項7】
蓄電デバイス用電極の製造装置であって、
集電体を構成する金属基板の基材が浸漬されるアルコール類の溶液が貯留されている反応室と、
前記反応室内の前記溶液の上方の領域において、前記溶液に浸漬される前記基材の表面に対向するように配置されているプラズマ電極と、
前記反応室内の前記溶液の上方の領域に、プラズマを発生させるための反応ガスを供給するガス供給部と、
前記プラズマ電極と前記基材との間に前記プラズマを発生させるための高周波電圧を印加するプラズマ電源部と、
を備え、
前記プラズマ電極と前記基材との間に発生させたプラズマにより、前記基材の表面に微細な凹凸構造を形成しながら、ナノグラフェンとアモルファスカーボンとで構成されたカーボンナノ構造体を主成分とし、蓄電デバイスの充放電に関与する金属原子が前記蓄電デバイスの充電時に表面に析出する活物質層が、前記凹凸構造の表面を覆うように形成される構成を有している、製造装置。
【請求項8】
請求項7記載の製造装置であって、さらに、
前記プラズマ電極を前記溶液中の前記基材の表面に沿って移動させる移動機構を備える、製造装置。
【請求項9】
請求項7、または、請求項8記載の製造装置であって、
前記基材の表面に沿って配列された複数の前記プラズマ電極を有し、複数の前記プラズマ電極のそれぞれと前記基材との間に同時にプラズマを発生可能なように構成されている、製造装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示の技術は、蓄電デバイス用電極、二次電池、蓄電デバイス用電極の製造方法、および、蓄電デバイス用電極の製造装置に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)
【背景技術】
【0002】
充放電可能な蓄電デバイスとしては、例えば、二次電池が知られている。通常、蓄電デバイス用電極では、集電体の表面に、蓄電デバイスの充放電反応に関与する物質によって構成された活物質層が形成される。例えば、下記の特許文献1,2には、リチウム(Li)を含む活物質層を正極に有し、活物質としての炭素(C)を、グラファイトやカーボンナノウォール等の形態で含む活物質層を負極に有するリチウムイオン二次電池が開示されている。
【0003】
一般に、活物質層の構成は、蓄電デバイスの電池性能に大きく影響することが知られている。例えば、特許文献1のようにグラファイトを活物質層に適用した場合よりも、特許文献2のように、カーボンナノウォールのようなカーボンナノ構造体を活物質層に適用した方が、蓄電デバイスの電池性能が向上するという技術的知見もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第2668678号公報
特開2010-9980号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のようにグラファイトを活物質層に適用する従来の構成では、今後、蓄電デバイスに求められる高い電池性能の目標を十分に達成することができなくなる可能性がある。
【0006】
一方、特許文献2にように、カーボンナノウォールを活物質層に適用する場合、カーボンナノウォールの製造に手間がかかり、蓄電デバイスの製造コストが著しく増大してしまう可能性がある。また、カーボンナノウォールを活物質層に適用した電極は、蓄電デバイスの製造工程において、運搬や保管のためにロール状に巻くなどしたときに、表面のカーボンナノウォールが圧縮応力やせん断応力によって破壊されたり、脱落したりする可能性がある。
【0007】
このように、カーボンを活物質そして利用する蓄電デバイス用電極については、依然として改良の余地があった。本開示は、従来とは異なる構造を有し、高い電池性能を実現できる活物質層を備える蓄電デバイス用電極を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の発明者は、活物質層に適用可能なカーボンナノ構造体の研究を重ねるうちに、従来とは異なる方法により容易に製造でき、電池性能を飛躍的に向上させることができる蓄電デバイス用電極の開発に成功した。本開示の技術は、例えば、以下の形態として実現することが可能である。
【0009】
本発明の一形態は、蓄電デバイス用電極として提供される。この形態の蓄電デバイス用電極は、集電体を構成し、表面に微細な凹凸構造が形成された金属基板と、ナノグラフェンとアモルファスカーボンとで構成されたカーボンナノ構造体を主成分とし、前記凹凸構造の表面を緻密に覆うように形成され、前記蓄電デバイスの充放電に関与する金属原子が、前記蓄電デバイスの充電時に表面に析出する活物質層と、を備える。
【0010】
この形態の蓄電デバイス用電極によれば、ナノグラフェンとアモルファスカーボンとで構成されたカーボンナノ構造体を活物質として用いているため、蓄電デバイスの電池性能を高めることができる。また、活物質層の表面が凹凸に形成されるため、活物質層の表面積が増大され、蓄電デバイスの充電時に析出する金属の量を増大させることができ、蓄電デバイスの充電容量を高めることができる。また、その活物質層の凹凸構造にって、活物質層の表面に多数の凸部が形成されるため、蓄電デバイスの充電時に活物質層の表面における金属の析出が促進される。よって、蓄電デバイスの電池性能をさらに高めることができる。加えて、活物質層が、金属基板の表面を緻密に覆う薄膜のように形成されているため、金属基板の表面から延び出るように成長したカーボンナノウォールとは異なり、蓄電デバイスの製造工程において、破壊されたり、脱落したりすることを抑制できる。
(【0011】以降は省略されています)
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