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公開番号
2025016054
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-31
出願番号
2023119069
出願日
2023-07-21
発明の名称
鉄基結晶合金の製造方法
出願人
HILLTOP株式会社
代理人
弁理士法人アローレインターナショナル
主分類
C22C
38/00 20060101AFI20250124BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約
【課題】 低鉄損および高飽和磁束密度を確保しつつ、打抜き加工を容易に行うことができる鉄基結晶合金の製造方法を提供する。
【解決手段】 組成式(Fe
1-y
Co
y
)
100-x
(B
1-z
C
z
)
x
で表現され、x、y、zがそれぞれ10.0≦x≦18.0原子%、0.05≦y≦0.5、0.0≦z≦0.3を満足する組成を有する(Fe,Co)-B系の合金溶湯3を用意する工程と、冷却ロール8上で合金溶湯3を急冷凝固する急冷凝固工程を備え、前記急冷凝固工程は、冷却ロール8をロール表面速度15m/sec以上40m/sec以下で回転させながら、冷却ロール8の表面に合金溶湯3を出湯ノズル6から噴射することにより、α-Fe相の存在比率が50体積%以上95体積%未満であり残部がFe-B 相からなるように鉄基結晶合金9を作製する工程を備える鉄基結晶合金の製造方法である。
【選択図】 図1
特許請求の範囲
【請求項1】
組成式(Fe
1-y
Co
y
)
100-x
(B
1-z
C
z
)
x
で表現され、x、y、zがそれぞれ、
10.0≦x≦18.0原子%、
0.05≦y≦0.5、
0.0≦z≦0.3
を満足し、
α-Fe相の存在比率が50体積%以上95体積%未満であり、残部がFe-B 相からなる鉄基結晶合金。
続きを表示(約 490 文字)
【請求項2】
飽和磁束密度が1.7T以上であり、磁束1.0Tおよび周波数1kHzでの鉄損(W10/1k)が20W/kg以下であり、1kHzでの透磁率が1500以上である請求項1に記載の鉄基結晶合金。
【請求項3】
組成式(Fe
1-y
Co
y
)
100-x
(B
1-z
C
z
)
x
で表現され、x、y、zがそれぞれ10.0≦x≦18.0原子%、0.05≦y≦0.5、0.0≦z≦0.3を満足する組成を有する(Fe,Co)-B系の合金溶湯を用意する工程と、
冷却ロール上で前記合金溶湯を急冷凝固する急冷凝固工程を備え、
前記急冷凝固工程は、前記冷却ロールをロール表面速度15m/sec以上40m/sec以下で回転させながら、前記冷却ロールの表面に前記合金溶湯を出湯ノズルから噴射することにより、α-Fe相の存在比率が50体積%以上95体積%未満であり、残部がFe-B 相からなる鉄基結晶合金を作製する工程を備える鉄基結晶合金の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄基結晶合金およびその製造方法に関し、より詳しくは、直流モータに適用されるコア材として好適に使用することができる鉄基結晶合金およびその製造方法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、電子部品として使用されるインダクタやリアクトルといった各種受動素子やトランス向けに、鉄損が低く飽和磁束密度が高い材料が市場から求められている。このような材料としては、鉄( Fe )、 珪素( Si )、 硼素( B )を主原料とする鉄基アモルファス材料や鉄基ナノ結晶材料が知られており、このような軟磁性材料を用いて溶湯急冷凝固法により作製される厚み17μmから25μm程度の Fe-Si-B系アモルファス合金薄帯は、従来の珪素鋼板に代わるものとして、大型トランスやインダクタ向けを中心に需要を伸ばしている 。
【0003】
また、上記のFe-Si-B系アモルファス合金薄帯は、珪素鋼板に比べて低鉄損であることから、この特長を活かして、ブラシレス直流(BLDC)モータのロータコアおよびステータコアに適用することで、モータ効率を高めることが検討されている。特に、20,000rpmを超えるような高速回転型のBLDCモータに使用する場合には、軟磁性材料の動作域が2kHz前後の高周波帯域となることで高いモータ効率が得られるため、モータの高速回転が要求される掃除機等の白物家電や電装向け補機モータ等への展開が期待されている。
【0004】
一方、白物家電のモータ以上に高効率化が求められているEV向けの駆動用モータは、珪素鋼板と同等の飽和磁束密度(Bs)を確保できないと必要な出力を得られないが、Fe-Si-B系アモルファス合金のBsは最大でも1.6T程度であるため、Bsが1.7T以上の珪素鋼板を代替することが困難である。このため、Fe-Si-B系アモルファス合金を用いたEV駆動用BLDCモータが市場へ投入された例は、これまで存在していない。
【0005】
数10kW以上クラスのEV駆動用BLDCモータは、珪素鋼板のコア材と、優れた永久磁石特性を発現する異方性希土類鉄硼素系焼結磁石とを組み合わせて、マグネットトルクの活用による高効率化が従来進められてきたが、透磁率の低い珪素鋼板では、異方性希土類鉄硼素系焼結磁石の優れた磁気特性を十分活用することができないため、低鉄損コア材の実現が困難である。このため、永久磁石性能の有効活用とコア材の低鉄損化との相乗効果により、自動車の省エネルギー化に貢献可能な高出力・高効率BLDCモータの市場要求は極めて高い。
【0006】
Fe-Si-B系アモルファス合金は、珪素鋼板に比べて透磁率が高く、また、鉄損を1/10程度まで低減可能であることから、EV駆動用BLDCモータのコア材として、珪素鋼板からの代替が検討されている。ところが、上記のように飽和磁束密度(Bs)が低いため、鉄損の影響が顕著になる15,000rpm以上の高速回転型のBLDCモータへの展開が主となり、回転数が15,000rpm未満のEV向け駆動用モータへの適用が困難である。また、Fe-Si-B系アモルファス合金薄帯は、厚みが25μm程度と薄く、BLDCモータのロータコアおよびステータコア用の積層コア等を製造するための打抜きプレス加工が困難であるため、主として巻きコアとしての利用に限定され、モータ用途において珪素鋼板を代替し難い。
【0007】
一方、Fe-Si-B系ナノ結晶材は、割れや欠けが生じ易いため、巻きコアとして利用するか、あるいは、粉砕後に成形して圧粉コアとして利用するしかなく、Fe-Si-B系アモルファス合金と同様に、積層コアとして利用することが難しい。
【0008】
Fe-Si-B系のアモルファス組織やナノ結晶組織を得るためには、SiおよびBを添加する必要があり、ナノ結晶組織とするためには、さらにCu、Nb等の添加元素が必要となるため、結果的にFeの組成比率が低下することに起因して、Bs≧1.7Tを得ることが出来ない。このため、従来においては、積層コア化が容易であり、かつ、Bs≧1.7Tを確保可能な鉄基合金は見出されていない。
【0009】
例えば、非特許文献1には、リン(P)を添加することで急冷凝固速度を低下させ、厚み50μm以上の鉄基非晶質合金薄帯が得られることが開示されている。ところが、リン添加系合金は、リンの添加によってBsの低下を招来するだけでなく、合金溶解時にリン成分が揮発して溶湯急冷装置内外の汚染が著しくなり、更には燃えやすいおそれがあるため、未だ産業分野での応用例は少ない。
【0010】
特許文献1-3には、複数のスリットノズルから回転する冷却ロール上に合金溶湯を出湯する多重スリット法により、打抜き加工が可能な程度の板厚(例えば50μm程度)を有する非晶質合金薄帯を製造する方法が開示されている。ところが、このような技術を用いてもBs≧1.7Tを実現することは困難であり、珪素鋼板に代わるEV駆動用BLDCモータ向け積層コア向けの軟磁性材料としての適用は困難である。
(【0011】以降は省略されています)
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