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公開番号
2025014996
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-30
出願番号
2023118028
出願日
2023-07-20
発明の名称
低濃度リチウム塩水溶液からリチウムを回収する方法
出願人
株式会社アサカ理研
代理人
デロイトトーマツ弁理士法人
主分類
C22B
26/12 20060101AFI20250123BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約
【課題】リチウム濃度が低いリチウム塩水溶液から短時間で、高純度の水酸化リチウム又はリチウム塩を高収率で製造できる方法を提供する。
【解決手段】低濃度リチウム塩水溶液からリチウムを回収する方法が、この低濃度リチウム塩水溶液中のリチウムをリチウム吸着剤に吸着させ、リチウムを吸着したこのリチウム吸着剤中のリチウムを鉱酸で溶離し、この低濃度リチウム塩水溶液から第1のリチウム塩水溶液を得るリチウム抽出工程、この第1のリチウム塩水溶液を精製して第3のリチウム塩水溶液を得る精製工程、この第3のリチウム塩水溶液を蒸発濃縮して第4のリチウム塩水溶液を得る蒸発濃縮工程、及び、この第4のリチウム塩水溶液を膜電解して水酸化リチウム水溶液と、鉱酸と、この第4のリチウム塩水溶液よりも希薄な第5のリチウム塩水溶液を得る膜電解工程を含む。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
低濃度リチウム塩水溶液からリチウムを回収する方法であって、
当該低濃度リチウム塩水溶液中のリチウムをリチウム吸着剤に吸着させ、リチウムを吸着した該リチウム吸着剤中のリチウムを鉱酸で溶離し、当該低濃度リチウム塩水溶液から第1のリチウム塩水溶液を得る工程、
当該第1のリチウム塩水溶液を精製して第3のリチウム塩水溶液を得る精製工程、
当該第3のリチウム塩水溶液を蒸発濃縮して第4のリチウム塩水溶液を得る蒸発濃縮工程、及び、
当該第4のリチウム塩水溶液を膜電解して水酸化リチウム水溶液と、鉱酸と、当該第4のリチウム塩水溶液よりも希薄な第5のリチウム塩水溶液を得る膜電解工程を含む、低濃度リチウム塩水溶液からリチウムを回収する方法。
続きを表示(約 1,400 文字)
【請求項2】
請求項1に記載された低濃度リチウム塩水溶液からリチウムを回収する方法であって、
沈殿が発生しない量のアルカリを前記低濃度リチウム塩水溶液に添加する前処理工程を更に含む、低濃度リチウム塩水溶液からリチウムを回収する方法。
【請求項3】
請求項1に記載された低濃度リチウム塩水溶液からリチウムを回収する方法であって、
前記リチウム吸着剤中のリチウムの溶離は、前記膜電解工程で得られた前記鉱酸を含む鉱酸を前記リチウム吸着剤と接触させて実施される、低濃度リチウム塩水溶液からリチウムを回収する方法。
【請求項4】
請求項1に記載された低濃度リチウム塩水溶液からリチウムを回収する方法であって、前記精製工程が、水酸化リチウム水溶液及び炭酸リチウム水溶液を前記第1のリチウム塩水溶液に添加し、前記第1のリチウム塩水溶液中のカルシウム、マグネシウム、及びマンガンを除去し、第2のリチウム塩水溶液を得る第1の精製工程を含む、低濃度リチウム塩水溶液からリチウムを回収する方法。
【請求項5】
請求項4に記載された低濃度リチウム塩水溶液からリチウムを回収する方法であって、前記精製工程が、前記第2のリチウム塩水溶液とキレート剤を接触させ、前記第2のリチウム塩水溶液中のカルシウム、マグネシウム、及びマンガンを除去し、前記第3のリチウム塩水溶液を得る第2の精製工程を更に含む、低濃度リチウム塩水溶液からリチウムを回収する方法。
【請求項6】
請求項1に記載された低濃度リチウム塩水溶液からリチウムを回収する方法であって、前記膜電解工程で得られる前記第5のリチウム塩水溶液中の、膜電解で生成する残留塩素及び塩素酸を鉱酸で処理し、第6のリチウム塩水溶液を得る第3の精製工程を含み、当該第6のリチウム塩水溶液を前記蒸発濃縮工程で前記第3のリチウム塩水溶液と共に蒸発濃縮する、低濃度リチウム塩水溶液からリチウムを回収する方法。
【請求項7】
請求項1に記載された低濃度リチウム塩水溶液からリチウムを回収する方法であって、前記膜電解工程で得られる前記水酸化リチウム水溶液を、晶析、及び炭酸化からなる群から選ばれる少なくとも1つに付す製品化工程を更に含む、低濃度リチウム塩水溶液からリチウムを回収する方法。
【請求項8】
請求項7に記載された低濃度リチウム塩水溶液からリチウムを回収する方法であって、前記炭酸化で使用する炭酸ガスが、大気から二酸化炭素を吸収して生成された炭酸ガスを含む、低濃度リチウム塩水溶液からリチウムを回収する方法。
【請求項9】
請求項6に記載された低濃度リチウム塩水溶液からリチウムを回収する方法において、前記鉱酸は前記膜電解工程で得た鉱酸を含む、低濃度リチウム塩水溶液からリチウムを回収する方法
【請求項10】
請求項4に記載された低濃度リチウム塩水溶液からリチウムを回収する方法において、前記水酸化リチウム水溶液は前記膜電解工程で得られた水酸化リチウム水溶液を含み、前記炭酸リチウム水溶液は、前記膜電解工程で得られた水酸化リチウム水溶液を炭酸化した炭酸リチウム水溶液を含む、低濃度リチウム塩水溶液からリチウムを回収する方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、低濃度リチウム塩水溶液からリチウムを回収する方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、リチウムはリチウムイオン二次電池等のリチウムイオン電池の原料として注目されており、その供給源としては、廃リチウム電池からリサイクルされるものの他、鉱物、かん水、海水等が知られている。前記かん水は天然の塩湖から得られ、通常、塩化リチウムの形態でリチウムを含有している。前記塩水中に含有されるリチウムの濃度は1g/L程度の低濃度リチウム塩水溶液である。
【0003】
そこで、天然の塩湖から得られる前記かん水を露地の蒸発池に供給し、1年以上かけて自然蒸発させて濃縮し、Mg、Ca、B等の不純物を除去した後、炭酸源と反応させ炭酸リチウムとして回収することが行われている。しかし、前記かん水を自然蒸発により濃縮する方法は、前記かん水の濃縮に長時間を要する上、天候等の自然条件の影響を受けやすく、更には濃縮過程でリチウムが他の不純物と塩を形成して失われる、硫酸塩が前記かん水に溶解している場合、硫酸リチウムは水に対する溶解度が小さく、当該かん水中のリチウムは硫酸リチウムとして析出してしまうので、当該かん水からリチウムを回収しきれないという問題がある。また、かん水からリチウムを回収するには、大量の水が必要で、水の乏しい地域では、水の枯渇や汚染などの環境汚染を引き起こすという問題がある。
【0004】
一方、かん水からリチウムを選択的に吸着し、分離することにより得られた液体等の第1塩化リチウム含有液に水酸化ナトリウムを添加し、中和後液を得る中和工程、前記中和後液とイオン交換樹脂とを接触させて、第2塩化リチウム含有液を得るイオン交換工程、及び、前記第2塩化リチウム含有液を電気透析に供して水酸化リチウム含有液を得る転換工程を包含する水酸化リチウムの製造方法が、特許文献1に開示されている。
【0005】
前記電気透析とは、バイポーラ膜電気透析である。バイポーラ膜電気透析では、精製した塩化リチウム水溶液から、直接塩酸と水酸化リチウムが生成される。しかし、生成する塩酸及び水酸化リチウムそれぞれの濃度は数%であるので、バイポーラ膜電気透析で生成した塩酸をリチウム溶離液として使用する場合、当該リチウム溶離液のリチウム濃度が十分に大きくならない。さらにバイポーラ膜電気透析で生成する水酸化リチウム水溶液の濃度も低いため、水酸化リチウムの晶析工程で大量の水を蒸発させる必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特許第7156322号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に開示されている水酸化リチウムの製造方法の前記転換工程で電気透析に付される前記第2塩化リチウム含有液には、前記中和工程及びイオン交換工程で水酸化ナトリウムが使用され、前記第2塩化リチウム含有液はナトリウムを含有するので、前記第2塩化リチウム含有液を電気透析して得られる水酸化リチウム中には水酸化ナトリウムが混入するという問題と、ナトリウムが移動するための無駄な電力を使用するという問題があった。
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、リチウム濃度が低いリチウム塩水溶液から短時間で、高純度、高収率及び低コストで、かつ、環境汚染を引き起こさないリチウム塩の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは上記課題に鑑み検討を重ね、低濃度リチウム塩水溶液中のリチウムをリチウム吸着剤に吸着させ、リチウムを吸着した該リチウム吸着剤中のリチウムを鉱酸で溶離し、当該低濃度リチウム塩水溶液から第1のリチウム塩水溶液を得る工程、当該第1のリチウム塩水溶液を精製工程、蒸発濃縮工程、及び膜電解工程の順に付し、リチウム濃度が低いリチウム塩水溶液から短時間で、高純度、高収率及び低コストで、かつ、環境汚染を引き起こさないリチウム塩を製造できることを見出した。本発明はこれらの知見に基づき完成されるに至ったものである。
【0010】
本発明は、低濃度リチウム塩水溶液中のリチウムをリチウム吸着剤に吸着させ、リチウムを吸着した該リチウム吸着剤中のリチウムを鉱酸で溶離し、当該低濃度リチウム塩水溶液から第1のリチウム塩水溶液を得る工程、当該第1のリチウム塩水溶液を精製して第3のリチウム塩水溶液を得る精製工程、当該第3のリチウム塩水溶液を蒸発濃縮して第4のリチウム塩水溶液を得る蒸発濃縮工程、及び、当該第4のリチウム塩水溶液を膜電解して水酸化リチウム水溶液と、鉱酸と、当該第4のリチウム塩水溶液よりも希薄な第5のリチウム塩水溶液を得る膜電解工程を含む、低濃度リチウム塩水溶液からリチウムを回収する方法に関する。
(【0011】以降は省略されています)
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