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公開番号2024137531
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-07
出願番号2023049080
出願日2023-03-24
発明の名称
出願人JFEスチール株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C22C 38/00 20060101AFI20240927BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】低コストであり、窒化後において曲げ疲労特性に優れた鋼を提供する。
【解決手段】鋼は、成分組成として、C:0.04質量%以上0.35質量%以下、Si:0.01質量%以上1.20質量%以下、Mn:0.30質量%以上1.80質量%以下、P:0.1質量%以下、S:0.5質量%以下、Al:0.010質量%以上0.300質量%以下及びN:0.0250質量%以下、を含み、残部として、Fe及び不純物を含み、逆極点図強度分布における強度の最大値が1.5以上である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
成分組成として、
C:0.04質量%以上0.35質量%以下、
Si:0.01質量%以上1.20質量%以下、
Mn:0.30質量%以上1.80質量%以下、
P:0.1質量%以下、
S:0.5質量%以下、
Al:0.010質量%以上0.300質量%以下及び
N:0.0250質量%以下、を含み、
残部として、Fe及び不純物を含み、
逆極点図強度分布における強度の最大値が1.5以上である鋼。
続きを表示(約 780 文字)【請求項2】
前記成分組成として、
Cr:2.0質量%以下、
Mo:1.0質量%以下、
Cu:1.0質量%以下、
Ni:1.0質量%以下及び
B:0.01質量%以下、
のうちから選ばれる一つ以上を更に含む請求項1に記載の鋼。
【請求項3】
前記成分組成として、
Ti:0.1質量%以下、
Nb:0.1質量%以下、
V:0.2質量%以下、
Hf:0.1質量%以下及び
Ta:0.1質量%以下、
のうちから選ばれる一つ以上を更に含む請求項1に記載の鋼。
【請求項4】
前記成分組成として、
Ti:0.1質量%以下、
Nb:0.1質量%以下、
V:0.2質量%以下、
Hf:0.1質量%以下及び
Ta:0.1質量%以下、
のうちから選ばれる一つ以上を更に含む請求項2に記載の鋼。
【請求項5】
前記成分組成として、
Sn:0.1質量%以下及び
Sb:0.1質量%以下、
のうちから選ばれる一つ以上を更に含む請求項1~4に記載の鋼。
【請求項6】
前記成分組成として、
Se:0.3質量%以下、
Ca:0.1質量%以下、
Pb:0.3質量%以下及び
Bi:0.3質量%以下、
のうちから選ばれる一つ以上を更に含む請求項1~4に記載の鋼。
【請求項7】
前記成分組成として、
Se:0.3質量%以下、
Ca:0.1質量%以下、
Pb:0.3質量%以下及び
Bi:0.3質量%以下、
のうちから選ばれる一つ以上を更に含む請求項5に記載の鋼。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、鋼に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
二酸化炭素排出量削減などの環境問題への対応のための、種々の工業製品の部品の軽量化が要請されている。窒化は浸炭焼入れ等と比較して熱処理ひずみが小さい利点を有しつつ鋼部品の疲労特性を向上させる熱処理である。窒化は、車両の歯車をはじめとし様々な鋼製の部品に適用されている。疲労特性の向上は、鋼製の部品の小型化を可能とし、これにより、車両などの工業製品の軽量化を実現する。そのため、鋼製の部品において、疲労特性の向上が望まれる。
【0003】
特許文献1には、軟窒化用構造用鋼が開示されている。この軟窒化用構造用鋼は、重量比で、C:0.20~0.50%、Si:0.03~0.50%、Mn:0.30~3.00%、Cr:0.10~1.00%、Mo:0.03~1.00%、Al:0.01~0.10%、V:0.03~0.50%、S:0.015~0.070%、Pb:0~0.040%、O:15ppm以下を含有し、残部がFeおよび不可避の不純物より成る。この軟窒化用構造用鋼では、S、Pb及び酸素の含有量と目標素材硬さや目標芯部硬さとに所定の関係が規定されている。この軟窒化用構造用鋼は、圧延まま、鍛造まま、焼きならし等の状態で機械加工を施した後、軟窒化処理とショットピーニングを施して使用するための疲労強度と被削性に優れているとされている。
【0004】
特許文献2には、曲げ疲労強度に優れた軟窒化用鋼が記載されている。この軟窒化用鋼は、合金元素が質量%で、C:0.01%~0.15%、Si:0.01%~1.5%、Mn:0.15%~2%、Cu:0.5%~2%を含有し、N:0.005%未満に制限し、Ti:0.01%~0.5%、Nb:0.005%~0.5%、V:0.05%~0.5%の中から1種以上含有し、且つC+N≦Ti/4.0+Nb/7.7+V/4.3であり、更に必要に応じて、Ni:0.5%~2%以下、Cr:0.1%~2%、Al:0.05%~0.5%以下、S:0.03%~0.1%、Pb:0.005%~0.3%の中から1種以上を含有させることができ、残部がFe及び不可避的不純物からなる。そして、フェライトの面積率が90%以上で、残りが炭化物及びパーライト組織からなる。パーライトの平均サイズは20μm以下である。この軟窒化用鋼では、Cuは軟窒化時における芯部硬さの時効硬化に寄与する元素であり、高い疲労強度を得るために必須であるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開平09-227992号公報
特開2002-069572号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
例えば特許文献2に開示された軟窒化用鋼のようにCuの多量添加が必須であると、鋼の製造コストを上昇させるだけでなく、鋼の高温脆化を招き、連続鋳造後の割れ増大による歩留まり低下及び手入れによる追加コストの上昇を招く場合がある。特許文献1に開示された軟窒化用鋼のようにVのようなレアメタルの添加を必須とすると、鋼の製造コストの上昇を招くとともに環境負荷を増大させる場合がある。そのため、低コストで曲げ疲労特性に優れた窒化部品及びこれを実現する鋼の提供が望まれる。
【0007】
本発明は、かかる実状に鑑みて為されたものであって、その目的は、低コストであり、窒化後において曲げ疲労特性に優れた鋼を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための、本発明に係る鋼は以下のとおりである。
【0009】
[1] 成分組成として、
C:0.04質量%以上0.35質量%以下、
Si:0.01質量%以上1.20質量%以下、
Mn:0.30質量%以上1.80質量%以下、
P:0.1質量%以下、
S:0.5質量%以下、
Al:0.010質量%以上0.300質量%以下及び
N:0.0250質量%以下、を含み、
残部として、Fe及び不純物を含み、
逆極点図強度分布における強度の最大値が1.5以上である鋼。
【0010】
[2] 前記成分組成として、
Cr:2.0質量%以下、
Mo:1.0質量%以下、
Cu:1.0質量%以下、
Ni:1.0質量%以下及び
B:0.01質量%以下、
のうちから選ばれる一つ以上を更に含む上記[1]に記載の鋼。
(【0011】以降は省略されています)

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