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公開番号
2025014954
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-30
出願番号
2023117950
出願日
2023-07-20
発明の名称
フェライト系ステンレス熱延焼鈍鋼板およびその製造方法
出願人
JFEスチール株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
C22C
38/00 20060101AFI20250123BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約
【課題】厚肉のフランジへの適用に好適なフェライト系ステンレス熱延焼鈍鋼板およびその製造方法を提供する。
【解決手段】質量%で、C:0.020%以下、Si:0.01~1.00%、Mn:0.01~1.00%、P:0.040%以下、S:0.010%以下、Al:0.001~0.100%、Cr:16.0~19.0%、Ni:0.01~0.60%、Ti:0.10~0.40%、およびN:0.020%以下を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる成分組成を有するとともに、固溶P量が0.010%以下であり、Cr濃化相の析出密度が1.0×10
5
個/μm
3
以下であり、所定の式(1)で規定されるK値が-20未満であり、板厚が6.0~10.0mmである、フェライト系ステンレス熱延焼鈍鋼板。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
質量%で、
C:0.020%以下、
Si:0.01~1.00%、
Mn:0.01~1.00%、
P:0.040%以下、
S:0.010%以下、
Al:0.001~0.100%、
Cr:16.0~19.0%、
Ni:0.01~0.60%、
Ti:0.10~0.40%、および
N:0.020%以下を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる成分組成を有するとともに、固溶P量が0.010%以下であり、
Cr濃化相の析出密度が1.0×10
5
個/μm
3
以下であり、
下記式(1)で規定されるK値が-20未満であり、
板厚が6.0~10.0mmである、フェライト系ステンレス熱延焼鈍鋼板。
K=vTrs-50ln(B) ・・・(1)
ここで、式(1)におけるvTrsは、シャルピー衝撃試験によって得られる破面遷移温度(℃)であり、Bは、板厚(mm)である。
続きを表示(約 470 文字)
【請求項2】
前記成分組成が、さらに、質量%で、以下のA群、B群のうちから選ばれる1群以上を含有する、請求項1に記載のフェライト系ステンレス熱延焼鈍鋼板。
A群:Cu:1.00%以下、Mo:2.00%以下、W:0.20%以下、Co:0.20%以下のうちから選ばれる1種または2種以上
B群:Nb:0.10%以下、V:0.10%以下、REM:0.100%以下、Mg:0.0030%以下、Ca:0.0030%以下のうちから選ばれる1種または2種以上
【請求項3】
請求項1または2に記載のフェライト系ステンレス熱延焼鈍鋼板の製造方法であって、
前記成分組成を有する熱延鋼板に対して、
第一の焼鈍として、焼鈍温度:700~880℃、焼鈍時間:3.0時間以上の条件で焼鈍を行い、さらに、
第二の焼鈍として、焼鈍温度:750~880℃、焼鈍時間:5s以上、700℃から400℃までの温度域の平均冷却速度:300℃/min以上の条件で焼鈍を行う、フェライト系ステンレス熱延焼鈍鋼板の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、フェライト系ステンレス熱延焼鈍鋼板およびその製造方法に関し、特に、フランジ等への適用に好適な加工性に優れたフェライト系ステンレス熱延焼鈍鋼板およびその製造方法に関するものである。
続きを表示(約 2,300 文字)
【背景技術】
【0002】
排気系部品に適用されるフランジは、十分な耐食性と剛性を有する必要がある。このことから、このような排気系部品には厚肉(例えば板厚で5mm以上)のフェライト系ステンレス鋼板製のフランジが適用されている。しかし、フェライト系ステンレス鋼の厚板は靭性が低く、低温環境でのフランジ成型時には割れが生じ、生産性を妨げる問題があった。
【0003】
このような課題に対し、例えば、特許文献1では、Ti含有フェライト系ステンレス鋼を熱延後、650~800℃で巻取り、800~1100℃で焼鈍することで、板面の硬さが170HV以下のTi含有フェライト系ステンレス鋼板を製造する手法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2017-206723号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、本発明者らが特許文献1に記載される工程で作製される様々な板厚のフェライト系ステンレス鋼板を用いて、フランジ成型を試みたところ、該鋼板が十分に低いビッカース硬さを有していたにも関わらず、フランジ成型時に割れが発生する場合があり、必ずしも問題の解決に対して有効ではないことがわかった。即ち、従来技術によるフェライト系ステンレス鋼板は、厚肉のフランジに適用するのに十分に有効ではなく、更なる改善が必要とされるものであった。
【0006】
本発明は、厚肉のフランジへの適用に好適なフェライト系ステンレス熱延焼鈍鋼板およびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、フランジ成型によって割れが生じる条件を子細に検討した結果、その評価にはVノッチ加工された試験片を用いたシャルピー衝撃試験が適用できることを見出した。加えて、ある温度においてフランジ成型を行う場合に、その温度におけるシャルピー衝撃値が同等であるが板厚が異なる鋼板では、板厚が薄い鋼板でフランジ成型時の割れが増加することを見出した。
【0008】
シャルピー衝撃試験で得られる靭性は、板厚に対して負の依存性を示すため、同じ組織であっても板厚が薄い鋼板では見かけの靭性が高く出るために、フランジ成型時の割れを適切に評価できない。本発明者らは、靭性の板厚依存性の程度は、式(1)で示される板厚で補正した破面遷移温度(K値)を用いることでよく整理されることを知見した。そして、K値が-20未満で顕著にフランジ成型時の割れが抑制されること、K値を低下させるためには、強い固溶強化元素であるPの固溶量(固溶P量)を0.010%以下とすること、焼鈍後の冷却中に析出するCr濃化相の析出密度を1.0×10
5
個/μm
3
以下とすることが有効であることを知見した。
【0009】
K=vTrs-50ln(B) ・・・(1)
ここで、式(1)におけるvTrsは、シャルピー衝撃試験によって得られる破面遷移温度(℃)であり、Bは、板厚(mm)である。
【0010】
本発明は、以上の知見に基づいてなされたものであり、以下を要旨とするものである。
[1]質量%で、
C:0.020%以下、
Si:0.01~1.00%、
Mn:0.01~1.00%、
P:0.040%以下、
S:0.010%以下、
Al:0.001~0.100%、
Cr:16.0~19.0%、
Ni:0.01~0.60%、
Ti:0.10~0.40%、および
N:0.020%以下を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる成分組成を有するとともに、固溶P量が0.010%以下であり、
Cr濃化相の析出密度が1.0×10
5
個/μm
3
以下であり、
下記式(1)で規定されるK値が-20未満であり、
板厚が6.0~10.0mmである、フェライト系ステンレス熱延焼鈍鋼板。
K=vTrs-50ln(B) ・・・(1)
ここで、式(1)におけるvTrsは、シャルピー衝撃試験によって得られる破面遷移温度(℃)であり、Bは、板厚(mm)である。
[2]前記成分組成が、さらに、質量%で、以下のA群、B群のうちから選ばれる1群以上を含有する、[1]に記載のフェライト系ステンレス熱延焼鈍鋼板。
A群:Cu:1.00%以下、Mo:2.00%以下、W:0.20%以下、Co:0.20%以下のうちから選ばれる1種または2種以上
B群:Nb:0.10%以下、V:0.10%以下、REM:0.100%以下、Mg:0.0030%以下、Ca:0.0030%以下のうちから選ばれる1種または2種以上
[3]前記[1]または[2]に記載のフェライト系ステンレス熱延焼鈍鋼板の製造方法であって、
前記成分組成を有する熱延鋼板に対して、
第一の焼鈍として、焼鈍温度:700~880℃、焼鈍時間:3.0時間以上の条件で焼鈍を行い、さらに、
第二の焼鈍として、焼鈍温度:750~880℃、焼鈍時間:5s以上、700℃から400℃までの温度域の平均冷却速度:300℃/min以上の条件で焼鈍を行う、フェライト系ステンレス熱延焼鈍鋼板の製造方法。
(【0011】以降は省略されています)
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