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公開番号2025014816
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-30
出願番号2023117679
出願日2023-07-19
発明の名称揚液システム及び揚液機構
出願人千代田化工建設株式会社
代理人SK弁理士法人,個人,個人
主分類F17C 9/00 20060101AFI20250123BHJP(ガスまたは液体の貯蔵または分配)
要約【課題】タンクの開放に必要な時間を低減可能な揚液システムを提供する。
【解決手段】本発明によれば、液体を収容するタンクと、前記液体を揚液して前記タンクから排出可能に構成された第1及び第2揚液機構を有する、揚液システムであって、第1揚液機構は、回転体の回転に伴って前記液体を押し上げることによって前記液体を揚液して前記タンクから排出可能に構成され、第2揚液機構は、吸込口と、揚液部と、排出口を備え、前記揚液部内の圧力変化に伴って前記吸込口を通じて前記液体を吸い上げることによって前記液体を揚液して前記タンクから排出可能に構成される、揚液システムが提供される。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
液体を収容するタンクと、前記液体を揚液して前記タンクから排出可能に構成された第1及び第2揚液機構を有する、揚液システムであって、
第1揚液機構は、回転体の回転に伴って前記液体を押し上げることによって前記液体を揚液して前記タンクから排出可能に構成され、
第2揚液機構は、吸込口と、揚液部と、排出口を備え、前記揚液部内の圧力変化に伴って前記吸込口を通じて前記液体を吸い上げることによって前記液体を揚液して前記タンクから排出可能に構成される、揚液システム。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
請求項1に記載の揚液システムであって、
前記揚液部は、第1及び第2揚液管と、接続部と、第1及び第2逆止弁と、圧力調整機構を備え、
第1及び第2揚液管は、前記接続部を介して接続されており、
第1及び第2逆止弁は、それぞれ、第1及び第2揚液管に貯留された前記液体の逆流を防ぐように構成され、
第1揚液管は、前記吸込口から吸い込んだ液体を貯留可能に構成され、
第2揚液管は、前記接続部を通じて吸い込んだ前記液体を貯留可能に構成され、
前記圧力調整機構は、第1及び第2揚液管のそれぞれに加わる圧力を独立して調整可能に構成されている、揚液システム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の揚液システムを用いた、タンクの開放方法であって、
揚液工程を備え、
前記揚液工程では、第1及び第2揚液機構を用いて前記液体を揚液して前記タンクから排出する、方法。
【請求項4】
請求項2を引用する請求項3に記載の方法であって、
第2揚液機構を用いた揚液は、第1工程と、第2工程を備え、
第1工程では、前記圧力調整機構は、第1揚液管内の圧力を低減することによって前記吸込口を通じて前記液体を吸い込んで第1揚液管内に貯留し、
第2工程では、前記圧力調整機構は、第1揚液管内の圧力を第2揚液管内の圧力よりも高くすることによって、第1揚液管内に貯留されている前記液体の少なくとも一部を第2揚液管に移動させる、方法。
【請求項5】
請求項3に記載の方法であって、
前記揚液工程の後に気化工程を備え、
前記気化工程では、前記液体が気化して生成された気化ガスを圧縮して得られた圧縮ガスを前記タンクに戻すことによって、前記タンク内に残留する前記液体の気化を促進する、方法。
【請求項6】
吸込口と、揚液部と、排出口を備え、前記揚液部内の圧力変化に伴って前記吸込口を通じて前記液体を吸い上げることによって前記液体を揚液して前記排出口から排出可能に構成される、揚液機構であって、
前記揚液部は、第1及び第2揚液管と、接続部と、第1及び第2逆止弁と、圧力調整機構を備え、
第1及び第2揚液管は、前記接続部を介して接続されており、
第1及び第2逆止弁は、それぞれ、第1及び第2揚液管に貯留された前記液体の逆流を防ぐように構成され、
第1揚液管は、前記吸込口から吸い込んだ液体を貯留可能に構成され、
第2揚液管は、前記接続部を通じて吸い込んだ前記液体を貯留可能に構成され、
前記圧力調整機構は、第1及び第2揚液管のそれぞれに加わる第1及び第2圧力を独立して調整可能に構成されている、揚液機構。
【請求項7】
請求項6に記載の揚液機構を用いた揚液方法であって、
第1工程と、第2工程を備え、
第1工程では、前記圧力調整機構は、第1揚液管内の圧力を低減することによって前記吸込口を通じて前記液体を吸い込んで第1揚液管内に貯留し、
第2工程では、前記圧力調整機構は、第1揚液管内の圧力を第2揚液管内の圧力よりも高くすることによって、第1揚液管内に貯留されている前記液体の少なくとも一部を第2揚液管に移動させる、方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、タンク内に収容された液体を揚液してタンクから排出可能に構成された揚液システムと、液体を揚液可能な揚液機構に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
特許文献1には、低温液体を貯蔵する低温タンクの開放方法が開示されている。特許文献1では、低温タンクの開放は、まず、低温液体を低温タンクから排出し、低温タンク内に作業員等が入れる環境にするため、低温タンク内を昇温し、その後、低温タンク内に残存する気化ガス(例えば、メタンガス)を排出(排気)するといった手順を踏むことにより行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2020-133828号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、低温液体の排出は、低温タンクの側面を通じて行っているが、低温タンクの側面をプレストレストコンクリートで構成された防液堤で覆ったPCタンクでは、タンクの側面に開口を設けることができない。このため、PCタンクでは、通常、タンク内に配設された加圧式揚液装置を用いて、低温液体を加圧して、タンクの上側から低温液体を排出するように構成される。
【0005】
ところで、加圧式揚液装置は、通常、回転体を回転させることによって液体を加圧して揚液可能に構成されている。このような装置では、キャビテーションの発生を防ぐ等の理由によって、液体の吸込口の深さが例えば1m以上であることが動作条件として規定されている。このため、加圧式揚液装置を用いてタンクから液体を排出しても、深さ1m程度の液体がタンクに残留することになる。
【0006】
タンク内に残留した液体は大量であり、この液体を気化させて除去するには、多大な時間を要し、それだけ、タンクを開放するのに必要な時間が長くなってしまう。
【0007】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、タンクの開放に必要な時間を低減可能な揚液システムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、以下の発明が提供される。
[1]液体を収容するタンクと、前記液体を揚液して前記タンクから排出可能に構成された第1及び第2揚液機構を有する、揚液システムであって、第1揚液機構は、回転体の回転に伴って前記液体を押し上げることによって前記液体を揚液して前記タンクから排出可能に構成され、第2揚液機構は、吸込口と、揚液部と、排出口を備え、前記揚液部内の圧力変化に伴って前記吸込口を通じて前記液体を吸い上げることによって前記液体を揚液して前記タンクから排出可能に構成される、揚液システム。
[2][1]に記載の揚液システムであって、前記揚液部は、第1及び第2揚液管と、接続部と、第1及び第2逆止弁と、圧力調整機構を備え、第1及び第2揚液管は、前記接続部を介して接続されており、第1及び第2逆止弁は、それぞれ、第1及び第2揚液管に貯留された前記液体の逆流を防ぐように構成され、第1揚液管は、前記吸込口から吸い込んだ液体を貯留可能に構成され、第2揚液管は、前記接続部を通じて吸い込んだ前記液体を貯留可能に構成され、前記圧力調整機構は、第1及び第2揚液管のそれぞれに加わる圧力を独立して調整可能に構成されている、揚液システム。
[3][1]又は[2]に記載の揚液システムを用いた、タンクの開放方法であって、揚液工程を備え、前記揚液工程では、第1及び第2揚液機構を用いて前記液体を揚液して前記タンクから排出する、方法。
[4][2]を引用する[3]に記載の方法であって、第2揚液機構を用いた揚液は、第1工程と、第2工程を備え、第1工程では、前記圧力調整機構は、第1揚液管内の圧力を低減することによって前記吸込口を通じて前記液体を吸い込んで第1揚液管内に貯留し、第2工程では、前記圧力調整機構は、第1揚液管内の圧力を第2揚液管内の圧力よりも高くすることによって、第1揚液管内に貯留されている前記液体の少なくとも一部を第2揚液管に移動させる、方法。
[5][3]又は[4]に記載の方法であって、前記揚液工程の後に気化工程を備え、前記気化工程では、前記液体が気化して生成された気化ガスを圧縮して得られた圧縮ガスを前記タンクに戻すことによって、前記タンク内に残留する前記液体の気化を促進する、方法。
[6]吸込口と、揚液部と、排出口を備え、前記揚液部内の圧力変化に伴って前記吸込口を通じて前記液体を吸い上げることによって前記液体を揚液して前記排出口から排出可能に構成される、揚液機構であって、前記揚液部は、第1及び第2揚液管と、接続部と、第1及び第2逆止弁と、圧力調整機構を備え、第1及び第2揚液管は、前記接続部を介して接続されており、第1及び第2逆止弁は、それぞれ、第1及び第2揚液管に貯留された前記液体の逆流を防ぐように構成され、第1揚液管は、前記吸込口から吸い込んだ液体を貯留可能に構成され、第2揚液管は、前記接続部を通じて吸い込んだ前記液体を貯留可能に構成され、前記圧力調整機構は、第1及び第2揚液管のそれぞれに加わる第1及び第2圧力を独立して調整可能に構成されている、揚液機構。
[7][6]に記載の揚液機構を用いた揚液方法であって、第1工程と、第2工程を備え、第1工程では、前記圧力調整機構は、第1揚液管内の圧力を低減することによって前記吸込口を通じて前記液体を吸い込んで第1揚液管内に貯留し、第2工程では、前記圧力調整機構は、第1揚液管内の圧力を第2揚液管内の圧力よりも高くすることによって、第1揚液管内に貯留されている前記液体の少なくとも一部を第2揚液管に移動させる、方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明の揚液システムは、回転体の回転に伴って液体を揚液可能に構成された第1揚液機構に加えて、揚液部内の圧力変化に伴って吸込口を通じて液体を吸い上げることによって液体を揚液可能に構成された第2揚液機構を備える。第2揚液機構は、回転体の回転に伴う揚液機構ではないので、第1揚液機構に比べて、液体の吸込口の深さが浅い場合でも安定に動作可能である。このため、本発明によれば、タンク内に残留する液体の量を低減することができ、タンクの開放に必要な時間を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の第1実施形態の揚液システム1の構成を示す図である。
図1中の第2揚液機構20において、第1揚液管21aへの揚液を行った後の状態を示す。
図2の状態から、第2揚液管21bへの揚液を行った後の状態を示す。
図3の状態から、第3揚液管21cへの揚液を行った後の状態を示す。
第2揚液機構20の揚液管の数が2つである変形例を示す。
本発明の第2実施形態の揚液システム1の構成を示す図である。
図6中の第2揚液機構20で液体Lの揚液を行っている状態を示す。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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