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公開番号
2025013892
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-28
出願番号
2024184200,2021532420
出願日
2024-10-18,2019-12-05
発明の名称
サイトカイニンに応答する植物のNIN遺伝子の遺伝子改変方法
出願人
ヴァーヘニンゲン ユニバーシテイト
代理人
弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
主分類
A01H
5/00 20180101AFI20250121BHJP(農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業)
要約
【課題】適切なシグナル伝達時に根の根粒形成を誘導することができる遺伝子改変植物を提供する。
【解決手段】NODULE INCEPTION(NIN)およびNIN-LIKE PROTEIN(NLP)を含む遺伝子改変植物であって、当該遺伝子改変植物は、NINまたはNLPタンパク質が、適切なシグナル伝達時に根の根粒形成を誘導することができるように、サイトカイニンに応答するように遺伝子改変された植物を提供する。
【選択図】図4A
特許請求の範囲
【請求項1】
植物またはその一部が、1個以上の遺伝子改変を有さない野生型(WT)植物と比較して、サイトカイニンシグナル伝達に応答してNODULE INCEPTION(NIN)タンパク質またはNIN様タンパク質(NLPタンパク質)の活性を増加させる、1個以上の遺伝子改変を含み、
前記植物または前記その一部が、前記NINタンパク質または前記NLPタンパク質をコードする核酸を含む、遺伝子改変植物。
発明の詳細な説明
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔関連出願の相互参照〕
本出願は、2018年12月6日に出願された米国仮出願第62/776,325号の利益を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
続きを表示(約 7,200 文字)
【0002】
〔ASCIIテキストファイルとしての配列表の発行〕
ASCIIテキストファイルに関する以下の提出の内容は、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる:
配列表のコンピュータ可読形式(CRF)(ファイル名:794542000540SEQLIST.TXT、記録日:2019年11月25日、サイズ:3,802KB)。
【0003】
〔技術分野〕
本開示は、遺伝子改変植物に関する。特に、本開示は、NODULE INCEPTION(NIN)およびNIN-LIKE PROTEIN(NLP)遺伝子を有する植物に関するものであり、当該遺伝子改変植物は、NINまたはNLPタンパク質が、適切なシグナル伝達時に根の根粒形成を誘導することができるように、サイトカイニンに応答するように遺伝子改変されている。
【0004】
〔背景〕
マメ科植物、Parasponia属、およびアクチノリザル植物などの根粒形成植物種は、窒素固定細菌と共生関係を形成するように進化してきた。それらは根粒と呼ばれる特殊な器官を形成して、これらの細菌を収容する。根粒は、細菌に最適な環境を提供し、窒素を固定して、それを植物に提供する。今度は、植物が細菌に炭水化物および他の資源を提供する。根粒形成の最初の段階は、例えば、細菌によって産生されるリポ-キトオリゴ糖(根粒菌の場合にはNod因子としても知られる)の検出による、共生細菌の存在の認識である。このような共生シグナルの認識は、根粒器官形成を誘導し、細菌感染を可能にする。
【0005】
遺伝子スクリーニングにより、根粒器官形成過程に関与する遺伝子が同定されている。これらのうちの主なものは、転写因子NODULE INCEPTION(NIN)であり、これはマメ科植物およびCasuarina glaucaのような複数の植物種にわたる根粒器官形成において重要な役割を有することが示されている(Clavijo et al., New Phytol. 208: 887-903 (2015))。NINの本質的な役割は長い間知られていたが、nin変異体植物を補完する試みは一貫して失敗している。これは、文献中の多くの例によって証明されている。Clavijoらは、2175bpのMedicago truncatula NINプロモーターを使用し、「残念ながら、ProMtNIN:MtNINコンストラクトでさえ、感染のためにM.truncatulaのnin変異体を補完することは不可能であった」(Clavijo et al., New Phytol. 208: 887-903 (2015);pg.898からの引用)と報告した。Lotus japonicusのdaphne変異体の特性評価において、Yoroらは「NINは根粒発生における重要な転写因子であるが、根粒器官形成に必要な機能的NINプロモーター領域は、まだ解明されていない」と述べ、「根粒形成ではなく、IT形成のみが、L.japonicusのnin-9変異体において、L.japonicusベースのコンストラクト、ProNIN(~4kb)::NIN::TerNINの導入によって救済された。」(Yoro et al., Plant Physiol. 165:747-758 (2014);pg.756からの引用)と意見を述べた。最後に、Vernieらは、2.18kbのMtNINプロモーターを使用したM.truncatulaのNINの発現が、M.truncatulaのninヌル変異体を部分的に補完することのみが可能であり、これを形質転換した場合、接種後、非常に少ない数の非機能性の根粒を長時間(50日)産生することを見出した(Vernie et al., The Plant Cell, 27:3410-3424 (2015))。
【0006】
マメ科nin変異体植物を補完できない、このことは、NIN調節の重要なコンポーネントおよび根粒器官形成過程との統合が知られていなかったために、器官形成におけるNIN関与の正確なメカニズムが未だ解明されていないことを意味している。さらに重要なことに、NINは根粒器官形成におけるキープレーヤーであるので、成功した根粒の工学方法はNINを組み込むことを必要とする。過去20年間にわたってnin変異体を補完できなかったことは、根粒の工学戦略を開発する上で大きな障害となってきた。根粒形成をうまく行うためには、nin変異体を補完する能力、およびその能力に付随するNIN調節の知識が必要であろう。NINコード配列と組み合わせることによりnin変異体の完全な補完が可能になる、NIN調節領域を同定する明らかな必要性がある。
【0007】
〔概要〕
これらの必要性を満たすために、本開示は、NINコード配列と作動可能に連結された調節領域へのサイトカイニン応答性エレメントの導入により、マメ科植物のnin変異体を完全に補完する手段を提供する。本開示はさらに、内因性または異種由来であり得るNINまたはNLPコード配列と作動可能に連結された植物にサイトカイニン応答性エレメントを導入する手段を提供する。
【0008】
本開示の一態様は遺伝子改変植物を含み、植物またはその一部が、1個以上の遺伝子改変を有さない野生型(WT)植物と比較して、サイトカイニンシグナル伝達に応答してNODULE INCEPTION(NIN)タンパク質またはNIN様タンパク質(NLPタンパク質)の活性を増加させる、1個以上の遺伝子改変を含み、植物またはその一部は、NINタンパク質またはNLPタンパク質をコードする核酸を含む。本態様のさらなる実施形態は、NINタンパク質またはNLPタンパク質をコードする核酸に作動可能に連結された、1個以上、2個以上、3個以上、4個以上、5個以上、6個以上、7個以上、8個以上、9個以上、10個以上、11個以上、12個以上、13個以上、14個以上、15個以上、16個以上、17個以上、18個以上、19個以上、20個以上、21個以上、22個以上、23個以上、24個以上のサイトカイニン応答エレメントの付加である1個以上の遺伝子改変を含む。本態様のさらに別の実施形態は、B型サイトカイニンシグナル伝達応答レギュレーター(RR)結合部位であるサイトカイニン応答エレメントの少なくとも1つを含む。本態様のさらなる実施形態は、配列番号613または配列番号614の配列を有するB型サイトカイニンシグナル伝達RR結合部位の少なくとも1つを含む。本態様のさらに別の実施形態は、配列番号551、配列番号552、配列番号553、配列番号554、配列番号555、配列番号556、配列番号557、配列番号558、配列番号559、配列番号560、配列番号561、配列番号562、配列番号563、配列番号564、配列番号565、配列番号566、配列番号567、配列番号568、配列番号569、配列番号570、配列番号571、配列番号572、配列番号573、配列番号574、配列番号575、配列番号576、配列番号577、配列番号578、配列番号579、配列番号580、配列番号581、配列番号582、配列番号583、配列番号584、配列番号585、配列番号586、配列番号587、配列番号588、配列番号589、配列番号590、配列番号591、配列番号592、配列番号593、配列番号594、配列番号595、配列番号596、配列番号597、配列番号598、配列番号599、配列番号600、配列番号601、配列番号602、配列番号603、配列番号604、配列番号605、配列番号606、配列番号607、配列番号608、配列番号609、配列番号610、配列番号611、配列番号612、配列番号615、配列番号616、配列番号617、配列番号618、配列番号619、配列番号620、配列番号621、配列番号622、配列番号623、配列番号624、配列番号625または配列番号626の群から選択される配列を有するB型サイトカイニンシグナル伝達RR結合部位の少なくとも1つを含む。
【0009】
前述の実施形態のいずれかと組み合わせることができるさらに別の実施形態において、サイトカイニン応答エレメントが、互いに100ヌクレオチド以内、90ヌクレオチド以内、86ヌクレオチド以内、80ヌクレオチド以内、70ヌクレオチド以内、60ヌクレオチド以内、50ヌクレオチド以内、40ヌクレオチド以内、30ヌクレオチド以内、25ヌクレオチド以内、20ヌクレオチド以内、19ヌクレオチド以内、18ヌクレオチド以内、17ヌクレオチド以内、16ヌクレオチド以内、15ヌクレオチド以内、14ヌクレオチド以内、13ヌクレオチド以内、12ヌクレオチド以内、11ヌクレオチド以内、10ヌクレオチド以内、9ヌクレオチド以内、8ヌクレオチド以内、7ヌクレオチド以内、または6ヌクレオチド以内である。本態様のさらなる実施形態において、サイトカイニン応答エレメントは、互いに11ヌクレオチド以内である。前述の実施形態のいずれかと組み合わせることができるさらに別の実施形態において、NINタンパク質またはNLPタンパク質をコードする核酸は、サイトカイニン応答エレメントに作動可能に連結されたプロモーターに作動可能に連結されている。本態様のさらなる実施形態において、プロモーターおよびサイトカイニン応答エレメントは、互いに60,000ヌクレオチド以内、55,000ヌクレオチド以内、50,000ヌクレオチド以内、45,000ヌクレオチド以内、42,000ヌクレオチド以内、40,000ヌクレオチド以内、35,000ヌクレオチド以内、30,000ヌクレオチド以内、25,000ヌクレオチド以内、20,000ヌクレオチド以内、15,000ヌクレオチド以内、10,000ヌクレオチド以内、9,000ヌクレオチド以内、8,000ヌクレオチド以内、7,000ヌクレオチド以内、6,000ヌクレオチド以内、5,000ヌクレオチド以内、4,000ヌクレオチド以内、3,000ヌクレオチド以内、2,000ヌクレオチド以内、1,000ヌクレオチド以内、500ヌクレオチド以内、400ヌクレオチド以内、300ヌクレオチド以内、200ヌクレオチド以内、または100ヌクレオチド以内である。
【0010】
本態様のさらに別の実施形態は、前述の実施形態のいずれかと組み合わせることができ、NIN/NLP1オーソグループ(orthogroup)タンパク質をコードする核酸を含む。本態様のさらなる実施形態は、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号25、配列番号26、配列番号27、配列番号28、配列番号29、配列番号30、配列番号31、配列番号32、配列番号33、配列番号34、配列番号35、配列番号36、配列番号37、配列番号38、配列番号39、配列番号40、配列番号41、配列番号42、配列番号43、配列番号44、配列番号45、配列番号46、配列番号47、配列番号48、配列番号49、配列番号50、配列番号51、配列番号52、配列番号53、配列番号54、配列番号55、配列番号56、配列番号57、配列番号58、配列番号59、配列番号60、配列番号61、配列番号62、配列番号63、配列番号64、配列番号65、配列番号66、配列番号67、配列番号68、配列番号69、配列番号70、配列番号71、配列番号72、配列番号73、配列番号74、配列番号75、配列番号76、配列番号77、配列番号78、配列番号79、配列番号80、配列番号81、配列番号82、配列番号83、配列番号84、配列番号85、配列番号86、配列番号87、配列番号88、配列番号89、配列番号90、配列番号91、配列番号92、配列番号93、配列番号94、配列番号95、配列番号96、配列番号98、配列番号99、配列番号100、配列番号101、配列番号102、配列番号103、配列番号104、配列番号105、配列番号106、配列番号108、配列番号109、配列番号131、配列番号132、配列番号133、配列番号134、配列番号135、配列番号136、配列番号137、配列番号138、配列番号139、配列番号140、配列番号141、配列番号142、配列番号143、配列番号144、配列番号145、配列番号146、配列番号147、配列番号148、配列番号149、配列番号150、配列番号151、配列番号152、配列番号153、配列番号154、配列番号155、配列番号156、配列番号157、配列番号158、配列番号159、配列番号160、配列番号161、配列番号162、配列番号163、配列番号164、配列番号165、配列番号166、配列番号167、配列番号168、配列番号169、配列番号170、配列番号171、配列番号172、配列番号173、配列番号174、配列番号175、配列番号177、配列番号178、配列番号179、配列番号180、配列番号181、配列番号182、配列番号183、配列番号184、配列番号185、配列番号186、配列番号187、配列番号188、配列番号189、配列番号190、配列番号191、配列番号192、配列番号193、配列番号194、配列番号196、配列番号197、配列番号198、配列番号199、配列番号200、配列番号201、配列番号202、配列番号203、配列番号204、配列番号205、配列番号206、配列番号207、配列番号208、配列番号209、配列番号210、配列番号211、配列番号212、配列番号213、配列番号214、配列番号215、配列番号216、配列番号217、配列番号218、配列番号219、配列番号220、配列番号221、配列番号222、配列番号223、配列番号224、配列番号225、配列番号226、配列番号227、配列番号228、配列番号229、配列番号230、配列番号231、配列番号232、配列番号233、配列番号234、配列番号235、および配列番号236の群から選択されるアミノ酸配列に対して、少なくとも70%の配列同一性、少なくとも75%の配列同一性、少なくとも80%の配列同一性、少なくとも85%の配列同一性、少なくとも90%の配列同一性、少なくとも95%の配列同一性、少なくとも96%の配列同一性、少なくとも97%の配列同一性、少なくとも98%の配列同一性、少なくとも99%の配列同一性を有するNIN/NLP1オーソグループタンパク質を含む。本態様のさらなる実施形態は、NINタンパク質であり、配列番号22(すなわち、CsaNIN;Cannabis sativa)、配列番号78(すなわち、HluNIN;Humulus lupulus)、配列番号89(すなわち、LjNIN;Lotus japonicus)、配列番号108(すなわち、MtNIN;Medicago truncatula)、配列番号136(すなわち、PanNIN;Parasponia andersonii)、配列番号139(すなわち、PriNiN;Parasponia rigida)、配列番号142(すなわち、PruNIN;Parasponia rugosa)、配列番号185(すなわち、TleNIN;Trema levigata)、配列番号187(すなわち、TorNIN;Trema orientalis)、配列番号190(すなわち、TtoNIN;Trema tomentosa)、および配列番号236(すなわち、ZjuNIN;Ziziphus jujuba)からなる群より選択されるアミノ酸配列に対して、少なくとも70%の配列同一性、少なくとも75%の配列同一性、少なくとも80%の配列同一性、少なくとも85%の配列同一性、少なくとも90%の配列同一性、少なくとも95%の配列同一性、少なくとも96%の配列同一性、少なくとも97%の配列同一性、少なくとも98%の配列同一性、少なくとも99%の配列同一性を有する、NIN/NLP1オーソグループタンパク質を含む。本態様のさらに別の実施形態は、NINタンパク質であり、配列番号89(すなわち、LjNIN;Lotus japonicus)または配列番号108(すなわち、MtNIN;Medicago truncatula)の群から選択されるアミノ酸配列に対して、少なくとも70%の配列同一性、少なくとも75%の配列同一性、少なくとも80%の配列同一性、少なくとも85%の配列同一性、少なくとも90%の配列同一性、少なくとも95%の配列同一性、少なくとも96%の配列同一性、少なくとも97%の配列同一性、少なくとも98%の配列同一性、または少なくとも99%の配列同一性を有する、NIN/NLP1オーソグループタンパク質を含む。
(【0011】以降は省略されています)
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