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公開番号
2025011572
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-24
出願番号
2023113761
出願日
2023-07-11
発明の名称
ポット保持具
出願人
株式会社東海化成
代理人
個人
主分類
A01G
9/029 20180101AFI20250117BHJP(農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業)
要約
【課題】多層に積層されたポットから上層の1層のポットのみを安定的に引き上げるポット保持具を提供する。
【解決手段】
ポット保持具1のロッド2は、上下方向の空洞2aが下端2bに開口している。腕部5には、押圧面5aに、ポットpの内面Spに固着力を発揮する爪部6が設けられている。腕部5の交差中心JCには摺動部7aが立設されており、摺動部7aはロッド2の下端2bの開口に差し込まれ、空洞2a内を上下方向に摺動する。押下手段3は、ロッド2が上昇するときに摺動部7aを下方向に摺動させて、腕部5をロッド2に対して下降させる。一方で、ロッド2が下降するときに、交差中心JCがロッド2の下端2bに当接して摺動部7aが上昇できない状態になる。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
多層に積み重ねられたポットの上層から1つずつポットを引き上げるポット保持具において、
上下方向の空洞が下端に開口し、上下動するロッドと、
帯状の板材を交差させて結合し、交差中心から放射状に上に向けて広げ、前記ポットの内面を押圧する押圧面を有する腕部と、
前記押圧面に設けられ、前記ポットの内面に固着力を発揮する爪部と、
前記腕部の交差中心に立設され、前記ロッドの下端の開口に差し込まれ、前記空洞内を上下方向に摺動する摺動部と、
前記ロッドが上昇するときに前記摺動部を下方向に摺動させ、前記腕部を前記ロッドに対して下降させる押下手段とを具備し、
前記ロッドが下降するときに前記ポットの内面に前記腕部が当接し、前記交差中心が前記ロッドの下端に当接して前記摺動部が上昇できない状態になることを特徴とするポット保持具。
続きを表示(約 500 文字)
【請求項2】
前記押下手段は、長さ方向には、余り伸縮せず、一方で、外力により撓み方向には自由変形し、外力がなくなったら若しくは弱まったら、元の形状に戻る若しくは戻ろうとする短冊状の手段であり、根元端が前記ロッドに固定され、他端が前記腕部の先端となる自由端に接続されていること特徴とする請求項1記載のポット保持具。
【請求項3】
請求項1のポット保持具が行列状に配置された支持体と、
行列状の窓を有する平面体であって、前記支持体から延びるポット保持具のロッドが貫通している窓であって、当該窓の大きさはポットの大きさよりも小さい邪魔部材と、
前記支持体を介して複数のポット保持具を上下動させる可動部と、
多層行列の状態のポットが配置された元トレイを搭載する第1搭載台と、
ポットの移載先の作業トレイを搭載する第2搭載台とを具備し、
前記元トレイの直上で前記支持体を下降して前記ポット保持具にポットを保持させて引き上げ、前記作業トレイの直上で前記邪魔部材とポット保持具に保持されたポットとを突き当てて落下させることを特徴とするポット移載装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、多層に積み重なった園芸用のポットを1つずつ引き上げるポット保持具に関するものである。
続きを表示(約 2,100 文字)
【背景技術】
【0002】
植物の栽培や流通の現場においては、移植又は出荷などにおいて、薄肉の軟質樹脂で形成された園芸用ポット(以下、単にポットと称する)を空状態で作業トレイ内に並べる移載作業が行われる。作業トレイは複数のカゴを行列状に有している。ポットは多層積みされた多層行列の状態で納入され、これを一層ずつ上層から取り出して、一層行列状のポットを作業トレイのカゴに移載する。
【0003】
多層行列の状態のポットから一層を行列状に引き上げて作業トレイに移し替えることのできる装置として、例えば特許文献1には、ポット内に挿入して、ポットに付着して引き上げるポット保持具を備えたポット装填装置が開示されている。ポット保持具は、四角形の対角線上に四方に腕部を有し、腕部の先端にバネ鋼板等からなる係合機能を有する係合爪が設けられている。また、特許文献2には、ポット保持具を有するポットセット装置が開示されている。ポット保持具は、弾性力のある帯状板材を折曲げて腕部を製作したものであり、その先端部の係合爪の形状として、将棋の駒状、平端面形状、半円形状などの任意の形状を呈することが示されている。また、特許文献3には、弾性復元力により当該ポットの内面を押圧する腕部に穴が開けられ、穴を開けたときに穴の周囲に立設したバリにより係合爪を形成することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第3568806号公報
特開2002-247921号公報
実用新案登録第3230964号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1、2、3に示されるような腕部は、上層の1層のポットに挿入されたとき、ポットの側面に押し付けられ、その反作用としてポットの側面を押し返す。この腕部が押し返す力は、次の層のポットにも伝わる。ポットが引き上げられたときにも、この力は次の層のポットにも伝わり続けるため、重なった状態の複数のポットを引き上げてしまうことが生じる。
【0006】
本発明は、上層の1層のポットのみを安定的に引き上げるポット保持具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明は、多層に積み重ねられたポットの上層から1つずつポットを引き上げるポット保持具において、
上下方向の空洞が下端に開口し、上下動するロッドと、
帯状の板材を交差させて結合し、交差中心から放射状に上に向けて広げ、前記ポットの内面を押圧する押圧面を有する腕部と、
前記押圧面に設けられ、前記ポットの内面に固着力を発揮する爪部と、
前記腕部の交差中心に立設され、前記ロッドの下端の開口に差し込まれ、前記空洞内を上下方向に摺動する摺動部と、
前記ロッドが上昇するときに前記摺動部を下方向に摺動させ、前記腕部を前記ロッドに対して下降させる押下手段とを具備し、
前記ロッドが下降するときに前記ポットの内面に前記腕部が当接し、前記交差中心が前記ロッドの下端に当接して前記摺動部が上昇できない状態になることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ポット保持具を引き上げたとき、腕部の交差中心がロッドの下端から離れることにより、腕部に蓄積された弾発力は腕部の全体の歪みとして分散する。その結果、押圧面にのみ集中していた圧力を小さくできる。そして、爪部に固定されているポットの位置から底面までの範囲において、交差中心が下降したこと、及び、圧力が弱まったことにより、微妙な形状変化が発生する。この変形は、最上層のポットにだけ発生し、下層のポットには発生しない変形であるため、最上層のポットと下層のポットとの間に僅かなズレを生じさせる。これらの要因により、最上層のポットは下層のポットに対して、外れやすい状況を作ることができ、重なった状態の複数ポットを引き上げてしまうことを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明に係るポット移載装置を示す図である。
ポット保持具の説明図である。
ポット保持具の作用説明図である。
ポット移載装置の使用方法を説明する図である。
他の実施例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
[実施例1]
図1において、本実施例のポット移載装置10は、機械部11と棚部15とを具備する。機械部11は、ポットpを把持するための複数のポット保持具1と、複数のポット保持具1が行列状に配置された支持体12と、邪魔部材13と、支持体12を介して複数のポット保持具1を上下動させる可動部14とを備える。
(【0011】以降は省略されています)
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