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公開番号2025013515
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-24
出願番号2024194113,2023137929
出願日2024-11-06,2023-08-28
発明の名称ピラゾロピリミジン化合物及びその医薬用途
出願人日本たばこ産業株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C07D 487/04 20060101AFI20250117BHJP(有機化学)
要約【課題】NLRP3インフラマソーム阻害活性を有するピラゾロピリミジン化合物又はその製薬上許容される塩、それを含む医薬組成物、及びその医薬用途等が提供される。
【解決手段】式[IA]の化合物又はその製薬上許容される塩(式中の各記号は明細書中で定義したとおりである)。
<com:Image com:imageContentCategory="Drawing"> <com:ImageFormatCategory>TIFF</com:ImageFormatCategory> <com:FileName>2025013515000147.tif</com:FileName> <com:HeightMeasure com:measureUnitCode="Mm">41</com:HeightMeasure> <com:WidthMeasure com:measureUnitCode="Mm">94</com:WidthMeasure> </com:Image> 【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
式[IA]の化合物又はその製薬上許容される塩。
TIFF
2025013515000137.tif
41
94
〔式中、結合:
TIFF
2025013515000138.tif
8
22
は単結合又は二重結合であり、


及びR

は各々独立して、
(1)水素、
(2)ヒドロキシ、
(3)シアノ、
(4)C
1-6
アルキル{ここで、該アルキルは、
(a)ヒドロキシ、
(b)C
1-4
アルコキシ、及び
(c)C
3-6
シクロアルキル、からなる群から独立して選択される1又は2個の置換基で置換されてもよい}、
(5)C
1-6
アルコキシ(ここで、該アルコキシは、C
3-6
シクロアルキルで置換されてもよい)、
(6)ハロゲン、
(7)C
1-4
ハロアルキル、
(8)-CHO、
(9)-O-C
1-4
ハロアルキル、
(10)-O-C
3-6
シクロアルキル、
(11)-CO-C
1-4
アルキル、
(12)-CO-C
3-6
シクロアルキル、
(13)-NR



(ここで、R

及びR

は各々独立して、水素又は2,4-ジメトキシベンジルであるか、あるいは、R

とR

が、これらが結合する窒素原子と一緒になって、-NR



基が、窒素及び酸素原子からなる群から独立して選択されるヘテロ原子を1又は2個含有する、5から6員のヘテロシクロアルキルを形成してもよい)、又は
(14)C
3-6
シクロアルキル、であり、

3A
及びR
4A
は各々独立して、
(1)水素、
(2)C
1-4
アルキル、又は
(3)C
1-4
続きを表示(約 1,900 文字)【請求項2】

3A
及びR
4A
が水素である、請求項1に記載の化合物又はその製薬上許容される塩。
【請求項3】
式[IIA]で示される、請求項1又は2に記載の化合物又はその製薬上許容される塩。
TIFF
2025013515000139.tif
41
94
(式中、R

、R

、R
5A
、R
6A
、X

、X

、X

、X

及びmは請求項1と同義である)
【請求項4】


、X

、X

及びX

が、X

及びX

と互いに隣接する炭素原子と一緒になってピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、オキサジアゾリル、又はトリアゾリルを形成する、請求項1から3のいずれか一項に記載の化合物又はその製薬上許容される塩。
【請求項5】


、X

、X

及びX

が、X

及びX

と互いに隣接する炭素原子と一緒になってピラゾリル、イミダゾリル、又はチアゾリルを形成する、請求項1から4のいずれか一項に記載の化合物又はその製薬上許容される塩。
【請求項6】


、X

、X

及びX

が、X

及びX

と互いに隣接する炭素原子と一緒になって、
式(1):
TIFF
2025013515000140.tif
30
38
、式(2):
TIFF
2025013515000141.tif
28
34
、又は式(3):
TIFF
2025013515000142.tif
27
32
、を形成する、請求項1から5のいずれか一項に記載の化合物又はその製薬上許容される塩。
【請求項7】
式[IIIA]で示される、請求項1又は2に記載の化合物又はその製薬上許容される塩。
TIFF
2025013515000143.tif
41
97
(式中、R

、R

、R
5A
、R
6A
、X

、X

、X

、X

、X

及びmは請求項1と同義である)
【請求項8】


、X

、X

、X

及びX

が、X

及びX

と互いに隣接する炭素原子と一緒になってピリジル、ピリダジニル、ピリミジル、又はピラジニルを形成する、請求項1、2又は7のいずれか一項に記載の化合物又はその製薬上許容される塩。
【請求項9】


、X

、X

、X

及びX

が、X

及びX

と互いに隣接する炭素原子と一緒になってピリダジニル、又はピリミジルを形成する、請求項1、2、7又は8のいずれか一項に記載の化合物又はその製薬上許容される塩。
【請求項10】


、X

、X

、X

及びX

が、X

及びX

と互いに隣接する炭素原子と一緒になって、
式(1’):
TIFF
2025013515000144.tif
27
34
、又は式(2’):
TIFF
2025013515000145.tif
27
33
を形成する、請求項1、2、7、8又は9のいずれか一項に記載の化合物又はその製薬上許容される塩。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、NLRP3インフラマソーム阻害活性を有するピラゾロピリミジン化合物又はその製薬上許容される塩、それを含む医薬組成物、及びその医薬用途等に関する。
続きを表示(約 3,100 文字)【背景技術】
【0002】
NLRP3(NOD-, LRR- and pyrin domain-containing protein 3)は、NLR(NOD-like receptors)ファミリーに属するパターン認識受容体であり、マクロファージ、ミクログリアなどの貪食系細胞だけでなく糸球体上皮細胞や尿細管上皮細胞などの非免疫細胞にも発現する。
【0003】
NLRP3は、細胞障害因子(ATP、HMGB1、S100、尿酸結晶、シリカなど)特異的な分子パターンであるDAMPs(Danger Associated Molecular Patterns)や、病原微生物(ウイルス、細菌、真菌など)特異的な分子パターンであるPAMPs(Pathogen Associated Molecular Patterns)を認識し、これらの分子と結合して活性化される。
【0004】
活性化したNLRP3は、アダプタータンパク質であるASC(Apoptosis-associated speck-like protein containing a caspase recruitment domain)及びシステインプロテアーゼであるカスパーゼ1とタンパク-タンパク相互作用により会合し、細胞内タンパク複合体であるNLRP3インフラマソームを形成する。NLRP3インフラマソーム形成により、複合体内のカスパーゼ1は活性型に変換され、活性型カスパーゼ1は炎症誘発性サイトカインであるIL-1βの前駆体であるproIL-1βを活性型IL-1βに、IL-18の前駆体であるproIL-18を活性型IL-18にそれぞれ変換する。細胞外に分泌された活性型IL-1βは、周囲の細胞による炎症性サイトカイン・ケモカイン産生誘導やT細胞などの免疫細胞活性化を介し炎症反応を惹起する。
【0005】
多発性硬化症患者の脳及び脳脊髄液ではDAMPs量の増加(非特許文献1)や、病巣部のカスパーゼ1発現量、脳脊髄液中のIL-1β量の増加が認められた(非特許文献2)。また、本疾患の慢性進行期の病巣には活性化ミクログリアが存在し(非特許文献3)、DAMPsの刺激を受けた活性化ミクログリアは、IL-1βなどの炎症性サイトカインを産生して神経炎症や神経障害を誘発する(非特許文献4)。したがって、NLRP3インフラマソームは多発性硬化症の病態発現に関与すると考えられる。
【0006】
ミエリンオリゴデンドロサイト糖タンパク質(MOG; Myelin Oligodendrocyte Glycoprotein)をマウスに感作して作製したMOG
35-55
EAEモデルマウスでは、多発性硬化症に類似した運動機能障害が発現する。しかし、NLRP3ノックアウトマウスではMOG
35-55
EAEモデルにおいて運動機能障害の発症が抑制される(非特許文献5)。また、銅キレート化合物であるクプリゾンをマウスに投与して作製したクプリゾンモデルマウスでは、多発性硬化症に類似した中枢神経の脱髄が発現するが、NLRP3ノックアウトマウスではクプリゾンモデルにおいて脱髄進行が遅延する(非特許文献6)。NLPR3インフラマソーム阻害薬であるJC-171はMOG
35-55
EAEモデルにおいて、発症後投与において運動機能障害を抑制した(非特許文献7)。したがって、NLRP3インフラマソーム阻害薬は多発性硬化症の治療薬となると考えられる。
【0007】
慢性腎臓病患者の腎臓においてNLRP3インフラマソーム関連遺伝子の発現上昇が報告されている(非特許文献8、9)。さらに、非臨床慢性腎臓病モデルである5/6腎臓摘出モデルにおいて、NLRP3ノックアウトによるタンパク尿および尿細管間質線維化の抑制効果が報告されている(非特許文献10)。以上の結果から、NLRP3インフラマソーム阻害薬は慢性腎臓病の治療薬となると考えられる。
【0008】
炎症性腸疾患(例えば潰瘍性大腸炎及びクローン病)患者の腸において、NLRP3インフラマソ-ム関連遺伝子の発現上昇が報告されている(非特許文献11)。NLRP3の活性化により産生されるIL-1βは、IBD患者の腸粘膜において増加しており、大腸部位からのIL-1β分泌量増加は、病態の悪化と正の相関が認められていることが報告されている(非特許文献11)。また、インフラマソーム活性を負に制御するCARD8の機能不全によって、クローン病への感受性が高まること、NLRP3インフラマソームが活性化し単球からのIL-1β産生が亢進することが報告されている(非特許文献12)。大腸炎モデルであるTNBS誘発大腸炎モデルにおいて、NLRP3欠損は、腸病態を抑制することが報告されている(非特許文献13)。以上の結果から、NLRP3インフラマソーム阻害薬は炎症性腸疾患の治療薬になると考えられる。
【0009】
心筋梗塞患者の冠状動脈の動脈硬化部位においてNLRP3インフラマソーム関連遺伝子の発現上昇が報告されている(非特許文献14)。また、動脈硬化症モデルである高脂肪食負荷low-density lipoprotein receptor (LDL)受容体欠損マウスにおいて、NLRP3ノックアウトによる病変形成の抑制効果が報告されている(非特許文献15)。以上の結果から、NLRP3インフラマソーム阻害薬は動脈硬化症の治療薬となると考えられる。
【0010】
クリオピリン関連周期熱症候群(CAPS: Cryopyrin-associated periodic syndrome)は、NLRP3遺伝子の活性化変異により起こる自己炎症性疾患の総称であり、軽症型の家族性寒冷性自己炎症性症候群(FCAS: Familial cold autoinflammatory syndrome)、中等症のマックルウェルズ症候群(Muckle-Wells Syndrome MWS)、重症型の慢性乳児神経皮膚関節症候群(CINCA: Chronic infantile neurologic cutaneous, and articular syndrome)又は新生児期発症多臓器系炎症性疾患(NOMID:Neonatal onset multisystem inflammatory disease)の3病型に分類される(非特許文献16)。CAPSにおいては、NLRP3遺伝子の200以上の突然変異が報告されている(非特許文献17)。これらのNLRP3遺伝子変異は、活性化シグナルが存在しない状態でもNLRP3インフラマソームの形成と活性化がおこる。CAPS関連NLRP3変異を発現するマウスでは、NLRP3インフラマソームおよび下流シグナル伝達分子であるIL-1βおよびIL-18に依存した全身性の致死的な炎症を示す(非特許文献18)。CAPS関連NLRP3変異発現マウス系統において、NLRP3インフラマソーム阻害薬であるCY-09は全身性の致死的炎症を抑制し生存率を改善した(非特許文献19)。以上の結果から、NLRP3インフラマソーム阻害薬はCAPSの治療薬となると考えられる。
(【0011】以降は省略されています)

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