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公開番号2025012752
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-24
出願番号2023115827
出願日2023-07-14
発明の名称熱式流量計および補正方法
出願人アズビル株式会社
代理人個人
主分類G01F 1/698 20060101AFI20250117BHJP(測定;試験)
要約【課題】測定対象の流体が変更されても、正確な流量が測定できるようにする。
【解決手段】温度測定部103が温度を測定する温度測定位置における流体の温度の上昇が停止するまでの飽和時間を計測し、ヒータ102の駆動開始から飽和時間になるまでのヒータ102の消費電力を測定し、飽和時間におけるヒータ102の消費電力の63.2%となるまでのヒータ102の駆動開始からの時間を時定数として求め、温度測定部103が温度を測定する温度測定位置における上昇温度と飽和時間におけるヒータ102の飽和消費電力とから流体の熱抵抗を求め、時定数を流体の熱抵抗で除することで流体の熱容量を求める。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
測定対象の流体を輸送する配管と、
前記配管の測定領域において前記流体を加熱するように構成されたヒータと、
前記測定領域において前記流体の温度を測定するように構成された温度測定部と、
前記ヒータの温度と前記ヒータの熱影響を受けない温度測定位置における前記流体の温度との差が設定されている設定温度差となるように前記ヒータを駆動しているときの、前記ヒータに加熱された前記流体における熱拡散の状態に対応するセンサ値を出力するように構成されたセンサ回路と、
前記センサ値を補正係数で補正した補正値を求めるように構成された補正回路と、
前記流体の流量を前記補正値から算出するように構成された流量算出回路と、
前記流体の流れを停止するように構成された流体停止部と、
前記流体停止部に前記流体の流れを停止させてから前記ヒータの駆動を開始するように構成された起動回路と、
前記ヒータの駆動開始から、前記温度測定位置における前記流体の温度の上昇が停止するまでの飽和時間を計測するように構成された時間計測回路と、
前記ヒータの駆動開始から前記飽和時間になるまでの前記ヒータの消費電力を測定するように構成された電力測定回路と、
前記飽和時間における前記ヒータの消費電力の63.2%となるまでの前記ヒータの駆動開始からの時間を時定数として求めるように構成された時定数決定回路と、
前記温度測定位置における上昇温度と前記飽和時間における前記ヒータの飽和消費電力とから前記流体の熱抵抗を求めるように構成された抵抗算出回路と、
前記時定数を前記流体の熱抵抗で除することで前記流体の熱容量を求めるように構成された熱容量算出回路と、
前記熱容量算出回路が求めた熱容量と基準となる基準流体の基準熱容量との関係から前記補正係数を求めるように構成された補正係数決定回路と
を備える熱式流量計。
続きを表示(約 1,900 文字)【請求項2】
請求項1記載の熱式流量計において、
前記温度測定部は、前記温度測定位置の前記流体の温度を測定し、
前記センサ回路は、前記ヒータの温度と前記温度測定部が測定した前記流体の温度との差が前記設定温度差となるように前記ヒータを駆動しているときの、前記ヒータの電力を前記センサ値として出力する
熱式流量計。
【請求項3】
請求項1記載の熱式流量計において、
前記温度測定部は、第1温度測定部、第2温度測定部、第3温度測定部から構成され、
前記第1温度測定部は、前記温度測定位置の前記流体の温度を測定し、
前記第2温度測定部は、前記ヒータより上流側で前記ヒータの熱影響を受ける位置の前記流体の温度を測定し、
前記第3温度測定部は、前記ヒータより下流側で前記ヒータの熱影響を受ける位置の前記流体の温度を測定し、
前記センサ回路は、前記ヒータの温度と、前記第1温度測定部が測定した前記流体の温度との差が前記設定温度差となるように前記ヒータを駆動しているときの、前記第2温度測定部が測定した前記流体の温度と前記第3温度測定部が測定した前記流体の温度との温度差を前記センサ値として出力する
熱式流量計。
【請求項4】
測定対象の流体を輸送する配管と、
前記配管の測定領域において前記流体を加熱するように構成されたヒータ、および前記測定領域において前記流体の温度を測定するように構成された温度測定部を備え、前記ヒータの温度と前記ヒータの熱影響を受けない温度測定位置における前記流体の温度との差が設定されている設定温度差となるように前記ヒータを駆動しているときの、前記ヒータに加熱された前記流体における熱拡散の状態に対応するセンサ値を出力するように構成されたセンサ回路と、
前記センサ値を補正係数で補正した補正値を求めるように構成された補正回路と、
前記流体の流量を前記補正値から算出するように構成された流量算出回路と
を備える熱式流量計の前記補正値を求める補正方法であって、
前記流体の流れを停止する第1ステップと、
前記第1ステップで前記流体の流れを停止させてから前記ヒータの駆動を開始する第2ステップと、
前記ヒータの駆動開始から、前記温度測定位置における前記流体の温度の上昇が停止するまでの飽和時間を計測する第3ステップと、
前記ヒータの駆動開始から前記飽和時間になるまでの前記ヒータの消費電力を測定する第4ステップと、
前記飽和時間における前記ヒータの消費電力の63.2%となるまでの前記ヒータの駆動開始からの時間を時定数として求める第5ステップと、
前記温度測定位置における上昇温度と前記飽和時間における前記ヒータの飽和消費電力とから前記流体の熱抵抗を求める第6ステップと、
前記時定数を前記流体の熱抵抗で除することで前記流体の熱容量を求める第7ステップと、
前記第6ステップで求めた熱容量と基準となる基準流体の基準熱容量との関係から前記補正係数を求める第8ステップと
を備える補正方法。
【請求項5】
請求項4記載の補正方法において、
前記温度測定部は、前記温度測定位置の前記流体の温度を測定し、
前記センサ回路は、前記ヒータの温度と前記温度測定部が測定した前記流体の温度との差が前記設定温度差となるように前記ヒータを駆動しているときの、前記ヒータの電力を前記センサ値として出力する
補正方法。
【請求項6】
請求項4記載の補正方法において、
前記温度測定部は、第1温度測定部、第2温度測定部、第3温度測定部から構成され、
前記第1温度測定部は、前記温度測定位置の前記流体の温度を測定し、
前記第2温度測定部は、前記ヒータより上流側で前記ヒータの熱影響を受ける位置の前記流体の温度を測定し、
前記第3温度測定部は、前記ヒータより下流側で前記ヒータの熱影響を受ける位置の前記流体の温度を測定し、
前記センサ回路は、前記ヒータの温度と、前記第1温度測定部が測定した前記流体の温度との差が前記設定温度差となるように前記ヒータを駆動しているときの、前記第2温度測定部が測定した前記流体の温度と前記第3温度測定部が測定した前記流体の温度との温度差を前記センサ値として出力する
補正方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、熱式流量計および補正方法に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
熱式流量計には、ヒータの上下流の温度差により流量を測定する方法、およびヒータの消費電力による流量を測定する方法がある。例えば、液体の流量を測定する場合、ヒータ温度を液温に対してプラス10℃など一定温度に加温駆動で動作させ、上流と下流との温度差またはヒータの電力から流量を算出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2006-010322号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように、熱式流量計は、ヒータの温度差やヒータの電力などのヒータ出力を流量に換算(変換)している。この換算(換算式)は、測定対象の流体に固有のものとなる。このため、測定対象の流体の種類や物性値が不明な場合や、測定対象を変更する場合、ヒータ出力を流量に換算する際に誤差が生じ、正確な流量が出力できない場合がある。
【0005】
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、測定対象の流体が変更されても、正確な流量が測定できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る熱式流量計は、測定対象の流体を輸送する配管と、配管の測定領域において流体を加熱するように構成されたヒータと、測定領域において流体の温度を測定するように構成された温度測定部と、ヒータの温度とヒータの熱影響を受けない温度測定位置における流体の温度との差が設定されている設定温度差となるようにヒータを駆動しているときの、ヒータに加熱された流体における熱拡散の状態に対応するセンサ値を出力するように構成されたセンサ回路と、センサ値を補正係数で補正した補正値を求めるように構成された補正回路と、流体の流量を補正値から算出するように構成された流量算出回路と、流体の流れを停止するように構成された流体停止部と、流体停止部に流体の流れを停止させてからヒータの駆動を開始するように構成された起動回路と、ヒータの駆動開始から、温度測定位置における流体の温度の上昇が停止するまでの飽和時間を計測するように構成された時間計測回路と、ヒータの駆動開始から飽和時間になるまでのヒータの消費電力を測定するように構成された電力測定回路と、飽和時間におけるヒータの消費電力の63.2%となるまでのヒータの駆動開始からの時間を時定数として求めるように構成された時定数決定回路と、温度測定位置における上昇温度と飽和時間におけるヒータの飽和消費電力とから流体の熱抵抗を求めるように構成された抵抗算出回路と、時定数を流体の熱抵抗で除することで流体の熱容量を求めるように構成された熱容量算出回路と、熱容量算出回路が求めた熱容量と基準となる基準流体の基準熱容量との関係から補正係数を求めるように構成された補正係数決定回路とを備える。
【0007】
上記熱式流量計の一構成例において、温度測定部は、温度測定位置の流体の温度を測定し、センサ回路は、ヒータの温度と温度測定部が測定した流体の温度との差が設定温度差となるようにヒータを駆動しているときの、ヒータの電力をセンサ値として出力する。
【0008】
上記熱式流量計の一構成例において、温度測定部は、第1温度測定部、第2温度測定部、第3温度測定部から構成され、第1温度測定部は、温度測定位置の流体の温度を測定し、第2温度測定部は、ヒータより上流側でヒータの熱影響を受ける位置の流体の温度を測定し、第3温度測定部は、ヒータより下流側でヒータの熱影響を受ける位置の流体の温度を測定し、センサ回路は、ヒータの温度と、第1温度測定部が測定した流体の温度との差が設定温度差となるようにヒータを駆動しているときの、第2温度測定部が測定した流体の温度と第3温度測定部が測定した流体の温度との温度差をセンサ値として出力する。
【0009】
本発明に係る補正方法は、測定対象の流体を輸送する配管と、配管の測定領域において流体を加熱するように構成されたヒータ、および測定領域において流体の温度を測定するように構成された温度測定部を備え、ヒータの温度とヒータの熱影響を受けない温度測定位置における流体の温度との差が設定されている設定温度差となるようにヒータを駆動しているときの、ヒータに加熱された流体における熱拡散の状態に対応するセンサ値を出力するように構成されたセンサ回路と、センサ値を補正係数で補正した補正値を求めるように構成された補正回路と、流体の流量を補正値から算出するように構成された流量算出回路とを備える熱式流量計の補正値を求める補正方法であって、流体の流れを停止する第1ステップと、第1ステップで流体の流れを停止させてからヒータの駆動を開始する第2ステップと、ヒータの駆動開始から、温度測定位置における流体の温度の上昇が停止するまでの飽和時間を計測する第3ステップと、ヒータの駆動開始から飽和時間になるまでのヒータの消費電力を測定する第4ステップと、飽和時間におけるヒータの消費電力の63.2%となるまでのヒータの駆動開始からの時間を時定数として求める第5ステップと、温度測定位置における上昇温度と飽和時間におけるヒータの飽和消費電力とから流体の熱抵抗を求める第6ステップと、時定数を流体の熱抵抗で除することで流体の熱容量を求める第7ステップと、第6ステップで求めた熱容量と基準となる基準流体の基準熱容量との関係から補正係数を求める第8ステップとを備える。
【0010】
上記補正方法の一構成例において、温度測定部は、温度測定位置の流体の温度を測定し、センサ回路は、ヒータの温度と温度測定部が測定した流体の温度との差が設定温度差となるようにヒータを駆動しているときの、ヒータの電力をセンサ値として出力する。
(【0011】以降は省略されています)

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