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公開番号2025012641
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-24
出願番号2023115631
出願日2023-07-14
発明の名称ヨードフルオロカーボン類の分解方法
出願人国立大学法人 名古屋工業大学,東ソー・ファインケム株式会社
代理人個人
主分類C07C 51/093 20060101AFI20250117BHJP(有機化学)
要約【課題】ヨードフルオロカーボン類を穏和な条件下でフルオロ酢酸類及び/又は無機フッ化物へと分解する実用的な分解方法、すなわち経済的で安全かつ工業的な分解方法を提供する。
【解決手段】一般式(1);Rf-I(1)(式中、Rfは1つ以上のヨウ素原子を含んでも良い炭素数2~20個の直鎖または分岐したフルオロアルキル基を示す)で表されるヨードフルオロカーボン類の1又は複数を、溶媒中、塩基と反応させることを特徴とするヨードフルオロカーボン類の分解方法を用いる。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
下記一般式(1)


-I (1)
(一般式(1)中、R

は1つ以上のヨウ素原子を含んでも良い炭素数2~20個の直鎖または分岐したフルオロアルキル基を示す)
で表されるヨードフルオロカーボン類の1又は複数を、溶媒中、塩基と反応させることを特徴とするヨードフルオロカーボン類の分解方法。
続きを表示(約 520 文字)【請求項2】
前記塩基が水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド及びカリウムエトキシドからなる群から選択される少なくとも1つであり、式(1)で表されるヨードフルオロカーボン類の1又は複数に含有されるフッ素原子の総モル量に対して、1.0モル当量~100モル当量の塩基と反応させることを特徴とする、請求項1に記載のヨードフルオロカーボン類の分解方法。
【請求項3】
溶媒がジメチルスルホキシド、スルホラン、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジメチルホルムアミドからなる群から選択される少なくとも1種類の有機溶媒又はこれら有機溶媒と水からなる混合溶媒であることを特徴とする、請求項1に記載のヨードフルオロカーボン類の分解方法。
【請求項4】
有機溶媒に対する水の混合比が質量比で100/0~10/90の範囲であることを特徴とする請求項3に記載のヨードフルオロカーボン類の分解方法。
【請求項5】
反応温度が10℃~150℃であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のヨードフルオロカーボン類の分解方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ヨードフルオロカーボン類を分解する方法に関する。ヨードフルオロカーボン類は、フルオロポリマー合成の連鎖移動剤、撥水撥油剤、乳化剤などの用途で使用される有用な化合物であるが、近年、環境問題、毒性問題の指摘があり、余剰物や製造時の副生物は、何らかの分解を行い、無害化することが要求されている。ヨードフルオロカーボン類は穏和な条件下でフルオロ酢酸類及び/又は無機フッ化物へと分解される。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
一般的な、ヨードフルオロカーボン類の分解方法としては、高温で焼却する方法が知られているが、エネルギー消費が多く、コストがかかるという課題がある。また焼却の際に発生するフッ化水素やヨウ化水素は焼却炉の劣化を早めることも予想される。そのためエネルギー消費が少なく、かつ経済的なヨードフルオロカーボン類の分解方法が望まれる。
【0003】
また、ヨードフルオロカーボン類にエチレンを付加させた後、アルコール存在下でアルカリ金属水酸化物またはアルカリ金属アルコキシドと反応させてオレフィン化を行い、熱処理することでフッ化水素としてフッ素源を回収し、ヨードフルオロカーボン類を分解処理する方法が報告されている(例えば特許文献1等)。この方法によれば、フッ素源の回収・再利用が可能という利点はあるが、エチレン付加、オレフィン化、熱処理の工程が必要であり、工程数が多いという課題がある。
【0004】
また、ヨードフルオロカーボン類をアルコール溶媒中でアルカリ金属水酸化物と反応させることによりハイドロパーフルオロカーボン類へと変換する方法が報告されている(例えば特許文献2)。この方法では、ヨウ素部位は分解できるが、パーフルオロアルカン部位は分解されずに残ってしまう。パーフルオロアルキル化合物は近年規制の動きが強まっており、ヨウ素部位だけでなくパーフルオロアルカン部位も分解する方法が望まれる。
【0005】
また、ヨードフルオロカーボン類にロンガリット-炭酸水素ナトリウム試薬を作用させることでパーフルオロアルキルカルボン酸へと誘導する方法(例えば非特許文献1)、およびパーフルオロアルキルカルボン酸を塩基存在下、ジメチルスルホキシド溶媒中で分解する方法(例えば非特許文献2)が報告されている。この2つの方法を用いれば、ヨードフルオロカーボン類をパーフルオロアルキルカルボン酸へと誘導した後、パーフルオロアルキルカルボン酸を塩基存在下、ジメチルスルホキシド溶媒中で分解する方法が考えられるが、工程数が多いという課題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特許第6021720号公報。
特許第2559312号公報。
【非特許文献】
【0007】
Bing-Nan Huangら,J.Fluorine Chem.,1987,36,49-62。
Brittany Trangら,Science,2022,377,839-845。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、ヨードフルオロカーボン類を、穏和な条件下でフルオロ酢酸類及び/又は無機フッ化物へと分解する実用的な分解方法、すなわち経済的で安全かつ工業的な分解方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、ヨードフルオロカーボン類の分解方法について、鋭意検討した結果、ヨードフルオロカーボン類を溶媒及び塩基存在下で反応させることで、穏和な条件でフルオロ酢酸類及び/又は無機フッ化物へと分解する方法を見出し、本発明を完成させるに至った。
【0010】
すなわち本発明は、以下の発明に係る。
[1] 下記一般式(1)


-I (1)
(一般式(1)中、R

は1つ以上のヨウ素原子を含んでも良い炭素数2~20個の直鎖または分岐したフルオロアルキル基を示す)
で表されるヨードフルオロカーボン類の1又は複数を、溶媒中、塩基と反応させることを特徴とするヨードフルオロカーボン類の分解方法。
[2] 前記塩基が水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド及びカリウムエトキシドからなる群から選択される少なくとも1つであり、式(1)で表されるヨードフルオロカーボン類の1又は複数に含有されるフッ素原子の総モル量に対して、1.0モル当量~100モル当量の塩基と反応させることを特徴とする、項[1]に記載のヨードフルオロカーボン類の分解方法。
[3] 前記溶媒がジメチルスルホキシド、スルホラン、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジメチルホルムアミドからなる群から選択される少なくとも1種類の有機溶媒又はこれら有機溶媒と水からなる混合溶媒であることを特徴とする、項[1]に記載のヨードフルオロカーボン類の分解方法。
[4] 有機溶媒に対する水の混合比が質量比で100/0~10/90の範囲であることを特徴とする、項[3]に記載のヨードフルオロカーボン類の分解方法。
[5] 前記の反応温度が10℃~150℃であることを特徴とする、項[1]~[4]に記載のヨードフルオロカーボン類の分解方法。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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