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公開番号
2025012077
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-24
出願番号
2023114632
出願日
2023-07-12
発明の名称
密封装置及び密封装置付き軸受ユニット
出願人
日本精工株式会社
代理人
弁理士法人栄光事務所
主分類
F16C
33/78 20060101AFI20250117BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約
【課題】潤滑剤の保持性と低トルク化を両立した密封装置付き軸受ユニットを提供する。
【解決手段】密封装置15は、弾性材料からなるシールリップ19a,19b,19cと、シールリップ19a,19b,19cが摺接する金属製の相手部材(スリンガ17)とで構成されるとともに、相手部材(スリンガ17)における、少なくともシールリップ19a,19b,19cとの摺接領域の面上に、相手部材(スリンガ17)の表面よりも窪んだ凹部21と、相手部材(スリンガ17)の表面よりも突出して凹部21を取り囲む凸部22とで構成されるディンプル20が複数形成されている。また、密封装置付き軸受ユニット10は、上記密封装置15を備える。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
外輪と内輪との間に、複数の転動体を転動自在に保持するとともに、潤滑剤を充填し、密封装置にて封止した密封装置付き軸受ユニットに組み込まれる前記密封装置であって、
前記密封装置は、弾性材料からなるシールリップと、前記シールリップが摺接する金属製の相手部材とで構成されるとともに、
前記相手部材における、少なくとも前記シールリップとの摺接領域の面上に、該相手部材の表面よりも窪んだ凹部と、該相手部材の表面よりも突出して前記凹部を取り囲む凸部とで構成されるディンプルが複数形成されていることを特徴とする密封装置。
続きを表示(約 340 文字)
【請求項2】
前記凸部の頂部と前記凹部の最深部との高低差の平均値が、25μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の密封装置。
【請求項3】
前記凸部の開口の前記摺接領域に対する面積比で10~60%であることを特徴とする請求項1に記載の密封装置。
【請求項4】
前記凸部の開口の前記摺接領域に対する面積比で10~60%であることを特徴とする請求項2に記載の密封装置。
【請求項5】
外輪と内輪との間に、複数の転動体を転動自在に保持するとともに、潤滑剤を充填し、密封装置にて封止した密封装置付き軸受ユニットであって、
前記密封装置が、請求項1~4の何れか1項に記載の密封装置であることを特徴する密封装置付き軸受ユニット。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば自動車の車輪懸架部における軸受ユニットのように、固定側部材と回転側部材との間を密封することが必要とされる部位に介装される密封装置を備える軸受ユニット(密封装置付き軸受ユニット)に関する。また、本発明は、上記密封装置付き軸受ユニットに組み込まれる密封装置に関する。
続きを表示(約 1,400 文字)
【背景技術】
【0002】
従来より、自動車などの車両の車輪懸架部における軸受ユニット等の固定側部材と回転側部材との間に介装され、グリースや潤滑油(以下、まとめて「潤滑剤」ともいう。)を封止するともに、水や塵埃の浸入を防止する密封装置が知られている。また、今日では、車両の低燃費化を図るための対策が種々講じられており、軸受ユニットにおいても、回転トルクの低減化が求められている。
【0003】
例えば、特許文献1では、芯金に固着されたシールリップにおけるスリンガとの摺接面に凹凸が付与された密封装置が開示されている。また、特許文献2では、スリンガにおけるシールリップが摺接する側の面に別部材を設け、別部材でシールリップとの摺接面を構成するとともに、別部材におけるシールリップとの摺接面が粗面化された密封装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2012-193835号公報
特開2010-107035号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の密封装置では、スリンガではなくシールリップの方に凹凸が形成されているが、シールリップは軟質材料のため摩耗しやすく、形成した凹凸が摩耗に伴って消滅して効果を維持できない懸念がある。また、特許文献2に記載の密封装置では、シールリップではなくスリンガ側である別部材の表面を粗面化しているが、粗面の凹部の深さや凹部の大きさが一様ではないため、潤滑剤の保持性や密封性が十分ではなくなり、更にはそれぞれの凹部での潤滑剤の流動挙動が異なり、トルクも一様で無くなるため、低トルク化を十分に図ることができない懸念もある。
【0006】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、潤滑剤の保持性と低トルク化を両立した密封装置付き軸受ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の上記目的は、密封装置に係る下記[1]の構成により達成される。
【0008】
[1] 外輪と内輪との間に、複数の転動体を転動自在に保持するとともに、潤滑剤を充填し、密封装置にて封止した密封装置付き軸受ユニットに組み込まれる前記密封装置であって、
前記密封装置は、弾性材料からなるシールリップと、前記シールリップが摺接する金属製の相手部材とで構成されるとともに、
前記相手部材における、少なくとも前記シールリップとの摺接領域の面上に、該相手部材の表面よりも窪んだ凹部と、該相手部材の表面よりも突出して前記凹部を取り囲む凸部とで構成されるディンプルが複数形成されていることを特徴とする密封装置。
【0009】
また、密封装置に係る本発明の好ましい実施形態は、以下の[2]~[3]に関する。
【0010】
[2] 前記凸部の頂部と前記凹部の最深部との高低差の平均値が、25μm以下であることを特徴とする[1]に記載の密封装置。
[3] 前記凸部の開口の前記摺接領域に対する面積比で10~60%であることを特徴とする[1]又は[2]に記載の密封装置。
(【0011】以降は省略されています)
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