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公開番号
2025011545
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-24
出願番号
2023113726
出願日
2023-07-11
発明の名称
ハードコートフィルムおよび積層フィルム
出願人
日東電工株式会社
代理人
弁理士法人いくみ特許事務所
主分類
G02B
1/14 20150101AFI20250117BHJP(光学)
要約
【課題】ハードコート層上に形成される無機物層の密着性を確保できるハードコートフィルム、および積層フィルムを提供する。
【解決手段】本発明のハードコートフィルムXは、基材フィルム11と、基材フィルム11上のハードコート層12とを備える。ハードコート層12は、紫外線硬化型樹脂を含む組成物の硬化物層である。ハードコート層12における基材フィルム11とは反対側の表面12aの表面粗さSaは、0.80nm以上4.50nm以下である。ハードコート層12の表面12aの軟化温度は、T
1
(℃)である。表面12aの所定のプラズマ処理試験後の軟化温度T
2
(℃)と軟化温度T
1
(℃)との差は5℃以下である。本発明の積層フィルムYは、ハードコートフィルムXと、ハードコートフィルムXのハードコート層12上の無機物層20とを備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
基材フィルムと、前記基材フィルム上のハードコート層とを備えるハードコートフィルムであって、
前記ハードコート層が、紫外線硬化型樹脂を含む組成物の硬化物層であり、
前記ハードコート層における前記基材フィルムとは反対側の表面の表面粗さSaが0.80nm以上4.50nm以下であり、
前記ハードコート層の前記表面の軟化温度がT
1
であり、
前記表面の下記のプラズマ処理試験後の軟化温度T
2
と前記軟化温度T
1
との差が5℃以下である、ハードコートフィルム。
プラズマ処理試験:
低インダクタンスアンテナに対する、周波数13.56MHzおよび電力5.0kWの高周波電力の印加によって発生する、酸素ガスの誘導導結合プラズマにより、前記ハードコート層の前記表面を処理する。
続きを表示(約 320 文字)
【請求項2】
前記紫外線硬化型樹脂が、紫外線硬化型アクリルウレタン樹脂および紫外線硬化型アクリル樹脂からなる群より選択される少なくとも一つである、請求項1に記載のハードコートフィルム。
【請求項3】
前記軟化温度T
1
が105℃以上である、請求項1に記載のハードコートフィルム。
【請求項4】
前記軟化温度T
1
が150℃以下である、請求項1に記載のハードコートフィルム。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一つに記載の前記ハードコートフィルムと、
前記ハードコートフィルムの前記ハードコート層上の無機物層とを備える、積層フィルム。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハードコートフィルムおよび積層フィルムに関する。
続きを表示(約 1,700 文字)
【背景技術】
【0002】
エレクトロニクス製品の軽量化および高機能化の観点から、有機材と無機材とが複合化された各種の複合化材が開発されている。複合化材としては、例えば、有機材製の基材フィルムと、基材フィルム上の無機物層とを備える積層フィルムが知られている。当該積層フィルムの製造過程では、例えば、基材フィルム上に無機物層が形成される前に、基材フィルムの無機物層側にハードコート(HC)層が形成され、HC層付き基材フィルムがハードコートフィルムとしてされる。HC層は、無機物層の露出表面に擦り傷が形成されにくくする層である。このようなハードコートフィルムおよび積層フィルムに関する技術については、例えば、下記の特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2022-65437号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1には、反射防止フィルムとしての積層フィルムが記載されている。この積層フィルムは、反射防止層としての無機物層と、これを支持するハードコートフィルムとを備える。ハードコートフィルムは、基材フィルムと、基材フィルム上のHC層とを備える。HC層は、ナノシリカ粒子を含有する。これにより、HC層は、無機物層側に表面凹凸を有する。特許文献1によると、HC層の表面凹凸は、基材フィルムに対する無機物層の密着性を高める。
【0005】
特許文献1のHC層は、次のように形成される。まず、紫外線硬化型樹脂と、ナノシリカ粒子とを含有する紫外線硬化性の組成物を調製する。次に、基材フィルムの片面に、当該組成物を塗布して塗膜を形成する。次に、塗膜に対する紫外線照射により、塗膜内で硬化反応を進行させて当該塗膜を硬化させる(紫外線硬化工程)。
【0006】
しかしながら、このようなHC層に関し、本発明らは、次のような知見を得た。紫外線硬化工程において、基材フィルム上の塗膜における基材フィルムとは反対側の表面およびその近傍(表層領域)では、硬化反応の一部が酸素によって阻害される。そのため、表層領域では、硬化反応が十分には進行せず、比較的低分子量の重合体が生成する。この低分子量重合体は、内部領域(表層領域よりも基材フィルム側の領域)に生成する高分子量重合体と比較して、機械強度的に脆弱である。すなわち、紫外線硬化工程によって形成されるHC層は、基材フィルムとは反対側の表面およびその近傍に、脆弱薄層を有する。そして、この脆弱薄層は、HC層上に形成される無機物層の、基材フィルムに対する密着性を、低下させる。
【0007】
本発明は、ハードコート層上に形成される無機物層の密着性を確保できるハードコートフィルム、および積層フィルムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明[1]は、基材フィルムと、前記基材フィルム上のハードコート層とを備えるハードコートフィルムであって、前記ハードコート層が、紫外線硬化型樹脂を含む組成物の硬化物層であり、前記ハードコート層における前記基材フィルムとは反対側の表面の表面粗さSaが0.80nm以上4.50nm以下であり、前記ハードコート層の前記表面の軟化温度がT
1
であり、前記表面の下記のプラズマ処理試験後の軟化温度T
2
と前記軟化温度T
1
との差が5℃以下である、ハードコートフィルムを含む。
【0009】
プラズマ処理試験:
低インダクタンスアンテナに対する、周波数13.56MHzおよび電力5.0kWの高周波電力の印加によって発生する、酸素ガスの誘導導結合プラズマにより、前記ハードコート層の前記表面を処理する。
【0010】
本発明[2]は、前記紫外線硬化型樹脂が、紫外線硬化型アクリルウレタン樹脂および紫外線硬化型アクリル樹脂からなる群より選択される少なくとも一つである、上記[1]に記載のハードコートフィルムを含む。
(【0011】以降は省略されています)
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