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公開番号
2025011311
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-23
出願番号
2024185441,2022530837
出願日
2024-10-21,2020-11-26
発明の名称
CD3およびBCMAに対する抗体およびそれらから作製した二重特異性結合タンパク質
出願人
シャンハイ エピムアブ バイオセラピューティクス カンパニー リミテッド
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
C07K
16/28 20060101AFI20250116BHJP(有機化学)
要約
【課題】本発明は、CD3に高い親和性で結合する新規抗体およびBCMAに高い親和性で結合する新規抗体を提供する。
【解決手段】CD3およびB細胞成熟因子タンパク質(BCMA)を認識する高親和性抗体が提供される。ヒト化抗CD3抗体および抗BCMA抗体に由来する結合部位は、結合親和性の有意な損失なくFabs-in-Tandem免疫グロブリン形式に組み込まれ、生じた二重特異性多価結合タンパク質はCD3とBCMAの両方に同時に結合し得る。このような抗体、その抗原結合部分、および二重特異性FIT-Ig結合タンパク質は、癌の治療に有用である。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
以下のようなCDRセット:
JPEG
2025011311000028.jpg
96
112
の群から選択されるCDR-H1、CDR-H2、CDR-H3、CDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3の6つのCDRのセットを含んでなる、抗BCMA抗体またはその抗原結合部分。
続きを表示(約 1,900 文字)
【請求項2】
以下のVH/VL対:
JPEG
2025011311000029.jpg
20
111
から選択されるアミノ酸配列を有するVHドメインおよびVLドメインを含んでなる、請求項1に記載の抗BCMA抗体またはその抗原結合部分。
【請求項3】
(i)配列番号:29、配列番号:34または配列番号:36から選択される配列を有するVHドメインおよび配列番号:26の配列を有するCH1-ヒンジ-CH2-CH3ヒト定常IgG1;ならびに
(ii)配列番号:30、配列番号:43または配列番号:48から選択される配列を有するVLドメインおよび配列番号:27の配列を有するCLκ
を含んでなる、請求項1に記載の抗BCMA抗体またはその抗原結合部分。
【請求項4】
請求項1に記載の少なくとも1種類の抗BCMA抗体またはその抗原結合フラグメント、および薬学上許容可能な担体を含んでなる、医薬組成物。
【請求項5】
CD3媒介活性および/またはBCMA媒介活性が有害である疾患または障害を治療するための薬剤の製造のための、請求項1~3のいずれか一項に記載の抗BCMA抗体もしくはその抗原結合部分または請求項4に記載の医薬組成物の使用。
【請求項6】
前記疾患が癌であり、場合により、多発性骨髄腫、黒色腫(例えば、転移性悪性黒色腫)、腎臓癌(例えば、明細胞癌)、前立腺癌(例えば、ホルモン不応性前立腺腺癌)、膵臓腺癌、乳癌、結腸癌、肺癌(例えば、非小細胞肺癌)、食道癌、頭頸部扁平上皮癌、肝臓癌、卵巣癌、子宮頸癌、甲状腺癌、膠芽腫、神経膠腫、白血病、リンパ腫、および原発骨癌(例えば、骨肉腫、ユーイング肉腫、悪性線維性組織球腫、または軟骨肉腫)から選択される、請求項5に記載の使用。
【請求項7】
以下のようなCDRセット:
JPEG
2025011311000030.jpg
96
113
の群から選択されるCDR-H1-1、CDR-H2-1、CDR-H3-1、CDR-L1-1、CDR-L2-1およびCDR-L3-1、ならびに、
JPEG
2025011311000031.jpg
96
112
の群から選択されるCDR-H1-2、CDR-H2-2、CDR-H3-2、CDR-L1-2、CDR-L2-2およびCDR-L3-2
の12のCDRのセットを含んでなる、抗BCMAおよび抗CD3二重特異性抗体またはその抗原結合部分。
【請求項8】
以下のVH/VL対:
JPEG
2025011311000032.jpg
20
111
および
JPEG
2025011311000033.jpg
26
111
の群から選択されるアミノ酸配列を有するVHドメインおよびVLドメインを含んでなる、抗BCMAおよび抗CD3二重特異性抗体またはその抗原結合部分。
【請求項9】
(i)配列番号:29、配列番号:34または配列番号:36から選択される配列を有する第1のVHドメインおよび配列番号:26の配列を有するCH1-ヒンジ-CH2-CH3ヒト定数IgG1;
(ii)配列番号:30、配列番号:43または配列番号:48から選択される配列を有する第1のVLドメインおよび配列番号:27の配列を有するCLκ;
(iii)配列番号:8、配列番号:11、配列番号:12、配列番号:15、配列番号:17または配列番号:18および配列番号:26の配列を有するCH1-ヒンジ-CH2-CH3ヒト定数IgG1;ならびに
(iv)配列番号:9または配列番号:25から選択される配列を有する第2のVLドメインおよび配列番号:27の配列を有するCLκ
を含んでなる、請求項7または8に記載の抗BCMAおよび抗CD3二重特異性抗体またはその抗原結合部分。
【請求項10】
第1のポリペプチドが配列番号:80の配列を有し、第2のポリペプチドが配列番号:81の配列を有し、第3のポリペプチドが配列番号:82の配列を有する、3つのポリペプチドを含んでなる、請求項7または8に記載の抗BCMAおよび抗CD3二重特異性抗体またはその抗原結合部分。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、CD3を認識する新規抗体、B細胞成熟抗原(B Cell Maturation Antigen)(BCMA)を認識する新規抗体、ならびにそれらの抗体を用いて作製したFIT-Ig結合タンパク質およびMAT-Fab結合タンパク質などの二重特異性BCMA/CD3結合タンパク質に関する。抗体および二重特異性結合タンパク質は、免疫疾患および血液癌の治療に有用である。
続きを表示(約 3,500 文字)
【背景技術】
【0002】
分化抗原群3(Cluster of Differentiation 3)(CD3)
T細胞受容体(TCR)は、主要組織適合遺伝子複合体(MHC)によって提示される抗原(Ags)に結合し、T細胞機能において重要な役割を果たす。しかしながら、TCR自体は細胞内シグナル伝達を行わない。代わりに、TCRは、分化抗原群3(CD3)複合体と非共有結合的に会合し、CD3の免疫受容体チロシン活性化モチーフ(immunoreceptor tyrosine-based activation motifs)(ITAM)を介して細胞内シグナル伝達を誘発する。CD3 T細胞共受容体は、細胞傷害性T細胞(CD8+ナイーブT細胞)とTヘルパー細胞(CD4+ナイーブT細胞)の両方を活性化する助けをする。それはタンパク質複合体からなり、4つの異なる鎖で構成されている。哺乳動物では、この複合体はCD3γ鎖、CD3δ鎖、および2つのCD3ε鎖を含む。これらの鎖は、T細胞受容体(TCR)およびCD3δ鎖(ゼータ鎖)と会合して、Tリンパ球に活性化シグナルを生成する。TCR、ζ鎖、およびCD3γ、δ、およびε鎖は一緒に、TCR複合体を構成する。そして、CD3の4鎖複体は、1:1:1の化学量論でCD3εγ、CD3εδ、およびζζ二量体を形成する。
【0003】
CD3は、最初は前胸腺細胞の細胞質で発現し、前胸腺細胞は、T細胞が胸腺で発生する幹細胞である。前胸腺細胞は、一般的な胸腺細胞に分化し、次に髄質胸腺細胞に分化するが、CD3抗原が細胞膜に移動し始めるにはこの後者の段階である。抗原は、総ての成熟T細胞の膜に結合して認められ、実質的に他の細胞種には存在しないが、プルキンエ細胞には少量存在していると思われる。
【0004】
この高い特異性は、T細胞発達の総ての段階にCD3が存在することと相まって、これを組織切片におけるT細胞の有用な免疫組織化学的マーカーとする。抗原は、ほとんど総てのT細胞リンパ腫および白血病に存在し続けるため、表面的に類似したB細胞および骨髄性腫瘍とそれらを区別するために使用することができる。CD3ε鎖に対するいくつかの抗体は、おそらくT細胞上でのCD3複合体のクラスター化によって、TCR-CD3複合体を活性化することが示されている。さらに、CD3と腫瘍特異的抗原の両方を標的とする二重特異性抗体が、T細胞による腫瘍根絶のリダイレクトのために研究されている。CD3はT細胞の活性化に必要であるため、CD3を標的とする薬物(多くの場合、モノクローナル抗体)が、1型糖尿病およびその他の自己免疫疾患に対する免疫抑制療法(例えば、オテリキシズマブ)として検討されている。
【0005】
B細胞成熟抗原(BCMA)
B細胞成熟抗原(BCMA、TNFRSF17、CD269)は、TNF受容体スーパーファミリーのメンバーである。BCMA発現はB細胞系列に限定されており、主として形質細胞と形質芽細胞で発現し、ナイーブB細胞には存在しない。BCMAは、2つのリガンド、増殖誘導リガンド(APRIL、TNFSF13、TALL-2、CD256)およびB細胞活性化因子(BAFF、BLYS、TNFSF13B、TALL-1、CD257)に結合する。BCMAは、APRILに対してBAFFよりも高い結合親和性を有する。多発性骨髄腫(MM)細胞は、高レベルのBCMAを発現する。リガンドブロッキング活性を備えたBCMA標的抗体は、裸のIgGとしても、薬物複合体としても、MM細胞の細胞毒性を促進する可能性がある。後期成熟B細胞でのBCMAの制限された発現によってもまた、これはキメラ抗原受容体T細胞(CAR-T細胞)の理想的な補助標的となり、CAR-T細胞は、改変されたT細胞特定の細胞タンパク質に標的化するためにキメラ抗原受容体を発現するように遺伝的に操作されたT細胞である。CAR-T細胞は、B細胞癌に対して有望な免疫療法を提供するが、それらの作用機序は十分に理解されておらず、CAR-T細胞療法の副作用は、多くの場合、重度であり、サイトカイン放出症候群(サイトカインストーム)および神経毒性を含む。
【0006】
CD3およびBCMAの役割を理解することもまた、二重特異性T細胞リダイレクト抗体として知られる関連の免疫療法に至った。CD3とBCMAの両方を標的とする二重特異性抗体は、リダイレクトされたT細胞細胞傷害性(RTCC)による多発性骨髄腫の治療に有用であろう。
【発明の概要】
【0007】
本発明は、CD3に高い親和性で結合する新規抗体およびBCMAに高い親和性で結合する新規抗体を提供する。本発明はまた、CD3とBCMAの両方と反応性があるBCMA/CD3二重特異性Fabs-in-Tandem免疫グロブリン(FIT-Ig)を提供する。本発明はまた、CD3とBCMAの両方と反応性があるBCMA/CD3二重特異性一価非対称タンデムFab抗体(MAT-Fab)を提供する。本発明の抗体および二重特異性結合タンパク質は、TCR-CD3複合体を活性化することができる。本明細書に記載される二重特異性多価結合タンパク質は、リダイレクトされたT細胞細胞傷害性による多発性骨髄腫(MM)細胞の治療に相乗作用的な組合せ効果を提供するために、CMA/CD3、二重特異性阻害剤として有用である。
【0008】
本発明はまた、本明細書に記載される抗CD3抗体、抗BCMA抗体およびBCMA/CD3二重特異性結合タンパク質を作製および使用する方法、ならびにサンプルにおいてCD3および/もしくはBCMAを検出する方法または個体においてCD3活性および/またはBCMA活性に関連する障害を治療もしくは予防する方法において使用され得る種々の組成物を作製する方法を提供する。
【0009】
さらなる実施形態において、本発明は、第1、第2、および第3のポリペプチド鎖を含んでなり、
前記第1のポリペプチド鎖は、アミノ末端からカルボキシル末端へ向けて、(i)VL
A
-CL-VH
B
-CH1-Fc(ここで、CLは、VH
B
に直接融合されている)、または(ii)VH
B
-CH1-VL
A
-CL-Fc(ここで、CH1は、VL
A
に直接融合されている)を含んでなり;
前記第2のポリペプチド鎖は、アミノ末端からカルボキシル末端へ向けて、VH
A
-CH1を含んでなり;かつ
前記第3のポリペプチド鎖は、アミノ末端からカルボキシル末端へ向けて、VL
B
-CLを含んでなり;
VLは軽鎖可変ドメインであり、CLは軽鎖定常ドメインであり、VHは重鎖可変ドメインであり、CH1は重鎖定常ドメインであり、Fcは免疫グロブリンFc領域であり、AはCD3またはBCMAのエピトープであり、かつBはCD3またはBCMAのエピトープであり、ただし、AとBは異なる、二重特異性Fabs-in-Tandem免疫グロブリン(FIT-Ig)結合タンパク質を提供する。本発明においては、このようなFIT-Ig結合タンパク質は、CD3とBCMAの両方に結合する。
【0010】
1つのさらなる実施形態において、このようなFIT-Ig結合タンパク質のFabフラグメントには、抗原標的CD3またはBCMAの一方に結合する親抗体に由来するVL
A
ドメインおよびVH
A
ドメインが組み込まれ、かつ抗原標的CD3およびBCMAの他方に結合する異なる親抗体に由来するVL
B
ドメインおよびVH
B
ドメインが組み込まれている。よって、第1の第2および第3のポリペプチド鎖のVH
A
-CH1/VL
A
-CLおよびVH
B
-CH1/VL
B
-CLのペアリングから、CD3およびBCMAを認識するタンデムFab部分が得られる。
(【0011】以降は省略されています)
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