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公開番号
2025010552
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-22
出願番号
2023032202
出願日
2023-03-02
発明の名称
再生ポリアミドの製造方法
出願人
旭化成株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
B29B
17/02 20060101AFI20250115BHJP(プラスチックの加工;可塑状態の物質の加工一般)
要約
【課題】本発明の目的は、ウレタン被覆されたポリアミド基布から効率よく高収率で再生ポリアミドを製造する方法を提供することにある。
【解決手段】本発明の再生ポリアミドの製造方法は、ウレタン樹脂に被覆されたポリアミドを含む混合物を原料とした再生ポリアミドの製造方法であって、金属塩化物およびアルコールを含む金属塩化物アルコール溶液と前記混合物を混合することでポリアミドを溶解してポリアミド溶解液とする溶解工程を含み、前記溶解工程において、前記ポリアミド溶解液中のポリアミドの質量割合が5~15質量%である、ことを特徴としている。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
ウレタン樹脂に被覆されたポリアミドを含む混合物を原料とした再生ポリアミドの製造方法であって、
金属塩化物およびアルコールを含む金属塩化物アルコール溶液と前記混合物を混合することでポリアミドを溶解してポリアミド溶解液とする溶解工程を含み、
前記溶解工程において、前記ポリアミド溶解液中のポリアミドの質量割合が5~15質量%である、
ことを特徴とする再生ポリアミドの製造方法。
続きを表示(約 730 文字)
【請求項2】
ウレタン樹脂に被覆されたポリアミドを含む混合物を原料とした再生ポリアミドの製造方法であって、
金属塩化物およびアルコールを含む金属塩化物アルコール溶液と前記混合物を混合することでポリアミドを溶解してポリアミド溶解液とする溶解工程を含み、
前記溶解工程において、前記ポリアミド溶解液の25℃における粘度が10~20000mPa・sである、
ことを特徴とする再生ポリアミドの製造方法。
【請求項3】
前記溶解工程において、前記混合物と前記金属塩化物アルコール溶液とを混合する温度が30~90℃である、請求項1または2に記載の製造方法。
【請求項4】
前記ポリアミドが脂肪族ポリアミドである、請求項1または2に記載の製造方法。
【請求項5】
前記金属塩化物が塩化亜鉛または塩化カルシウムである、請求項1または2に記載の製造方法。
【請求項6】
前記金属塩化物が塩化カルシウムである、請求項5に記載の製造方法。
【請求項7】
前記アルコールがメタノールである、請求項1または2に記載の製造方法。
【請求項8】
前記ポリアミドがナイロン66である、請求項1または2に記載の製造方法。
【請求項9】
前記金属塩化物アルコール溶液が、ポリアミド基布からポリアミドを溶解した金属塩化物アルコール溶液からポリアミドを分離して製造される溶液である、請求項1または2に記載の製造方法。
【請求項10】
前記金属塩化物アルコール溶液が、ポリアミドを分離した後に濃縮した溶液である、請求項9に記載の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、再生ポリアミドの製造方法に関する。より詳細には、ウレタンで被覆されたポリアミド基布などを原料とした再生ポリアミドの製造方法に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)
【背景技術】
【0002】
代表的なエンジニアリングプラスチックである、ナイロン6、ナイロン66をはじめとしたポリアミドは、耐熱性や良好な力学的特性を持ち、繊維や自動車部品、電気製品部品などに幅広く用いられており、現代社会において代替の効かない材料の一つである。中でも特に過酷な環境での耐熱性、耐久性が求められる用途で用いられるナイロン66の重要性は非常に高い。
【0003】
近年では、省資源、カーボンニュートラルを目的としてプラスチックのリサイクルに関する技術開発がなされているが、ポリアミドも例外ではない。
【0004】
リサイクルとしては、マテリアルリサイクルと呼ばれる、一度成形したものを再度ペレット化するものと、ケミカルリサイクルと呼ばれる解重合によりモノマーを再利用するものに大別される。マテリアルリサイクルは成形品に含まれるポリマーの劣化や添加成分がそのままリサイクルポリマーに残るため、品質が安定化しないことが懸念されるものの、化学反応を伴わず、また必要とする副原料も少ないため、投入する資源、エネルギーは少なくて済むことから、用途を固定して循環する場合などはマテリアルリサイクルが選択される。また、ケミカルリサイクルを実施する前にも、工場や市場から回収した加工済み、使用済みポリアミドから添加物、コーティングなどを取り除く場合には、マテリアルリサイクルと同様に清浄なポリアミドを回収する工程を経るため、マテリアルリサイクル技術は、ケミカルリサイクルを行うためにも有用な技術である。
上述の通り、加工済み、使用済みポリアミドには様々な夾雑物が存在しているため、用途によって回収方法を変える必要がある。ポリアミドの用途は多岐にわたるが、ナイロン66の用途の一つとして、高い安全性が求められる自動車用途が挙げられる。例えば、高耐熱性が要求されるエンジン回りの部品や、破裂時の耐久性が要求されるエアバッグの基布に用いられている。中でも劣化が少なく、マテリアルリサイクルに向いているのがエアバッグの基布である。使用済みのエアバッグだけでなく、エアバッグ用の基布の製造や縫製時にパーツを切り取った際に生じる端材などもリサイクルの対象となりうる。
一般的にエアバッグの基布は、ナイロン66を紡糸し、織り上げて織布としたものに、樹脂を被覆したものが用いられる。よって、エアバッグ基布をマテリアルリサイクルするにはこのコーティングとナイロン66を分離する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第5841598号公報
特許第7024037号公報
特開2018-172618号公報
特許第5110704号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
夾雑物を含むポリアミドから、その夾雑物を取り除いて清浄な状態にする物理的な方法としては、回収物を破砕後に比重分離する方法などが挙げられる(特許文献1)。この方法は少ないエネルギーで分離はできるものの、ポリアミドと夾雑物が混合、接合、接着などにより、強く結びついているエアバッグ基布の場合には分離することは難しい。
【0007】
また、不要な被覆樹脂などの夾雑物を溶媒により一部、またはすべてを溶解し、除去する方法も存在する(例えば特許文献2)。しかし、被覆樹脂はポリアミドの繊維に浸透した状態となっているため、回収されたポリアミドには被覆樹脂が残存する。また回収されたポリアミドは、破砕された布状で回収される。使用済みのエアバッグや製造時の端材は様々な形状をしており、そのままの形状、またはそれらを裁断して得られた繊維屑のような形状では、そのまま再利用することは難しい。また、溶融して再利用するにも、押出機などに仕込む形状として不適である。
【0008】
上述の方法とは逆に、ポリアミドの方を溶媒で一度溶解し、夾雑物を不溶物として除去したのちに何らかの方法でポリアミドを析出させ、回収するという方法も考えられる。しかし、ポリアミドを溶解する溶媒は、ギ酸、硫酸などの強酸やHFIPのような高価な溶媒など、工業的に用いる溶媒としては適していないものが多い。工業的に使用しやすい溶媒の使用例としては、エチレングリコールによる溶解回収方法がある(特許文献3)。しかし、この方法では、非常に高温の反応が必要であるため、ポリアミドのグリコリシスの懸念があるとともに、使用した溶媒をシャーベット状の固体からすべて留去・乾燥する必要があるため、反応時の加熱と合わせて多くのエネルギーを必要とすると考えられる。
【0009】
そこで、低温かつ汎用的な原料を用いた方法としてアルコールの塩化カルシウム溶液による溶解方法も存在する。例えば、被覆樹脂が塗布されたポリアミドの布を塩化カルシウムのメタノール溶液を用いて処理し、ポリアミドを溶解し、大量の水またはメタノールで希釈して目的のポリアミドを粉末として得る方法が特許文献4に記載されている。
しかし、特許文献4記載の方法で実際に樹脂被覆されたポリアミド基布を溶解すると問題点が明らかになった。特許文献4にはポリアミドの溶解性が高い塩化カルシウム2水和物を用いる、あるいは塩化カルシウム無水物に加えて水和物相当の水を添加することが好ましいと記載されており、当該組成でのポリアミドの溶解度が高いことがその理由である。
【0010】
しかし、実際にポリアミド基布を用いて溶解を試みてみると、課題が明らかになった。その課題は回収率の低さである。当該溶媒組成での飽和溶解度である23%程度のポリアミドを溶解しようとしても、基布がある程度の面積を持っていると基布同士の貼りつきや基布の巻き付きによりすべてのポリアミドを溶解回収することができなかった。溶解した上清についても、濁りがあり、流動的な状態にはなっているものの溶解しているとは言い難い状態であった。収率を高くするためには、基布を事前に破砕して置く方法もあるが、その際には微小な被覆樹脂の破片が液中に分散してしまい、溶液からの回収が非常に困難であった。
(【0011】以降は省略されています)
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