TOP
|
特許
|
意匠
|
商標
特許ウォッチ
Twitter
他の特許を見る
公開番号
2025004417
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-15
出願番号
2023104098
出願日
2023-06-26
発明の名称
二次電池用電極バインダー組成物及び電極用活物質層
出願人
旭化成株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
C08L
33/00 20060101AFI20250107BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】電極の接着強度及びサイクル特性を発現できる組成物を提供する。
【解決手段】粒子状でありかつM1~M3に由来の単位を含む共重合体を含み、M1は不飽和結合を有する単量体であり、M1のみから重合されるポリマーP1は電解液浸漬後の膨潤度が250%以上であるか又は電解液浸漬後に溶解し、ポリマーP1のTgは-80℃~-30℃であり、M1の含有率は単量体に由来する単位の合計量に対して、30質量%~90質量%であり、M2は不飽和結合を有する酸性基含有単量体であり、M2の含有率は単量体に由来する単位の合計量に対して、6.0質量%~20質量%であり、M3は不飽和結合を2つ以上有する架橋単量体であり、M3の含有率はすべての単量体に由来する単位の合計量に対して、0.5質量%~10質量%であり、共重合体は電解液浸漬後の膨潤度が180%~400%である組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
粒子状であり、かつ、M1、M2及びM3に由来する単位を含む共重合体を含み、
前記M1は不飽和結合を有する単量体であり、
前記M1のみから重合されるポリマーP1は、電解液浸漬後の膨潤度が250%以上であるか又は電解液浸漬後に溶解し、
前記ポリマーP1のガラス転移温度(Tg)は、-80℃以上-30℃以下であり、
前記M1の含有率は、すべての単量体に由来する単位の合計量に対して、30質量%以上90質量%以下であり、
前記M2は不飽和結合を有する酸性基含有単量体であり、
前記M2の含有率は、すべての単量体に由来する単位の合計量に対して、6.0質量%以上20質量%以下であり、
前記M3は不飽和結合を2つ以上有する架橋単量体であり、
前記M3の含有率は、すべての単量体に由来する単位の合計量に対して、0.5質量%以上10質量%以下であり、
前記共重合体は、電解液浸漬後の膨潤度が180%以上400%以下である二次電池用電極バインダー組成物。
続きを表示(約 1,000 文字)
【請求項2】
前記M1の含有率は、すべての単量体に由来する単位の合計量に対して、50質量%以上である請求項1に記載の二次電池用電極バインダー組成物。
【請求項3】
前記M3は、不飽和結合を3つ以上有する架橋単量体を少なくとも1つ含む請求項1に記載の二次電池用電極バインダー組成物。
【請求項4】
前記共重合体は、さらにM4に由来する単位を含み、
前記M4は不飽和結合を有する単量体であり(ただし前記M2を除く)、
前記M4のみから重合されるポリマーP4は、電解液浸漬後の膨潤度が140%以下であり、
前記M4の含有率は、すべての単量体に由来する単位の合計量に対して、50質量%以下である請求項1に記載の二次電池用電極バインダー組成物。
【請求項5】
前記共重合体は、芳香族単量体に由来する単位を含まない請求項1に記載の二次電池用電極バインダー組成物。
【請求項6】
前記共重合体のガラス転移温度(Tg)は、-25℃以上40℃以下である請求項1に記載の二次電池用電極バインダー組成物。
【請求項7】
二次電池用電極バインダー組成物を用いて膜を形成した場合に、前記膜は、電解液へ1日浸漬した後の不溶分が90質量%以上である請求項1に記載の二次電池用電極バインダー組成物。
【請求項8】
活物質と、M1、M2及びM3に由来する単位を含む粒子状の共重合体と、を含み、
前記M1は不飽和結合を有する単量体であり、
前記M1のみから重合されるポリマーP1は、電解液浸漬後の膨潤度が250%以上であるか又は電解液浸漬後に溶解し、
前記ポリマーP1のガラス転移温度(Tg)は、-80℃以上-30℃以下であり、
前記M1の含有率は、すべての単量体に由来する単位の合計量に対して、30質量%以上90質量%以下であり、
前記M2は不飽和結合を有する酸性基含有単量体であり、
前記M2の含有率は、すべての単量体に由来する単位の合計量に対して、6.0質量%以上20質量%以下であり、
前記M3は不飽和結合を2つ以上有する架橋単量体であり、
前記M3の含有率は、すべての単量体に由来する単位の合計量に対して、0.5質量%以上10質量%以下であり、
前記共重合体は、電解液浸漬後の膨潤度が180%以上400%以下である電極用活物質層。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、二次電池用電極バインダー組成物及び電極用活物質層に関する。
続きを表示(約 4,200 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、環境への負担を減らすエネルギー技術として非水系二次電池が、とりわけリチウムイオン二次電池の研究が鋭意進められている。リチウムイオン二次電池は、単位重量又は単位体積あたりの容量が他の電池系に比べて大きく、大容量でかつ小型化に適した材料である。例えば自動車分野においては各国排出ガス規制が年々厳しくなっており、EVに代表されるような電気自動車へとシフトする中で、リチウムイオン二次電池に対する需要はますます大きくなっている。
リチウムイオン二次電池等の電極を製造する方法としては、電極活物質にバインダーや増粘剤等を添加した液状の組成物(スラリー)を、集電体表面に塗布して乾燥することによって、当該集電体の上に電極層を形成させる方法が挙げられる。
ここで、集電体である金属との接着力が高く、水系配合で用いられるバインダーとして、スチレン-ブタジエン系共重合体ラテックスが知られている。バインダーは、固体である活物質間同士、活物質と集電体、又は活物質とセパレータとの密着性を向上させる機能を持つ。
【0003】
特許文献1ではバインダーとして物性が異なる2相以上の構造を有する複合ポリマー粒子が提案されている。
特許文献2では、イオン透過性を有するポリマー粒子を含む蓄電デバイス電極用樹脂組成物が提案されている。
特許文献3では、バインダーを構成する単量体として、不飽和カルボン酸アルキルエステルやエチレン系不飽和カルボン酸単量体、脂肪族共役ジエン系単量体およびアルケニル芳香族単量体とその他の単量体(ただし、シアン化ビニル系単量体を除く)の量を調整する方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第5110599号公報
国際公開第2018-021552号
特許第5809636号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、種々の共重合体ラテックスが提案されているものの、従来のバインダーでは密着性が不十分となる場合があり、その場合二次電池の充放電におけるサイクル特性を損ねる傾向にある。
例えば、特許文献1に記載の組成物によれば、異なる2相以上の構造、すなわち接着力と電池特性を向上できる層を有することで、電池特性ならびに接着性が向上するとされている。特許文献1の記載に基づいた組成の場合において、電極の接着強度ならびにサイクル特性について不十分となる可能性がある。
また、特許文献2に記載の組成物によれば、イオン透過性を有する事で抵抗が低下し、充電容量の維持率の低下が抑制されるとされている。特許文献2において、電極の接着性及びサイクル特性について不十分となる可能性がある。
さらに、特許文献3に記載の組成物によれば、耐折れ割れ性、柔軟性、電極塗工層の導電性に優れており、充放電サイクル特性などの電池特性に優れているとされている。特許文献3に記載の組成物では接着力が不足する可能性がある。
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、電極の接着強度及びサイクル特性を発現できる二次電池用電極バインダー組成物及び電極用活物質層を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は以下の態様を含む。
<1> 粒子状であり、かつ、M1、M2及びM3に由来する単位を含む共重合体を含み、
前記M1は不飽和結合を有する単量体であり、
前記M1のみから重合されるポリマーP1は、電解液浸漬後の膨潤度が250%以上であるか又は電解液浸漬後に溶解し、
前記ポリマーP1のガラス転移温度(Tg)は、-80℃以上-30℃以下であり、
前記M1の含有率は、すべての単量体に由来する単位の合計量に対して、30質量%以上90質量%以下であり、
前記M2は不飽和結合を有する酸性基含有単量体であり、
前記M2の含有率は、すべての単量体に由来する単位の合計量に対して、6.0質量%以上20質量%以下であり、
前記M3は不飽和結合を2つ以上有する架橋単量体であり、
前記M3の含有率は、すべての単量体に由来する単位の合計量に対して、0.5質量%以上10質量%以下であり、
前記共重合体は、電解液浸漬後の膨潤度が180%以上400%以下である二次電池用電極バインダー組成物。
<2> 前記M1の含有率は、すべての単量体に由来する単位の合計量に対して、50質量%以上である<1>に記載の二次電池用電極バインダー組成物。
<3> 前記M3は、不飽和結合を3つ以上有する架橋単量体を少なくとも1つ含む<1>又は<2>に記載の二次電池用電極バインダー組成物。
<4> 前記共重合体は、さらにM4に由来する単位を含み、
前記M4は不飽和結合を有する単量体であり(ただし前記M2を除く)、
前記M4のみから重合されるポリマーP4は、電解液浸漬後の膨潤度が140%以下であり、
前記M4の含有率は、すべての単量体に由来する単位の合計量に対して、50質量%以下である<1>~<3>のいずれか1つに記載の二次電池用電極バインダー組成物。
<5> 前記共重合体は、芳香族単量体に由来する単位を含まない<1>~<4>のいずれか1つに記載の二次電池用電極バインダー組成物。
<6> 前記共重合体のガラス転移温度(Tg)は、-25℃以上40℃以下である<1>~<5>のいずれか1つに記載の二次電池用電極バインダー組成物。
<7> 二次電池用電極バインダー組成物を用いて膜を形成した場合に、前記膜は、電解液へ1日浸漬した後の不溶分が90質量%以上である<1>~<6>のいずれか1つに記載の二次電池用電極バインダー組成物。
<8> 活物質と、M1、M2及びM3に由来する単位を含む粒子状の共重合体と、を含み、
前記M1は不飽和結合を有する単量体であり、
前記M1のみから重合されるポリマーP1は、電解液浸漬後の膨潤度が250%以上であるか又は電解液浸漬後に溶解し、
前記ポリマーP1のガラス転移温度(Tg)は、-80℃以上-30℃以下であり、
前記M1の含有率は、すべての単量体に由来する単位の合計量に対して、30質量%以上90質量%以下であり、
前記M2は不飽和結合を有する酸性基含有単量体であり、
前記M2の含有率は、すべての単量体に由来する単位の合計量に対して、6.0質量%以上20質量%以下であり、
前記M3は不飽和結合を2つ以上有する架橋単量体であり、
前記M3の含有率は、すべての単量体に由来する単位の合計量に対して、0.5質量%以上10質量%以下であり、
前記共重合体は、電解液浸漬後の膨潤度が180%以上400%以下である電極用活物質層。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、電極の接着強度及びサイクル特性を発現できる二次電池用電極バインダー組成物及び電極用活物質層を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という。)について詳細に説明する。
以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で適宜変形して実施できる。
なお、本明細書において、「~」を用いてその前後に数値又は物性値を挟んで表現する場合、その前後の値を含むものとして用いる。
本明細書中に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本明細書中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本明細書における基(原子団)の表記において、置換及び無置換を記していない表記は、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
本明細書において、「(メタ)アクリル」は、メタクリル及びアクリルの両方を包含する。
本明細書において、各成分における含有量とは、別段の定めのない限り、該当成分の合計含有量を意味する。
【0010】
≪二次電池用電極バインダー組成物≫
本実施形態の二次電池用電極バインダー組成物(本実施形態において、単に組成物ともいう。)は、粒子状であり、かつ、M1、M2及びM3に由来する単位を含む共重合体を含み、
M1は不飽和結合を有する単量体であり、
M1のみから重合されるポリマーP1は、電解液浸漬後の膨潤度が250%以上であるか又は電解液浸漬後に溶解し、
ポリマーP1のガラス転移温度(Tg)は、-80℃以上-30℃以下であり、
M1の含有率は、すべての単量体に由来する単位の合計量に対して、30質量%以上90質量%以下であり、
M2は不飽和結合を有する酸性基含有単量体であり、
M2の含有率は、すべての単量体に由来する単位の合計量に対して、6.0質量%以上20質量%以下であり、
M3は不飽和結合を2つ以上有する架橋単量体であり、
M3の含有率は、すべての単量体に由来する単位の合計量に対して、0.5質量%以上10質量%以下であり、
共重合体は、電解液浸漬後の膨潤度が180%以上400%以下である。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPatで参照する
関連特許
旭化成株式会社
表皮材
11日前
旭化成株式会社
巻回体収納箱
7日前
旭化成株式会社
巻回体収納箱
7日前
旭化成株式会社
多孔性中空糸膜
14日前
旭化成株式会社
エアバッグ用基布
1日前
旭化成株式会社
シワ除去システム
7日前
旭化成株式会社
衝撃吸収積層構造体
14日前
旭化成株式会社
物品、巻回体及び収納箱
14日前
旭化成株式会社
再生ポリアミドの製造方法
9日前
旭化成株式会社
RFタグ及び包装物の製造方法
14日前
旭化成株式会社
フィラメント及びその製造方法
1日前
旭化成株式会社
ポリケトン製多孔質膜の製造方法
11日前
旭化成株式会社
エポキシ樹脂及び硬化性樹脂組成物
10日前
旭化成株式会社
ケイ素含有オリゴマー及び硬化性樹脂組成物
11日前
旭化成株式会社
ポリアスパラティック塗料組成物、及び塗膜
11日前
旭化成株式会社
超高分子量ポリエチレンパウダー及び成形体
7日前
旭化成株式会社
発泡樹脂-金属複合体及び金属樹脂複合部材
8日前
旭化成株式会社
樹脂付着アルミニウム顔料、塗料、及びインキ
7日前
TOPPANエッジ株式会社
セキュリティタグ
14日前
旭化成株式会社
光学システム及びヘッドアップディスプレイ装置
14日前
旭化成株式会社
二次電池用電極バインダー組成物及び電極用活物質層
16日前
旭化成株式会社
積層パネル、車両用パネル及び積層パネルの製造方法
14日前
旭化成株式会社
塩化ビニリデン共重合体の水分散体、フィルム及び紙積層体
7日前
旭化成株式会社
塩化ビニリデン共重合体の水分散体、フィルム及び紙積層体
7日前
旭化成株式会社
低密度ポリエチレン組成物及びその成形体、並びにその製造方法
14日前
旭化成株式会社
感光性樹脂積層体
17日前
旭化成株式会社
樹脂組成物の製造方法
11日前
旭化成株式会社
検査装置および検査システム
11日前
旭化成株式会社
色味予測システム、素材製造方法、プログラム、色味予測方法、及び、色味補償方法
14日前
旭化成株式会社
積層体、ハードコート塗膜、及び塗料組成物
22日前
旭化成株式会社
正浸透膜、及びそれを含む正浸透膜モジュール
1日前
株式会社ワイヤード
レーザ加工装置及びレーザ加工方法
22日前
旭化成株式会社
二酸化炭素の電解方法、一酸化炭素又はエチレンの製造方法、二酸化炭素還元電解槽、二酸化炭素還元電解装置
11日前
旭化成株式会社
非水系二次電池用重合体組成物、非水系二次電池用正極、非水系二次電池及び非水系二次電池用重合体組成物の使用
7日前
旭化成株式会社
ポリアミドの製造方法、ポリエチレンテレフタレートの製造方法、並びに、ポリアミド及びポリエチレンテレフタレートの製造方法
9日前
東ソー株式会社
延伸物
2か月前
続きを見る
他の特許を見る