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公開番号
2025009002
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-20
出願番号
2023111687
出願日
2023-07-06
発明の名称
表皮材
出願人
旭化成株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
D06N
3/00 20060101AFI20250109BHJP(繊維または類似のものの処理;洗濯;他に分類されない可とう性材料)
要約
【課題】良好な風合と高い耐摩耗性、高級感のある外観を兼ね備えたリサイクル可能な表皮材の提供。
【解決手段】表皮層と、ポリエステル系繊維状物を骨格としたシート状物である基材層とが、ポリエステル系樹脂である接着層を介して貼着されている表皮材であって、表皮層が(1)表皮層が少なくとも1種の主体繊維と主体繊維の融点よりも20℃以上170℃以下低い融点を持つ熱可塑性樹脂から構成される;(2)主体繊維の繊度が0.01dtex以上0.5dtex以下である;(3)熱可塑性樹脂の少なくとも一部が主体繊維間を接着している;(4)熱可塑性樹脂の少なくとも一部が塊状形状で外表面繊維層の外表面に露出している;(5)塊状形状の投影面積の平均値が1.3×10
―9
m
2
以下である;(6)主体繊維がポリエステル系繊維である;(7)熱可塑性樹脂がポリエステル系樹脂である;等の特徴を有する表面繊維層を有する人工皮革である表皮材。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
表皮層と、ポリエステル系繊維状物を骨格としたシート状物である基材層とが、ポリエステル系樹脂である接着層を介して貼着されている表皮材であって、
該表皮層が、下記(1)~(8)の特徴:
(1)該表皮層が、少なくとも1種の主体繊維と該主体繊維の融点よりも20℃以上170℃以下低い融点を持つ熱可塑性樹脂から構成される;
(2)該主体繊維の繊度が、0.01dtex以上0.5dtex以下である;
(3)該熱可塑性樹脂の少なくとも一部が、主体繊維間を接着している;
(4)該熱可塑性樹脂の少なくとも一部が、塊状形状で外表面繊維層の外表面に露出している;
(5)該熱可塑性樹脂を表面から観察した際に、該塊状形状の投影面積の平均値が、1.3×10
―9
m
2
以下である;
(6)該主体繊維が、ポリエステル系繊維である;
(7)該熱可塑性樹脂が、ポリエステル系樹脂である;及び
(8)該表皮層の外表面に対して他方の表面が、該接着層に面している;
有する外表面繊維層を有する人工皮革である、表皮材。
続きを表示(約 730 文字)
【請求項2】
前記表皮層の外表面繊維層が、織物又は編物であるスクリム層と交絡されている、請求項1に記載の表皮材。
【請求項3】
前記スクリム層の織物又は編物がポリエステル系繊維である、請求項2に記載の表皮材。
【請求項4】
前記表皮層の外表面繊維層の熱可塑性樹脂の個数平均体積が、5000μm
3
以上14000μm
3
以下である、請求項1~3のいずれか1項に記載の表皮材。
【請求項5】
前記表皮層の外表面繊維層の熱可塑性樹脂の体積個数密度が、1.1×10
12
個/m
3
以上3.0×10
12
個/m
3
以下である、請求項1~3のいずれか1項に記載の表皮材。
【請求項6】
前記表皮層にプリント加工又はエンボス加工が施されている、請求項1~3のいずれか1項に記載の表皮材。
【請求項7】
前記接着層が、ドット状又は網目状とモザイク柄状である、請求項1~3のいずれか1項に記載の表皮材。
【請求項8】
前記接着層が、ポリエステル系の熱溶融パウダー樹脂接着剤に由来する、請求項1~3のいずれか1項に記載の表皮材。
【請求項9】
前記基材層が、織物、編物、不織布又はフェルトである、請求項1~3のいずれか1項に記載の表皮材。
【請求項10】
前記基材層の目付が、20g/m
2
~800g/m
2
である、請求項1~3のいずれか1項に記載の表皮材。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、表皮材に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)
【背景技術】
【0002】
人工皮革は、天然皮革の代替材料として広く市場に受け入れられており、銀面調、スエード調などの多様な商品展開を実現し、染色工程によって天然皮革にはない多彩な色彩を発現することができ、メンテナンスが容易であるため、高機能意匠材として広く用いられている。特に外表面が起毛処理されたスエード調人工皮革は靴、鞄、家具類、自動車や鉄道車両や航空機や船舶などのシート表皮材などの内装材、リボン、ワッペン基材等の服飾材などの分野において好適に用いられている。これらの分野では、良好な外観品位、しなやかな風合と、長時間の使用に対する耐摩耗性などの物理負荷に対する耐性の両立が要求されている。
【0003】
JIS-6601の定義では、人工皮革はその外観によって、革の銀面様外観を持つ「スムーズ」と、革のヌバック、スエード、ベロア等の外観を持つ「ナップ」に分類されるが、本実施形態の人工皮革は「ナップ」に分類されるもの(すなわち、起毛調外観を有する起毛調人工皮革)に関するものである。起毛調外観は、主体繊維層の外表面(表(おもて)面ともいう)をサンドペーパー等でバフィング処理(起毛処理)することにより形成することができる。尚、本明細書中、人工皮革の外表面、主体繊維層の外表面、繊維シートの外表面、及び積層シートの外表面とは、人工皮革として使用される際に外部に露出する表面(例えば、椅子用途の場合は人体と接触する側の表面)である。一態様において、起毛調人工皮革の場合には、主体繊維層の外表面が、バフィング加工等により起毛又は立毛されている。
【0004】
人工皮革用の素材は、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミドといった素材からなる繊維を交絡させてなる不織布構造体に、ポリウレタンをはじめとした高分子弾性体樹脂を含浸し付着させた形態のものが主流である。高分子弾性体樹脂を含浸させず、ニードルパンチや水流交絡法などによって単に繊維を物理的に交絡させたままだと、実使用時に十分な耐摩耗性を持たない、人工皮革のもつしなやかな手触りに欠ける、染色工程時に糸の脱落が多く、製造上の不具合が発生するといった不具合を生じる。
【0005】
そこで、人工皮革の製造工程においては、ポリウレタンなどの高分子弾性体を付着させることにより、良好な風合と耐摩耗性を付与させるという手法が広く用いられている。例えば、ポリウレタンを含浸付着させたタイプの人工皮革として、ラムース(商標)、エクセーヌ(商標)やアルカンターラ(商標)などの名称の下で市販されている。しかし、ポリウレタンなどの高分子弾性体は、染料のブリードアウト性が高く、十分な還元洗浄処理を用いないと洗濯堅牢度が悪化する、紫外線に弱い、長時間の使用によって劣化しやすく色彩の変化や長時間使用時の劣化が発生しやすいといった問題を生じやすい。加えて、ポリエステルが解重合する反応条件では分解することができないため、人工皮革の主体繊維で最も広く用いられるポリエステル繊維との複合系においては、リサイクルが難しい。
【0006】
以下の特許文献1では、ポリウレタン樹脂などの高分子弾性体を含浸しなくても、良好な風合と高い耐摩耗性、及び裁ち切り性や形状安定性を兼ね備えた人工皮革用不織布を提供すべく、表面繊維層と織編物であるスクリム層の少なくとも2層以上の多層構造をもつ不織布の少なくとも表面繊維層に熱融着性短繊維を特定の比率で混合させた後に熱融着処理を施すことにより、人工皮革用不織布を製造している。用途には車内装材も記載されているが、人工皮革用不織布と貼り合わせる基材層について述べられていない。
【0007】
また、以下の特許文献2では、特許文献1に記載された発明において、熱融着性短繊維が溶融して形成される熱可塑性樹脂の一部を、所定のサイズの塊状状態で表面繊維層の外表面に露出させることで、耐摩耗性(マーチンデール法による耐摩耗試験で40000回以上)と風合(KES純曲げ測定における曲げ値24cm未満)を改善している。しかし、特許文献1と同様に用途には車内装材も記載されているが、人工皮革用不織布と貼り合わせる基材層について述べられていない。
【0008】
ところで、表皮材は表皮層と接着層、基材層により構成されることが多い。表皮層だけでは機械的物性等が不十分のため、基材層が用いられる。基材層と表皮層を接着させるために接着層が必要となる。
以下の特許文献3に記載されるように、従来の車両用シートの基材層には半硬質ポリウレタンフォームが用いられることが多い。表皮層だけがポリエステル系の樹脂や繊維で構成されていても、接着層や基材層が同様に他素材であれば、表皮材としては素材が複合系となるため、ポリエステル解重合を行うケミカルリサイクルは困難である。
【0009】
表皮材はシート表皮材としても用いられる。シート表皮材とシートフレームとシートパッド、により車両用シートを構成されることが多い。シート表皮材に高級な外観や風合いを備えることで、車両用シートに高級な外観や風合いを付与することができる。しかし、市販されている高級な外観や風合いを有する車両用シートはPVC等の合成皮革や天然レザー等が部分的に使用されることが多く、基材層にも半硬質ポリウレタンフォームが用いられることが多く、素材として複合系となるためリサイクルが容易でない。
【0010】
表皮材は車両用シートカバーとしても用いられる。車両用シートカバーは車両のシートに脱着可能に取り付けられるシートカバーである。車両用シートカバーも高級な外観や風合いを備えることで、車両のシートに高級な外観や風合いを付与することができる。また着脱可能であるシートカバーはシートからの分離が容易でリサイクルに適している。しかし、市販されている高級な外観や風合いを有する車両用シートカバーはPVC等の合成皮革や天然レザー等が部分的に使用されることが多く、基材層にも半硬質ポリウレタンフォームが用いられることが多く、素材として複合系となるためリサイクルが容易でない。他方、ポリエステル系繊維のファブリックでのみ構成されたシートカバーも市販されているが高級感が乏しい。
【先行技術文献】
【特許文献】
(【0011】以降は省略されています)
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