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公開番号2025014788
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-30
出願番号2023117617
出願日2023-07-19
発明の名称エアバッグ用基布
出願人旭化成株式会社,日華化学株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類D06M 15/564 20060101AFI20250123BHJP(繊維または類似のものの処理;洗濯;他に分類されない可とう性材料)
要約【課題】コーティング材を配したエアバッグ用基布において、少ない塗工量であっても高い気密性と収納性を達成し得る、エアバッグ用基布の提供。
【解決手段】基布、及び、該基布の少なくとも片面に塗工された水性ウレタン樹脂組成物の硬化物を含むエアバッグ用基布において、該水性ウレタン樹脂組成物が、(a)ポリイソシアネート、(b)分岐構造を有するポリカーボネートジオール、及び(c)アニオン性親水基と少なくとも2個の活性水素とを有する化合物、を必須成分として反応させて得られるイソシアネート基末端プレポリマーに、(d)アミノ基及び/又はイミノ基を2個以上有するポリアミン、を反応させて得られるウレタン樹脂を含み、該水性ウレタン樹脂組成物の硬化物が5g/m2~15g/m2塗工されていることを特徴とする、エアバッグ用基布。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
基布、及び、該基布の少なくとも片面に塗工された水性ウレタン樹脂組成物の硬化物を含むエアバッグ用基布において、該水性ウレタン樹脂組成物が、以下の:
(a)ポリイソシアネート、
(b)分岐構造を有するポリカーボネートジオール、及び
(c)アニオン性親水基と少なくとも2個の活性水素とを有する化合物、
を必須成分として反応させて得られるイソシアネート基末端プレポリマーに、以下の:
(d)アミノ基及び/又はイミノ基を2個以上有するポリアミン、
を反応させて得られるウレタン樹脂を含み、該水性ウレタン樹脂組成物の硬化物が5g/m

~15g/m

塗工されていることを特徴とする、エアバッグ用基布。
続きを表示(約 890 文字)【請求項2】
前記(b)分岐構造を有するポリカーボネートジオールが、分岐構造を有する炭素数が3~10のジオール由来の構造単位を有するものである、請求項1に記載のエアバック用基布。
【請求項3】
前記(b)分岐構造を有するポリカーボネートジオールが、分岐構造を有する炭素数が3~10のジオール由来の構造単位と、直鎖構造を有する炭素数が3~10のジオール由来の構造単位とを有するものである、請求項1又は2に記載のエアバック用基布。
【請求項4】
前記水性ウレタン樹脂組成物が、前記(a)、(b)及び(c)に加えて、さらに以下の:
(e)3価以上のアルコール、
を必須成分として反応させて得られるイソシアネート基末端プレポリマーに、前記(d)を反応させて得られるウレタン樹脂を含むものである、請求項1又は2に記載のエアバック用基布。
【請求項5】
前記エアバッグ用基布の滑脱抵抗力が1000N~2500Nである、請求項1又は2に記載のエアバック用基布。
【請求項6】
前記エアバッグ用基布の100kPa差圧下での通気度が0.01l/cm

/min以下である、請求項1又は2に記載のエアバック用基布。
【請求項7】
前記エアバッグ用基布が繊度200dtex~800dtexの原糸で構成されている、請求項1又は2に記載のエアバック用基布。
【請求項8】
前記基布を構成する繊維がポリエチレンテレフタレート繊維又はポリヘキサメチレンアジパミド繊維である、請求項1又は2に記載のエアバック用基布。
【請求項9】
前記基布を構成する繊維の引張強度が7.5cN/dtex~11.5cN/dtexである、請求項1又は2に記載のエアバック用基布。
【請求項10】
前記水性ウレタン樹脂組成物の硬化物を除いた残部の重量が150g/m

~300g/m

である、請求項1又は2に記載のエアバック用基布。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、エアバッグ用基布に関する。より詳しくは、本発明は、密着性に優れたウレタン樹脂をコーティング材に用いることによって、少ない塗工量であっても気密性と収納性が改善されたエアバッグ用基布に関する。
続きを表示(約 3,000 文字)【背景技術】
【0002】
エアバッグは、事故時の衝突の衝撃や車内装備品と人体の接触を軽減するものである。そのために、エアバッグには気密性が求められている。加えて、エアバッグの展開には火薬を用いたインフレーターが多く使用されており、発生する高温のガスや残渣等に耐えるため、エアバッグに使用される基布には高い耐熱性が求められている。これらの課題を解決するために、エアバッグに用いられる基布の表面には気密性と耐熱性を向上させる目的で、コーティング材を配する手法が広く用いられている。
【0003】
昨今の傾向として世界的な安全基準の高まりにより、エアバッグ搭載部位の増加や、保護範囲を広げるためにエアバッグそのものが巨大化している。一方、車両の居住空間拡大等によってエアバッグの収容スペースは限られていることに加え、車両に使用される部材には、燃費改善に寄与するため、部材の軽量化に対する要求が非常に強く、これらの要求を満たすため、高い収納性と軽量性が重要な項目として挙げられるようになっており、コーティング材を配しつつも、収納性が良好かつ軽量な基布が求められている。
【0004】
下記特許文献1には、エアバッグ用のコーティング材に広く用いられているシリコーン樹脂に代わって、ウレタン樹脂を使用することで、バッグ重量を抑制したエアバッグ用基布が開示されている。
【0005】
下記特許文献2には、コーティング材にウレタン樹脂を使用することで、滑脱抵抗が高く、かつ、折畳み厚さが小さいエアバッグ用基布が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2011-168131号公報
特開2009-62643号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
エアバッグの基布に配されるコーティング材は、気密性や耐熱性を向上させる役割を担っている。一般的に、塗工量とそれらの性能は比例関係であり、エアバッグ用基布に求められる気密性や耐熱性を満たすためには、一定量以上のコーティング材の塗工が必要になる。他方、コーティング材によって基布が厚くなることと、コーティング材の剛性が基布に加わり、基布が硬くなり収納性が悪化することに加え、コーティング材の重量で基布の重量が増加し、軽量性が悪化するという課題があり、基布の要求規格を満たしつつ、収納性と軽量性を改善し得る基布の開発が望まれている。
特許文献1では、基布との密着性に優れたコーティング材を使用することで、少ない塗工量でも基布の気密性を満足できる方法が開示されているが、125Paという低圧での通気性評価しか実施しておらず、エアバッグの基布に求められる50kPa以上の高圧での通気性はなんら開示されていない。また、実施例では20g/m

の結果しか開示されておらず、20g/m

未満の塗工量で高い気密性を達成できるかに関しては何ら開示されておらず、低塗工量、かつ高圧時の気密性保持と言った点で、改善の余地が残る。
下記特許文献2では、滑脱抵抗が高いコーティング材を使用することで、軽量で柔軟な基布を提供する方法が開示されているが、125Paという低圧での通気性評価しか実施しておらず、エアバッグの基布に求められる50kPa以上の高圧での通気性はなんら開示されていない。また、滑脱抵抗力に関しても改善の余地が残る。
【0008】
かかる従来技術の水準に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、コーティング材を配したエアバッグ用基布において、少ない塗工量であっても高い気密性と収納性を達成し得る、エアバッグ用基布を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決すべく鋭意研究した結果、本発明者は、密着性に優れたウレタン樹脂をコーティング材に用いることによって、少ない塗工量であってもエアバッグ用基布の気密性と収納性が改善し得ることを予想外に発見し、本発明をなすに至ったものである。
【0010】
すなわち、本発明は以下のとおりのものである。
[1]基布、及び、該基布の少なくとも片面に塗工された水性ウレタン樹脂組成物の硬化物を含むエアバッグ用基布において、該水性ウレタン樹脂組成物が、以下の:
(a)ポリイソシアネート、
(b)分岐構造を有するポリカーボネートジオール、及び
(c)アニオン性親水基と少なくとも2個の活性水素とを有する化合物、
を必須成分として反応させて得られるイソシアネート基末端プレポリマーに、以下の:
(d)アミノ基及び/又はイミノ基を2個以上有するポリアミン、
を反応させて得られるウレタン樹脂を含み、該水性ウレタン樹脂組成物の硬化物が5g/m

~15g/m

塗工されていることを特徴とする、エアバッグ用基布。
[2]前記(b)分岐構造を有するポリカーボネートジオールが、分岐構造を有する炭素数が3~10のジオール由来の構造単位を有するものである、前記[1]に記載のエアバック用基布。
[3]前記(b)分岐構造を有するポリカーボネートジオールが、分岐構造を有する炭素数が3~10のジオール由来の構造単位と、直鎖構造を有する炭素数が3~10のジオール由来の構造単位とを有するものである、前記[1]又は[2]に記載のエアバック用基布。
[4]前記水性ウレタン樹脂組成物が、前記(a)、(b)及び(c)に加えて、さらに以下の:
(e)3価以上のアルコール、
を必須成分として反応させて得られるイソシアネート基末端プレポリマーに、前記(d)を反応させて得られるウレタン樹脂を含むものである、前記[1]~[3]のいずれかに記載のエアバック用基布。
[5]前記エアバッグ用基布の滑脱抵抗力が1000N~2500Nである、前記[1]~[4]のいずれかに記載のエアバック用基布。
[6]前記エアバッグ用基布の100kPa差圧下での通気度が0.01l/cm

/min以下である、前記[1]~[5]のいずれかに記載のエアバック用基布。
[7]前記エアバッグ用基布が繊度200dtex~800dtexの原糸で構成されている、前記[1]~[6]のいずれかに記載のエアバック用基布。
[8]前記基布を構成する繊維がポリエチレンテレフタレート繊維又はポリヘキサメチレンアジパミド繊維である、前記[1]~[7]のいずれかに記載のエアバック用基布。
[9]前記基布を構成する繊維の引張強度が7.5cN/dtex~11.5cN/dtexである、前記[1]~[8]のいずれかに記載のエアバック用基布。
[10]前記水性ウレタン樹脂組成物の硬化物を除いた残部の重量が150g/m

~300g/m

である、前記[1]~[9]のいずれかに記載のエアバック用基布。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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