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公開番号
2025031495
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-03-07
出願番号
2024042742
出願日
2024-03-18
発明の名称
錠剤及びその製造方法
出願人
旭化成株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
A61K
9/20 20060101AFI20250228BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約
【課題】生菌を含む微生物粉末を原料として圧縮成形により得られた錠剤であって、微生物の生存率を高くしつつ、実用上十分な硬度を有する錠剤、及びその製造方法の提供。
【解決手段】セルロース粉末と微生物の粉末とを含有する錠剤であり、前記錠剤の直径R(mm)と密度D(mg/mm
3
)が、6≦R≦14及びD≦-0.01R+1.30を満たす錠剤、並びに、セルロース粉末と微生物の粉末とを含有する混合物を調製する工程と、前記混合物を、打錠して錠剤を製造する工程とを有し、前記打錠を、錠剤単位面積あたり128MPa以下の打圧で行い、前記錠剤の直径R(mm)と密度D(mg/mm
3
)が、6≦R≦14及びD≦-0.01R+1.30を満たす、錠剤の製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
セルロース粉末と微生物の粉末とを含有する錠剤であり、
前記錠剤の直径R(mm)と密度D(mg/mm
3
)が、下記式(1)及び(2)を満たす、錠剤。
式(1): 6≦R≦14
式(2): D≦-0.01R+1.30
続きを表示(約 620 文字)
【請求項2】
前記セルロース粉末が、結晶セルロースの粉末である、請求項1に記載の錠剤。
【請求項3】
前記結晶セルロースの粉末が、粒子の短径に対する長径の比(L/D)の平均値が、2.0以上4.5以下である、請求項2に記載の錠剤。
【請求項4】
前記セルロース粉末が、ゆるみ嵩密度が、0.250g/cm
3
以下である、請求項1に記載の錠剤。
【請求項5】
前記錠剤の直径R(mm)と硬度H(N)が、下記式(3)を満たす、請求項1に記載の錠剤。
式(3): H≧12.5R-50
【請求項6】
摩損度が、0.2%以下である、請求項1に記載の錠剤。
【請求項7】
前記錠剤全量に対する、前記セルロース粉末の含有量の比率(質量比)が、10質量%以上60質量%以下である、請求項1に記載の錠剤。
【請求項8】
前記錠剤全量に対する、前記微生物の粉末の含有量の比率(質量比)が、10質量%以上60質量%以下である、請求項1に記載の錠剤。
【請求項9】
錠剤1gあたりの前記微生物の生菌数が、1.0×10
9
CFU/g以上である、請求項1に記載の錠剤。
【請求項10】
前記微生物の生存率が35%以上である、請求項1に記載の錠剤。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、セルロース粉末と生きている微生物の粉末とを含有する錠剤及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 3,600 文字)
【背景技術】
【0002】
従来から、乳酸菌やビフィズス菌などは、経口摂取することで、整腸作用等の有用な作用をもたらすことが知られている。近年では、これらの微生物を、プロバイオティクス(腸内フローラのバランスを改善することによって宿主の健康に有益に働く生きた微生物)として、機能性食品や医薬品として積極的に摂取されている。例えば、プロバイオティクスを含有させた医薬品としては、乾燥菌末をそのまま粉末製剤(散剤)としたものや、乾燥菌末をカプセルに充填させたカプセル剤、乾燥菌末を造粒した顆粒剤、乾燥菌末をそのまま又は造粒した後に圧縮成形した錠剤等が挙げられる。
【0003】
錠剤は、散剤やカプセル剤よりも容易に摂取可能な製剤である。しかし、圧縮成形時に有効成分に影響を与える場合がある。プロバイオティクス製剤においても、圧縮成形時に高い打圧がかかることによってプロバイオティクスが死滅し、生菌数が低下するという問題がある。この問題を解決する方法としては、例えば、打圧を低くする方法がある。しかし、打圧を単に低くした場合には、錠剤として十分な硬度が得られず、摩損度が高くなってしまう。また、特許文献1には、デンプンを含有する賦形剤組成物を造粒し、得られた顆粒1質量部に対して0.15~1.0質量部の、二糖類、多糖類及び炭酸カルシウムを含有する粉体組成物を造粒せずに添加して混合し、さらに生菌を添加して混合することにより得られる生菌含有組成物を圧縮成形することにより、生菌数が高く、かつ適度な硬度の錠剤を製造できることが記載されている。
【0004】
一方で、従来、医薬、食品、その他化学工業分野等において、結晶セルロース、粉末セルロース等のセルロース粉末を賦形剤として用いることにより、活性成分を含有する成形体を調製することが広く行われている。例えば特許文献2には、錠剤化する際の圧力が原因で不安定化してしまう薬物、いわゆる打圧感受性薬物を錠剤化する際に、平均L/D(粒子の短径に対する長径の比(L/D)の平均値)が2.0以上4.5以下のセルロース粉末を配合することによって、直接打錠法により実用硬度以上となる錠剤に製造した場合でも、当該打圧感受性薬物の不安定化を抑制できることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2011-102250号公報
特開2013-224265号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、生菌を含む微生物粉末を原料として圧縮成形により得られた錠剤であって、微生物の生存率を高くしつつ、実用上十分な硬度を有する錠剤、及びその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上述した現状に鑑み鋭意検討した結果、賦形剤としてセルロース粉末を使用し、錠剤の直径(mm)と密度(mg/mm
3
)が一定の関係式を満たすように調整することにより、微生物の死滅を抑制しつつ、充分な硬度の錠剤が得られることを見出し、本発明を完成させた。
【0008】
すなわち、本発明は、以下の態様を含む。
[1] セルロース粉末と微生物の粉末とを含有する錠剤であり、
前記錠剤の直径R(mm)と密度D(mg/mm
3
)が、下記式(1)及び(2)を満たす、錠剤。
式(1): 6≦R≦14
式(2): D≦-0.01R+1.30
[2] 前記セルロース粉末が、結晶セルロースの粉末である、前記[1]の錠剤。
[3] 前記結晶セルロースの粉末が、粒子の短径に対する長径の比(L/D)の平均値が、2.0以上4.5以下である、前記[2]の錠剤。
[4] 前記セルロース粉末が、ゆるみ嵩密度が、0.250g/cm
3
以下である、前記[1]~[3]のいずれかの錠剤。
[5] 前記錠剤の直径R(mm)と硬度H(N)が、下記式(3)を満たす、前記[1]~[4]のいずれかの錠剤。
式(3): H≧12.5R-50
[6] 摩損度が、0.2%以下である、前記[1]~[5]のいずれかの錠剤。
[7] 前記錠剤全量に対する、前記セルロース粉末の含有量の比率(質量比)が、10質量%以上60質量%以下である、前記[1]~[6]のいずれかの錠剤。
[8] 前記錠剤全量に対する、前記微生物の粉末の含有量の比率(質量比)が、10質量%以上60質量%以下である、前記[1]~[7]のいずれかの錠剤。
[9] 錠剤1gあたりの前記微生物の生菌数が、1.0×10
9
CFU/g以上である、前記[1]~[8]のいずれかの錠剤。
[10] 前記微生物の生存率が35%以上である、前記[1]~[9]のいずれかの錠剤。
[11] 前記微生物が、乳酸菌、ビフィズス菌、糖化菌、酪酸菌、及び酵母からなる群より選択される1種以上である、前記[1]~[10]のいずれかの錠剤。
[12] 前記微生物が、プロバイオティクスである、前記[1]~[11]のいずれかの錠剤。
[13] さらに、滑沢剤を含有しており、
前記錠剤全量に対する、前記滑沢剤の含有量の比率(質量比)が、0.1質量%以上3.0質量%以下である、前記[1]~[12]のいずれかの錠剤。
[14] セルロース粉末と微生物の粉末とを含有する混合物を調製する工程と、
前記混合物を、打錠して錠剤を製造する工程と、
を有し、
前記打錠を、錠剤単位面積あたり128MPa以下の打圧で行い、
前記錠剤の直径R(mm)と密度D(mg/mm
3
)が、下記式(1)及び(2)を満たす、錠剤の製造方法。
式(1): 6≦R≦14
式(2): D≦-0.01R+1.30
[15] 前記セルロース粉末が、結晶セルロースの粉末であり、ゆるみ嵩密度が、0.250g/cm
3
以下である、前記[14]の錠剤の製造方法。
[16] 前記結晶セルロースの粉末が、粒子の短径に対する長径の比(L/D)の平均値が、2.0以上4.5以下である、前記[15]の錠剤の製造方法。
[17] 前記錠剤の直径R(mm)と硬度H(N)が、下記式(3)を満たす、前記[14]~[16]のいずれかの錠剤の製造方法。
式(3): H≧12.5R-50
[18] 前記錠剤全量に対する、前記セルロース粉末の含有量の比率(質量比)が、10質量%以上60質量%以下であり、
前記錠剤全量に対する、前記微生物の粉末の含有量の比率(質量比)が、10質量%以上60質量%以下である、前記[14]~[17]のいずれかの錠剤の製造方法。
[19] 前記錠剤1gあたりの前記微生物の生菌数が、1.0×10
9
CFU/g以上である、前記[14]~[18]のいずれかの錠剤の製造方法。
[20] 前記錠剤の微生物の生存率が35%以上である、前記[14]~[19]のいずれかの錠剤の製造方法。
【発明の効果】
【0009】
上記態様の錠剤及びその製造方法によれば、微生物の生存率が高く、かつ充分な硬度を有しており、割れ欠けが発生しにくい錠剤を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
錠剤の形状を模式的に示した図である。
実施例1において、試験区1-1~1-4、2-1~2-8の錠剤を、縦軸を錠剤密度D(mg/mm
3
)、横軸を錠剤直径R(mm)としてプロットした図である。
(A)参考例1において、試験区3-1の錠剤を分割した断面のSEM画像である。(B)参考例1において、試験区3-2の錠剤を分割した断面のSEM画像である。(C)参考例1において、試験区3-3の錠剤を分割した断面のSEM画像である。(D)参考例1において、試験区3-4の錠剤を分割した断面のSEM画像である。(E)参考例1において、試験区3-5の錠剤を分割した断面のSEM画像である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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