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公開番号2025026329
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-21
出願番号2024105709
出願日2024-06-28
発明の名称ペレット、成形体及び成形体の製造方法
出願人旭化成株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C08F 220/18 20060101AFI20250214BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】本発明の目的は、色調と蛍光強度を改善させた、主鎖にN-置換マレイミド単量体由来の構造単位を含むメタクリル系樹脂を含むメタクリル系樹脂組成物からなるペレット及び成形体を提供することにある。
【解決手段】主鎖にN-置換マレイミド単量体由来の構造単位(X)を含むメタクリル系樹脂を含むメタクリル系樹脂組成物からなるペレットであって、前記ペレットの微粉末を半値幅が5nmである400nmの波長の光で励起したときの蛍光量子収率が0.010以下であることを特徴とする、ペレット。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
主鎖にN-置換マレイミド単量体由来の構造単位(X)を含むメタクリル系樹脂を含むメタクリル系樹脂組成物からなるペレットであって、前記ペレットの微粉末を半値幅が5nmである400nmの波長の光で励起したときの蛍光量子収率が0.010以下であることを特徴とする、ペレット。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記ペレットの反射色調YIが10以下である、請求項1に記載のペレット。
【請求項3】
前記ペレットの20w/v%クロロホルム溶液について、10cm光路長セルを用いて測定した400nmから450nmの波長の光における平均透過率が90%以上である、請求項1または2に記載のペレット。
【請求項4】
2-アミノ-N-置換マレイミドを0.30質量ppm未満含有する、請求項1または2に記載のペレット。
【請求項5】
前記ペレット中のメタクリル系樹脂のN-置換マレイミド単量体由来の構造単位(X)あたりの2-アミノ-N-置換マレイミドの含有量(2-アミノ-N-置換マレイミド量/N-置換マレイミド単量体由来の構造単位(X)量)が、1.5質量ppm未満である、請求項1または2に記載のペレット。
【請求項6】
前記メタクリル系樹脂組成物が、前記メタクリル系樹脂組成物を100質量%として、主鎖にN-置換マレイミド単量体由来の構造単位(X)を含むメタクリル系樹脂を50質量%以上含有する、請求項1または2に記載のペレット。
【請求項7】
前記メタクリル系樹脂が、前記メタクリル系樹脂を100質量%として、主鎖にN-置換マレイミド単量体由来の構造単位(X)を3質量%以上含有する、請求項1または2に記載のペレット。
【請求項8】
請求項1または2に記載のペレットを用いて成形加工して得られることを特徴とする、成形体。
【請求項9】
メタクリル系樹脂組成物を含有する成形体の製造方法であって、
メタクリル酸エステル単量体と、N-置換マレイミド単量体と、任意選択的に、メタクリル酸エステル単量体と共重合可能なその他のビニル系単量体とを重合してメタクリル系樹脂を得た後、任意選択的に添加剤を添加してメタクリル系樹脂組成物を得る工程と、
前記メタクリル系樹脂組成物をペレットにする工程と、
前記ペレットに波長360~460nm、積算光量0.1~10000W・hr/cm

の光を照射する工程と、
前記光を照射したペレットを加熱溶融して溶融物を得る工程と、
前記溶融物を射出成形して成形体を得る工程と、をこの順に含む
ことを特徴とする成形体の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ペレット、成形体及び成形体の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
従来、レンズやプリズム等の光学部品にはガラスが使用されていたが、近年、軽量・小型化やレンズの非球面化等の設計自由度の高さを背景に、プラスチックが使用されるようになってきている。光学部品に使用されるプラスチックには、一般にメタクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリカーボネート、環状オレフィン樹脂等が知られている。
【0003】
一般にプラスチックは成形加工に伴う配向により複屈折が生じやすく、光学部品とした場合に結像性能に悪影響を及ぼす。さらに、生産性の高い射出成形を成形方法として用いた場合、より大きな配向がかかりやすく結像性能への影響は顕著になる。ポリメタクリル酸メチルに代表されるメタクリル系樹脂は、透明性が高く、固有複屈折が低いことから配向複屈折を比較的低くすることができ、光学部品として好適に用いられてきた。しかしながらより高い光学性能が要求されるようになっていることから、より配向複屈折を小さくできる材料が求められている。
【0004】
例えば、特許文献1及び2には、メタクリル酸メチル、メタクリル酸2,2,2-トリフルオロエチル、メタクリル酸ベンジルを含むモノマーを共重合して得られる共重合体によって配向複屈折及び光弾性複屈折が低くできることが開示されている。これは、ホモポリマーとしたときに固有複屈折及び光弾性係数の各々の符号が異なるモノマーを複数選択し、それらを組み合わせて共重合し組成を調整することで共重合体としての配向複屈折と光弾性複屈折を低減するという思想に基づいている。しかしながらこの共重合体はガラス転移温度が低いため、内部が高温になりうる電子機器内や自動車内等での使用が制限されるという問題点があった。さらに、色調の問題と、高温環境下での使用に置いて一層の色調低下による問題が解決できていない。
【0005】
そのため、配向複屈折とともに耐熱性を改良した射出成形向け樹脂として、(メタ)アクリル酸エステルモノマーと芳香族ビニルモノマーとを含むモノマー組成物を重合して得られる共重合体の芳香族二重結合を水素化して得られる共重合体(特許文献3)や、主鎖に環構造のグルタルイミド単位を有する(メタ)アクリル系樹脂(特許文献4)が提案されている。しかしながらこれらの樹脂の配向複屈折は低いものの光弾性係数が十分には低減されていないため、成形時の残留歪みや光学部品を機器に固定する際に生じる応力により複屈折が生じるという欠点があった。
【0006】
そのためグルタルイミドアクリル系樹脂等の樹脂とグラフト共重合体とを含む組成物からなる非複屈折性樹脂材料(特許文献5)やメタクリレート単量体と2種以上のN-置換マレイミド単量体を含む単量体から得られる主鎖に環構造を有するメタクリル系共重合体(特許文献6)等、射出成形片で配向複屈折と光弾性の両方を低減し、かつ耐熱性が高い樹脂材料が提案されている。しかしながら、特許文献5のような完全には相溶しない複数の樹脂を含む組成物は、成形体が厚くなるほどヘイズが高くなり透明性が悪化することから光学部品としての適用が限られる。特許文献6のメタクリル系樹脂は射出成形体としても低い配向複屈折と光弾性係数を有するものの、N-置換マレイミドに起因する色調低下の問題や、レンズやプリズム等の厚みが変化する複雑な成形体、あるいは導光板のような薄肉の成形体に用いる場合に流動性を高める目的で高温成形する必要があり、更に色調の低下を引き起こすといった問題が生じていた。したがって、配向複屈折と光弾性の両方を低くしつつ、耐熱性に優れ、透明性のより高い樹脂組成物がガラス代替として望まれている。
【0007】
また、上記の主鎖に環構造を有する構造単位を含むメタクリル系樹脂の色調低下の中でも、例えば、N-置換マレイミドに起因する色調低下については、蛍光発光性の着色成分が要因の一つであることが報告されている。例えば、特許文献7には、N-置換マレイミド、または、N-置換マレイミドの不純物を300℃以上に加熱したり、せん断を有する脱揮装置に供したりすることで、蛍光発光性を有する着色物質に変性し、色調低下を引き起こすという記載がある。蛍光発光性に関して、光学樹脂そのものの蛍光は像のコントラストや測定精度を悪化させる一因となる可能性があるため、蛍光発光の強度が低い樹脂組成物が好ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2006-308682号公報
国際公開第2015/098980号
特開2008-15199号公報
特開2006-328330号公報
国際公開第2015/098775号
国際公開第2011/149088号
特開2020-63436号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、色調と蛍光強度を改善させた、主鎖にN-置換マレイミド単量体由来の構造単位を含むメタクリル系樹脂を含むメタクリル系樹脂組成物からなるペレット、成形体及び成形体の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上述した従来技術の問題を解決するために鋭意検討した結果、主鎖にN-置換マレイミド単量体由来の構造単位を含むメタクリル系樹脂を含むメタクリル系樹脂組成物からなるペレットにおいて、ペレット中に含まれる蛍光発光性を有する着色物質を低減することにより上記課題を解決できることを明らかとした。
(【0011】以降は省略されています)

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