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公開番号2025001935
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-09
出願番号2023101737
出願日2023-06-21
発明の名称樹脂組成物及びその製造方法
出願人旭化成株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類C08L 101/00 20060101AFI20241226BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】極めて高度な機械特性を有する樹脂組成物及びその製造方法を提供する。
【解決手段】一態様において、セルロースナノファイバーと、熱可塑性樹脂と、示差走査熱量測定(DSC)によるガラス転移温度が-100℃~50℃であるポリフェニレンエーテルとを含む樹脂組成物、並びに、成形品、3Dプリント用造形材料及び造形物が提供される。一態様においては、当該ポリフェニレンエーテルが、置換されていてもよい炭素数7~25の飽和又は不飽和炭化水素基を有する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
セルロースナノファイバーと、熱可塑性樹脂と、示差走査熱量測定(DSC)によるガラス転移温度が-100℃~50℃であるポリフェニレンエーテルとを含む樹脂組成物。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記ポリフェニレンエーテルが、置換されていてもよい炭素数7~25の飽和又は不飽和炭化水素基を有する、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項3】
前記ポリフェニレンエーテルが、下記式(1)で表されるフェノール化合物から誘導された繰り返し単位を含む、請求項1に記載の樹脂組成物。
JPEG
2025001935000019.jpg
42
70
(式(1)中、

13
は、置換されていてもよい炭素数15の飽和又は不飽和炭化水素基であり、

11
及びR
12
は、各々独立して、水素原子、炭素数1~12の直鎖状飽和炭化水素基、又は下記式(1-1)で表される置換基であり、但しR
11
及びR
12
のいずれもが水素原子であることはない。)
JPEG
2025001935000020.jpg
31
96
(式(1-1)中、R
31
は、各々独立して、置換されていてもよい炭素数1~8の直鎖アルキル基であるか、又は、2つのR
31
に含まれる原子が互いに結合して炭素数1~8の環状アルキル基を形成しており、R
32
は、各々独立して、置換されていてもよい炭素数1~8のアルキレン基であり、bは各々独立して、0又は1であり、R
33
は、水素原子、置換されていてもよい炭素数1~8のアルキル基、又は置換されていてもよいフェニル基である。)
【請求項4】
前記式(1)のR
11
が、前記式(1-1)で表される置換基である、請求項3に記載の樹脂組成物。
【請求項5】
前記式(1-1)で表される置換基が、t-ブチル基である、請求項3に記載の樹脂組成物。
【請求項6】
前記ポリフェニレンエーテルの重量平均分子量が、1,000~150,000である、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項7】
前記ポリフェニレンエーテルの80℃での粘度が、1mPa・s~1,000,000mPa・sである、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項8】
前記ポリフェニレンエーテルの熱分解開始温度が、300℃以上である、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項9】
前記セルロースナノファイバーが、化学修飾セルロースナノファイバーである、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項10】
前記化学修飾セルロースナノファイバーが、アシル置換度0.1~2.0のアシル化セルロースナノファイバーである、請求項9に記載の樹脂組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、セルロースナノファイバーを含む樹脂組成物及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 3,200 文字)【背景技術】
【0002】
樹脂材料は、軽く、加工特性に優れるため、自動車部材、電気・電子部材、事務機器ハウジング、精密部品等の多方面に広く使用されているが、樹脂単体では、機械特性、寸法安定性等が不十分である場合が多いことから、樹脂と各種フィラーとをコンポジットしたものが一般的に用いられている。近年、このようなフィラーとして、天然物由来材料であるセルロースナノファイバー(CNF)を使用することが検討されている。CNFは、優れた機械特性を有しながら環境への負荷が小さいという利点を有するが、その微細構造に起因して、乾燥状態では凝集し易いという性質があるため、安定分散が可能な分散液として製造される。例えば、セルロースナノファイバーを各種用途に適用する際には、上記分散液を樹脂と直接混合する場合と、当該分散液を一旦乾燥させた後、分散媒中に分散させ又は乾燥体のままで樹脂と混合する場合とがある。しかしセルロースナノファイバーにおいて、セルロース分子間の水素結合による凝集は極めて強固であることから、従来、セルロースナノファイバーの凝集を抑制するための手法が種々提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1は、セルロースナノファイバーを凝集させること無く分散可能なセルロースナノファイバー用分散液として、(A)親水性セグメント及び疎水性セグメントを有し、数平均分子量が200~30000の水溶性ポリマーである表面処理剤、(B)ポリウレタン、及び水を含む分散液を記載する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2020-063408号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
セルロースナノファイバーを含む樹脂組成物に要求される特性は年々高度になっており、特に、樹脂組成物を成形してなる成形品には、近年、より高度なセルロースナノファイバーの分散、具体的には靭性や衝撃特性に寄与するマイクロメートルスケールでの分散と、剛性、強度に寄与するナノメートルスケールでの分散の両立が求められている。特許文献1に記載される技術は、特定の水溶性ポリマーとポリウレタンとを含む分散液によってセルロースナノファイバーの分散性を高めようとするものであるが、より高度にセルロースナノファイバーが分散した樹脂組成物の提供においては未だ改善の余地があった。
【0006】
本発明の一態様は、上記の課題を解決し、極めて高度な機械特性を有する樹脂組成物及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、以下の項目を包含する。
[1]
セルロースナノファイバーと、熱可塑性樹脂と、示差走査熱量測定(DSC)によるガラス転移温度が-100℃~50℃であるポリフェニレンエーテルとを含む樹脂組成物。
[2]
前記ポリフェニレンエーテルが、置換されていてもよい炭素数7~25の飽和又は不飽和炭化水素基を有する、項目1に記載の樹脂組成物。
[3]
前記ポリフェニレンエーテルが、下記式(1)で表されるフェノール化合物から誘導された繰り返し単位を含む、項目1又は2に記載の樹脂組成物。
JPEG
2025001935000001.jpg
42
70
(式(1)中、

13
は、置換されていてもよい炭素数15の飽和又は不飽和炭化水素基であり、

11
及びR
12
は、各々独立して、水素原子、炭素数1~12の直鎖状飽和炭化水素基、又は下記式(1-1)で表される置換基であり、但しR
11
及びR
12
のいずれもが水素原子であることはない。)
JPEG
2025001935000002.jpg
31
96
(式(1-1)中、R
31
は、各々独立して、置換されていてもよい炭素数1~8の直鎖アルキル基であるか、又は、2つのR
31
に含まれる原子が互いに結合して炭素数1~8の環状アルキル基を形成しており、R
32
は、各々独立して、置換されていてもよい炭素数1~8のアルキレン基であり、bは各々独立して、0又は1であり、R
33
は、水素原子、置換されていてもよい炭素数1~8のアルキル基、又は置換されていてもよいフェニル基である。)
[4]
前記式(1)のR
11
が、前記式(1-1)で表される置換基である、項目3に記載の樹脂組成物。
[5]
前記式(1-1)で表される置換基が、t-ブチル基である、項目3に記載の樹脂組成物。
[6]
前記ポリフェニレンエーテルの重量平均分子量が、1,000~150,000である、項目1~5のいずれかに記載の樹脂組成物。
[7]
前記ポリフェニレンエーテルの80℃での粘度が、1mPa・s~1,000,000mPa・sである、項目1~6のいずれかに記載の樹脂組成物。
[8]
前記ポリフェニレンエーテルの熱分解開始温度が、300℃以上である、項目1~7のいずれかに記載の樹脂組成物。
[9]
前記セルロースナノファイバーが、化学修飾セルロースナノファイバーである、項目1~8のいずれかに記載の樹脂組成物。
[10]
前記化学修飾セルロースナノファイバーが、アシル置換度0.1~2.0のアシル化セルロースナノファイバーである、項目9に記載の樹脂組成物。
[11]
前記セルロースナノファイバーの数平均繊維径が、2nm~1000nmである、項目1~10のいずれかに記載の樹脂組成物。
[12]
前記セルロースナノファイバーの熱分解開始温度が、250℃以上である、項目1~11のいずれかに記載の樹脂組成物。
[13]
前記ポリフェニレンエーテルが、少なくとも、前記セルロースナノファイバーと前記熱可塑性樹脂との界面の一部に浸入した形態で存在している、項目1~12のいずれかに記載の樹脂組成物。
[14]
前記樹脂組成物の250℃重量減少率が、1.5%以下である、項目1~13のいずれかに記載の樹脂組成物。
[15]
前記ポリフェニレンエーテルの熱分解開始温度T1、及び前記セルロースナノファイバーの熱分解開始温度T2が、以下の関係:
(T1)≧(T2)
を満たす、項目1~14のいずれかに記載の樹脂組成物。
[16]
前記T1と前記T2との差T1-T2が、5℃以上である、項目15に記載の樹脂組成物。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様によれば、極めて高度な機械特性を有する樹脂組成物及びその製造方法が提供され得る。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1は、実施例19~21で用いた単軸押出機のダイス断面形状を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の例示の態様(以下、本実施形態ともいう。)について以下具体的に説明するが、本発明はこれらの態様に限定されるものではない。なお本開示の特性値は、特記がない限り、本開示の[実施例]の項に記載される方法又はこれと同等であることが当業者に理解される方法で測定される値である。
(【0011】以降は省略されています)

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