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公開番号2025010372
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-20
出願番号2024192707,2021106294
出願日2024-11-01,2021-06-28
発明の名称Stenoma cateniferに対して生理活性な組成物及びこれを含む防除用徐放性製剤
出願人信越化学工業株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類A01N 35/02 20060101AFI20250109BHJP(農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業)
要約【課題】(9Z)-9,13-テトラデカジエン-11-イナール単独よりも誘引数が多くなる組成物等を提供する。
【解決手段】(9Z)-9,13-テトラデカジエン-11-イナール(1)及び(9E)-9,13-テトラデカジエン-11-イナール(2)を少なくとも含んでなる、Stenoma catenifer(STENCA)に対して生理活性な組成物を提供し、前記組成物と、前記(9Z)-9,13-テトラデカジエン-11-イナール(1)及び(9E)-9,13-テトラデカジエン-11-イナール(2)を徐放するための担持体又は容器を備えるSTENCA防除用徐放性製剤を提供し、前記徐放性製剤を圃場に設置し、前記(9Z)-9,13-テトラデカジエン-11-イナール(1)及び(9E)-9,13-テトラデカジエン-11-イナール(2)を圃場に放出するステップを少なくとも含むSTENCAの防除方法を提供する。
【選択図】なし

特許請求の範囲【請求項１】
（９Ｚ）－９，１３－テトラデカジエン－１１－イナール（１）及び（９Ｅ）－９，１３－テトラデカジエン－１１－イナール（２）を少なくとも含んでなる、
Ｓｔｅｎｏｍａ
ｃａｔｅｎｉｆｅｒ
に対して生理活性な組成物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、
Ｓｔｅｎｏｍａ
ｃａｔｅｎｉｆｅｒ
に対して生理活性な組成物及びこれを含む防除用徐放性製剤に関する。
続きを表示（約 2,500 文字）【背景技術】
【０００２】
Ａｖｏｃａｄｏｓｅｅｄｍｏｔｈ（アボカドシードモス）（学名：
Ｓｔｅｎｏｍａ
ｃａｔｅｎｉｆｅｒ
、以下、本学名で示す。）は、メキシコ、グアテマラ、ペルー、エクアドル、ブラジル等の中南米におけるアボカドの最重要害虫であり、果実を直接加害するために大きな問題となっている。例えば、南米のある地域では１シーズンに７～１１回も農薬散布しているが、６０％の果実が加害されていると言われている。その理由の一つとして、本害虫の幼虫は果肉内に侵入するために、殺虫剤による防除が困難であることが挙げられる。この様な理由から、生物学的防除方法が注目されつつあり、その一つとして性フェロモン物質を利用した防除が期待されている。
【０００３】
性フェロモン物質を利用した防除方法としては、フェロモン誘引剤で成虫を誘引し、一定の場所に集めて捕獲（捕殺）することで圃場内の害虫密度を低下させる大量誘殺もしくは誘引殺虫（ｍａｓｓｔｒａｐｐｉｎｇｏｒＡｔｔｒａｃｔａｎｄｋｉｌｌ）、フェロモン誘引剤と忌避物質を使用して、害虫を一定方向へ移動させて捕獲（捕殺）することで圃場内の害虫密度を低下させるプッシュ－プル（ｐｕｓｈ－ｐｕｌｌ）、フェロモン誘引剤で成虫を誘引し病原体に感染させた上で圃場へ放出し、圃場内で対象とする害虫に病原体を感染させることで害虫密度を低下させる誘引感染（Ａｔｔｒａｃｔａｎｄｉｎｆｅｃｔ）、フェロモン剤を設置して圃場内で交尾相手を見つけられなくすることで次世代の害虫密度を低下させる交信かく乱（Ｍａｔｉｎｇｄｉｓｒｕｐｔｉｏｎ）が挙げられる（非特許文献１）。
上記いずれの防除方法においても対象とする害虫を高精度で多量に誘引できる誘引組成物が重要である。
【０００４】
Ｓｔｅｎｏｍａ
ｃａｔｅｎｉｆｅｒ
の性フェロモンは、（９Ｚ）－９，１３－テトラデカジエン－１１－イナールであることが報告されている（非特許文献２、３）。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【０００５】
Ｂ．Ｓ．Ｈａｎｓｓｏｎ（Ｅｄ．），ＩｎｓｅｃｔＯｌｆａｃｔｉｏｎ，Ｃｈａｐｔｅｒ１２“ＡｐｐｌｉｅｄＡｓｐｅｃｔｓｏｆＩｎｓｅｃｔＯｌｆａｃｔｉｏｎ”，３５２－３７７．
ＪｏｃｅｌｙｎＧ．Ｍｉｌｌａｒｅｔａｌ，２００８，ＴｅｔｒａｈｅｄｒｏｎＬｅｔｔｅｒｓ．４９：４８２０－４８２３．
ＭａｒｋＳ．Ｈｏｄｄｌｅｅｔａｌ，２００９，Ｊ．Ｅｃｏｎ．Ｅｎｔｏｍｏｌ．，１０２（４）：１４６０－１４６７．
ＡｉｖｌｅＣａｂｒｅｒａ，Ｊ．Ｃｈｅｍ．Ｅｃｏｌ．，２００１，２７（１０），２０９７．
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
しかしながら、非特許文献３によれば、圃場試験に用いた多数の誘引組成物の中で生理活性成分として（９Ｚ）－９，１３－テトラデカジエン－１１－イナール単独の組成物が最も活性が高く、雄に対する誘引活性を確認できたものの、著者も認めているように誘引数自体は少なく、誘引活性は十分とは言えなかった。このため、誘引組成物の実用化に向けては、
Ｓｔｅｎｏｍａ
ｃａｔｅｎｉｆｅｒ
による農業被害の甚大さも鑑み、既存組成物より少しでも活性の高い誘引組成物が強く望まれていた。
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、（９Ｚ）－９，１３－テトラデカジエン－１１－イナール単独よりも誘引数が多くなる組成物及びその組成物を用いた防除用徐放性製剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、
Ｓｔｅｎｏｍａ
ｃａｔｅｎｉｆｅｒ
の性フェロモンである（９Ｚ）－９，１３－テトラデカジエン－１１－イナール（１）の幾何異性体である（９Ｅ）－９，１３－テトラデカジエン－１１－イナール（２）の添加が誘引数を増加させることを見出し、本発明を為すに至った。
【０００８】
本発明の一つの態様によれば、（９Ｚ）－９，１３－テトラデカジエン－１１－イナール（１）及び（９Ｅ）－９，１３－テトラデカジエン－１１－イナール（２）を少なくとも含んでなる、
Ｓｔｅｎｏｍａ
ｃａｔｅｎｉｆｅｒ
に対して生理活性な組成物が提供される。
また、本発明の他の態様では、前記組成物と、前記（９Ｚ）－９，１３－テトラデカジエン－１１－イナール（１）及び（９Ｅ）－９，１３－テトラデカジエン－１１－イナール（２）を徐放するための担持体又は容器を備える
Ｓｔｅｎｏｍａ
ｃａｔｅｎｉｆｅｒ
防除用徐放性製剤が提供される。
さらに、本発明の他の態様では、前記徐放性製剤を圃場に設置し、前記（９Ｚ）－９，１３－テトラデカジエン－１１－イナール（１）及び（９Ｅ）－９，１３－テトラデカジエン－１１－イナール（２）を圃場に放出するステップを少なくとも含む
Ｓｔｅｎｏｍａ
ｃａｔｅｎｉｆｅｒ
の防除方法が提供される。
【発明の効果】
【０００９】
本発明によれば、より多くの
Ｓｔｅｎｏｍａ
ｃａｔｅｎｉｆｅｒ
の雄成虫を特異的に誘引し、より詳細な発生状況を知るのに有効な組成物を得ることができる。また、前記組成物を用いて徐放性製剤とすることにより、大量誘殺や、交信かく乱等への応用により、直接的に本種を防除することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【００１０】
白色粘着型トラップを示す。
【発明を実施するための形態】
（【００１１】以降は省略されています）

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