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公開番号2025009974
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-20
出願番号2024103056
出願日2024-06-26
発明の名称液晶組成物および液晶表示素子
出願人JNC株式会社,JNC石油化学株式会社
代理人
主分類C09K 19/34 20060101AFI20250109BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約【課題】 高い上限温度、低い下限温度、小さな粘度、適切な光学異方性、大きな誘電率異方性、大きな短軸方向における誘電率、誘電率異方性に対する短軸方向における誘電率の大きな比、大きな比抵抗、光および熱に対する高い安定性、大きな弾性定数のような特性の少なくとも1つを充足する、または少なくとも2つの特性に関して適切なバランスを有する液晶組成物、およびこの組成物を含むAM素子を提供する。
【解決手段】 成分Aとして大きな光学異方性を有する特定の化合物を含有し、成分Bとして大きな誘電率異方性を有する特定の化合物、成分Cとして小さな粘度または高い上限温度を有する特定の化合物、または成分Dとして大きな短軸方向における誘電率を有する特定の化合物を含有してもよい液晶組成物である。
【選択図】 なし
特許請求の範囲【請求項1】
成分Aとして式(1)で表される化合物から選択された少なくとも1つの化合物を含有し、正の誘電率異方性を有する液晶組成物。
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2025009974000037.tif
17
96
式(1)において、R

およびR

は、水素、炭素数1から5のアルキル、炭素数1から5のアルコキシ、炭素数2から5のアルケニル、炭素数2から5のアルケニルオキシ、または少なくとも1つの水素がフッ素または塩素で置き換えられた炭素数1から5のアルキルであり;環Aおよび環Bは、1,4-シクロヘキシレン、1,4-シクロヘキセニレン、テトラヒドロピラン-2,5-ジイル、1, 4-ジオキサン、1,4-フェニレン、または少なくとも1つの水素がフッ素または塩素で置き換えられた1,4-フェニレンであり;Xは硫黄または酸素であり;aは、1、2、または3であり、;bは、0または1であり;そしてaとbとの和は3以下である。
続きを表示(約 3,500 文字)【請求項2】
成分Aとして式(1-1)から式(1-8)で表される化合物から選択された少なくとも1つの化合物を含有する、請求項1に記載の液晶組成物。
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166
100
式(1-1)から式(1-8)において、R

およびR

は、水素、炭素数1から5のアルキル、炭素数1から5のアルコキシ、炭素数2から5のアルケニル、炭素数2から5のアルケニルオキシ、または少なくとも1つの水素がフッ素または塩素で置き換えられた炭素数1から5のアルキルであり; Yは水素、フッ素、または塩素である。
【請求項3】
成分Aの割合が3質量%から30質量%の範囲である、請求項1または2に記載の液晶組成物。
【請求項4】
成分Bとして式(2)および式(3)で表される化合物から選択された少なくとも1つの化合物を含有する、請求項1に記載の液晶組成物。
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55
113
式(2)において、R

は、炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、または炭素数2から12のアルケニルであり;環Cは、1,4-シクロヘキシレン、1,4-フェニレン、2-フルオロ-1,4-フェニレン、2,3-ジフルオロ-1,4-フェニレン、2,6-ジフルオロ-1,4-フェニレン、ピリミジン-2,5-ジイル、1,3-ジオキサン-2,5-ジイル、またはテトラヒドロピラン-2,5-ジイルであり;Z

は、単結合、エチレン、ビニレン、カルボニルオキシ、またはジフルオロメチレンオキシであり;X

およびX

は、水素またはフッ素であり;Y

は、フッ素、塩素、少なくとも1つの水素がフッ素または塩素で置き換えられた炭素数1から12のアルキル、少なくとも1つの水素がフッ素または塩素で置き換えられた炭素数1から12のアルコキシ、または少なくとも1つの水素がフッ素または塩素で置き換えられた炭素数2から12のアルケニルオキシであり;cは、1、2、3、または4であり;
式(3)において、R

は、炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、または炭素数2から12のアルケニルであり;環Dは、1,4-シクロヘキシレン、1,4-フェニレン、2-フルオロ-1,4-フェニレン、または2,6-ジフルオロ-1,4-フェニレンであり;Z

は、単結合、カルボニルオキシ、またはジフルオロメチレンオキシであり;X

およびX

は、水素またはフッ素であり;dは、1、2、3、または4である。
【請求項5】
成分Bとして式(2-1)から式(2-36)および式(3-1)から式(3-8)で表される化合物から選択された少なくとも1つの化合物を含有する、請求項1または4に記載の液晶組成物。
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223
115
式(2-1)から式(2-36)において、R

は、炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、または炭素数2から12のアルケニルであり;
式(3-1)から式(3-8)において、R

は、炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、または炭素数2から12のアルケニルであり;X

およびX

は、水素またはフッ素である。
【請求項6】
成分Bの割合が5質量%から50質量%の範囲である、請求項4に記載の液晶組成物。
【請求項7】
成分Cとして式(4)で表される化合物から選択された少なくとも1つの化合物を含有する、請求項1または4に記載の液晶組成物。
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2025009974000045.tif
17
96
式(4)において、R

およびR

は、炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、炭素数2から12のアルケニル、または少なくとも1つの水素がフッ素または塩素で置き換えられた炭素数2から12のアルケニルであり;環Eおよび環Fは、1,4-シクロヘキシレン、1,4-フェニレン、2-フルオロ-1,4-フェニレン、または2,5-ジフルオロ-1,4-フェニレンであり;Z

は、単結合、エチレン、ビニレン、メチレンオキシ、またはカルボニルオキシであり;eは、1、2、または3である。
【請求項8】
成分Cとして式(4-1)から式(4-15)で表される化合物から選択された少なくとも1つの化合物を含有する、請求項1に記載の液晶組成物。
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91
113
式(4-1)から式(4-15)において、R

およびR

は、炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、炭素数2から12のアルケニル、少なくとも1つの水素がフッ素または塩素で置き換えられた炭素数1から12のアルキル、または少なくとも1つの水素がフッ素または塩素で置き換えられた炭素数2から12のアルケニルである。
【請求項9】
成分Cの割合が10質量%から85質量%の範囲である、請求項7に記載の液晶組成物。
【請求項10】
成分Dとして式(5)で表される化合物から選択された少なくとも1つの化合物を含有する、請求項7に記載の液晶組成物。
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110
式(5)において、R

およびR

は、水素、炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、炭素数2から12のアルケニル、炭素数2から12のアルケニルオキシ、または少なくとも1つの水素がフッ素または塩素で置き換えられた炭素数1から12のアルキルであり;環Gおよび環Jは、1,4-シクロヘキシレン、1,4-シクロヘキセニレン、テトラヒドロピラン-2,5-ジイル、1,4-フェニレン、少なくとも1つの水素がフッ素または塩素で置き換えられた1,4-フェニレン、ナフタレン-2,6-ジイル、少なくとも1つの水素がフッ素または塩素で置き換えられたナフタレン-2,6-ジイル、クロマン-2,6-ジイル、または少なくとも1つの水素がフッ素または塩素で置き換えられたクロマン-2,6-ジイルであり;環Iは、2,3-ジフルオロ-1,4-フェニレン、2-クロロ-3-フルオロ-1,4-フェニレン、2,3-ジフルオロ-5-メチル-1,4-フェニレン、1,8-ジフルオロフェナントレン-2,7-ジイル、3,4,5-トリフルオロナフタレン-2,6-ジイル、7,8-ジフルオロクロマン-2,6-ジイル、3,4,5,6-テトラフルオロフルオレン-2,7-ジイル、4,6-ジフルオロジベンゾフラン-3,7-ジイル、4,6-ジフルオロジベンゾチオフェン-3,7-ジイル、または1,1,6,7-テトラフルオロインダン-2,5-ジイルであり;Z

およびZ

は、単結合、エチレン、ビニレン、メチレンオキシ、またはカルボニルオキシであり;fは0、1、2、または3であり、gは0または1であり;そしてfとgとの和は3以下である。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶組成物、この組成物を含有する液晶表示素子などに関する。特に、誘電率異方性が正の液晶組成物、およびこの組成物を含有し、TN、ECB、OCB、IPS、FFS、またはFPAのモードを有するAM(active matrix)素子に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
液晶表示素子において、液晶分子の動作モードに基づいた分類は、PC(phase change)、TN(twisted nematic)、STN(super twisted nematic)、ECB(electrically controlled birefringence)、OCB(optically compensated bend)、IPS(in-plane switching)、VA(vertical alignment)、FFS(fringe field switching)、FPA(field-induced photo-reactive alignment)などのモードである。素子の駆動方式に基づいた分類は、PM(passive matrix)とAM(active matrix)である。PMは、スタティック(static)、マルチプレックス(multiplex)などに分類され、AMは、TFT(thin film transistor)、MIM(metal insulator metal)などに分類される。TFTの分類は非晶質シリコン(amorphous silicon)および多結晶シリコン(polycrystal silicon)である。後者は製造工程によって高温型と低温型とに分類される。光源に基づいた分類は、自然光を利用する反射型、バックライトを利用する透過型、そして自然光とバックライトの両方を利用する半透過型である。
【0003】
液晶表示素子はネマチック相を有する液晶組成物を含有する。この組成物は適切な特性を有する。この組成物の特性を向上させることによって、良好な特性を有するAM素子を得ることができる。これらの特性における関連を下記の表1にまとめる。組成物の特性を市販されているAM素子に基づいてさらに説明する。ネマチック相の温度範囲は、素子の使用できる温度範囲に関連する。ネマチック相の好ましい上限温度は約70℃以上であり、そしてネマチック相の好ましい下限温度は約-10℃以下である。組成物の粘度は素子の応答時間に関連する。素子で動画を表示するためには短い応答時間が好ましい。1ミリ秒でもより短い応答時間が望ましい。したがって、組成物における小さな粘度が好ましい。低い温度における小さな粘度はさらに好ましい。組成物の弾性定数は素子のコントラストに関連する。素子においてコントラストを上げるためには、組成物における大きな弾性定数が好ましい。
【0004】
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67
152
【0005】
組成物の光学異方性は、素子のコントラスト比に関連する。素子のモードに応じて、大きな光学異方性または小さな光学異方性、すなわち適切な光学異方性が必要である。組成物の光学異方性(Δn)と素子のセルギャップ(d)との積(Δn×d)は、コントラスト比を最大にするように設計される。積の適切な値は動作モードの種類に依存する。TNのようなモードの素子では、適切な値は約0.45μmである。この場合、小さなセルギャップの素子には大きな光学異方性を有する組成物が好ましい。組成物における大きな誘電率異方性は、素子における低いしきい値電圧、小さな消費電力と大きなコントラスト比に寄与する。したがって、大きな誘電率異方性が好ましい。誘電率異方性は、一般に低温で周波数依存性があり、高周波数になるにつれて小さくなる。このため、低温では駆動周波数が高くなるにつれて、液晶分子の運動が電圧の周波数変化に追随できなくなり表示不良が起こる。したがって、低温における誘電率異方性の周波数依存性は小さいほうが好ましい。組成物における大きな比抵抗は、素子における大きな電圧保持率と大きなコントラスト比に寄与する。したがって、初期段階において大きな比抵抗を有する組成物が好ましい。長時間使用したあと、大きな比抵抗を有する組成物が好ましい。紫外線および熱に対する組成物の安定性は、液晶表示素子の寿命に関連する。これらの安定性が高いとき、この素子の寿命は長い。このような特性は、液晶モニター、液晶テレビなどに用いるAM素子に好ましい。
【0006】
TNモードを有するAM素子においては正の誘電率異方性を有する組成物が用いられる。VAモードを有するAM素子においては負の誘電率異方性を有する組成物が用いられる。高分子支持配向(PSA;polymer sustained alignment)型のAM素子においては正または負の誘電率異方性を有する組成物が用いられる。
【0007】
上記のような液晶表示素子の要求特性を満たすため、種々の化合物が検討されており、近年では硫黄を含む複素環を有する化合物が開発されている(特許文献1および2等)。
【0008】
このような硫黄を含む複素環としてチアジアゾール環を有する化合物は古くから検討がなされているが、そのほとんどが強誘電性液晶に関するものである(特許文献3等)。強誘電性液晶以外の用途では、特許文献4には垂直配向スプレイドネマチック液晶表示装置という特定の装置に使用可能な組成物例として、チアジアゾール環を有する化合物を含有する組成物が開示されている。
【0009】
このようにチアジアゾール環を有する化合物は、これまで特定の用途に関する検討のみで、汎用的な液晶表示素子に用いるための検討はなされていなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
特開2020-79385号公報
特開2021-165367号公報
特開平10-213820号公報
国際公開第1997/012275号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)

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