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公開番号2025009963
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-20
出願番号2024102701
出願日2024-06-26
発明の名称アシル基を含む対象化合物の構造推定方法
出願人株式会社島津製作所
代理人弁理士法人深見特許事務所
主分類G01N 30/88 20060101AFI20250109BHJP(測定;試験)
要約【課題】アシル基を含む対象化合物における、アシル基の総炭素数及びアシル基の炭素-炭素二重結合の総数を簡便に推定する方法を提供すること。
【解決手段】直鎖のアシル基を含む対象化合物における、構造推定方法であって、上記対象化合物を含む試料を、クロマトグラフによって分析し、保持時間を求める工程と、
以下の式1及び式2:
N=f(T) …(式1)
T=t/Dm …(式2)
(式1中、Nは上記アシル基における総炭素数を示し、f(T)は上記対象化合物に対応する飽和化合物の同族体から導かれる関数であって上記総炭素数と保持時間との相関を表す関数を示し、式2中、tは上記保持時間を示し、Dは炭素-炭素二重結合に由来する係数を示し、mは炭素-炭素二重結合の総数を示す。)に基づいて、上記保持時間から、上記対象化合物における上記アシル基の総炭素数及び炭素-炭素二重結合の総数の組み合わせを推定する工程と、を含む、構造推定方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
直鎖のアシル基を含む対象化合物における、構造推定方法であって、
前記対象化合物を含む試料を、クロマトグラフによって分析し、保持時間を求める工程と、
以下の式1及び式2:
N=f(T) …(式1)
T=t/D

…(式2)
(式1中、Nは前記アシル基における総炭素数を示し、f(T)は前記対象化合物に対応する飽和化合物の同族体から導かれる関数であって前記総炭素数と保持時間との相関を表す関数を示し、式2中、tは前記保持時間を示し、Dは炭素-炭素二重結合に由来する係数を示し、mは炭素-炭素二重結合の総数を示す。)
に基づいて、前記保持時間から、前記対象化合物における前記アシル基の総炭素数及び炭素-炭素二重結合の総数の組み合わせを推定する工程と、
を含む、構造推定方法。
続きを表示(約 530 文字)【請求項2】
前記対象化合物は、トリアシルグリセロールである、請求項1に記載の構造推定方法。
【請求項3】
式1における前記f(T)は、2種以上の前記同族体から導かれる関数である、請求項1又は請求項2に記載の構造推定方法。
【請求項4】
前記クロマトグラフは、液体クロマトグラフ又は超臨界流体クロマトグラフである、請求項1又は請求項2に記載の構造推定方法。
【請求項5】
前記対象化合物を質量分析装置で分析する工程を更に含む、請求項1又は請求項2に記載の構造推定方法。
【請求項6】
前記質量分析装置は、トリプル四重極型質量分析装置である、請求項5に記載の構造推定方法。
【請求項7】
コンピュータに請求項1又は請求項2に記載の構造推定方法を実行させるために用いられるデータベースを記録した、コンピュータで読み取り可能な記録媒体であって、
前記データベースは、
前記クロマトグラフの分析条件と、
前記分析条件で前記同族体を分析したときに導かれる関数f(T)及び炭素-炭素二重結合に由来する係数Dと、
を関連付けて格納している、記録媒体。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、アシル基を含む対象化合物の構造推定方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
トリアシルグリセロール(TAG)とは、1分子のグリセロールに3分子の脂肪酸がエステル結合した化合物であり、単純脂質に属する中性脂肪の1つである。TAGは、食用油脂の主成分であり、例えば、植物油、バター、マーガリン、牛乳、牛肉、豚肉、鳥肉、大豆、及びナッツ類に含まれている。TAGの構成比率はその由来によって異なっている。例えば、植物由来の油脂であるオリーブオイルは、TAGを構成する脂肪酸として、オレイン酸(C18:1;炭素数18、二重結合数1)の含有量が高く、大豆油ではリノール酸(C18:2;炭素数18、二重結合数2)の含有量が高い。また、チョコレートの原料であるカカオ脂は、飽和脂肪酸に属するパルミチン酸(C16:0;炭素数16、二重結合数0)、ステアリン酸(C18:0;炭素数18、二重結合数0)、及びオレイン酸が、TAGを構成する脂肪酸として主に含まれている。すなわち、TAGを構成する脂肪酸(アシル基)の種類と比率を分析すると、油脂の種類の推定できるため、TAGを構成する脂肪酸を特定する方法の確立が求められている。
【0003】
例えば、特許文献1(特許第7019281号公報)には、脂肪酸残基の総数(総炭素数)が互いに同じである2つ以上の異なるトリアシルグリセロールを含む組成物のトリアシルグリセロール組成を分析するための方法であって、以下のステップ(a)および(b)を含む方法が開示されている。
(a)質量分析により、各トリアシルグリセロールを、対応するジアシルグリセロールおよび脂肪酸のフラグメントに分解する、
(b)質量分析により、ステップ(a)で検出された各ジアシルグリセロールを、対応する脂肪酸のフラグメントに分解する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第7019281号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の方法では工数がかかるため、より簡便に分析できる方法が望まれている。また、TAGにおける脂肪酸の組み合わせは膨大であり(少なくとも3000通り以上であり)、TAGを分析するのに先立って、想定される組み合わせに対応する標準品を全て揃えるのは容易ではない。そのため、想定される脂肪酸の組み合わせに対応する標準品がなくても、TAGを構成する脂肪酸を推定する方法が望まれている。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、アシル基を含む対象化合物における、アシル基の総炭素数及びアシル基の炭素-炭素二重結合の総数を簡便に推定する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、鋭意研究を行った結果、クロマトグラフ分析における保持時間と、対象化合物におけるアシル基の総炭素数及びアシル基の炭素-炭素二重結合の総数との間に相関関係があることを見いだし、本発明を完成させた。
【0008】
本発明の第1の態様は、直鎖のアシル基を含む対象化合物における、構造推定方法であって、
前記対象化合物を含む試料を、クロマトグラフによって分析し、保持時間を求める工程と、
以下の式1及び式2:
N=f(T) …(式1)
T=t/D

…(式2)
(式1中、Nは前記アシル基における総炭素数を示し、f(T)は前記対象化合物に対応する飽和化合物の同族体から導かれる関数であって前記総炭素数と保持時間との相関を表す関数を示し、式2中、tは前記保持時間を示し、Dは炭素-炭素二重結合に由来する係数を示し、mは炭素-炭素二重結合の総数を示す。)
に基づいて、前記保持時間から、前記対象化合物における前記アシル基の総炭素数及び炭素-炭素二重結合の総数の組み合わせを推定する工程と、
を含む、構造推定方法、に関する。
【0009】
本発明の第2の態様は、コンピュータに第1の態様に係る構造推定方法を実行させるために用いられるデータベースを記録した、コンピュータで読み取り可能な記録媒体であって、
前記データベースは、
前記クロマトグラフの分析条件と、
前記分析条件で前記同族体を分析したときに導かれる関数f(T)及び炭素-炭素二重結合に由来する係数Dと、
を関連付けて格納している、記録媒体に関する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、アシル基を含む対象化合物における、アシル基の総炭素数及びアシル基の炭素-炭素二重結合の総数を簡便に推定する方法を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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