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公開番号2025008566
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-20
出願番号2023110828
出願日2023-07-05
発明の名称ねじ軸、ボールねじ装置、ねじ軸の製造方法、及びボールねじ装置の組み立て方法
出願人日本精工株式会社
代理人弁理士法人酒井国際特許事務所
主分類F16H 25/22 20060101AFI20250109BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】回路外溝面にボールが配置されることを抑制することができるねじ軸を提供する。
【解決手段】本開示のねじ軸は、円筒状の外周面を有するねじ軸本体と、外周面に形成された螺旋状の溝面と、外周面から径方向内側に窪み、コマを収容する少なくとも1つ以上の凹部と、を有している。溝面は、一端と他端とが同じ凹部に接続し、凹部に配置されたコマによって循環されたボールが転動する外周軌道面と、溝面の残部である回路外溝面と、を有している。回路外溝面の溝幅は、外周軌道面の溝幅よりも小さい。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
円筒状の外周面を有するねじ軸本体と、
前記外周面に形成された螺旋状の溝面と、
前記外周面から径方向内側に窪み、コマを収容する少なくとも1つ以上の凹部と、
を有し、
前記溝面は、
一端と他端とが同じ前記凹部に接続し、前記凹部に配置された前記コマによって循環されたボールが転動する外周軌道面と、
前記溝面の残部である回路外溝面と、
を有し、
前記回路外溝面の溝幅は、前記外周軌道面の溝幅よりも小さい
ねじ軸。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記回路外溝面は、2つの前記外周軌道面同士の間に位置し、一端と他端とが互いに異なる前記凹部に接続する閉塞溝面を有し、
前記閉塞溝面の溝幅は、前記外周軌道面の溝幅よりも小さい
請求項1に記載のねじ軸。
【請求項3】
前記回路外溝面は、一端のみが前記凹部と接続する開放溝面を有し、
前記開放溝面の溝幅は、前記外周軌道面の溝幅よりも小さい
請求項1又は請求項2に記載のねじ軸。
【請求項4】
請求項1に記載のねじ軸と、
前記ねじ軸に貫通され、内周面に内周軌道面が形成されたナットと、
前記外周軌道面と前記内周軌道面との間の軌道に配置された複数のボールと、
を備え、
前記ねじ軸と平行な軸方向に切った断面において、前記回路外溝面に配置された場合の前記ボールの仮想線は、少なくとも一部が前記内周軌道面よりも径方向外側に配置される
ボールねじ装置。
【請求項5】
ねじ軸の素材を準備する準備工程と、
前記素材の外周面に螺旋状の溝面を形成する溝面形成工程と、
前記素材の外周面にコマを収容するための凹部を形成する凹部形成工程と、
前記素材を熱処理する熱処理工程と、
前記溝面のうち、一端と他端とが同じ前記凹部に接続する部分を研削し、外周軌道面を形成する外周軌道面形成工程と、
を含む
ねじ軸の製造方法。
【請求項6】
請求項1に記載のねじ軸と筒状の仮ナットを準備し、前記仮ナットの一方の開口から前記仮ナットの内部に前記ねじ軸を挿入し、前記仮ナットの内周面と前記外周軌道面との間に前記ボールを配置する仮組み立て工程と、
前記仮ナットの端面と、ナットの端面と、を対向させる対向工程と、
前記ねじ軸と前記ナットとを相対回転させながら前記ねじ軸を前記ナットの内部に移動させるねじ軸移動工程と、
前記仮ナットを前記ナットから取り除き、組み立てを終了する組み立て終了工程と、
を含み、
前記仮ナットの内径は、前記外周軌道面に前記ボールが配置された場合の外径以上であり、かつ前記回路外溝面に前記ボールが配置された場合の外径未満である
ボールねじ装置の組み立て方法。
【請求項7】
前記仮ナットの内径は、前記外周軌道面に前記ボールが配置された場合の外径と同一である
請求項6に記載のボールねじ装置の組み立て方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、ねじ軸、ボールねじ装置、ねじ軸の製造方法、及びボールねじ装置の組み立て方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
ボールねじ装置は、ナットと、ナットを貫通するねじ軸と、ナットとねじ軸との間に配置された複数のボールと、循環部品と、を備えている。ナットの内周面には、内周軌道面が形成されている。ねじ軸の外周面には、内周軌道面と対向する外周軌道面が形成されている。内周軌道面と外周軌道面との間は、螺旋状の軌道を構成している。複数のボールは、軌道に配置され、軌道に沿って螺旋方向に移動する。循環部品は、軌道の一端から軌道の他端に移動したボールを軌道の一端に戻す。循環部品の一つとして、ボールを1リード戻すコマが挙げられる。また、下記特許文献1では、ねじ軸の外周面に、径方向内側に窪む凹部が形成されている。そして、凹部にコマが挿入され、ねじ軸にコマが取り付けられている。
【0003】
また、下記特許文献2では、転造加工により、ねじ軸の外周面に螺旋状の溝面を形成することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2004-225770号公報
特開2005-66608号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ねじ軸の外周面に螺旋状の溝面を形成した後、溝面の一部を切り欠くように凹部を形成した場合、螺旋状の溝面の一部が外周軌道面となる。一方で、外周軌道面同士の間には、螺旋状の溝面の残部が設けられている。この螺旋状の溝面の残部は、ボールが循環できない溝面(以下、回路外溝面と称する)である。ボールねじ装置の組み立て時、誤って回路外溝面にボールを配置すると、ナットとねじ軸の相対回転がロック(規制)され、ボールねじ装置が機能しなくなる。
【0006】
本開示は、上記に鑑みてなされたものであり、ボールねじ装置の組み立て時、回路外溝面へのボールの配置を抑制するねじ軸、ボールねじ装置、ねじ軸の製造方法、及びボールねじ装置の組み立て方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するため、本開示の一態様に係るねじ軸は、円筒状の外周面を有するねじ軸本体と、前記外周面に形成された螺旋状の溝面と、前記外周面から径方向内側に窪み、コマを収容する少なくとも1つ以上の凹部と、を有している。前記溝面は、一端と他端とが同じ前記凹部に接続し、前記凹部に配置された前記コマによって循環されたボールが転動する外周軌道面と、前記溝面の残部である回路外溝面と、を有している。前記回路外溝面の溝幅は、前記外周軌道面の溝幅よりも小さい。
【0008】
本開示によれば、回路外溝面に収容されるボールの量(体積)は、外周軌道面に収容されるボールの量(体積)よりも小さい。つまり、回路外溝面に配置されたボールは、外周軌道面に配置されたボールよりも径方向外側に突出する。そして、ボールねじ装置の組み立て時に誤って回路外溝面にボールを配置した場合、ねじ軸をナットの内部に挿入する際に、回路外溝面に配置されたボールがナットの端面に引っ掛かる。よって、回路外溝面にボールが配置されていることを作業者が気付いたり、又は組み立て装置がセンサ等で検出したりすることができる。以下、センサ等で検出することを含めて作業者等が気付く、と表現する。また、仮に回路外溝面に配置されたボールがナットの内部に挿入された場合、ねじ軸の回転に必要な力が大きくなる。これによっても、回路外溝面にボールが配置されていることに作業者等が気付く。以上から、回路外溝面にボールが配置された状態でボールねじ装置が組み立てられる、ということが抑制される。
【0009】
また、前記したねじ軸の前記回路外溝面は、2つの前記外周軌道面同士の間に位置し、一端と他端とが互いに異なる前記凹部に接続する閉塞溝面を有している。前記閉塞溝面の溝幅は、前記外周軌道面の溝幅よりも小さくなっていてもよい。若しくは、前記したねじ軸の前記回路外溝面は、一端のみが前記凹部と接続する開放溝面を有している。前記開放溝面の溝幅は、前記外周軌道面の溝幅よりも小さくなっていてもよい。
【0010】
また、本開示の一態様に係るボールねじ装置は、前記したねじ軸と、前記ねじ軸に貫通され、内周面に内周軌道面が形成されたナットと、前記外周軌道面と前記内周軌道面との間の軌道に配置された複数のボールと、を備えている。前記ねじ軸と平行な軸方向に切った断面において、前記回路外溝面に配置された場合の前記ボールの仮想線は、少なくとも一部が前記内周軌道面よりも径方向外側に配置される。
(【0011】以降は省略されています)

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