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公開番号
2025008296
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-20
出願番号
2023110338
出願日
2023-07-04
発明の名称
金属ガラス複合体
出願人
中島産業株式会社
代理人
弁理士法人白坂
主分類
C03C
3/089 20060101AFI20250109BHJP(ガラス;鉱物またはスラグウール)
要約
【課題】溶射対象となる金属基材に応じた熱膨張率の溶射ガラス粉末を調製し、ガラス質に包含される気泡を抑制して耐衝撃性等の強度を高めた金属ガラス複合体を提供する。
【解決手段】体心立方晶系の鉄材料からなる金属基材部と、金属基材部上に10~2000μmの膜厚として形成される溶射ガラス部とを有し、溶射ガラス部を形成するガラス材は第1群成分(A)としてSiO
2
:35~70質量%とし、第2群成分(B)としてB
2
O
3
:9~15質量%と、Li
2
O:5~9質量%と、Na
2
O:4~10質量%とを合計して18~30質量%とし、第3群成分(C)としてBaO:0~15質量%と、TiO
2
:2~15質量%と、Al
2
O
3
:0~8質量%と、ZnO:0~15質量%とを合計して10~30質量%とし、これらの合計による主成分(D)として90質量%以上を含有する。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
体心立方晶系の鉄材料からなる金属基材部と、前記金属基材部上に10~2000μmの膜厚として形成される溶射ガラス部とを有し、
前記溶射ガラス部を形成するガラス材は、
第1群成分(A)として、
SiO
2
:35~70質量%とし、
第2群成分(B)として、
B
2
O
3
:9~15質量%と、
Li
2
O:5~9質量%と、
Na
2
O:4~10質量%とを合計して、18~30質量%とし、
第3群成分(C)として、
BaO:0~15質量%と、
TiO
2
:2~15質量%と、
Al
2
O
3
:0~8質量%と、
ZnO:0~15質量%とを合計して、10~30質量%とし、
前記第1群成分(A)、前記第2群成分(B)、及び前記第3群成分(A)の合計により主成分(D)として90質量%以上を含有し、
前記ガラス材の室温から300℃における線膨張係数の値は9~11(×10
6
/℃)であり、
前記溶射ガラス部の厚さ方向の断面における1μm以上の気泡の面積率が40%未満である
ことを特徴とする金属ガラス複合体。
続きを表示(約 1,600 文字)
【請求項2】
面心立方晶系の鉄材料からなる金属基材部と、前記金属基材部上に10~2000μmの膜厚として形成される溶射ガラス部とを有し、
前記溶射ガラス部を形成するガラス材は、
第1群成分(A)として、
SiO
2
:50~60質量%とし、
第2群成分(B)として、
B
2
O
3
:2~8質量%と、
Li
2
O:8~15質量%と、
Na
2
O:8~20質量%とを合計して、25~35質量%とし、
第3群成分(C)として、
BaO:3~12質量%と、
TiO
2
:4~15質量%と、
Al
2
O
3
:0~5質量%と、
ZnO:0~5質量%とを合計して、10~20質量%とし、
前記第1群成分(A)、前記第2群成分(B)、及び前記第3群成分(A)の合計により主成分(D)として90質量%以上を含有し、
前記ガラス材の室温から300℃における線膨張係数の値は14~17(×10
6
/℃)であり、
前記溶射ガラス部の厚さ方向の断面における1μm以上の気泡の面積率が40%未満である
ことを特徴とする金属ガラス複合体。
【請求項3】
前記ガラス材の前記線膨張係数と前記金属基材部の線膨張係数との差が15%以内である請求項1または2に記載の金属ガラス複合体。
【請求項4】
前記金属ガラス複合体は、前記断面の前記金属基材部と前記溶射ガラス部との境界部において前記溶射ガラス部が前記金属基材部に埋入した溶融凝固部を備え、前記溶融凝固部は0.3μm以上の厚さである請求項1または2に記載の金属ガラス複合体。
【請求項5】
前記溶射ガラス部は、前記断面の前記金属基材部と前記溶射ガラス部との境界部において当該境界部を起点として前記溶射ガラス部の厚さ方向に30%以内の領域に存在する1μm以上の気泡の面積率は50%以下である請求項1または2に記載の金属ガラス複合体。
【請求項6】
前記溶射ガラス部の厚さが10~100μmであり、前記溶射ガラス部の厚さ方向の断面における1μm以上の気泡の面積率が10%未満である請求項1または2に記載の金属ガラス複合体。
【請求項7】
前記ガラス材の前記主成分(D)以外の成分は補助成分(E)であり、
前記補助成分(E)は、
CaO,SrO,MgO,P
2
O
5
,K
2
O,V
2
O
5
,Cr
2
O
3
,MnO
2
,Fe
2
O
3
,Co
3
O
4
,NiO
2
,CuO,Y
2
O
3
,ZrO
2
,Nb
2
O
2
,MoO
3
,SnO
2
,Sb
2
O
3
,WO
3
,PbO,Bi
2
O
3
,La
2
O
3
,CeO
2
,Pr
6
O
11
,Nd
2
O
3
,Sm
2
O
3
,Gd
2
O
3
のいずれか一種もしくは二種以上である請求項1または2に記載の金属ガラス複合体。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は金属ガラス複合体に関し、特に、ガラスの粒状物を金属表面に溶射して強固に密着した金属ガラス複合体に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)
【背景技術】
【0002】
金属基材にガラス質の被膜を形成する場合、溶射の手法が用いられる。金属基材にガラス質を溶射により被着して被膜を形成する場合、ほうろう(琺瑯)よりも強固にガラス質は金属基材に被着して被膜を形成する。それゆえ、溶射は耐久性の求められる製品の用途に好適である。
【0003】
溶射装置では、ガラス、セラミックス等の被溶射材とキャリアガスが混合される。別途供給されるガスと高電流によりプラズマが発生して高熱となり、ガラスの粒状物からなる溶射ガラス粉末は溶融される。そして、当該溶射装置から溶射対象の金属基材に向けて溶融した溶射ガラス粉末が吐出される(特許文献1、2等参照)。
【0004】
金属基材と溶射ガラス粉末のガラス質では互いの熱膨張係数(線膨張係数)が異なる。比熱の関係から金属基材が速く冷却される。金属基材と溶射ガラス粉末との間での体積収縮の速さが異なるため膨張係数の制御が必要となり、異種材料間の溶射の難易度は極めて高い。
【0005】
発明者は、特許文献1に開示の溶射ガラス粉末及び溶射方法、さらには特許文献2に開示の溶射装置を開発した。発明者は金属基材と溶射ガラス粉末のガラス質との異種材料間における強固な溶射を確立し、金属ガラス複合体を製造するに至った。特許文献1の開示によると、溶射対象の金属基材の表面はサンドブラスト等により粗面化された後に加熱される。そして当該表面に溶射により溶融した溶射ガラス粉末に由来するガラス質が被膜形成される。こうして粗面化された金属基材の表面に溶射ガラス粉末に由来するガラス質が浸透して金属基材とガラス質との密着性が向上したと考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2013-216977号公報
特開2021-130841号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
その後、発明者は金属基材表面に対する溶射によるガラス質の形成について鋭意検討を重ねた。そこで、発明者は、金属基材の種類による熱膨張率の相違から種類に応じた溶射ガラス粉末の熱膨張率の調整が必要であることを見出した。また、発明者は、溶射ガラス粉末を溶射により溶融して金属基材へ被着させる際に不可避的に発生する気泡が出来上がる金属ガラス複合体のガラス質の耐衝撃性を低下させることを見出した。
【0008】
本発明は前記の点に鑑みなされたものであり、金属基材と溶射ガラス粉末のガラス質の異種材料を溶射により一体化させた金属ガラス複合体において、溶射対象となる金属基材に応じた熱膨張率の溶射ガラス粉末を調製するとともに、溶射後に金属基材上に形成されるガラス質に包含される気泡を抑制して耐衝撃性等の強度を高めた金属ガラス複合体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
すなわち、実施形態の金属ガラス複合体は、体心立方晶系の鉄材料からなる金属基材部と、金属基材部上に10~2000μmの膜厚として形成される溶射ガラス部とを有し、溶射ガラス部を形成するガラス材は、第1群成分(A)としてSiO
2
:35~70質量%とし、第2群成分(B)としてB
2
O
3
:9~15質量%と、Li
2
O:5~9質量%と、Na
2
O:4~10質量%とを合計して18~30質量%とし、第3群成分(C)としてBaO:0~15質量%と、TiO
2
:2~15質量%と、Al
2
O
3
:0~8質量%と、ZnO:0~15質量%とを合計して10~30質量%とし、第1群成分(A)、第2群成分(B)、及び第3群成分(A)の合計により主成分(D)として90質量%以上を含有し、ガラス材の室温から300℃における線膨張係数の値は9~11(×10
6
/℃)であり、溶射ガラス部の厚さ方向の断面における1μm以上の気泡の面積率が40%未満であることを特徴とする。
【0010】
また、実施形態の金属ガラス複合体は、面心立方晶系の鉄材料からなる金属基材部と、金属基材部上に10~2000μmの膜厚として形成される溶射ガラス部とを有し、溶射ガラス部を形成するガラス材は、第1群成分(A)としてSiO
2
:50~60質量%とし、第2群成分(B)としてB
2
O
3
:2~8質量%と、Li
2
O:8~15質量%と、Na
2
O:8~20質量%とを合計して25~35質量%とし、第3群成分(C)としてBaO:3~12質量%と、TiO
2
:4~15質量%と、Al
2
O
3
:0~5質量%と、ZnO:0~5質量%とを合計して10~20質量%とし、第1群成分(A)、第2群成分(B)、及び第3群成分(A)の合計により主成分(D)として90質量%以上を含有し、ガラス材の室温から300℃における線膨張係数の値は14~17(×10
6
/℃)であり、溶射ガラス部の厚さ方向の断面における1μm以上の気泡の面積率が40%未満であることを特徴とする。
(【0011】以降は省略されています)
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