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公開番号2025037002
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-17
出願番号2023143704
出願日2023-09-05
発明の名称異形断面ガラス繊維用ノズル、ガラス繊維製造装置および製造方法
出願人日本電気硝子株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C03B 37/08 20060101AFI20250310BHJP(ガラス;鉱物またはスラグウール)
要約【課題】
異形断面ガラス繊維を製造するにあたり、繊維におけるくびれの形成、及び、異形断面ガラス繊維用ノズルから流出する溶融ガラスのメニスカスのふらつきを防止すること。
【解決手段】
扁平な孔断面形状を有するノズル孔6が、孔中心線18が延びる方向の一方側に溶融ガラス2の流入口19を有すると共に、他方側に溶融ガラス2の流出口20を有し、ノズル孔6の内周面が、その長径方向で対向する一対の短壁面14a,14aと、短径方向で対向する一対の長壁面13a,13aと、を備え、ノズル孔6より流出させた溶融ガラス2から異形断面ガラス繊維7を製造するための異形断面ガラス繊維用ノズル5について、ノズル孔6が、長径方向に配列された複数の流路6a~6cに区画され、隣り合う流路6a,6b同士および6b,6c同士の境界が、ノズル孔6の短径方向に延びる仕切り板21(板状部材)で構成されるようにした。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
扁平な孔断面形状を有するノズル孔が設けられ、
前記ノズル孔が、孔中心線が延びる方向の一方側に溶融ガラスの流入口を有すると共に、他方側に溶融ガラスの流出口を有し、
前記ノズル孔の内周面が、前記ノズル孔の長径方向で対向する一対の短壁面と、短径方向で対向する一対の長壁面と、を備え、
前記ノズル孔より流出させた溶融ガラスから異形断面ガラス繊維を製造するための異形断面ガラス繊維用ノズルであって、
前記ノズル孔が、長径方向に配列された複数の流路に区画され、
隣り合う前記流路同士の境界が、前記ノズル孔の短径方向に延びる板状部材で構成されることを特徴とする異形断面ガラス繊維用ノズル。
続きを表示(約 660 文字)【請求項2】
前記板状部材が、前記ノズル孔の流出口から孔外に食み出したエッジを有することを特徴とする請求項1に記載の異形断面ガラス繊維用ノズル。
【請求項3】
前記短壁面が、前記ノズル孔の流入口側から流出口側に移行するに連れて前記孔中心線から漸次に離反するように、前記孔中心線に対して傾斜していることを特徴とする請求項1又は2に記載の異形断面ガラス繊維用ノズル。
【請求項4】
前記短壁面が、前記ノズル孔の流出口から孔外に食み出した領域を有することを特徴とする請求項3に記載の異形断面ガラス繊維用ノズル。
【請求項5】
前記ノズル孔が、少なくとも三つの前記流路に区画され、
複数の前記流路のうち、長径方向の両端にそれぞれ位置する前記流路では流路入口よりも流路出口の開口面積が大きいことを特徴とする請求項1又は2に記載の異形断面ガラス繊維用ノズル。
【請求項6】
複数の前記流路のうち、長径方向の両端以外に位置する前記流路では流路入口よりも流路出口の開口面積が小さいことを特徴とする請求項5に記載の異形断面ガラス繊維用ノズル。
【請求項7】
請求項1又は2に記載の異形断面ガラス繊維用ノズルが、底部に複数設けられたブッシングを備えることを特徴とするガラス繊維製造装置。
【請求項8】
請求項1又は2に記載の異形断面ガラス繊維用ノズルを用いて、異形断面ガラス繊維を製造することを特徴とするガラス繊維製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、溶融ガラスから扁平な断面形状を有する異形断面ガラス繊維を製造するための異形断面ガラス繊維用ノズル、ガラス繊維製造装置および製造方法に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
ガラス繊維の一種として、扁平な断面形状を有する異形断面ガラス繊維が製造されている。異形断面ガラス繊維は、樹脂と混練して複合化した場合に高い補強効果を実現できることから、繊維強化プラスチック(FRP)用の繊維として採用される等、様々な分野で利用されるに至っている。
【0003】
異形断面ガラス繊維の製造にあたっては、例えば、溶融ガラスを流通させるフィーダーからブッシングに溶融ガラスを供給し、ブッシングに設けられた多数の異形断面ガラス繊維用ノズルの各々から溶融ガラスを引き出しながら冷却する。各ノズルに形成されるノズル孔は、製造される繊維の断面形状の基礎を形作ることから、長径方向と短径方向とを有する扁平な孔断面形状とされるのが通例である。
【0004】
特許文献1には、異形断面ガラス繊維用ノズルの一例が開示されている。同文献に開示された一部のノズルでは、ノズル孔が、当該ノズル孔の長径方向に配列された複数の流路に区画されている。例えば、同文献の図6に示されたノズルでは、ノズル孔が三つの流路に区画されると共に、各流路が円形の流路断面形状を有する。つまり、同ノズルにおいては、長径方向に並べられた三つの円孔(流路)によりノズル孔が構成される。このような構成を採用することにより、異形断面ガラス繊維を安定して得るために有利であることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第3369674号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の図6に示されたノズルでは、本出願の図7(a)に示すように、同ノズルから紡糸される異形断面ガラス繊維100が、くびれ100aを有する断面形状に形成されやすいという問題がある。同ノズルでは、既述のとおり、図7(b)に示すように、長径方向(X方向)に並べられた三つの円孔200a(流路)によりノズル孔200が構成されるため、長径方向における位置ごとにノズル孔200の短径方向(Y方向)に沿った開口幅Wが変化する。詳述すると、隣り合う円孔200a,200a同士(隣り合う流路同士)の境界200bの付近では開口幅Wが小さくなり、境界200bから離れると開口幅Wが大きくなる。このことに起因して、くびれ100aは、ノズルから紡糸される異形断面ガラス繊維100のうち、隣り合う円孔200a,200a同士の境界200bに対応する箇所に形成される。そして、異形断面ガラス繊維100がくびれ100aを有する場合、例えば、繊維強化プラスチックを製造するにあたり、樹脂と混練した異形断面ガラス繊維100が折れやすくなる不具合がある。
【0007】
また、特許文献1の図6に示されたノズルでは、本出願の図8(a),(b)に矢印で示すように、同ノズル300から流出する溶融ガラス400のメニスカス(ノズル300の直下に形成される溶融ガラス400の錘状部分)が長径方向にふらつきやすいという問題もある。詳述すると、溶融ガラス400の温度が低い場合や流量が小さい場合等に、ノズル300から流出する溶融ガラス400が長径方向の一方側に偏った状態と、他方側に偏った状態とが交互に発生し、溶融ガラス400のメニスカスがふらつく。これは、図7(b)に示した境界200bの形状に起因して、境界200bが溶融ガラス400を引っ張る力が安定しにくいためである。そして、メニスカスがふらつくと、ノズル300から紡糸される異形断面ガラス繊維が切断されやすい上、図9に示すように、異形断面ガラス繊維100の断面形状が雫状に形成され、所望の形状とはならない不具合がある。
【0008】
上述の事情に鑑みて解決すべき技術的課題は、異形断面ガラス繊維を製造するにあたり、繊維におけるくびれの形成、及び、異形断面ガラス繊維用ノズルから流出する溶融ガラスのメニスカスのふらつきを防止することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するための第1の異形断面ガラス繊維用ノズルは、扁平な孔断面形状を有するノズル孔が設けられ、ノズル孔が、孔中心線が延びる方向の一方側に溶融ガラスの流入口を有すると共に、他方側に溶融ガラスの流出口を有し、ノズル孔の内周面が、ノズル孔の長径方向で対向する一対の短壁面と、短径方向で対向する一対の長壁面と、を備え、ノズル孔より流出させた溶融ガラスから異形断面ガラス繊維を製造するための異形断面ガラス繊維用ノズルであって、ノズル孔が、長径方向に配列された複数の流路に区画され、隣り合う流路同士の境界が、ノズル孔の短径方向に延びる板状部材で構成されることを特徴とする。
【0010】
ノズル孔が、当該ノズル孔の長径方向に配列された複数の流路に区画される形式の異形断面ガラス繊維用ノズルを用いた場合に、上述したくびれの形成や、メニスカスのふらつきに大きな影響を与えているのは、隣り合う流路同士の境界の構成であることが発明者により見出された。そして、発明者は、隣り合う流路同士の境界が、ノズル孔の短径方向に延びる板状部材で構成されていれば、くびれの形成や、メニスカスのふらつきの防止が可能となることを知見した。まず、くびれの形成を防止できるのは、境界が板状部材で構成されることで、長径方向における位置ごとにノズル孔の短径方向に沿った開口幅が変化することを可及的に回避できるからである。また、メニスカスのふらつきを防止できるのは、境界が板状部材で構成されることで、境界(板状部材)が溶融ガラスを引っ張る力が安定しやすいからである。
(【0011】以降は省略されています)

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