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公開番号2025007024
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-17
出願番号2023108151
出願日2023-06-30
発明の名称加熱調理器具
出願人リンナイ株式会社
代理人弁理士法人青莪
主分類A47J 27/00 20060101AFI20250109BHJP(家具;家庭用品または家庭用設備;コーヒーひき;香辛料ひき;真空掃除機一般)
要約【課題】上方に開口部11を有し、調理容器Ktが開口部を通して収納可能な上収納室12と、上収納室に連通すると共にバーナBnが配置される下収納室13とを有する器具本体1を備える加熱調理器具HCを、バーナの燃焼板3から噴出する水素ガスを拡散燃焼させる際に、二次空気を導入するための導入通路4に水素火炎が伝播しても、器具本体外への溢れ出しが可及的に抑制されるように構成する。
【解決手段】導入通路に、二次空気の通気を許容しながら、導入通路内に水素火炎が伝播したときにこれを遮炎する遮炎部6を設ける。
【選択図】図1

特許請求の範囲【請求項１】
上方に開口部を有し、調理容器が前記開口部を通して収納可能な上収納室と、前記上収納室に連通すると共にバーナが配置される下収納室とを有する器具本体を備える加熱調理器具であって、
前記バーナは、内部に水素ガスが供給されるバーナボディと、前記バーナボディの上面開口部を覆う燃焼板とを備え、前記燃焼板から噴出する前記水素ガスを拡散燃焼させるものにおいて、
前記下収納室を囲う前記器具本体の外壁部分の外面に開口する吸気口と前記外壁部分の内面に開口する吐気口とを有して、前記燃焼板から噴出する前記水素ガスに向けて二次空気を導入する導入通路と、前記上収納室を囲う前記器具本体の周壁部分に開設されて水素ガスの燃焼で生ずる水素燃焼ガスを排気する排気口とを更に備え、
前記導入通路に、二次空気の通気を許容しながら、前記導入通路内に水素火炎が伝播したときにこれを遮炎する遮炎部が設けられることを特徴とする加熱調理器具。
続きを表示（約 640 文字）【請求項２】
請求項１記載の加熱調理器具であって、前記吐気口の上縁部が前記燃焼板より上方に位置するものにおいて、
前記遮炎部が、前記導入通路の上壁面から下方に延出させた延出部材で構成され、前記延出部材の下端が燃焼板部より下方に位置することを特徴とする加熱調理器具。
【請求項３】
前記延出部材に、前記吸気口側から前記吐気口側に向けて貫通する小孔が多数形成されることを特徴とする請求項２記載の加熱調理器具。
【請求項４】
前記延出部材の下端に、前記下収納室側に向けてのびる屈曲部が設けられることを特徴とする請求項２記載の加熱調理器具。
【請求項５】
請求項１記載の加熱調理器具であって、前記吐気口の上縁部が前記燃焼板より上方に位置するものにおいて、
前記導入通路の上壁面に、吐気口側から吸気口側に向けて下方に傾斜する傾斜面を設けて、前記傾斜面で前記遮炎部を構成したことを特徴とする加熱調理装置。
【請求項６】
前記導入通路が、平面視で周方向の間隔を存して複数設けられることを特徴とする請求項１～５のいずれか１項に記載の加熱調理器具。
【請求項７】
前記遮炎部が配置された前記導入通路の部分より前記下収納室側に設けられて水素火炎を検知する検知手段を備え、前記検知手段で水素火炎が検知されると、これを報知するように構成したことを特徴とする請求項１～５のいずれか１項に記載の加熱調理器具。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、加熱調理器具に関し、より詳しくは、上方に開口部を有し、調理容器が前記開口部を通して収納可能な上収納室と、前記上収納室に連通すると共にバーナが配置される下収納室とを有する器具本体を備えるものに関する。
続きを表示（約 2,100 文字）【背景技術】
【０００２】
この種の加熱調理器具として例えば特許文献１に記載されたものが知られている。このものでは、下収納室を囲う器具本体の周壁部分に、ガスバーナの挿入を可能とする単一の挿入孔が形成されている。ガスバーナは、混合管部を介して内部に混合気（燃料ガスと一次空気との混合ガス）が供給されるバーナボディと、バーナボディの上面開口部を覆う円盤状の燃焼板とを備え、燃焼板には多数の炎孔が形成されている。そして、器具本体の上収納室に開口部を通して調理器具としての鍋（釜）を収納した後、バーナボディに混合気を供給し、炎孔を通して燃焼板から噴出する混合気を燃焼させることで鍋を加熱している。
【０００３】
ところで、近年では、地球温暖化防止のため、炭化水素ガスの代替燃料として二酸化炭素を排出しない水素が注目されている。そこで、上記従来例のような加熱調理器具において、バーナを燃焼板から噴出する水素ガスを拡散燃焼させるもので構成することが考えられる。この場合、二次空気は主に挿入孔から供給されることになる。また、上記加熱調理器具は、バーナに点火させる点火手段を備えるが、点火手段の経年劣化等によりバーナの点火遅れが発生する場合があることが知られている。そして、点火遅れが生ずると、水素火炎が二次空気を求めて挿入孔へと伝播し、器具外へと溢れ出す虞がある。このような溢れ出しは、器具の使用者に不快感を与えてしまう。なお、水素火炎の溢れ出しは、加熱調理器具を設置して使用するときの状況によっても生じる場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
特開平１１－３３７０７１号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
本発明は、以上の点に鑑み、水素ガスを拡散燃焼させる際に二次空気を導入するための導入通路に水素火炎が伝播しても、器具外への溢れ出しを可及的に抑制することができるようにした加熱調理器具を提供することをその課題としている。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
上記課題を解決するために、本発明は、上方に開口部を有し、調理容器が開口部を通して収納可能な上収納室と、上収納室に連通すると共にバーナが配置される下収納室とを有する器具本体を備える加熱調理器具であって、バーナは、内部に水素ガスが供給されるバーナボディと、バーナボディの上面開口部を覆う燃焼板とを備え、燃焼板から噴出する水素ガスを拡散燃焼させるものにおいて、下収納室を囲う器具本体の外壁部分の外面に開口する吸気口と外壁部分の内面に開口する吐気口とを有して、燃焼板から噴出する水素ガスに向けて二次空気を導入する導入通路と、上収納室を囲う器具本体の周壁部分に開設されて水素ガスの燃焼で生ずる水素燃焼ガスを排気する排気口とを更に備え、導入通路に、二次空気の通気を許容しながら、導入通路内に水素火炎が伝播したときにこれを遮炎する遮炎部が設けられることを特徴とする。
【０００７】
本発明によれば、水素を拡散燃焼させる際の点火遅れや器具を設置して使用するときの状況によって、水素火炎が二次空気を求めて導入通路へと伝播したとしても、導入通路に設けた遮炎部で水素火炎が堰き止められることで、器具外へと溢れ出すことを可及的に抑制することができる。
【０００８】
本発明においては、吐気口の上縁部が燃焼板より上方に位置するような場合、遮炎部を、導入通路の上壁面から下方に延出させた延出部材で構成し、延出部材の下端を燃焼板部より下方に位置させる態様と、導入通路の上壁面に、吐気口側から吸気口側に向けて下方に傾斜する傾斜面を設けて、この傾斜面で遮炎部を構成する態様とが採用できる。これらの態様によれば、水素火炎が二次空気を求めて導入通路へと伝播しても、導入通路内で水素火炎を確実に堰き止めながら、常時は、水素火炎への二次空気の導入を阻害しない構成を実現することができる。
【０００９】
また、遮炎部を延出部材で構成する場合は、延出部材に、吸気口側から吐気口側に向けて貫通する小孔を多数形成することが好ましい。これによれば、水素火炎が導入通路内への伝播したときに水素火炎が小孔で消炎されることで、器具外へと溢れ出すことをより一層抑制することができる。なお、小孔の孔径は、例えば消炎距離となる０．６ｍｍ以下に設定することが好ましい。また、延出部材の下端に、下収納室側に向けてのびる屈曲部を設けるようにしてもよい。これにより、遮炎部での水素火炎の堰き止め効果を一層高めることができ、有利である。
【００１０】
また、本発明においては、導入通路が、平面視で周方向の間隔を存して複数設けられる構成を採用することができる。これによれば、周方向複数箇所から二次空気が導入されることになり、周方向の各箇所から導入される二次空気量を適宜設定することで、燃焼板の周方向各部から噴出する水素ガス量が均一でない状態でも、燃焼板からの水素火炎の高さを均等にして調理容器をムラなく加熱することができる。
（【００１１】以降は省略されています）

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