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公開番号
2025006783
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-17
出願番号
2023107769
出願日
2023-06-30
発明の名称
核形態異常改善剤
出願人
株式会社ナリス化粧品
代理人
主分類
A61K
8/99 20170101AFI20250109BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約
【課題】生体内の様々な組織における多様な疾患や症状、特に肌においては核形態異常やプロジェリン蓄積に起因する角層機能低下等の各種症状を改善する効果を有する核形異常態改善剤やプロジェリン蓄積抑制剤、核形態異常及び/又はプロジェリン蓄積に起因する角層機能低下の予防・改善用皮膚外用剤を提供する。
【解決手段】豆乳を基質として乳酸菌により発酵させて得られる発酵物を用いる。豆乳を基質として乳酸菌により発酵させて得られる発酵物は、核形態異常やプロジェリン蓄積に起因する角層機能低下等の各種症状を改善する効果が高く、加えて、核形態異常改善剤等は、継続的あるいは連続的に使用して核形態異常改善やプロジェリン蓄積抑制を繰り返すことで核形態異常やプロジェリン蓄積を防ぎ、皮膚を含む生体内の様々な組織における核形態異常を改善したり、プロジェリン蓄積を抑制したりし、角層機能低下等の各種症状を予防することもできる。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
豆乳を基質として乳酸菌により発酵させて得られる発酵物を含有することを特徴とする核形態異常改善剤。
続きを表示(約 280 文字)
【請求項2】
豆乳を基質として乳酸菌により発酵させて得られる発酵物を含有することを特徴とするプロジェリン蓄積抑制剤。
【請求項3】
豆乳を基質として乳酸菌により発酵させて得られる発酵物を含有することを特徴とする、核形態異常及び/又はプロジェリン蓄積に起因する角層機能低下の予防・改善用皮膚外用剤。
【請求項4】
豆乳を基質として乳酸菌により発酵させて得られる発酵物を含有することを特徴とする皮膚外用組成物の、核形態異常及び/又はプロジェリン蓄積に起因する角層機能低下の予防・改善のための使用(ただし、人間を治療する用途を除く)。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本願発明は豆乳を基質として乳酸菌により発酵させて得られる発酵物を含有する核形態異常改善剤やプロジェリン蓄積抑制剤、核形態異常及び/又はプロジェリン蓄積に起因する角層機能低下の予防・改善用皮膚外用剤に関する。
続きを表示(約 3,600 文字)
【背景技術】
【0002】
皮膚は生体と外界との境界にあり、外部からの物質の進入を防ぐとともに、皮膚内部からの水分の蒸散を防ぐための皮膚バリア機能を有しており、生体の維持に重要な役割を担っている。皮膚は角層、顆粒層、有棘層、基底層からなる厚さ100~200μmの上皮であるが、特に皮膚の最外層にある角層は、生体と外部環境の間の物理的・化学的バリアとして機能するほか、皮膚の質感や外観を調整する機能を有することから、健康的な生体や皮膚の維持にとって、健常な角層の維持は不可欠である。角層は、基底層にある表皮細胞が終末分化することで形成された角質細胞と、それをとりまく細胞間脂質で構成されている。角層機能は、角質細胞が終末分化に伴い生成するSS結合を有するケラチン線維や、フィラグリン、天然保湿因子のほか、コーニファイドエンベロープ等、角質細胞中の成分が重要な役割を果たしており、さらに角質細胞間接着や、セラミド等の細胞間脂質も大きな役割を担っており、これらが正常に産生・成熟し、角層が正常に形成されるだけでなく、その機能が適切に発揮され、維持されることが重要である(非特許文献1)。
【0003】
核ラミナは、核内膜の核質面を覆う、複雑で高度に組織化されたタンパク質の網目構造であり、核形態を機械的に支持し、維持する裏打ち構造である。ヒトであれば、一部の細胞を除き一般的に核形態は球状に維持されるため、2次元的な顕微鏡像では正円に近い核形態が観察される。核ラミナは主に中間径フィラメントタンパク質であるA型ラミンおよびB型ラミンによって構成され、核形態を維持するだけでなく、例えば、核膜周辺で機能するタンパク質の足場の役割を果たし、核内部のクロマチンや転写因子を核辺縁部に繋ぎ止め、DNAの転写、複製、修復等に必要なゲノムの区画化を担い、さらには核外部の細胞骨格と相互作用し、核-細胞質間のシグナル伝達や物質輸送にも関与する等、生命維持に必要となる多様な機能を有している。このため、核形態の異常は主に核ラミナを構成するタンパク質の異常を伴い、組織特異的な遺伝病や老化等の多細胞生物に特有の問題を引き起こすことが知られている(非特許文献2)。
【0004】
前記の核形態異常が関連する疾患としては、先天的遺伝子異常を原因とするハッチンソン・ギルフォード・プロジェリア症候群(HGPS)が有名である。HGPSの患者では、A型ラミン遺伝子のプロセシング異常により、プロジェリン(Progerin)と呼ばれる異常タンパク質が産生され、核形態に異常が生じることにより、老化促進が引き起こされることが明らかにされている(非特許文献3)。本疾患の主要な症状としては、身長、体重の発育が乏しいことのほか、症状の進行に伴い皮膚の老化、高コレステロール血症、動脈硬化の亢進、糖尿病、骨粗鬆症、老年性の白内障、白髪、脱毛等の早老変化が顕著になることが挙げられる。特に皮膚においては、表皮におけるケラチン1やケラチン10、ロリクリン、フィラグリン等の主要な分化マーカータンパク質が基底層、有棘層、顆粒層において正常な発現・局在を示すにも関わらず、表皮の最上層にある角層において、角層水和の維持不全や、細胞間脂質マトリックスの形成不全が生じ(非特許文献4)、例えば、皮膚表面がざらざらし光沢を有すること等が示されている(非特許文献5)。このことは、皮膚の質感や外観を整える機能を含め、角層を正常に機能させるには、表皮における分化促進による正常な角層形成だけではなく、形成された角層の機能を適切に発揮させ維持することが重要であること、核形態異常が、様々な老化現象の発現だけでなく、表皮における角層機能の低下等の皮膚変化に深く関与していることを示唆している。HGPSで観察されるのと類似のプロジェリン蓄積や核形態異常は健常者においても確認されており、例えば、その頻度は新生児よりも高齢者で多いことから、核形態異常は加齢に伴う内因性の老化との関連性が示唆されており(非特許文献6)、培養細胞の核形態異常状態を指標としたスクリーニング方法により、抗老化成分が見出されている(特許文献1)。
しかしながら、核形態異常が、いかなる生体反応を経由し老化現象や皮膚変化等を促進・顕在化させるかに関する研究は、はじまったばかりであり、その詳細な機構については、得られた知見も限られているのが現状である。
【0005】
ダイズ種子から抽出される乳状の液体である豆乳を乳酸菌で発酵して得られる、豆乳発酵物(豆乳の乳酸菌醗酵液)は、B16細胞の白色化作用や、抗酸化作用等を持つことが知られていたが(特許文献2)、ヒト皮膚細胞の核形態やプロジェリン蓄積に対する作用、それらに関連する角層機能に対する作用は全く検討されてこなかった。また、B16細胞の白色化や抗酸化と、ヒト皮膚細胞の核形態やプロジェリン蓄積、それらに関連する角層機能との関連性も知られていなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2013-257347号公報
特開平3-127713号公報
【非特許文献】
【0007】
Drug Delivery System,22(4),424-432,2007
Biomedicines, 2020, Jul;8(7):188
Aging Res Rev., 2017, Jan;33:18-29
Aging Cell, 2014, Apr;13(2):292-302
Case Reports in Dentistry, Volume 2013, Article ID 631378, 4pages
Cells, 2020, Mar;9(3):718
Cosmetics & Toiletries, 2013 Oct;Trifluoroacetyl-Tripeptide-2 to Target Senescence for Anti-aging Benefits
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本願発明は、生体内の様々な組織における多様な疾患や症状、特に肌においては核形態異常やプロジェリン蓄積に起因する角層機能低下等の各種症状を改善する効果を有する核形態異常改善剤やプロジェリン蓄積抑制剤、核形態異常及び/又はプロジェリン蓄積に起因する角層機能低下の予防・改善用皮膚外用剤を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願発明者は、上記課題を解決すべく、鋭意検討をおこなった結果、豆乳を基質として乳酸菌により発酵させて得られる発酵物を用いることにより上記課題を解決した。
すなわち、本願発明は以下の好適な態様を含む。
〔1〕豆乳を基質として乳酸菌により発酵させて得られる発酵物を含有することを特徴とする核形態異常改善剤。
〔2〕豆乳を基質として乳酸菌により発酵させて得られる発酵物を含有することを特徴とするプロジェリン蓄積抑制剤。
〔3〕豆乳を基質として乳酸菌により発酵させて得られる発酵物を含有することを特徴とする、核形態異常及び/又はプロジェリン蓄積に起因する角層機能低下の予防・改善用皮膚外用剤。
〔4〕豆乳を基質として乳酸菌により発酵させて得られる発酵物を含有することを特徴とする皮膚外用組成物の、核形態異常及び/又はプロジェリン蓄積に起因する角層機能低下の予防・改善のための使用(ただし、人間を治療する用途を除く)。
【発明の効果】
【0010】
豆乳を基質として乳酸菌により発酵させて得られる発酵物は、核形態異常やプロジェリン蓄積に起因する角層機能低下等の各種症状を改善する効果が高い。加えて、本願発明の核形態異常改善剤やプロジェリン蓄積抑制剤、核形態異常やプロジェリン蓄積に起因する角層機能低下の予防・改善用皮膚外用剤は、継続的あるいは連続的に使用して核形態異常改善やプロジェリン蓄積抑制を繰り返すことで核形態異常やプロジェリン蓄積を防ぎ、結果として皮膚を含む生体内の様々な組織における核形態異常を改善したり、プロジェリン蓄積を抑制したりし、これによって角層機能低下等の各種症状を予防することもできる。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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