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公開番号2025003144
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-09
出願番号2023103649
出願日2023-06-23
発明の名称構造色部材及びその製造方法
出願人株式会社UACJ,国立大学法人北海道大学
代理人弁理士法人あいち国際特許事務所
主分類C23C 28/00 20060101AFI20241226BHJP(金属質材料への被覆;金属質材料による材料への被覆;化学的表面処理;金属質材料の拡散処理;真空蒸着,スパッタリング,イオン注入法,または化学蒸着による被覆一般;金属質材料の防食または鉱皮の抑制一般)
要約【課題】構造色を有し、耐久性に優れた構造色部材及びその製造方法を提供する。
【解決手段】構造色部材1は、基材2と、金属酸化物からなり、基材2を被覆する酸化物皮膜3と、を有する。酸化物皮膜3は、複数の気孔311を含み、基材2上に配置された多孔質層31と、気孔311を含まず、多孔質層31に積層された緻密層32と、を有する。酸化物皮膜3の厚みが、150nm以上1000nm以下かつ酸化物皮膜3の厚みの平均値に対して0.75倍以上1.25倍以下の範囲内である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
基材と、
金属酸化物からなり、前記基材を被覆する酸化物皮膜と、を有し、
前記酸化物皮膜が、複数の気孔を含み、前記基材上に配置された多孔質層と、
気孔を含まず、前記多孔質層に積層された緻密層と、を有し、
前記酸化物皮膜の厚みが、150nm以上1000nm以下かつ前記酸化物皮膜の厚みの平均値に対して0.75倍以上1.25倍以下の範囲内である、構造色部材。
続きを表示(約 650 文字)【請求項2】
前記多孔質層に含まれる気孔の最長径が75nm以下である、請求項1に記載の構造色部材。
【請求項3】
前記多孔質層及び前記緻密層を構成する前記金属酸化物がチタン酸化物である、請求項1に記載の構造色部材。
【請求項4】
前記構造色部材は、金属からなり、前記基材と前記多孔質層との間に介在する金属層を有している、請求項1に記載の構造色部材。
【請求項5】
前記金属層がチタンの結晶粒から構成されており、前記結晶粒の最長径の平均値が10nm以上50nm以下である、請求項4に記載の構造色部材。
【請求項6】
前記基材がアルミニウムまたはアルミニウム合金から構成されている、請求項1に記載の構造色部材。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載の構造色部材の製造方法であって、
スパッタリングにより前記基材上に金属膜を形成し、
その後、前記金属膜に、最大電圧が80V以上200V以下となる条件で陽極酸化処理を行うことにより前記基材上に前記酸化物皮膜を形成する、構造色部材の製造方法。
【請求項8】
前記金属膜がチタンの結晶粒から構成されており、前記結晶粒の最長径の平均値が10nm以上50nm以下である、請求項7に記載の構造色部材の製造方法。
【請求項9】
前記陽極酸化処理においてリン酸イオンを含む電解液を用いる、請求項7に記載の構造色部材の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、構造色部材及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 1,400 文字)【背景技術】
【0002】
有彩色の色調が付与された彩色部材は、建築材料や輸送機の外装材、電子機器の筐体などの種々の分野において意匠性を高めるために用いられている。部材の表面に有彩色の色調を付与する際には、塗料が用いられることが多い。しかし、塗料には、紫外線の照射等の種々の原因によって劣化しやすい有機物が含まれている。そのため、塗料によって有彩色の色調が付与された彩色部材は、使用中に塗膜の剥離や褪色、劣化が生じやすいという問題がある。
【0003】
これに対し、光の干渉を利用することにより、塗料を用いずに部材の表面に有彩色の色調を付与する技術が提案されている。例えば特許文献1には、干渉色を有する酸化皮膜が形成されたチタン系材料の表面に透明被覆層を被覆してなるチタン系材料であって、前記酸化皮膜の厚さが150~600nmであることを特徴とする表面に被覆層を有するチタン系材料が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2004-137514号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、建築物や輸送機、電子機器等の意匠性をより高めるため、構造色を利用し、部材の表面を見る角度に応じて異なる色調に発色させることが望まれている。
【0006】
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたものであり、構造色を有し、耐久性に優れた構造色部材及びその製造方法を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、基材と、
金属酸化物からなり、前記基材を被覆する酸化物皮膜と、を有し、
前記酸化物皮膜が、複数の気孔を含み、前記基材上に配置された多孔質層と、
気孔を含まず、前記多孔質層に積層された緻密層と、を有し、
前記酸化物皮膜の厚みが、150nm以上1000nm以下かつ前記酸化物皮膜の厚みの平均値に対して0.75倍以上1.25倍以下の範囲内である、構造色部材にある。
【0008】
本発明の他の態様は、前記の態様の構造色部材の製造方法であって、
スパッタリングにより前記基材上に金属膜を形成し、
その後、前記金属膜に、最大電圧が80V以上200V以下となる条件で陽極酸化処理を行うことにより前記基材上に前記酸化物皮膜を形成する、構造色部材の製造方法にある。
【発明の効果】
【0009】
前記構造色部材における酸化物皮膜は、基材上に配置された多孔質層と、多孔質層上に積層された緻密層と、を有している。また、酸化物皮膜の厚みは前記特定の範囲内である。前記構造色部材は、基材上に前記酸化物皮膜を有することにより、構造色を発現し、構造色部材に対する視線の方向の角度に応じて異なる色調の有彩色を発色することができる。また、前記酸化物皮膜は金属酸化物から構成されているため、長期間にわたって光学的特性を維持することができる。それ故、前記構造色部材は優れた耐久性を有し、長期間にわたって構造色を発現することができる。
【0010】
また、前記構造色部材の製造方法は、基材上にスパッタ法によって金属膜を形成した後、前記特定の条件で金属膜に陽極酸化処理を施すという簡素な方法により前記構造色部材を得ることができる。
(【0011】以降は省略されています)

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