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公開番号2025002337
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-09
出願番号2023102442
出願日2023-06-22
発明の名称保護タイプ電気コネクタ
出願人ケル株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類H01R 13/44 20060101AFI20241226BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】 コンタクトの先端が露出して相手電気コネクタのコンタクトと接続する構成の電気コネクタにおいて、露出するコンタクトの先端を保護することができるようにする。
【解決手段】
レセプタクルコネクタ10と接続されるプラグコネクタ30が、少なくとも外周部を形成するシェル部材40と、シェル部材の内部に配設された絶縁材料製のインシュレータ60と、インシュレータにより保持された複数のコンタクトピン70を備えて構成される。シェル部材におけるレセプタクルコネクタ10と接続される接続側に、コンタクトピン70の先端が露出しており、コンタクトピン70の先端を覆って保護する保護位置と、先端を露出させる露出位置とに移動可能となって取り付けられた先端カバー31を備える。
【選択図】図7
特許請求の範囲【請求項1】
相手側電気コネクタと接続される電気コネクタであって、
少なくとも外周部を形成するシェル部材と、
前記シェル部材の内部に配設された絶縁材料製の保持部材と、
前記保持部材により保持された複数のコンタクト部材と、を備えて構成され、
前記シェル部材における前記相手側電気コネクタと接続される接続側に、前記コンタクト部材の先端が露出しており、
前記接続側に、前記コンタクト部材の前記先端を覆って保護する保護位置と、前記先端を露出させる露出位置とに移動可能となって取り付けられたカバー部材を備えることを特徴とする保護タイプ電気コネクタ。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記シェル部材の前記接続側に、前記コンタクト部材の先端を囲んで形成され前記相手側電気コネクタとの接続方向に開放する保持開口空間が形成されており、
前記保持部材により保持された前記複数のコンタクト部材の先端が前記保持開口空間内に露出し、さらに前記保持開口空間より外側に突出し、
前記カバー部材は、前記保持開口空間内に取り付けられて前記保護位置と前記露出位置との間で移動可能であることを特徴とする請求項1に記載の保護タイプ電気コネクタ。
【請求項3】
前記保持開口空間内に、前記カバー部材より奥側に位置して付勢部材が配設されており、
前記付勢部材の付勢力を受けて前記カバー部材が前記保護位置に位置し、
前記カバー部材が外力を受けて前記付勢部材の付勢力に抗して前記保持空間内に押し込まれると、前記カバー部材が前記露出位置に移動可能であることを特徴とする請求項2に記載の保護タイプ電気コネクタ。
【請求項4】
前記相手側電気コネクタが、
一端側に開口して前記相手側電気コネクタを受容する受容空間を有し、他端側に基板上に接合して取り付けられるマウント部を有し、前記受容空間が前記一端側から前記他端側まで貫通形成されている導電材料製のコネクタハウジングを備えて構成され、
前記マウント部が前記基板の表面に形成されたマウントパターンと接合して取り付けられ、
前記マウントパターンに前記マウント部を接合して前記コネクタハウジングが前記基板に取り付けられた状態で、前記基板の表面における前記受容空間と対向する領域内に形成された複数のコンタクトパターンを前記相手側電気コネクタのコンタクト部材と電気接続されるコンタクトとして用いるように構成されており、
前記保護タイプ電気コネクタを前記受容空間内に挿入して前記コネクタハウジングと嵌合接続させたときに、
前記カバー部材が前記基板の表面に当接して押し込まれて前記露出位置の方に移動し、前記複数のコンタクト部材の先端が前記複数のコンタクトパターンと当接して電気接続されることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の保護タイプ電気コネクタ。
【請求項5】
前記複数のコンタクト部材がそれぞれ、前記保持部材により保持される本体部と、前記本体部に先端側に突出するとともに突出方向に移動可能に取り付けられた接触ピン部と、前記本体部内において前記接触ピン部を先端側に突出移動させるように付勢する付勢部材とから構成され、
前記シェル部材を前記受容空間内に挿入して前記基板側電気コネクタと嵌合接続させ、前記複数のコンタクト部材の先端を前記複数のコンタクトパターンと当接させるときに、前記接触ピン部の先端が前記複数のコンタクトパターンと当接するとともに、前記付勢部材の付勢により前記接触ピン部の先端と前記コンタクトパターンとの接触圧力が付与され
る構成であることを特徴とする請求項4に記載の保護タイプ電気コネクタ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、先端側に露出するコンタクトを保護する構成の保護タイプ電気コネクタに関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
近年、大容量の情報を高速で伝送することが求められることが多くなっており、電気コネクタにおいても大容量の電気信号を高速で伝送する性能が求められている。このようなことから、一対の信号線を用いて互いに逆位相となる信号(一般に「差動信号」と称される)を用いる信号伝送方式(差動伝送方式)が用いられるようになっている。一対の信号線を用いて送られる差動信号は互いに逆の信号電圧を有するため、受信側で信号電圧の差を求めることで2倍の電圧振幅を有した信号が得られる。また、対となる差動信号にそれぞれ同じノイズが加わった場合、受信側で信号電圧の差を求めるときにノイズを引き去ることができ、ノイズの影響を低減もしくは無くすことができる。このことから分かるように、差動伝送方式による信号伝送は、ノイズに強く、伝送速度の高速化に適している。このような差動伝送方式を適用できる電気コネクタとして、例えば、特許文献1や、特許文献2に開示の電気コネクタがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2017-130321号公報
特開2022-96201号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電気コネクタは、電気ケーブル同士の接続に用いられるものや、電気ケーブルと基板の信号ラインとの接続に用いられるものや、基板同士の接続に用いられるものがある。これら電気コネクタにおいては、電気コネクタのコンタクトと電気ケーブルの芯線との接続や、コンタクトと基板の信号ライン(配線パターン)との接続はハンダを用いて行われることが多い。ところが、ハンダを用いるとインピーダンスのバラツキが大きくなり、高速伝送を阻害する要因となるという問題があり、できる限りハンダを用いることなく電気コネクタを構成したいという課題がある。また、電気ケーブルに繋がる電気コネクタが信号ラインにおける高速伝送を阻害する要因となりやすく、電気コネクタの構造を電気ケーブルの芯線構成がそのまま繋がる構成に近づけたいという課題がある。
【0005】
このような課題に鑑みて、本出願人は信号ラインにはハンダ接合を行う必要がなく、伝送速度の高速化に適した電気コネクタを考えている。この場合に、コンタクトの先端が露出して相手電気コネクタのコンタクトと接続する構成となることがあり、このようにコンタクトの先端を露出させる構成とすると、コンタクトのハンドリング時(コンタクトを搬送したり、相手と接続したりする時)に、露出したコンタクトの先端を誤って外部のものに当てて折り曲げたり変形させたりするおそれがあるという問題がある。
【0006】
本発明は、このような課題、問題に鑑み、コンタクトの先端が露出して相手電気コネクタのコンタクトと接続する構成の電気コネクタにおいて、露出するコンタクトの先端を保護することができるような構成として、ハンドリング時などに誤ってコンタクトの先端を曲げたり損傷したりすることを防止できるような構成の電気コネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係る保護タイプ電気コネクタ(例えば、実施形態におけるプラグコネクタ30)は、相手側電気コネクタ(例えば、実施形態におけるレセプタクルコネクタ10)と接続される電気コネクタであり、少なくとも外周部を形成するシェル部材(例えば、実施形態における外部シェル部材40および内部シェル部材50)と、前記シェル部材の内部に配設された絶縁材料製の保持部材(例えば、実施形態におけるインシュレータ60)と、前記保持部材により保持された複数のコンタクト部材(例えば、実施形態におけるコンタクトピン70)と、を備えて構成され、前記シェル部材における前記相手側電気コネクタと接続される接続側に、前記コンタクト部材の先端が露出しており、前記接続側に、前記コンタクト部材の前記先端を覆って保護する保護位置と、前記先端を露出させる露出位置とに移動可能となって取り付けられたカバー部材(例えば、実施形態における先端カバー31)を備える。
【0008】
上記基板側電気コネクタにおいて、好ましくは、前記シェル部材の前記接続側に、前記コンタクト部材の先端を囲んで形成され、前記相手側電気コネクタとの接続方向に開放する保持開口空間(例えば、実施形態における下側保持開口空間41)が形成されており、前記保持部材により保持された前記複数のコンタクト部材の先端が前記保持開口空間内に露出し、さらに前記保持開口空間より外側に突出し、前記カバー部材は、前記保持開口空間内に取り付けられて前記保護位置と前記露出位置との間で移動可能である。
【0009】
上記基板側電気コネクタにおいて、好ましくは、前記保持開口空間内に、前記カバー部材より奥側に位置して付勢部材(例えば、実施形態におけるバネ部材35)が配設されており、前記付勢部材の付勢力を受けて前記カバー部材が前記保護位置に位置し、前記カバー部材が外力を受けて前記付勢部材の付勢力に抗して前記保持空間内に押し込まれると、前記カバー部材が前記露出位置に移動可能である。
【0010】
上記基板側電気コネクタにおいて、好ましくは、前記相手側電気コネクタ(例えば、実施形態におけるレセプタクルコネクタ10)が、一端側に開口して前記相手側電気コネクタを受容する受容空間(例えば、実施形態における受容空間16)を有し、他端側に基板上に接合して取り付けられるマウント部を有し、前記受容空間が前記一端側から前記他端側まで貫通形成されている導電材料製のコネクタハウジング(例えば、実施形態におけるレセプタクルハウジング11)を備えて構成され、前記マウント部が前記基板の表面に形成されたマウントパターンと接合して取り付けられ、前記マウントパターンに前記マウント部を接合して前記コネクタハウジングが前記基板に取り付けられた状態で、前記基板の表面における前記受容空間と対向する領域内に形成された複数のコンタクトパターンを前記相手側電気コネクタのコンタクト部材と電気接続されるコンタクトとして用いるように構成されており、前記保護タイプ電気コネクタを前記受容空間内に挿入して前記コネクタハウジングと嵌合接続させたときに、前記カバー部材が前記基板の表面に当接して押し込まれて前記露出位置の方に移動し、前記複数のコンタクト部材の先端が前記複数のコンタクトパターンと当接して電気接続される。
(【0011】以降は省略されています)

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