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公開番号2025001779
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-09
出願番号2023101442
出願日2023-06-21
発明の名称無線受信装置およびフレーム同期タイミング生成方法
出願人日本無線株式会社
代理人個人
主分類H04L 7/04 20060101AFI20241226BHJP(電気通信技術)
要約【課題】バースト通信のスループットを低下させることなくフレーム同期タイミングの生成が可能な無線受信装置およびフレーム同期タイミング生成方法を提供することを目的とする。
【解決手段】受信信号からプリアンブル信号を検出したタイミングを基準として、探索区間設定部8172により探索区間を設定し、相関値算出部8173により探索区間の受信信号と既知信号との相関値を算出し、最大値探索部8174により相関値の最大値を探索し、同期タイミング算出部8175により探索区間が終了するタイミングと、相関値が最大となったタイミングと、受信信号の遅延調整量とに基づいて、フレーム同期タイミングを算出する。
【選択図】図6
特許請求の範囲【請求項1】
データ信号の先頭にプリアンブル信号と既知信号とが付加されてバースト送信されたデータフレームを受信し、受信信号を出力する受信手段と、
前記受信信号から前記プリアンブル信号を検出することにより、前記データフレームの到来を検出するバースト検出手段と、
前記既知信号を用いて前記受信信号から前記データフレームと同期するためのフレーム同期タイミングを生成するフレーム同期手段と、を備え、
前記フレーム同期手段は、
前記受信信号と、予め記憶された前記既知信号との相関値を算出し、
前記相関値の最大値を探索し、
前記相関値の最大値に基づいて前記フレーム同期タイミングを算出する、
ことを特徴とする無線受信装置。
続きを表示(約 2,600 文字)【請求項2】
前記フレーム同期手段は、
前記受信信号に所定シンボル数の遅延調整量の遅延調整を行なって出力する遅延調整手段と、
前記バースト検出手段が前記受信信号から前記プリアンブル信号を検出したタイミングを基準として、前記データフレームのフレームフォーマットに基づいて、遅延調整が行なわれていない前記受信信号に対する前記フレーム同期タイミングの探索区間を設定する探索区間設定手段と、
前記受信信号と、予め記憶された前記既知信号との相関値を算出する相関値算出手段と、
前記探索区間内の前記相関値の最大値を探索する最大値探索手段と、
前記探索区間が終了するタイミングと、前記相関値が最大となったタイミングと、前記遅延調整量とに基づいて、前記フレーム同期タイミングを算出する同期タイミング算出手段と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の無線受信装置。
【請求項3】
前記探索区間設定手段は、前記バースト検出手段が前記受信信号から前記プリアンブル信号を検出したときに出力するバースト検出パルスを基準として、前記プリアンブル信号のシンボル数と、前記既知信号のシンボル数とを加算した区間を前記探索区間として設定する、
ことを特徴とする請求項2に記載の無線受信装置。
【請求項4】
前記同期タイミング算出手段は、前記遅延調整量と、前記相関値が最大となってから前記探索区間が終了するまでのシンボル数との差分シンボル数を求め、前記探索区間が終了するタイミングから前記差分シンボル数後のタイミングを前記フレーム同期タイミングとする、
ことを特徴とする請求項2または3に記載の無線受信装置。
【請求項5】
前記プリアンブル信号が交番信号である、
ことを特徴とする請求項1に記載の無線受信装置。
【請求項6】
前記バースト検出手段は、
前記交番信号の一方のスペクトラムの周波数が前記交番信号の中心周波数と一致するように前記受信信号の周波数をシフトして周波数シフト信号を生成する周波数シフト手段と、
前記周波数シフト信号から前記交番信号の一方のスペクトラムを抽出する第1の信号抽出手段と、
前記周波数シフト信号から抽出した前記交番信号の一方のスペクトラムの信号電力を算出してその平均値を求める電力算出手段と、
前記交番信号の一方のスペクトラムの信号電力の平均値と、電力閾値とを比較し、前記交番信号の一方のスペクトラムの信号電力の平均値が前記電力閾値よりも大きい場合に、前記交番信号を検出したと判定する判定手段と、
を備えることを特徴とする請求項5に記載の無線受信装置。
【請求項7】
前記バースト検出手段は、
前記交番信号の一方のスペクトラムの周波数が前記交番信号の中心周波数に対して正方向の第1周波数となるように前記受信信号の周波数をシフトして第1の周波数シフト信号を生成する第1の周波数シフト手段と、
前記第1の周波数シフト信号から前記交番信号の一方のスペクトラムを抽出する第1の信号抽出手段と、
前記第1の周波数シフト信号から抽出した前記交番信号の一方のスペクトラムの信号電力である第1の信号電力を算出してその平均値を求める第1の電力算出手段と、
前記交番信号の一方のスペクトラムの周波数が前記交番信号の中心周波数に対して負方向の第1周波数となるように前記受信信号の周波数をシフトして第2の周波数シフト信号を生成する第2の周波数シフト手段と、
前記第1の信号抽出手段と同じ信号抽出特性を有し、前記第2の周波数シフト信号から前記交番信号の一方のスペクトラムを抽出する第2の信号抽出手段と、
前記第2の周波数シフト信号から抽出した前記交番信号の一方のスペクトラムの信号電力である第2の信号電力を算出してその平均値を求める第2の電力算出手段と、
前記第1の信号電力の平均値と、前記第2の信号電力の平均値とを比較し、いずれか大きいほうを出力する電力比較手段と、
前記電力比較手段から出力された信号電力の平均値と、電力閾値とを比較し、前記信号電力の平均値が前記電力閾値よりも大きい場合に、前記交番信号を検出したと判定する判定手段と、
を備えることを特徴とする請求項5に記載の無線受信装置。
【請求項8】
前記バースト検出手段は、前記受信信号の振幅を正規化する正規化手段を備える、
ことを特徴とする請求項6または7に記載の無線受信装置。
【請求項9】
前記バースト検出手段は、
前記交番信号の一方のスペクトラムの周波数が前記第1の信号抽出手段の信号抽出特性の範囲内に入らないように前記受信信号の周波数をシフトして第3の周波数シフト信号を生成する第3の周波数シフト手段と、
前記第1の信号抽出手段と同じ信号抽出特性を有し、前記第3の周波数シフト信号から雑音信号を抽出する第3の信号抽出手段と、
前記雑音信号の信号電力を算出してその平均値を求める第3の電力算出手段と、
前記雑音信号の信号電力の平均値に基づいて前記電力閾値を算出する電力閾値算出手段と、
を備えることを特徴とする請求項8に記載の無線受信装置。
【請求項10】
データ信号の先頭にプリアンブル信号と既知信号とが付加されてバースト送信されたデータフレームを受信し、受信信号を出力するステップと、
前記受信信号から前記プリアンブル信号を検出することにより、前記データフレームの到来を検出するステップと、
前記既知信号を用いて前記受信信号から前記データフレームと同期するためのフレーム同期タイミングを生成するステップと、を備え、
前記フレーム同期タイミングを生成するステップは、
前記受信信号と、予め記憶された前記既知信号との相関値を算出し、前記相関値の最大値を探索し、前記相関値の最大値に基づいて前記フレーム同期タイミングを算出する、
ことを特徴とするフレーム同期タイミング生成方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、バースト送信されたデータフレームを検出してフレーム同期タイミングを生成する無線受信装置およびフレーム同期タイミング生成方法に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
TDM(Time Division Multiplexing)通信などで用いられるバースト通信では、不連続な信号が不定期に送信(以下、バースト送信ともいう)されるため、無線受信装置は信号をいつ受信するか分からない。そのため、バースト通信を行なう無線受信装置では、バースト送信された信号を受信し、その受信信号からプリアンブル信号を検出することにより、受信信号に含まれるデータフレームの到来を検出するバースト検出を行なっている。
【0003】
一方、無線受信装置では、受信したデータフレームに対してフレーム同期処理を行なっている。フレーム同期とは、受信信号からデータフレームのフレームフォーマットを構成する各区間の信号を抽出するために、既知信号を用いて任意の区間のタイミング(フレーム同期タイミング)を生成する処理である。
【0004】
従来のフレーム同期処理では、図27のフレーム同期回路100において示すように、データフレームを含む受信信号と、予め設定された既知信号との相関値を相関値算出部101により算出する。データフレームには、プリアンブル信号とともに既知信号が付加されている。次いで、算出した相関値と、予め設定された閾値とを閾値比較部102により比較し、相関値が閾値以上である場合には、フレーム同期タイミングを生成する(例えば、特許文献1参照)。また、低CNR(Career-to-Noise Ratio)の受信信号からのフレーム同期確率を向上させるため、前方保護段数および後方保護段数が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開平11-252061号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
バースト通信では、1つの無線受信装置に対して複数の無線送信装置からバースト信号が送信されることがあり、受信したバースト信号ごとにバースト送信を行なった相手局が異なることがある。そのため、バースト通信では、1つのバースト信号でフレーム同期タイミングを生成する必要があり、前方保護段数および後方保護段数を設けることはできない。バースト通信において、低CNRの受信信号からのフレーム同期確率を確保するには、データフレームに付加される既知信号を長くすればよいが、スループットが低下するという問題がある。
【0007】
そこで本発明は、バースト通信のスループットを低下させることなくフレーム同期タイミングの生成が可能な無線受信装置およびフレーム同期タイミング生成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本出願人は、正しいフレーム同期タイミングの相関値と、正しくないフレーム同期タイミングの相関値との関係は、受信信号のCNRが低くなった場合でも変化せず、正しいフレーム同期タイミングの相関値が正しくないフレーム同期タイミングの相関値よりも大きくなる場合が多くなることに気がついた。そこで、上記課題を解決するために、請求項1
に記載の発明は、データ信号の先頭にプリアンブル信号と既知信号とが付加されてバースト送信されたデータフレームを受信し、受信信号を出力する受信手段と、前記受信信号から前記プリアンブル信号を検出することにより、前記データフレームの到来を検出するバースト検出手段と、前記既知信号を用いて前記受信信号から前記データフレームと同期するためのフレーム同期タイミングを生成するフレーム同期手段と、を備え、前記フレーム同期手段は、前記受信信号と、予め記憶された前記既知信号との相関値を算出し、前記相関値の最大値を探索し、前記相関値の最大値に基づいて前記フレーム同期タイミングを算出する、ことを特徴とする無線受信装置である。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の無線受信装置において、前記フレーム同期手段は、前記受信信号に所定シンボル数の遅延調整量の遅延調整を行なって出力する遅延調整手段と、前記バースト検出手段が前記受信信号から前記プリアンブル信号を検出したタイミングを基準として、前記データフレームのフレームフォーマットに基づいて、遅延調整が行なわれていない前記受信信号に対する前記フレーム同期タイミングの探索区間を設定する探索区間設定手段と、前記受信信号と、予め記憶された前記既知信号との相関値を算出する相関値算出手段と、前記探索区間内の前記相関値の最大値を探索する最大値探索手段と、前記探索区間が終了するタイミングと、前記相関値が最大となったタイミングと、前記遅延調整量とに基づいて、前記フレーム同期タイミングを算出する同期タイミング算出手段と、を備えることを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の無線受信装置において、前記探索区間設定手段は、前記バースト検出手段が前記受信信号から前記プリアンブル信号を検出したときに出力するバースト検出パルスを基準として、前記プリアンブル信号のシンボル数と、前記既知信号のシンボル数とを加算した区間を前記探索区間として設定する、ことを特徴とする。
(【0011】以降は省略されています)

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