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公開番号
2025000288
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-07
出願番号
2023100064
出願日
2023-06-19
発明の名称
ステンレス鋼材
出願人
日鉄ステンレス株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
C22C
38/00 20060101AFI20241224BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約
【課題】溶け込み性良好かつスラグスポット発生を抑制できる溶接性に適した介在物形態を有するステンレス鋼材を提供する。
【解決手段】所定の成分組成を有し以下の式A、式Bを満足するステンレス鋼材であって、表層の酸化物系介在物の平均組成が式C、式Dを満足することにより、陰極点を安定化することに加え、ステンレス鋼材全体のMgO、Al
2
O
3
、CaO、Ti
2
O
3
量は一定以下に制御するという手法を採用することでスラグスポットを防止するとともに溶け込み性良好なステンレス鋼材を提供する。
Ca/(Mg+Al/5)≧0.3 ・・・式A
Ti/10+Al/5+Ca+Mg/2≦0.003 ・・・式B
0.20≦CaO/(CaO+MgO+Al
2
O
3
)≦0.80 ・・・式C
(MgO+Al
2
O
3
+CaO+Ti
2
O
3
)/(MgO+Al
2
O
3
+SiO
2
+CaO+Ti
2
O
3
+Cr
2
O
3
+MnO)≦0.50 ・・・式D
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
成分が、質量%で、
C :0.001%以上0.200%以下、
Si:0.10%以上3.00%以下、
Mn:0.10%以上15.00%以下、
P :0.040%以下、
S :0.0100%以下、
Ni:2.0%以上20.0%以下、
Cr:10.0%以上30.0%以下、
Mo:5.00%以下、
Cu:5.00%以下、
Ti:0.001%以上0.010%以下、
Al:0.0001%以上0.0100%以下、
O :0.0010%以上0.0200%以下、
N :0.500%以下、
Ca:0.0001%以上0.0030%以下、
Mg:0.0001%以上0.0030%以下、
B :0.0100%以下、
Nb:0.60%以下、
W :5.00%以下、
Sn:0.50%以下、
V :0.50%以下、
Co:1.00%以下を含有し、
残部がFeおよび不可避的不純物からなり、
以下の式Aおよび式Bを満たし、
鋼材L断面において、鋼材厚tに対して表面から深さ方向にt/8の深さまでの領域に存在する粒径1μm以上の酸化物系介在物の平均組成が以下の式Cおよび式Dを満たすことを特徴とするステンレス鋼材。
Ca/(Mg+Al/5)≧0.30
・・・式A
Ti/10+Al/5+Ca+Mg/2≦0.0030
・・・式B
0.20≦CaO/(CaO+MgO+Al
2
O
3
)≦0.80
・・・式C
(MgO+Al
2
O
3
+CaO+Ti
2
O
3
)/(MgO+Al
2
O
3
+SiO
2
+CaO+Ti
2
O
3
+Cr
2
O
3
+MnO)≦0.50
・・・式D
ただし、式Aおよび式B中の各元素は、当該元素のステンレス鋼材中の質量%を示すものとし、含まれない場合は0を代入する。また、式Cおよび式D中の各酸化物は、CaO、SiO
2
、Al
2
O
3
、MgO 、Ti
2
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明はステンレス鋼材に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)
【背景技術】
【0002】
ステンレス鋼材を母材に用いてアーク溶接を行うと、溶接ビード上に酸化物の凝集体が点在した「スラグスポット(黒点)」と呼ばれる欠陥が生じることがある。非特許文献1の記載によれば、スラグスポットは、溶接ビード上に数mmから数cm間隔で島状あるいは点状に残留浮上する微小なスラグであるとされる。アーク溶接時に溶融池に侵入した酸素が、鋼材中の微量成分であるAl、Ca、Ti等の活性元素と反応してスラグスポットとして残留すると考えられるという。
【0003】
スラグスポットを抑制する提案はいくつかなされている。例えば、特許文献1には、ステンレス鋼材の金属組織中に観察される酸化物系介在物中の平均CaO/(SiO
2
+MnO+CaO)質量比が0.40以下、平均CaO/MnO質量比を15.0以下に制御することで、溶接時のスラグスポットを発生させにくくすることが提案されている。しかしながら、Ca同様に溶接中にも酸化物を形成しうるAl、Mg濃度も過剰に減少し、溶接の陰極点安定化に寄与するCaO-Al
2
O
3
-MgO系介在物が溶接時に生じないため、溶接時の溶け込み深さが小さくなり、十分なビード形状が得られない場合がある。また、Ca以外のAl、Ti等の活性元素量によってはスラグスポットを発生させる場合もある。
【0004】
例えば特許文献2には、非金属介在物の組織制御によって溶接時の黒点(スラグスポット)発生が抑えられるステンレス鋼材が提案されている。しかしながら、この鋼材は実用材料で微量に混入するTiが考慮されていないため、実用環境で溶接時のシールドガスにわずかに大気が混入した際にTiN、TiO
2
が生成され、黒点発生につながっていた。さらに、AlやCaのように過剰な易酸化性元素を含むため、実用環境で溶接時のシールドガスにわずかに大気が混入した際に黒点発生につながることも考慮されていなかった。また、一部の溶接条件では固相酸化物のMgO・Al
2
O
3
が生成することで、溶接の陰極点安定化に寄与するCaO-Al
2
O
3
-MgO系介在物が形成されない場合もあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2019-77925号公報
特開2004-149833号公報
【非特許文献】
【0006】
ステンレス協会編「ステンレス鋼便覧第3版」、日刊工業新聞社、1995年、p.1030-1031
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、溶接時のスラグスポット(黒点)発生を抑制するとともに、溶接溶け込み性を良好にすることを課題とし、そのようなステンレス鋼材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
発明者らは、陰極点安定化に適したAl
2
O
3
―CaO-MgO介在物をある程度含むことで溶け込み性を良好にしながら易酸化性元素を適切な範囲に制御することで溶接時のスラグスポット(黒点)発生を抑制することを着想し、詳細な研究の結果、以下の知見を得た。
【0009】
(ア)ステンレス鋼材の表層のAl
2
O
3
、CaO、MgO濃度を適正に制御することにより陰極点を安定化させることに加え、溶接時にも鋼中に溶解しないようにできることを見出した。
【0010】
(イ)さらに、ステンレス鋼材の易酸化性元素であるTi、Al、Ca、Mg量を規定の範囲に制御することにより、溶接時に酸素濃度が上昇してもスラグスポットを抑制できることを見出した。
本発明は上記知見を基に成された物であり、その要旨は以下のとおりである。
(【0011】以降は省略されています)
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