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公開番号
2024180324
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-12-26
出願番号
2024093926
出願日
2024-06-10
発明の名称
硝酸含有廃液の処理方法および硝酸分解用触媒
出願人
日揮触媒化成株式会社
代理人
個人
,
個人
主分類
C02F
1/70 20230101AFI20241219BHJP(水,廃水,下水または汚泥の処理)
要約
【課題】高濃度の硝酸性窒素を触媒と還元剤を用いて分解した際に、過還元で生じたアンモニアと、使用した還元剤のうち未反応の還元剤は、同一触媒を用いて酸化分解条件で分解することができる、硝酸性窒素を分解可能な処理方法の提供。
【解決手段】次の各工程を含んでなる硝酸含有廃液の処理方法。工程1:平均粒子径が1~30nmであって金属ナノ粒子が担体に担持している還元用触媒を、硝酸含有廃液に添加し、処理液Iを得る工程。工程2:前記処理液Iの温度を5~90℃に調整し、更に前記処理液Iに含まれる硝酸量の1.0倍以上のモル量の還元剤を添加し、処理液IIを得る工程。工程3:前記処理液IIを温度5~90℃で30分~24時間加温し、硝酸分解反応を進めて処理液IIIを得る工程。工程4:前記処理液IIIを温度20~90℃で酸素又は大気にてバブリングし、更にpHを5.0~8.0に調整して、処理液IVを得る工程。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
次の各工程を含んでなる硝酸含有廃液の処理方法。
工程1:平均粒子径が1~30nmであってPdとCuとを含む金属ナノ粒子が担体に担持している還元用触媒を、硝酸含有廃液(pH5.0以上8.0以下)に添加し、処理液Iを得る工程。
工程2:前工程に続いて、前記処理液Iの温度を5~90℃に調整し、更に前記処理液Iに含まれる硝酸量の1.0倍以上のモル量の還元剤を添加し、処理液IIを得る工程。
工程3:前工程に続いて、前記処理液IIを温度5~90℃で30分~24時間加温し、硝酸分解反応を進めて処理液IIIを得る工程。
工程4:前工程に続いて、前記処理液IIIを温度20~90℃で酸素又は大気にてバブリングし、更にpHを5.0~8.0に調整して、処理液IVを得る工程。
続きを表示(約 1,600 文字)
【請求項2】
前記工程4が、前記処理液IIIを温度20~90℃で、酸素又は大気にてバブリングすることにより、副生アンモニアの除去と、前記還元用触媒による副生アンモニアの酸化分解及び残存還元剤の分解の促進と、を行う工程である、請求項1記載の硝酸含有廃液の処理方法。
【請求項3】
前記工程1~工程3を不活性ガス雰囲気下で行う、請求項1又は請求項2記載の硝酸含有廃液の処理方法。
【請求項4】
内部において液体が貯留していない部位に気体を導入できる導入ライン1と、内部において貯留している液体内に気体を導入できる導入ライン2と、攪拌装置と、内部の圧力が大気圧の1.05倍以上になると開になる機能を有するブリーザー弁を備えるブリーザーバルブと、を有する密閉槽を用意し、
前記密閉槽の内部にて前記還元用触媒を前記硝酸含有廃液に添加して前記工程1を行い、
前記導入ライン2から前記酸素又は前記大気を導入する前記工程4を行い、
前記工程1~工程3において、前記導入ライン1および前記導入ライン2から継続して不活性ガスを導入する、
請求項1または2に記載の硝酸含有廃液の処理方法。
【請求項5】
前記工程4におけるバブリングが、ナノバブルを発生させて行われる、請求項1又は請求項2記載の硝酸含有廃液の処理方法。
【請求項6】
前記工程4におけるバブリングが、平均気泡径が50~500nmであるナノバブルを10
5
個/mL~1.0×10
11
個/mLの範囲で発生させて行われる、請求項1又は請求項2記載の硝酸含有廃液の処理方法。
【請求項7】
平均粒子径が1~30nmである金属ナノ粒子が担体に担持している還元用触媒であって、更に下記1)~3)の特徴を有する還元用触媒。
1)前記金属ナノ粒子は、PdとCuとを含み、Pd/(Pd+Cu)×100の質量比率が2~98%の範囲で、更に炭素を、C/(Pd+Cu)×100の質量比率で0.1~5%含むものであること。
2)前記還元用触媒における前記金属ナノ粒子の含有割合が0.1~5質量%であること。
3)前記還元用触媒は、平均粒子径が10μm~5cm、比表面積が50~3000m
2
/gの範囲であること。
【請求項8】
前記還元用触媒が更に下記4)の特徴を有してなる請求項7記載の還元用触媒。
4)前記還元用触媒に担持した前記金属ナノ粒子の画像解析による粒子径分布において、粒子径が小さい方から累積頻度10%粒子径をD10とし、累積頻度50%粒子径をD50とし累積頻度90%粒子径をD90としたとき下記式(1)で表される条件を満たすこと。
式(1):0.9≦[(D10+D90)/2]/D50≦2.3
【請求項9】
前記還元用触媒が更に下記5)の特徴を有してなる請求項7又は請求項8記載の還元用触媒。
5)前記還元用触媒において、全ての方向において隣りに存在する金属ナノ粒子と1nm以上離れている金属ナノ粒子の割合m{m=(s/t)×100}の平均値Mの値の範囲が50~100%の範囲であること。
(ここで、電子顕微鏡写真[30万倍]における10000nm
2
の範囲(100nm四方)内に存在する金属ナノ粒子の個数をt、電子顕微鏡写真[30万倍]における全ての方向において隣に存在する金属ナノ粒子と最短距離が1nm以上離れている金属ナノ粒子の個数をs、電子顕微鏡写真[30万倍]における全ての方向において隣に存在する金属ナノ粒子と最短距離が1nm以上離れている金属ナノ粒子の割合をm[%]、前記還元用触媒において無作為に選んだ50箇所についてmを求め、それらの個数平均値M[%]を求めた。)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、硝酸含有廃液の処理方法および硝酸分解用触媒に関する。
続きを表示(約 4,500 文字)
【背景技術】
【0002】
硝酸性窒素は、湖沼等の富栄養化や人体への健康被害をもたらすため、工業排水等から除去する必要がある。硝酸性窒素を排水等から除去する方法として、還元剤と触媒との存在下で還元分解を行う化学的処理方法が知られている。例えば、銅とパラジウムを含む金属微粒子が無機担体またはカーボン担体に担持された触媒が用いられている(例えば、特許文献1を参照)。特許文献1では、処理水中で触媒が沈降しないように、小さい担体を用いること、比表面積の大きいカーボンを担体として用いることが開示されている。さらに、繰り返して使用できるように、無機担体(粒子径5~200nm、比表面積10~300m
2
/g)に、銅とパラジウムを含む金属微粒子(平均一次粒子径1~9nm)を担持することが知られている(例えば、特許文献2を参照)。
【0003】
また、高活性で高寿命の触媒を実現するために、面状領域を持つ金属粒子を活性炭に担持することが知られている(例えば、特許文献3を参照)。この特許文献3では、金属粒子としてPd-Cu粒子が例示され、炭素を含有する担体としてフェノール樹脂系活性炭が例示されている。
【0004】
硝酸含有廃液から硝酸性窒素を除去する方法としては、硝酸含有廃液に活性汚泥を適用する処理方法が知られている。この様な処理方法として例えば、特許文献4には、硝酸性窒素の濃度が5,000mg/L以上である排水に対して、嫌気性微生物を含む活性汚泥を用いて生物処理を行ない、硝酸性窒素の濃度が1,000mg/L以下の処理水を得る、排水の処理方法を開示している。しかしながら硝酸含有廃液に活性汚泥を適用する処理方法においては、硝酸含有廃液中の硝酸性窒素濃度の低下に数日ないし数日以上の時間を要することが知られている。また、その他の問題点として、活性汚泥中の細菌の作用を利用するため、途中で処理を止めることができないこと、活性汚泥は廃液処理に適用した後の異臭発生や廃棄の問題等が指摘されている。
【0005】
硝酸含有廃液から硝酸性窒素を除去する方法として、電気分解の作用を利用する方法も知られている。例えば、特許文献6には、排水を電気分解し発生する酸素及び水素を用いて排水中の窒素化合物及びリン化合物を酸化そして還元し排水中の窒素及びリンを効率よく除去することを目的とした処理システムの発明が開示されている。硝酸含有廃液から硝酸性窒素を除去する方法として電気分解の作用を利用した場合、高濃度硝酸を含む廃液の処理は容易ではなく、処理に時間を要するため、エネルギーコストの問題も看過できないといわれている。
【0006】
硝酸含有廃液から硝酸性窒素を除去する方法として、還元法で硝酸を分解する方法も知られている。例えば特許文献7には、スポンジ銅触媒の破砕や粉化を効果的に防止して、効率的に硝酸性窒素を処理することができる硝酸性窒素含有排水の処理方法及びそのスポンジ銅触媒を用い、排水に含まれる硝酸性窒素を還元処理する硝酸性窒素含有排水の処理方法の発明が開示されている。触媒による硝酸性窒素の分解処理は、硝酸性窒素廃液と触媒と還元剤を混合し、加熱条件下で還元反応を行い。硝酸を亜硝酸から窒素へと分解し、窒素として大気放出させて処理する方法である。このような反応であるため、微生物分解のような汚泥も発生せず、比較的クリーンな処理法であるが、還元反応により分解され生成した、亜硝酸や窒素が、さらに還元され、過還元反応してアンモニアを生成し、河川等に放流できない問題や、使用する還元剤の種類によっては未反応の還元剤が廃液中に残りBODやCOD値を上げ河川等に放流できない問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2004-097983号公報
特開2015-192925号公報
特開2010-089032号公報
特開2020―189284号公報
特開2006―239506号公報
特開2005―138091号公報
特開2012―148219号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、高濃度の硝酸性窒素を触媒と還元剤を用いて分解した際に、過還元で生じたアンモニアと、使用した還元剤のうちの未反応分(還元剤)を、硝酸性窒素の分解に用いた触媒と同一の触媒を用いて酸化分解条件で分解することができる、硝酸性窒素を分解可能な処理方法を提供することを目的とする。また、処理後の廃液を、河川に放出可能な水準とすることができる硝酸性窒素を分解可能な処理方法の提供を目的とする。
また、活性汚泥等を必要とすることなく、硝酸性窒素を分解可能な処理方法の提供を目的とする。反応も早く短時間で高濃度でも硝酸性窒素を分解可能な処理方法の提供を目的とする。また、硝酸性窒素を分解可能な処理方法に好適な触媒の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は上記課題を解決するため鋭意検討し、本発明を完成させた。
本発明は以下の(1)~(9)である。
(1)次の各工程を含んでなる硝酸含有廃液の処理方法。
工程1:平均粒子径が1~30nmであってPdとCuとを含む金属ナノ粒子が担体に担持している還元用触媒を、硝酸含有廃液(pH5.0以上8.0以下)に添加し、処理液Iを得る工程。
工程2:前工程に続いて、前記処理液Iの温度を5~90℃に調整し、更に前記処理液Iに含まれる硝酸量の1.0倍以上のモル量の還元剤を添加し、処理液IIを得る工程。
工程3:前工程に続いて、前記処理液IIを温度5~90℃で30分~24時間加温し、硝酸分解反応を進めて処理液IIIを得る工程。
工程4:前工程に続いて、前記処理液IIIを温度20~90℃で酸素又は大気にてバブリングし、更にpHを5.0~8.0に調整して、処理液IVを得る工程。
(2)前記工程4が、前記処理液IIIを温度20~90℃で、酸素又は大気にてバブリングすることにより、副生アンモニアの除去と、前記還元用触媒による副生アンモニアの酸化分解及び残存還元剤の分解の促進と、を行う工程である、上記(1)記載の硝酸含有廃液の処理方法。
(3)前記工程1~工程3を不活性ガス雰囲気下で行う、上記(1)又は(2)記載の硝酸含有廃液の処理方法。
(4)内部において液体が貯留していない部位に気体を導入できる導入ライン1と、内部において貯留している液体内に気体を導入できる導入ライン2と、攪拌装置と、内部の圧力が大気圧の1.05倍以上になると開になる機能を有するブリーザー弁を備えるブリーザーバルブと、を有する密閉槽を用意し、
前記密閉槽の内部にて前記還元用触媒を前記硝酸含有廃液に添加して前記工程1を行い、
前記導入ライン2から前記酸素又は前記大気を導入する前記工程4を行い、
前記工程1~工程3において、前記導入ライン1および前記導入ライン2から継続して不活性ガスを導入する、
上記(1)~(3)のいずれかに記載の硝酸含有廃液の処理方法。
(5)前記工程4におけるバブリングが、ナノバブルを発生させて行われる、上記(1)~(4)のいずれかに記載の硝酸含有廃液の処理方法。
(6)前記工程4におけるバブリングが、平均気泡径が50~500nmであるナノバブルを10
5
個/mL~1.0×10
11
個/mLの範囲で発生させて行われる、上記(1)~(5)のいずれかに記載の硝酸含有廃液の処理方法。
(7)平均粒子径が1~30nmである金属ナノ粒子が担体に担持している還元用触媒であって、更に下記1)~3)の特徴を有する還元用触媒。
1)前記金属ナノ粒子は、PdとCuとを含み、Pd/(Pd+Cu)×100の質量比率が2~98%の範囲で、更に炭素を、C/(Pd+Cu)×100の質量比率で0.1~5%含むものであること。
2)前記還元用触媒における前記金属ナノ粒子の含有割合が0.1~5質量%であること。
3)前記還元用触媒は、平均粒子径が10μm~5cm、比表面積が50~3000m
2
/gの範囲であること。
(8)前記還元用触媒が更に下記4)の特徴を有してなる上記(7)記載の還元用触媒。
4)前記還元用触媒に担持した前記金属ナノ粒子の画像解析による粒子径分布において、粒子径が小さい方から累積頻度10%粒子径をD10とし、累積頻度50%粒子径をD50とし累積頻度90%粒子径をD90としたとき下記式(1)で表される条件を満たすこと。
式(1):0.9≦[(D10+D90)/2]/D50≦2.3
(9)前記還元用触媒が更に下記5)の特徴を有してなる上記(7)又は(8)記載の還元用触媒。
5)前記還元用触媒において、全ての方向において隣りに存在する金属ナノ粒子と1nm以上離れている金属ナノ粒子の割合m{m=(s/t)×100}の平均値Mの値の範囲が50~100%の範囲であること。
(ここで、電子顕微鏡写真[30万倍]における10000nm
2
の範囲(100nm四方)内に存在する金属ナノ粒子の個数をt、電子顕微鏡写真[30万倍]における全ての方向において隣に存在する金属ナノ粒子と最短距離が1nm以上離れている金属ナノ粒子の個数をs、電子顕微鏡写真[30万倍]における全ての方向において隣に存在する金属ナノ粒子と最短距離が1nm以上離れている金属ナノ粒子の割合をm[%]、前記還元用触媒において無作為に選んだ50箇所についてmを求め、それらの個数平均値M[%]を求めた。)
【発明の効果】
【0010】
本発明の硝酸含有廃液の処理方法では、硝酸含有廃液に含まれる高濃度の硝酸性窒素を還元用触媒と還元剤を用いて分解し、硝酸性窒素の分解過程での過還元で生じたアンモニアと、使用した還元剤のうち未反応の還元剤を、新たな処理剤等を添加することなく、当初投入した還元用触媒により、酸化分解条件で分解することが可能であり、工程上、効率的に処理できかつ、汚泥等の副生成物の発生のない点でたいへん有利であり、処理後の廃液は、河川あるいは下水等に放出可能な水準とすることができる。
また、本発明の還元用触媒は、本発明の硝酸含有廃液の処理方法に適用して、硝酸性窒素の分解、過還元で生じたアンモニアの分解及び還元剤の分解に有効である。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)
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