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公開番号2025052802
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-07
出願番号2023161712
出願日2023-09-25
発明の名称添加量算出装置、水処理方法、水処理システム及びプログラム
出願人オルガノ株式会社
代理人個人,個人
主分類C02F 1/70 20230101AFI20250328BHJP(水,廃水,下水または汚泥の処理)
要約【課題】カタラーゼを添加することによって被処理水中の過酸化水素の分解処理を行って処理水を得るときに、被処理水に対するカタラーゼの添加量を最適化する。
【解決手段】カタラーゼの添加量または添加濃度を算出する添加量算出装置30を設ける。添加量算出装置30は、過酸化水素を分解するために必要なカタラーゼ量の導出のためのデータを格納したデータベース31と、被処理水の過酸化水素濃度と、被処理水のpHと、処理目標値(過酸化水素の分解の目標処理時間と処理水での目標過酸化水素濃度との両方の値)との入力を受け付ける入力部32と、入力部32への入力に基づいてデータベース31を検索し、過酸化水素を分解するためのカタラーゼの添加量または添加濃度を算出する算出部33とを備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
過酸化水素を含む被処理水にカタラーゼを添加して過酸化水素を分解し、処理水を得るときのカタラーゼの添加量を算出する添加量算出装置であって、
前記被処理水に含まれる過酸化水素を分解するために必要なカタラーゼ量の導出のためのデータを格納したデータベースと、
前記被処理水の過酸化水素濃度を示す入力と、前記被処理水のpHを示す入力と、過酸化水素の分解の目標処理時間に関する入力と、前記処理水での目標過酸化水素濃度に関する入力と、を少なくとも受け付ける入力部と、
前記入力部が受け付けた入力に基づいて前記データベースを検索し、前記被処理水中の過酸化水素を分解するためのカタラーゼの添加量または添加濃度を算出する算出部と、
を有する添加量算出装置。
続きを表示(約 1,600 文字)【請求項2】
前記データべースは、カタラーゼの種類ごとに、かつ、前記被処理水中の過酸化水素を分解する処理方式ごとに、前記被処理水の過酸化水素濃度と前記被処理水のpHと過酸化水素の分解の処理時間とカタラーゼの添加濃度と前記処理水の過酸化水素濃度とを関連付けたデータを蓄積したものであって、
前記処理方式は、回分処理及び連続処理の少なくとも一方を含み、
前記入力部が受け付ける入力には、使用するカタラーゼの種類を指定する入力と、実施する処理方式を指定する入力が含まれる、請求項1に記載の添加量算出装置。
【請求項3】
前記算出部が算出した前記添加量または前記添加濃度に基づいて、カタラーゼの添加を制御する第1の信号を生成して出力する添加量制御部をさらに有する、請求項1または2に記載の添加量算出装置。
【請求項4】
過酸化水素を含む被処理水にカタラーゼを添加して過酸化水素を分解し、処理水を得る水処理方法であって、
前記被処理水の過酸化水素濃度を示す入力と、前記被処理水のpHを示す入力と、過酸化水素の分解の目標処理時間に関する入力と、前記処理水での目標過酸化水素濃度に関する入力と、を少なくとも受け付ける入力工程と、
前記入力工程で受け付けた入力に基づいて、前記被処理水に含まれる過酸化水素を分解するために必要なカタラーゼ量の導出のためのデータを格納したデータベースを検索し、前記被処理水中の過酸化水素を分解するためのカタラーゼの添加量または添加濃度を算出する算出工程と、
を備える水処理方法。
【請求項5】
前記データべースは、カタラーゼの種類ごとに、かつ、前記被処理水中の過酸化水素を分解する処理方式ごとに、前記被処理水の過酸化水素濃度と前記被処理水のpHと過酸化水素の分解の処理時間とカタラーゼの添加濃度と前記処理水の過酸化水素濃度とが関連付けられたデータを蓄積したものであって、
前記処理方式は、回分処理及び連続処理の少なくとも一方を含み、
前記入力工程で受け付けられる入力には、使用するカタラーゼの種類を指定する入力と、実施する処理方式を指定する入力が含まれる、請求項4に記載の水処理方法。
【請求項6】
前記算出工程で算出した前記添加量または前記添加濃度に基づいて前記被処理水にカタラーゼを添加して前記被処理水中の過酸化水素を分解し、前記被処理水から過酸化水素を除去する反応工程をさらに有する、請求項4または5に記載の水処理方法。
【請求項7】
前記算出工程において過酸化水素の分解を最適化する前記処理時間を決定し、決定された前記処理時間となるように、過酸化水素の分解の実際の処理時間を調整する、請求項6に記載の水処理方法。
【請求項8】
前記算出工程において過酸化水素の分解を最適化する前記被処理水のpHを決定し、決定されたpHとなるように前記被処理水のpHを調整する、請求項6に記載の水処理方法。
【請求項9】
過酸化水素を含む被処理水にカタラーゼを添加して過酸化水素を分解し、処理水を得る水処理システムであって、
請求項3に記載の添加量算出装置と、
カタラーゼ溶液を貯える貯槽と、
前記貯槽に接続し、前記添加量算出装置から出力される前記第1の信号に基づいて前記カタラーゼ溶液を前記被処理水に添加する添加手段と、
を有する水処理システム。
【請求項10】
前記被処理水の過酸化水素濃度を測定する第1の測定手段と、
前記被処理水のpHを測定する第2の測定手段と、
を備え、
前記第1の測定手段の測定値及び前記第2の測定手段の測定値がそれぞれ前記第1の入力及び前記第2の入力として前記添加量算出装置に供給される、請求項9に記載の水処理システム。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、カタラーゼを使用した水処理を行うときのカタラーゼ添加量の制御に関し、特に、カタラーゼの添加量または添加濃度を算出する添加量算出装置と、カタラーゼの添加量が制御された水処理方法及びシステムと、カタラーゼの添加量または添加濃度の算出に用いられるプログラムとに関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
洗浄や殺菌などの工程において過酸化水素(H



)が広く使用されており、それらの工程からは過酸化水素を含む排水が排出される。過酸化水素を含む排水をそのまま環境中に排出することはできないため、排水中の過酸化水素を分解除去する水処理を行う必要がある。特許文献1は、洗浄排液である被処理水中の過酸化水素を分解除去する水処理方法として、過酸化水素分解酵素であるカタラーゼを被処理水に混合する方法を開示している。カタラーゼは、生物由来の酵素であって、工業的にはアスペルギルス(Aspergillus)属、サーモマイセス(Thermomyces)属あるいはミクロコッカス(Micrococcus)属などの微生物を培養して生産されている。被処理水中の過酸化水素は、カタラーゼの存在下で、
2H



→ 2H

O + O

のように水(H

O)と酸素(O

)とに分解する。カタラーゼは、過酸化水素の分解反応を促進させる触媒として機能する。特許文献2,3は、カタラーゼを添加することによって被処理水中の過酸化水素を分解除去するときに、被処理水における過酸化水素濃度と、被処理水の滞留時間と、カタラーゼ存在下での過酸化水素の分解反応の反応速度定数とに基づいて反応速度計算を実行し、被処理水へのカタラーゼの添加量を最適化することを開示している。なお、特許文献4は、カタラーゼの酵素活性の算出方法を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開平1-11689号公報
特開2020-37062号公報
特開2020-37063号公報
特開2009-269002号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
カタラーゼによる過酸化水素の分解反応は、被処理水のpHなどによっても影響を受ける。カタラーゼでは、どの生物種が産生したカタラーゼであるかによって、酵素活性を含む性質が異なることが知られており、産生種が異なるカタラーゼを使用する場合には、産生種の違いによる酵素活性の違いなども考慮する必要が生じることもある。したがって、被処理水での過酸化水素濃度と滞留時間と一意に定められた反応速度定数とを用いる反応速度計算によって被処理水に対するカタラーゼの添加量を求める特許文献2,3に記載された方法では、カタラーゼの最適な添加量を決定することができず、カタラーゼの添加量が不足したり、過剰にカタラーゼを添加したりすることが生じる。
【0005】
本発明の目的は、被処理水に対してカタラーゼを添加する水処理を行うときにカタラーゼの最適添加量を算出できる添加量算出装置と、被処理水に対するカタラーゼの添加量を最適化できる水処理方法及び水処理システムと、カタラーゼの最適添加量の算出に用いられるプログラムとを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様の添加量算出装置は、過酸化水素を含む被処理水にカタラーゼを添加して過酸化水素を分解し、処理水を得るときのカタラーゼの添加量を算出する添加量算出装置であって、被処理水に含まれる過酸化水素を分解するために必要なカタラーゼ量の導出のためのデータを格納したデータベースと、被処理水の過酸化水素濃度を示す入力と被処理水のpHを示す入力と過酸化水素の分解の目標処理時間に関する入力と処理水での目標過酸化水素濃度に関する入力とを少なくとも受け付ける入力部と、入力部が受け付けた入力に基づいてデータベースを検索し、被処理水中の過酸化水素を分解するためのカタラーゼの添加量または添加濃度を算出する算出部と、を有する。
【0007】
本発明の一態様の水処理方法は、過酸化水素を含む被処理水にカタラーゼを添加して過酸化水素を分解し、処理水を得る水処理方法であって、被処理水の過酸化水素濃度を示す入力と被処理水のpHを示す入力と過酸化水素の分解の目標処理時間に関する入力と処理水での目標過酸化水素濃度に関する入力とを少なくとも受け付ける入力工程と、入力工程で受け付けた入力に基づいて、被処理水に含まれる過酸化水素を分解するために必要なカタラーゼ量の導出のためのデータを格納したデータベースを検索し、被処理水中の過酸化水素を分解するためのカタラーゼの添加量または添加濃度を算出する算出工程と、を備える。
【0008】
本発明の一態様の水処理システムは、過酸化水素を含む被処理水にカタラーゼを添加して過酸化水素を分解し、処理水を得る水処理システムであって、一態様の添加量算出装置と、カタラーゼ溶液を貯える貯槽と、貯槽に接続し、添加量算出装置から出力される第1の信号に基づいてカタラーゼ溶液を被処理水に添加する添加手段と、を有する。
【0009】
本発明の一態様のプログラムは、コンピュータに、被処理水の過酸化水素濃度を示す入力と被処理水のpHを示す入力と過酸化水素の分解の目標処理時間に関する入力と被処理水中の過酸化水素を分解して得られた処理水での目標過酸化水素濃度に関する入力とを少なくとも受け付ける入力処理と、入力処理で受け付けた入力に基づいて、被処理水に含まれる過酸化水素を分解するために必要なカタラーゼ量の導出のためのデータを格納したデータベースを検索し、被処理水中の過酸化水素を分解するためのカタラーゼの添加量または添加濃度を算出する処理と、を実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、カタラーゼを添加することによって被処理水中の過酸化水素の分解処理を行うときに、被処理水に対するカタラーゼの添加量を最適化することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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