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公開番号
2024179823
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-12-26
出願番号
2023099031
出願日
2023-06-16
発明の名称
植物の育成方法
出願人
株式会社Edge Creators
代理人
個人
主分類
A01G
9/02 20180101AFI20241219BHJP(農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業)
要約
【課題】鉢の内部の透水性をよくするとともに植えた植物の成長に貢献することができる植物の育成方法を提供すること。
【解決手段】培養土が収容された植物の育成容器1の培養土Sと育成容器1の側壁部6との間に、複数のプラスチック製の脚の両端部において複数の脚同士が相互に角度を持って接合されることで構成された三次元網目構造体からなる透水性クッション材21を配置して植物を育成するようにした。これによって、過湿にならず根腐れが防止されるとともに、植物の培養土S中で発根した一部が透水性クッション材21内に進入して三次元網目構造体に絡むようになるため、培養土Sの側方に一部植物の根が露出して成長する領域ができることとなり植物育成に貢献する。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
培養土が収容された植物の育成容器の前記培養土と前記育成容器の側壁との間に、複数の棒状プラスチックの両端部において前記複数の棒状プラスチック同士が相互に角度を持って接合されることで構成された三次元網目構造体からなる透水性クッション材を配置して植物を育成することを特徴とする植物の育成方法。
続きを表示(約 650 文字)
【請求項2】
前記棒状プラスチックは1mm~4mmの長さ、かつ0.1mm~2mmの太さとされ、長さと太さの比は10:1~10:5であることを特徴とする請求項1に記載の植物の育成方法。
【請求項3】
複数の前記棒状プラスチックで包囲される領域の面積は平均値で0.5mm
2
~5mm
2
であることを特徴とする請求項1又は2に記載の植物の育成方法。
【請求項4】
前記透水性クッション材は前記培養土が収容されている前記育成容器の側壁の内周全域に配設されていることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の植物の育成方法。
【請求項5】
培養土が収容される植物の育成容器は培養土が収容される内容器と、前記内容器を収容するる外容器とを備え、前記内容器の底部には内外に連通する小孔が設けられ、前記外容器に貯水した水を前記小孔を通じて前記内容器内の培養土に供給することを特徴とする請求項1に記載の植物の育成方法。
【請求項6】
前記外容器は前記内容器ともども上方から蓋部材によって覆われることを特徴とする請求項5に記載の植物の育成方法。
【請求項7】
前記小孔の平均径は0.3~1.5mmであることを特徴とする請求項5又は6に記載の植物の育成方法。
【請求項8】
前記小孔の平均密度は1cm
2
当たり5~30個であることを特徴とする請求項7に記載の植物の育成方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、培養土が給水過多にならず、培養土に植えた植物の根の発育を促進することができる植物の育成方法等に関するものである。
続きを表示(約 4,200 文字)
【背景技術】
【0002】
透水性の低い植木鉢やプランター等の容器に培養土を入れて種や苗等の植物を植えた場合に、過湿になってしまい根腐れを起こしやすい。透水性の低くない容器であっても水をやりすぎたり培養土の水はけが悪いと土中の酸素不足で根腐れは発生する。このような根腐れを防止するための先行技術として特許文献1を示す。特許文献1の技術では土中の水はけをよくするために半割円筒形状のフェンス状の網部材からなる根腐れ防止具1を鉢2の内側に配置させるというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
実用新案登録第3026742号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の技術では根腐れ防止具1によって根腐れは防止できるものの、根腐れ防止具1の外側領域は鉢2との間に空間を構成するだけであって、格段その空間は植物の根が張ることを予定しているものではなく、植物の成長に積極的に貢献するというものではない。本発明は、鉢の内部の透水性をよくするとともに植えた植物の成長に貢献することができる植物の育成方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するための第1の手段として、培養土が収容された植物の育成容器の前記培養土と前記育成容器の側壁との間に、複数の棒状プラスチックの両端部において前記複数の棒状プラスチック同士が相互に角度を持って接合されることで構成された三次元網目構造体からなる透水性クッション材を配置して植物を育成するようにした。
これによって、培養土に一旦供給した水分が育成容器の側壁側から排出され、過湿にならず根腐れが防止されるとともに、育成容器の側壁側で培養土に接する部分が三次元網目構造体からなる透水性クッション材であるため、植物の培養土中で発根した一部が透水性クッション材内に進入して三次元網目構造体に絡むようになるため、培養土の側方に一部植物の根が露出して成長する領域ができることとなり植物育成に貢献する。
【0006】
「透水性クッション材」は三次元網目構造体の集合体である。三次元網目構造体のみで構成されてもよく、一部に三次元網目構造体ではない部分を含んでいてもよい。
「三次元網目構造体」は複数の棒状プラスチック同士が相互に角度を持って接合されて構成されている。三次元網目構造体は、例えば発泡成形によって構成される。発泡成形はプラスチック原料として例えばポリウレタンやポリエステルやシリコーン等の前駆体としてのポリマーを調整し、これを発泡させ、発泡状態で固化した成形品の膜を物理的あるいは化学的に取り除くことで成形することができる。膜を取り除くことで線状(棒状)プラスチックが残って三次元網目構造体を構築できる。他のプラスチック原料を用いることも可能である。このように構築された三次元網目構造体は棒状プラスチックの端部同士が相互に接合して架橋された形態となる。架橋状態の棒状プラスチックは3~6本程度の端部が接合した形態として現れる。このような三次元網目構造体は全体として弾性・可撓性を有することとなる。
複数の棒状プラスチックで包囲された領域(以下、セル)の大きさによって三次元網目構造体の物理的性質が異なる。透水性についてはセルがごく小さいといわゆるスポンジとなって表面張力と毛細管現象が発現されてかえって吸水(保水)してしまう。本発明では透水性を必要とするため、透水性を有する三次元網目構造体としては表面張力と毛細管現象が発現されない(あるいは発現されにくい)ほどセルが大きいことが必要である。つまり、三次元網目構造体は空隙の多い目の粗い形態であることがよい。セルの大きさは言い換えればセルを構成する棒状プラスチックの長さと太さの比に比例する。
また、あまりセルが大きすぎても培養土が空隙からこぼれてしまうためよくない。培養土は植物によって様々な種類や粒径の土を用いるため、調整した培養土に応じた目の透水性クッション材を用いることがよい。
棒状プラスチックは1mm~4mmの長さ、かつ0.1mm~2mmの太さの範囲で、長さと太さのサイズにおいてそれらの比は10:1~10:5であると表面張力と毛細管現象は無視できるほど小さくなるためよい。棒状プラスチックがこのようなサイズの透水性クッション材(三次元網目構造体)は保水されにくく透水性を有する。また、このようなサイズの棒状プラスチックで構成されるセルであれば、培養土も透水性クッション材から下方に脱落しにくくなる。このような効果が期待できる透水性クッション材をセルの大きさ(面積)で表現すれば、棒状プラスチックで包囲されるセルの多角形形状の面積が、平均値で0.5mm
2
~5mm
2
であることがよい。尚、由来となる発泡状態によってセルの大きさは異なり大小面積の異なるセルが混在する。
また、透水性クッション材の厚みは培養土の種類や量、育成容器の大きさ等の条件に応じて適宜変更可能である。
【0007】
また、第2の手段として、前記棒状プラスチックは1mm~4mmの長さ、かつ0.1mm~2mmの太さとされ、長さと太さの比は10:1~10:5であるようにした。
このようなサイズとした理由は上記の通り本発明に最適であるからである。
また、第3の手段として、複数の前記棒状プラスチックで包囲される領域の面積は平均値で0.5mm
2
~5mm
2
であるようにした。
このようなサイズとした理由は上記の通り本発明に最適であるからである。
また、第4の手段として、前記透水性クッション材は前記培養土が収容されている前記育成容器の側壁の内周全域に配設されているようにした。
これによって、培養土から偏ることなくまんべんなく透水することができる。
【0008】
また、第5の手段として、培養土が収容される植物の育成容器は培養土が収容される内容器と、前記内容器を収容するる外容器とを備え、前記内容器の底部には内外に連通する小孔が設けられ、前記外容器に貯水した水を前記小孔を通じて前記内容器内の培養土に供給するようにした。
これによって、内容器の底部から貯水部内の水を小孔を通して内容器内に供給させて培養土に含浸させることができ、貯水部内の水の量や小孔の数や大きさ等を適宜変更することによって植物に応じて適切に水分を与えることができ、透水性クッション材とともに用いることで植物に応じたきめ細やかな水分管理をすることができる。
「小孔」は平均径が5mm以下とすることがよい。実験的に培養土が小孔から外容器の貯水部側にこぼれ落ちていかない限界的な孔の大きさが5mm程度であることがわかったからである。培養土の粘度や粒子の大きさや孔の形状によって下方に培養土がこぼれない孔の大きさは一様ではなく、植物の種類や植物の根の成長具合によって通年同じ条件ではないものの、多少のこぼれ落ちがあっても内容器内で培養土が保持される孔の大きさとしてはこの平均径が5mm以下となることがよい。平均径であるため、孔の形状が円形でなければ形状に応じた全周の平均値が5mm以下ということになる。
また、5mm以下という相対的に細い孔であるためベルヌーイの定理に従い周囲の貯水部の圧力によって、小孔の通路内の水の流速は早まることとなり、貯水部の水位に達するまでの速度は比較的早い。そして、貯水部の水位に達した後は、培養土の表面張力によって貯水部の水位よりも高い位置まで水が行き渡るようになる。
容器の素材は内容器に関しては培養土によって変色したり腐食したりしない素材で、水を含んだ培養土を受けるために厚みもあることがよい。例えば、プラスチック製であることがよい。プラスチック製であると成形性もよい。
外容器は水を入れることができればよいが、変色や内容器を支持する可能性もあるため、内容器と同様にプラスチック製であることがよい。
【0009】
また、第6の手段として、前記外容器は前記内容器ともども上方から蓋部材によって覆われるようにした。
このように蓋部材によって育成容器全体を覆うことで、透水性クッション材方向から排出した水分を育成容器内に留めることができ、培養土自体の過湿を抑えつつ育成容器内を高湿度に保つことができ、特に湿度を必要とするキノコのような植物を植える場合に好適である。
また、第7の手段として、前記小孔の平均径は0.3~1.5mmであるようにした。
このように孔がより小径であれば上記のように培養土に水を下方から供給する際にベルヌーイの定理に従い周囲の貯水部の水の圧力によって、小孔の通路内の水の流速は早まることとなる。より好適には0.5~1.2mmである。
また、第8の手段として、前記小孔の平均密度は1cm
2
当たり5~30個であるようにした。
あまりに小孔が多いと、小孔からの培養土が貯水部内にこぼれ落ち量が多くなり、培養土を受ける内容器の強度にも影響があるため、この程度の小孔の形成密度であることがよい。孔の径が大きくなれば相対的に小孔の平均密度は低くなる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、培養土に一旦供給した水分が育成容器の側壁側から排出され、過湿にならず根腐れが防止されるとともに、育成容器の側壁側で培養土に接する部分が三次元網目構造体からなる透水性クッション材であるため、植物の培養土中で発根した一部が透水性クッション材内に進入して三次元網目構造体に絡むようになるため、培養土の側方に一部植物の根が露出して成長する領域ができることとなり植物育成に貢献する。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)
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