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公開番号2024179538
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-26
出願番号2023098461
出願日2023-06-15
発明の名称塗装設備管理システム、塗料堆積重量予測方法
出願人トリニティ工業株式会社
代理人個人
主分類B05B 14/43 20180101AFI20241219BHJP(霧化または噴霧一般;液体または他の流動性材料の表面への適用一般)
要約【課題】フィルタの確認作業の工数を削減できるとともに、フィルタの交換時期を予測することができ、かつ設備コストの低減が可能な塗装設備管理システムを提供すること。
【解決手段】本発明の塗装設備管理システム10は複数のフィルタユニット20を備える。各フィルタユニット20は、フィルタ30,40の上流側と下流側との差圧を測定するフィルタ差圧センサを含む。また、塗装設備管理システム10は、重量センサ付き台車91、予測モデル作成手段及び塗料堆積重量予測手段を備える。重量センサ付き台車91は、フィルタ30の重量を測定する重量センサ51を持つ。予測モデル作成手段は、重量センサ51及びフィルタ差圧センサにより取得したデータに基づいて予測モデルを作成する。塗料堆積重量予測手段は、予測モデルを利用して、各フィルタユニット20におけるフィルタ30,40の塗料堆積重量を予測する。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
被塗物を塗装ラインの長手方向に沿って搬送しながら塗装する塗装ブースと、前記塗装ブースから排出されるブースエア中の塗料ミストを除去するフィルタを収容し、前記塗装ラインの長手方向に沿って配置された複数のフィルタユニットと、を備え、複数の前記フィルタユニットは、前記フィルタの上流側と下流側との差圧を測定するフィルタ差圧センサを含む塗装設備管理システムであって、
前記フィルタユニットから取り出した前記フィルタを載せて搬送するとともに、前記フィルタの重量を測定する重量センサを持つ重量センサ付き台車と、
複数の前記フィルタユニットごとに付与された識別子を読み込んで前記フィルタユニットを識別するとともに、前記フィルタユニットの識別情報とそのフィルタユニットから取り出した前記フィルタの重量情報とを関連付けて記憶する管理装置と、
前記重量センサ付き台車の前記重量センサ及び複数の前記フィルタユニットの前記フィルタ差圧センサにより取得したデータに基づいて、前記フィルタの塗料堆積重量を予測する予測モデルを作成する予測モデル作成手段と、
その予測モデルを利用して、複数の前記フィルタユニットにおける前記フィルタの塗料堆積重量を予測する塗料堆積重量予測手段と、
を備えたことを特徴とする、塗装設備管理システム。
続きを表示(約 1,600 文字)【請求項2】
前記管理装置は、
前記識別子を読み込んで前記フィルタユニットの識別情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段が取得した前記識別情報と前記フィルタユニットから取り出した前記フィルタの重量情報とを関連付けるとともに、その関連付け情報を通信回線を介して外部に出力する出力手段と、
前記出力手段が出力した前記関連付け情報を受け取って記憶する管理コンピュータと、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の塗装設備管理システム。
【請求項3】
前記管理装置は、
前記識別子を読み込んで前記フィルタユニットの識別情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段が取得した前記識別情報と前記フィルタユニットから取り出した前記フィルタの重量情報とを、通信回線を介して外部に出力する出力手段と、
前記出力手段が出力した前記識別情報及び前記重量情報を受け取るとともに、前記識別情報及び前記重量情報を関連付けて記憶する管理コンピュータと、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の塗装設備管理システム。
【請求項4】
前記管理装置は、
前記識別子を読み込んで前記フィルタユニットの識別情報を取得する情報取得手段と、前記情報取得手段が取得した前記識別情報と前記フィルタユニットから取り出した前記フィルタの重量情報とを関連付けるとともに、その関連付け情報を通信回線を介して外部に出力する出力手段と、を含むモバイル端末と、
前記モバイル端末が出力した前記関連付け情報を受け取って記憶する管理コンピュータと、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の塗装設備管理システム。
【請求項5】
前記識別子は、二次元コードであり、
前記情報取得手段は、前記二次元コードを撮像して得た画像から前記フィルタユニットの識別情報を取得する二次元コードリーダである
ことを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の塗装設備管理システム。
【請求項6】
前記フィルタは、前記塗装ブースから排出される前記ブースエア中の塗料ミストを除去する一次フィルタと、前記一次フィルタから排出される前記ブースエア中の塗料ミストを除去する二次フィルタとからなり、
前記重量センサは、前記重量センサ付き台車に載せられた前記一次フィルタの重量を測定し、
前記フィルタ差圧センサは、前記一次フィルタの上流側と下流側との差圧を測定する一次フィルタ差圧センサと、前記二次フィルタの上流側と下流側との差を測定する二次フィルタ差圧センサとからなる
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の塗装設備管理システム。
【請求項7】
被塗物を塗装ラインの長手方向に沿って搬送しながら塗装する塗装ブースと、前記塗装ブースから排出されるブースエア中の塗料ミストを除去するフィルタを収容し、前記塗装ラインの長手方向に沿って配置された複数のフィルタユニットと、を備え、複数の前記フィルタユニットは、前記フィルタの上流側と下流側との差圧を測定するフィルタ差圧センサを含む塗装設備管理システムにより、前記フィルタの塗料堆積重量を予測する方法であって、
前記フィルタユニットから取り出した前記フィルタを載せて搬送する重量センサ付き台車の重量センサ、及び、前記フィルタユニット内において前記フィルタの上流側と下流側との差圧を測定する前記フィルタ差圧センサにより取得したデータに基づいて、前記フィルタの塗料堆積重量を予測する予測モデルを作成する予測モデル作成ステップと、
その予測モデルを利用して、複数の前記フィルタユニットにおける前記フィルタの塗料堆積重量を予測する塗料堆積重量予測ステップと
を含むことを特徴とする、塗料堆積重量予測方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、被塗物を塗装する塗装ブースと、ブースエア中の塗料ミストを除去するフィルタユニットとを備える塗装設備管理システム、塗装設備管理システムにより、フィルタの塗料堆積重量を予測する塗料堆積重量予測方法に関するものである。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
従来、塗装ブース内において車体等の被塗物に対して塗装を行い、塗装ブースから排出されるブースエア中の塗料ミストを除去する塗装設備管理システムが知られている(例えば、特許文献1~3参照)。図8に示されるように、塗装設備管理システム141は、塗装ブース142とフィルタユニット143とを備えている。塗装ブース142は、被塗物を長手方向(図8では、紙面と直交する方向)に延びる塗装ラインに沿って搬送しながら塗装する。フィルタユニット143は、段ボールフィルタ144及び二次フィルタ145を収容しており、塗装ブース142から排出されるブースエアA1中の塗料ミストを除去するようになっている。なお、フィルタユニット143は、塗装ラインの長手方向に沿って複数配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
WO2021/033760号公報
特開2005-13890号公報
特開2021-133271号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来の塗装設備管理システム141では、段ボールフィルタ144の詰り具合の目視確認や、差圧計146を用いた段ボールフィルタ144の上流側と下流側との差圧の測定や、重量計を用いた段ボールフィルタ144の重量の測定を定期的に行っている。これにより、段ボールフィルタ144が交換時期であるか否かを把握することができる。
【0005】
しかしながら、段ボールフィルタ144は、複数のフィルタユニット143にそれぞれ収容されているため、複数の段ボールフィルタ144について、交換時期であるか否かを把握する必要がある。この場合、個々の段ボールフィルタ144に対して、目視確認、差圧及び重量の測定での定期的な確認が必要となるため、確認作業に非常に手間がかかるという問題がある。しかも、上記の手法では、交換時期がいつになるかを予測できないという問題もある。さらに、従来の塗装設備管理システム141では、重量センサ147を多数あるフィルタユニット143の全てに設置することも考えられるが、この場合には、設備コストが高くなるという問題がある。
【0006】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、第1の目的は、フィルタの確認作業の工数を削減できるとともに、フィルタの交換時期を予測することができ、かつ設備コストの低減が可能な塗装設備管理システムを提供することにある。また、第2の目的は、フィルタの確認作業の工数を削減できるとともに、フィルタの交換時期を予測することができる塗料堆積重量予測方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、被塗物を塗装ラインの長手方向に沿って搬送しながら塗装する塗装ブースと、前記塗装ブースから排出されるブースエア中の塗料ミストを除去するフィルタを収容し、前記塗装ラインの長手方向に沿って配置された複数のフィルタユニットと、を備え、複数の前記フィルタユニットは、前記フィルタの上流側と下流側との差圧を測定するフィルタ差圧センサを含む塗装設備管理システムであって、前記フィルタユニットから取り出した前記フィルタを載せて搬送するとともに、前記フィルタの重量を測定する重量センサを持つ重量センサ付き台車と、複数の前記フィルタユニットごとに付与された識別子を読み込んで前記フィルタユニットを識別するとともに、前記フィルタユニットの識別情報とそのフィルタユニットから取り出した前記フィルタの重量情報とを関連付けて記憶する管理装置と、前記重量センサ付き台車の前記重量センサ及び複数の前記フィルタユニットの前記フィルタ差圧センサにより取得したデータに基づいて、前記フィルタの塗料堆積重量を予測する予測モデルを作成する予測モデル作成手段と、その予測モデルを利用して、複数の前記フィルタユニットにおける前記フィルタの塗料堆積重量を予測する塗料堆積重量予測手段と、を備えたことを特徴とする、塗装設備管理システムをその要旨とする。
【0008】
請求項1に記載の発明によると、予測モデル作成手段が、重量センサ付き台車の重量センサ及びフィルタユニットのフィルタ差圧センサにより取得したデータに基づいて予測モデルを作成し、塗料堆積重量予測手段が、作成した予測モデルを利用してフィルタの塗料堆積重量を予測する。これにより、作業者は、フィルタの塗料堆積状況を確認するのに際して、フィルタ差圧センサを用いたフィルタの上流側と下流側との差圧の測定や、重量計を用いたフィルタの重量の測定などを定期的に行わなくても済む。よって、フィルタの確認作業の工数を削減することができる。
【0009】
また、塗料堆積重量予測手段がフィルタの塗料堆積重量を予測することにより、フィルタの交換時期や使用可能時間の事前予測が可能になる。このため、塗装設備管理システムの稼働中に突発的なフィルタ交換を行わなくても済む。しかも、交換の準備が必要なフィルタの数が分かるため、フィルタの無駄な在庫を持たなくても済む。また、重量センサが、全てのフィルタユニットに設置されるのではなく、重量センサ付き台車に設置される。その結果、塗装設備管理システムに設置される重量センサの数が低減されるため、塗装設備管理システムの設備コストを低減させることができる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記管理装置は、前記識別子を読み込んで前記フィルタユニットの識別情報を取得する情報取得手段と、前記情報取得手段が取得した前記識別情報と前記フィルタユニットから取り出した前記フィルタの重量情報とを関連付けるとともに、その関連付け情報を通信回線を介して外部に出力する出力手段と、前記出力手段が出力した前記関連付け情報を受け取って記憶する管理コンピュータと、を備えることをその要旨とする。
(【0011】以降は省略されています)

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