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公開番号2024144969
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-15
出願番号2023057172
出願日2023-03-31
発明の名称複層塗膜の形成方法
出願人大日本塗料株式会社
代理人
主分類B05D 1/36 20060101AFI20241004BHJP(霧化または噴霧一般;液体または他の流動性材料の表面への適用一般)
要約【課題】 本発明の目的は、プライマー塗膜を必要とせずとも基材との付着性に優れ、未硬化の金属調塗膜上にクリアー塗料を塗装しても、優れたメッキサテン調外観を有する複層塗膜の形成方法を提供することにある。
【解決手段】 本発明の目的は、基材上に、金属調塗料(I)を塗装し、未硬化の金属調塗膜を形成する金属塗膜形成工程、該未硬化の金属調塗膜の上に、上塗塗料(II)を塗装し、未硬化の上塗塗膜を形成する上塗塗膜形成工程、及び、該未硬化の金属調塗膜、上塗塗膜を同時に乾燥させて複層塗膜を形成する乾燥工程、を少なくとも有する複層塗膜の形成方法であり、該金属調塗料(I)が、樹脂(I-A)と、有機溶剤(I-B)と、少なくとも無機酸化物に被覆された蒸着アルミニウム顔料(I-C)とを含有し、該上塗塗料(II)が、樹脂(II-A)と、有機溶剤(II-B)とを含有し、SP値が8.0~9.0であり、かつ酢酸ブチルを1.0としたときの蒸発速度が0.1以上1.0未満である有機溶剤(II-B1)を、該有機溶剤(II-B)全量に対して10~30質量%含むことを特徴とする複層塗膜の形成方法、によって達成された。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
基材上に、金属調塗料(I)を塗装し、未硬化の金属調塗膜を形成する金属塗膜形成工程、該未硬化の金属調塗膜の上に、上塗塗料(II)を塗装し、未硬化の上塗塗膜を形成する上塗塗膜形成工程、及び、該未硬化の金属調塗膜、上塗塗膜を同時に乾燥させて複層塗膜を形成する乾燥工程、を少なくとも有する複層塗膜の形成方法であり、
該金属調塗料(I)が、樹脂(I-A)と、有機溶剤(I-B)と、少なくとも無機酸化物に被覆された蒸着アルミニウム顔料(I-C)とを含有し、
該上塗塗料(II)が、樹脂(II-A)と、有機溶剤(II-B)とを含有し、SP値が8.0~9.0であり、かつ酢酸ブチルを1.0としたときの蒸発速度が0.1以上1.0未満である有機溶剤(II-B1)を、該有機溶剤(II-B)全量に対して10~30質量%含むことを特徴とする複層塗膜の形成方法。
続きを表示(約 250 文字)【請求項2】
更に、SP値が9.0~10.0であり、かつ酢酸ブチルを1.0とした蒸発速度が2.0以上6.0未満である有機溶剤(II-B2)を、前記有機溶剤(II-B)全量に対して20~50質量%含むことを特徴とする請求項1に記載の複層塗膜の形成方法。
【請求項3】
前記金属調塗料(I)における水の含有量が3.0質量%未満であり、前記蒸着アルミニウム顔料(I-C)を被覆している無機酸化物が、少なくともシリカを含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の複層塗膜の形成方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、基材の表面にメッキサテン調外観を付与するための複層塗膜の形成方法に関するものである。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
自動車内装部品や家電製品、自転車、釣具などに高い意匠性を付与させるため、メッキ部品が多く用いられている。しかし、メッキ部品の生産には前処理から排水処理まで設備コストがかかる上、意匠面では表現できる色・素材形状が限られるため、メッキ調の塗装方法や、メッキ調外観を有する複層塗膜の形成方法が検討されている。中でも、メッキサテン調の外観は、落ち着いた質感があり、車の内装部品やエンブレムなどに多く使用されている。
【0003】
特開2010-247055号公報(特許文献1)には、プラスチック素材上に塗料固形分量に対して30~70質量%のノンリーフィング蒸着アルミ顔料を含有するメタリックベース塗料を塗装し、その上に2液型アクリルウレタンクリアー塗料を塗装し、形成された複層塗膜を同時に硬化させる塗膜形成方法が記載されている。特許文献1に記載されたメタリックベース塗料に用いる蒸着アルミ顔料について、表面処理に関する記載はなく、塗膜の強度不足による基材との付着性に改善の余地がある。さらに、未硬化のメタリックベース塗膜上にクリアー塗料を塗装するため、求められるメッキ調外観が得られにくいといった課題も認められる。
【0004】
特開2003-053260号公報(特許文献2)には、自動車部品などの被塗物上に着色ベース塗膜、活性エネルギー線硬化型のメタリック塗膜、クリアー塗膜の順に塗装するメッキ調被膜形成方法が記載されている。特許文献2に記載されたメッキ調被膜は、ベース塗膜が必須であり、プラスチック基材に直接塗装した場合、付着性が不十分である。また、メタリック塗膜は、活性エネルギー線により硬化するため、紫外線照射装置等の設備が必要となる。
【0005】
特開2020-157691号公報(特許文献3)には、サテンめっき調外観を有する加飾フィルム成形体の製造方法が記載されている。特許文献3に記載された加飾フィルム成形体は、接着層に対して、塗装ではなく蒸着により金属調層を形成しているため、真空蒸着装置等の設備が必要な他、金属調層を形成させる基材の大きさや形に制限が生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2010-247055号公報
特開2003-053260号公報
特開2020-157691号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明の目的は、プライマー塗膜を必要とせずとも基材との付着性に優れ、未硬化の金属調塗膜上にクリアー塗料を塗装しても、優れたメッキサテン調外観を有する複層塗膜の形成方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、基材上に、少なくとも無機酸化物に被覆された蒸着アルミニウム顔料を含有する金属調塗料を塗装し、次いで、特定のSP値・蒸発速度を有する有機溶剤を特定量含む上塗塗料を塗装し、同時に乾燥させることで、基材との付着性に優れ、且つ優れたメッキサテン調外観を有する複層塗膜が形成可能である事を見出し、本発明を完成させるに至った。
【0009】
したがって、本発明の1つの態様は、基材上に、金属調塗料(I)を塗装し、未硬化の金属調塗膜を形成する金属塗膜形成工程、該未硬化の金属調塗膜の上に、上塗塗料(II)を塗装し、未硬化の上塗塗膜を形成する上塗塗膜形成工程、及び、該未硬化の金属調塗膜、上塗塗膜を同時に乾燥させて複層塗膜を形成する乾燥工程、を少なくとも有する複層塗膜の形成方法であり、該金属調塗料(I)が、樹脂(I-A)と、有機溶剤(I-B)と、少なくとも無機酸化物に被覆された蒸着アルミニウム顔料(I-C)とを含有し、該上塗塗料(II)が、樹脂(II-A)と、有機溶剤(II-B)とを含有し、SP値が8.0~9.0であり、かつ酢酸ブチルを1.0としたときの蒸発速度が0.1以上1.0未満である有機溶剤(II-B1)を、該有機溶剤(II-B)全量に対して10~30質量%含むことを特徴とする複層塗膜の形成方法である。
【0010】
本発明における複層塗膜の形成方法の好適例においては、更に、SP値が9.0~10.0であり、かつ酢酸ブチルを1.0とした蒸発速度が2.0以上6.0未満である有機溶剤(II-B2)を、前記有機溶剤(II-B)全量に対して20~50質量%含む。
(【0011】以降は省略されています)

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