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公開番号
2024179248
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-12-26
出願番号
2023097955
出願日
2023-06-14
発明の名称
熱伝導層、熱伝導層の製造方法、転写用熱伝導層、及び電子部品
出願人
株式会社リコー
代理人
個人
,
個人
主分類
H01L
23/36 20060101AFI20241219BHJP(基本的電気素子)
要約
【課題】熱伝導性に優れ、且つ接触熱抵抗の低下と優れた接合信頼性とを両立することができる熱伝導層を提供すること。
【解決手段】熱伝導部と、絶縁部と、前記絶縁部よりも弾性率が小さい凹凸緩和部と、を有し、前記熱伝導部の厚み方向の少なくとも一方の表面に前記凹凸緩和部が配される熱伝導層である。
【選択図】図2A
特許請求の範囲
【請求項1】
熱伝導部と、絶縁部と、前記絶縁部よりも弾性率が小さい凹凸緩和部と、を有し、
前記熱伝導部の厚み方向の少なくとも一方の表面に前記凹凸緩和部が配されることを特徴とする熱伝導層。
続きを表示(約 680 文字)
【請求項2】
前記熱伝導層の厚み方向と略直交する方向に、前記熱伝導部を複数有する、請求項1に記載の熱伝導層。
【請求項3】
複数の前記熱伝導部がパターニング形成されてなる、請求項2に記載の熱伝導層。
【請求項4】
発熱部品の熱を伝導させるために用いられ、
複数の前記熱伝導部が、前記発熱部品の複数のホットスポットを覆う位置に配される、請求項2に記載の熱伝導層。
【請求項5】
前記熱伝導部の平均熱伝導率λf、前記絶縁部の平均熱伝導率λr、及び前記凹凸緩和部の平均熱伝導率λcが下記式(1)を満たす、請求項1に記載の熱伝導層。
λf(熱伝導部)>λc(凹凸緩和部)≧λr(絶縁部) ・・・ 式(1)
【請求項6】
前記熱伝導部の前記平均熱伝導率λfが0.5W/m・k以上である、請求項5に記載の熱伝導層。
【請求項7】
前記凹凸緩和部の平均弾性率が3,000MPa以下である、請求項1に記載の熱伝導層。
【請求項8】
厚み方向の少なくとも一方の表面に前記絶縁部が配され、且つ、厚み方向と略直交する方向に前記熱伝導部が配される熱拡散部を更に有する、請求項1に記載の熱伝導層。
【請求項9】
前記絶縁部及び前記凹凸緩和部が光硬化性樹脂を含有する、請求項1に記載の熱伝導層。
【請求項10】
前記光硬化性樹脂がエポキシ系樹脂を含有する、請求項9に記載の熱伝導層。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱伝導層、熱伝導層の製造方法、転写用熱伝導層、及び電子部品に関する。
続きを表示(約 3,600 文字)
【背景技術】
【0002】
電子回路基板では高集積化や高速化に伴いICチップ等の発熱部品の回路性能低下が問題となっており、温度上昇を抑制する放熱技術の高性能化が要求されている。放熱技術としては、発熱部品(ICチップ等)に放熱部品(ヒートシンク、ヒートパイプ等)を接着する手法が広く採用されており、発熱部品と放熱部品の隙間を埋めるために、TIM(Thermal interface material)が活用されている。
【0003】
従来の熱伝導性粒子を樹脂に混合した熱伝導層の一例を、図1A及び図1Bに示す。熱伝導性粒子101を樹脂102に混合した従来の熱伝導層100(例えば、ペースト状TIM)は、部品200と部品300とを貼り付ける際(押圧時)に熱伝導性粒子101を接触させて熱伝導接点を形成するため、押圧条件によるプロセスの変動が大きい。また、熱伝導粒子101同士が点接触となるため、熱伝導性を高めるためには高濃度の熱伝導性粒子混合層を形成する必要があるが、熱伝導層100と部品200又は部品300との接着面の接着強度が低下する。また、高濃度の熱伝導性粒子101を混合したペーストインクの粘性が高くなることが、熱伝導層塗工形成のプロセスの制約となっていた。熱伝導層100と、発熱部品及び冷却部品(200又は300)との接触面においても、熱伝導性粒子101による点接触になるため、接触熱抵抗を下げることが難しい。更に熱伝導粒子101の粒子径を大きくして接点数を抑制すると、熱伝導層100の厚さが厚くなることで熱抵抗下がらないという問題があった。
【0004】
このような問題に対して、厚み方向に配向したカーボンを含有したシートを利用することで熱伝導層内部(厚み方向)の熱伝導性を改善し、更に金属メッキ層を上下部品の接触面に形成することで低熱抵抗の熱伝導層を形成することが提案されている(特許文献1参照)。しかしながら、この提案では、配向したカーボンを接触面に塗工することは困難であり、シートを貼り付ける場合は、直接塗工して成膜する工法に比べて生産性が悪く、更にシートは薄膜化が難しいため熱抵抗が下がりにくい。また、シート表面に金属層を形成するため、コストアップとなるという問題があった。
【0005】
また、厚み方向に連続する熱伝導性ペースト製のバンプと、このバンプの周囲に充填される接着剤層とを有する接着シートが提案されている(特許文献2参照)。しかしながら、この提案では、従来の熱伝導性粒子と樹脂バインダーからなるバンプを形成しているため、熱伝導性粒子の混合濃度が低い場合は熱伝導性が低下し、混合濃度が高い場合は高粘度となるため塗工が難しい、という従来の問題を解決できない。更に熱伝導性粒子の混合濃度が高い場合は、バンプ表面の柔軟性が乏しいため接合信頼性が低く、また熱伝導性粒子による点接触となるため、シートの表裏の界面と部品との接触面の形成が困難となり、接触熱抵抗が大きくなるという課題がある。また、発熱部品に面内熱分布がある場合などには、面内(厚み方向と略直交する方向)の熱を拡散して均一化することができない。シートを貼り付ける場合は、特許文献1と同様に直接塗工して成膜することに比べて、生産性が悪く、薄膜化が難しいため、熱抵抗が下がりにくいという問題があった。
【0006】
また、金属と樹脂とを含み、金属含有率が互いに異なる複数の領域を有する熱伝導層も提案されている(特許文献3参照)。この提案では、低融点金属フィラー、熱伝導性金属フィラー(大粒子径フィラー:35μm)、及び樹脂を混合し、加熱により低融点フィラーが溶融して、金属フィラー同士を接続して金属熱伝導部を形成させる。熱伝導部のパターンを形成するためには、発熱体及び放熱体に予め絶縁性樹脂をパターン形成する必要があり、また2種の金属と樹脂との熱相分離でパターン形成するため、パターン形成精度が低く、生産性も悪い。更に熱伝導性の金属フィラー同士は直接接触しにくいため、金属フィラー間の接触熱抵抗が大きくなりやすく、大粒子径フィラーを用いるため熱伝導層を薄くすることが困難であり、結果として熱抵抗が下がらない。そのため、金属部の面内(厚み方向と略直交する方向)の熱を拡散均一化して放熱することが難しいという問題があった。更に金属含有率の高い領域においては絶縁樹脂層ほどの接合強度は得られないため、発熱体や放熱体との熱膨張係数(CTE)のミスマッチによる熱変形によって生じた応力集中によってクラックなどの接合信頼性が課題になる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、熱伝導性に優れ、且つ接触熱抵抗の低下と優れた接合信頼性とを両立することができる熱伝導層を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するための手段としての本発明の熱伝導層は、熱伝導部と、絶縁部と、前記絶縁部よりも弾性率が小さい凹凸緩和部と、を有し、前記熱伝導部の厚み方向の少なくとも一方の表面に前記凹凸緩和部が配されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、熱伝導性に優れ、且つ接触熱抵抗の低下と優れた接合信頼性とを両立することができる熱伝導層を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1Aは、従来の熱伝導性粒子を樹脂に混合した熱伝導層の一例を示す厚み方向の断面模式図である。
図1Bは、従来の熱伝導性粒子を樹脂に混合した熱伝導層の一例を示す上面模式図である。
図2Aは、実施形態例1の熱伝導層10の厚み方向の断面模式図である。
図2Bは、図2AのA-A’断面(実施形態例1の熱伝導層10の厚み方向と略直行する方向)の断面模式図である。
図3は、実施形態例2の熱伝導層10の厚み方向の断面模式図である。
図4Aは、実施形態例3の熱伝導層10の厚み方向の断面模式図である。
図4Bは、実施形態例4の熱伝導層10の厚み方向の断面模式図である。
図4Cは、実施形態例5の熱伝導層10の厚み方向の断面模式図である。
図4Dは、実施形態例6の熱伝導層10の厚み方向の断面模式図である。
図4Eは、実施形態例7の熱伝導層10の厚み方向の断面模式図である。
図5は、インクジェット印刷法によって熱伝導層10を形成する製造装置の一例を示す図である。
図6Aは、本発明の熱伝導層を用いた電子部品の層構造の一実施形態(構成形態例1)を示す図である。
図6Bは、本発明の熱伝導層を用いた電子部品の層構造の別の一実施形態(構成形態例2)を示す図である。
図6Cは、本発明の熱伝導層を用いた電子部品の層構造の別の一実施形態(構成形態例3)を示す図である。
図7は、本発明の熱伝導層を用いた電子部品の層構造の別の一実施形態(第1の変形例)を示す図である。
図8は、本発明の熱伝導層を用いた電子部品の層構造の別の一実施形態(第2の変形例)を示す図である。
図9Aは、実施例1~4及び比較例1~8の貼合せサンプルの作製の際の、下部部品30(第1のガラス基板)に対する熱伝導層形成領域10bを説明する上面模式図である。
図9Bは、実施例1~4の貼合せサンプルの作製におけるパターン設計の際の熱伝導層の上面模式図である。
図10Aは、比較例1の貼合せサンプルの厚み方向の断面模式図である。
図10Bは、比較例1の貼合せサンプルの作製におけるパターン設計の際の熱伝導層の上面模式図である。
図11Aは、比較例2の貼合せサンプルの厚み方向の断面模式図である。
図11Bは、比較例2の貼合せサンプルの作製におけるパターン設計の際の熱伝導層の上面模式図である。
図12は、比較例3の貼合せサンプルの厚み方向の断面模式図である。
図13Aは、比較例4の貼合せサンプルの厚み方向の断面模式図である。
図13Bは、比較例4の貼合せサンプルの作製におけるパターン設計の際の熱伝導層の上面模式図である。
図14Aは、比較例5の貼合せサンプルの厚み方向の断面模式図である。
図14Bは、比較例5の貼合せサンプルの作製におけるパターン設計の際の熱伝導層の上面模式図である。
図15は、の熱伝導層の熱流体シミュレーションのモデルの概略説明図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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