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公開番号2024178989
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-26
出願番号2023097453
出願日2023-06-14
発明の名称軌条車両用空気調和装置
出願人株式会社日立製作所
代理人弁理士法人第一国際特許事務所
主分類B61D 27/00 20060101AFI20241219BHJP(鉄道)
要約【課題】熱交換器とフィルタが同一流路上に配置されているときに、熱交換器とフィルタの埃詰まりに起因する圧力損失増加について場所を区別して検出できる軌条車両用空気調和装置を提供する。
【解決手段】鉄道車両向け空気調和装置であって、フィルタは、室内側熱交換器の風上に設置されている。熱交換器の温度と、熱交換器を通過する前後の空気の温度と湿度情報から、ファン電力を用いず風量低下を検出する風量低下評価システムを有し、かつその風量低下の要因が熱交換器またはフィルタまたはその両方の埃蓄積であるかを判断する、埃堆積場所識別システムを有し、かつ前記風量低下評価システムが所定の風量低下を検出した場合に、前記埃堆積場所識別システムにて埃堆積場所を識別し、その場所を指示することで熱交換器またはフィルタの清掃を促す表示を行う。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
室外側熱交換器と圧縮機と室内側熱交換器とが配管により接続され、該配管内を冷媒が通過する冷凍サイクルと、
前記室内側熱交換器の空気の流れ方向上流側に設置されたフィルタと、
前記フィルタから前記室内側熱交換器に向かう空気の流れを創成する室内ファンと、
前記室内側熱交換器の上流の空気温度と湿度を検出する第1センサと、
前記室外側熱交換器の上流の空気温度を検出する第2センサと、
前記室内側熱交換器に流入する冷媒の温度を検出する第3センサと、
前記室外側熱交換器から流出する冷媒の温度を検出する第4センサと、
前記第1センサ~前記第4センサからの信号を入力する空調制御装置と、を有し、
前記空調制御装置は、前記室内側熱交換器に流入する冷媒の温度の情報(Teva)と、前記室内側熱交換器の上流の空気温度の情報(Ta-in)と、前記室内側熱交換器の上流の湿度の情報(RHa-in)と、前記室外側熱交換器の上流の空気の温度の情報(To-in)と、前記室外側熱交換器から流出する冷媒の温度の情報(Tsc)とに基づいて風量特徴量(R)を求め、前記風量特徴量(R)が第1の閾値(α1)より小さいと判断したときは、前記フィルタ又は前記室内側熱交換器の少なくとも一方に埃が付着した可能性があると判断する、
ことを特徴とする軌条車両用空気調和装置。
続きを表示(約 2,300 文字)【請求項2】
請求項1に記載の軌条車両用空気調和装置において、
前記室内側熱交換器3の入り口と出口での空気の圧力差を検出する第5センサ、を有し、
前記第5センサからの信号を入力した前記空調制御装置は、
前記風量特徴量(R)から、前記フィルタと前記室内側熱交換器を通過することにより低下した風量(Q2)を推定し、
前記低下した風量(Q2)での埃がないときの前記室内側熱交換器の空気通過にともなう圧力損失に相当する基準圧力損失(P
HEX_CAL
)と、前記第5センサにより得られた実測差圧(P
HEX_EXP
)との差圧である熱交換器差圧(ΔP
HEX
)を第2の閾値(β1)と比較して、前記熱交換器差圧(ΔP
HEX
)が第2の閾値(β1)より小さいと判断したときは、前記室内側熱交換器に付着した埃の量が許容範囲内であると判断する、
ことを特徴とする軌条車両用空気調和装置。
【請求項3】
請求項2に記載の軌条車両用空気調和装置において、
前記空調制御装置は、前記低下した風量(Q2)と前記室内ファンの特性とに基づいて、前記低下した風量(Q2)に対応するファン圧力(P
FAN_2
)を推定し、さらに前記ファン圧力(P
FAN_2
)に基づいて、前記室内ファンの前後で生じているファン差圧を求め、
前記ファン差圧(P
FAN_2
)から、前記室内側熱交換器の基準圧力損失(P
HEX_CAL
)とフィルタ圧損(P
filter
)を差し引いた総合差圧(ΔP
Total
)を算出し、
前記総合差圧(ΔP
Total
)が第3の閾値(β2)よりも小さい場合は、前記室内側熱交換器および前記フィルタに付着した埃の量が許容範囲内であると判断し、
前記総合差圧(ΔP
Total
)が第3の閾値(β2)に等しいかより大きい場合は、前記フィルタに付着した埃の量が許容範囲外であると判断する、
ことを特徴とする軌条車両用空気調和装置。
【請求項4】
請求項3に記載の軌条車両用空気調和装置において、
前記空調制御装置は、
前記熱交換器差圧(ΔP
HEX
)が前記第2の閾値(β1)に等しいかより大きいと判断したときは、さらに前記総合差圧(ΔP
Total
)値から前記熱交換器差圧(ΔP
HEX
)を差し引いたフィルタ差圧を、第4の閾値(β3)と比較し、
前記フィルタ差圧が第4の閾値(β3)より小さい場合は、前記室内側熱交換器に付着した埃の量が許容範囲外であると判断し、
前記フィルタ差圧が第4の閾値(β3)に等しいかより大きい場合は、前記室内側熱交換器および前記フィルタに付着した埃の量が許容範囲外であると判断する、
ことを特徴とする軌条車両用空気調和装置。
【請求項5】
請求項1に記載の軌条車両用空気調和装置において、
前記室外側熱交換器の空気の流れ方向上流側に設置された室外フィルタと、
前記室外フィルタから前記室外側熱交換器に向かう空気の流れを創成する室外ファンと、
前記室外側熱交換器の上流の空気温度と湿度を検出する第6センサと、
前記室内側熱交換器の上流の空気温度を検出する第7センサと、
前記室外側熱交換器に流入する冷媒の温度を検出する第8センサと、
前記室内側熱交換器から流出する冷媒の温度を検出する第9センサと、
前記第6センサ~前記第9センサからの信号を入力する空調制御装置と、を有し、
前記空調制御装置は、前記室外側熱交換器に流入する冷媒の温度の情報(Teva)と、前記室外側熱交換器の上流の空気温度の情報(Ta-in)と、前記室外側熱交換器の上流の湿度の情報(RHa-in)と、前記室内側熱交換器の上流の空気の温度の情報(To-in)と、前記室内側熱交換器から流出する冷媒の温度の情報(Tsc)とに基づいて風量特徴量(R)を求め、前記風量特徴量(R)が第5の閾値(α2)より小さいと判断したときは、前記室外フィルタ又は前記室外側熱交換器の少なくとも一方に埃が付着した可能性があると判断する、
ことを特徴とする軌条車両用空気調和装置。
【請求項6】
請求項1に記載の軌条車両用空気調和装置において、
前記フィルタと前記室内側熱交換器の間に、車内から照射される光の照度を検出する第1の光センサが配置され、前記室内側熱交換器と前記室内ファンの間に、車内から照射される光の照度を検出する第2の光センサが配置されており、
前記空調制御装置は、前記第1の光センサと前記第2の光センサの検出した照度を経時的にモニターすることにより、前記室内側熱交換器又は前記フィルタに付着した埃の量が許容範囲外となったと判断することを特徴とする軌条車両用空気調和装置。
【請求項7】
請求項1~請求項6のいずれか一項に記載の軌条車両用空気調和装置において、
前記空調制御装置は、
前記室内側熱交換器又は前記室外側熱交換器に付着した埃の量、および前記フィルタ又は室外フィルタに付着した埃の量の少なくとも一方が許容範囲内であるか否かに関する情報をディスプレイに表示する、
ことを特徴とする軌条車両用空気調和装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、軌条車両用空気調和装置に関する。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
目詰まりによるフィルタの異常と熱交換器の異常とを区別して検知可能な浴室暖房乾燥機を提供する技術の一例が、特許文献1に示されている。
【0003】
特許文献1に記載の技術は、熱源機によって加熱された熱媒が通流する熱交換器と、浴室の空気の吸入口に装着されるフィルタと、ファンモータを有し、熱交換器によって加熱された空気を浴室内に循環させる循環ファンからなる浴室乾燥機において、熱交換器の熱媒入口側に設けられ熱媒の温度を検出する第一温度センサと、熱交換器の熱媒出口側に設けられ熱媒の温度を検出する第二温度センサとの温度差から、熱交換性能が一定以下であることを検出するものである。空気風量が所定の値になるように循環ファンの回転数制御するフィードバック制御がなされた状態において、ファン電力が通常値に対して大きく上昇していればフィルタ詰まりであり、ファン電力の上昇が小さければ熱交換器の詰まりであると判断している。
【0004】
また一方で、鉄道車両用空気調和装置の故障診断に関する技術の一例が、特許文献2に示されている。
【0005】
特許文献2に記載の技術は、熱交換器を通過する空気の入口出口間のエンタルピ差と、送風機の動作電流値から算出した風量より熱交換器の交換熱量を求め、この値が正常範囲か否かによって故障を判断するものである。故障と判断した時にはファン電力、冷媒圧力、冷媒温度パラメータ変化の組み合わせによって、要因を切り分けることができるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2021-156469号公報
特許第5787604号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
鉄道車両用空気調和装置では、熱交換器に流れる冷媒は一般的に液とガスが同時に存在している二相状態であり、その熱交換器が蒸発器であれば液体が蒸発しガス化し、その熱交換器が凝縮器であればガスが凝縮して液化される。この二相状態の熱交換においては、冷媒の温度変化は内部の圧力が変化しない限りほとんどない。したがって、熱交換器入口と出口の冷媒温度差からは、交換熱量を正確に把握することが難しい場合がある。
【0008】
また鉄道車両用空気調和装置では、空気風量を測定するセンサが組み込まれておらず、風量が所定の値になるように回転数を制御するフィードバック制御はなされていないものもある。加えてファンを駆動するための電力は、風量と昇圧量およびファン効率によって変わる。このファン効率は風量によって変化するものであり、ファンを駆動するための電力が分かっても風量が特定できないファンも存在する。
【0009】
鉄道車両用空気調和装置では一般に、フィルタまたは熱交換器またはその両方に埃が蓄積されると、通風抵抗が増加し、それに伴って風量が低下する。一般にファンを駆動するための電力は、ファン効率が一定であれば風量と昇圧量の積によって決まるが、圧損が増えると同時に風量も低下しているため、風量が低下していてもファンを駆動するための電力が大きく変化しない場合がある。またファン効率も変化するため、ファンの風量が減っているにも関わらずファンを駆動するための電力が増加する場合もありうる。
【0010】
したがって鉄道車両用空気調和装置では、特許文献1で示される技術をもちいて、風量低下を検出できない場合があり、熱交換器とフィルタの埃詰まりを分離して判断することが難しいと推認される。
(【0011】以降は省略されています)

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