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公開番号
2024176849
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-12-19
出願番号
2023095684
出願日
2023-06-09
発明の名称
位相シフトマスク、位相シフトマスクの製造方法、及び表示装置の製造方法
出願人
HOYA株式会社
,
韓国ホーヤ電子株式会社
,
HOYA ELECTRONICS KOREA CO.,LTD.
,
台湾豪雅光電股ふん有限公司
,
HOYA MICROELECTRONICS TAIWAN CO., LTD.
,
重慶邁特光電有限公司
,
CHONGQING MASTEK ELECTRONICS CO., LTD.
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
G03F
1/72 20120101AFI20241212BHJP(写真;映画;光波以外の波を使用する類似技術;電子写真;ホログラフイ)
要約
【課題】表示装置製造用マスクの露光環境に有利に適合し、微細なホールパターンを安定して転写できる優れた位相シフトマスクを提供する。
【解決手段】透光性基板上に、修正ホール部を含む転写パターンが形成された位相シフト膜を備える位相シフトマスクであって、修正ホール部は、透光性基板の表面が掘り込まれたホール形状の掘り込み透光部と、掘り込み透光部の外周を囲うように形成された修正膜と、修正膜を囲うように形成された位相シフト膜とからなり、位相シフト膜を透過した露光光に生じる位相差Φ
P
は、150度以上210度以下であり、修正膜を透過した前記露光光に生じる位相差Φ
M
は、前記位相差Φ
P
よりも小さく、修正膜を透過した露光光と、掘り込み透光部を透過した露光光との間に生じる位相差Φ
H
は、150度以上210度以下であり、露光光に対する修正膜の透過率T
M
と露光光に対する位相シフト膜の透過率T
P
との差は、2%以下である。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
透光性基板上に、修正ホール部を含む転写パターンが形成された位相シフト膜を備える位相シフトマスクであって、
前記修正ホール部は、前記透光性基板の表面が掘り込まれたホール形状の掘り込み透光部と、前記掘り込み透光部の外周を囲うように形成された修正膜と、前記修正膜を囲うように形成された位相シフト膜とからなり、
前記位相シフト膜を透過した露光光と、前記位相シフト膜の膜厚と同じ距離だけ空気中を透過した前記露光光との間に生じる位相差Φ
P
は、150度以上210度以下であり、
前記修正膜を透過した前記露光光と、前記修正膜の膜厚と同じ距離だけ空気中を透過した前記露光光との間に生じる位相差Φ
M
は、前記位相差Φ
P
よりも小さく、
前記修正膜を透過した前記露光光と、前記掘り込み透光部を透過した前記露光光との間に生じる位相差Φ
H
は、150度以上210度以下であり、
前記露光光に対する修正膜の透過率T
M
と前記露光光に対する位相シフト膜の透過率T
P
との差は、2%以下であることを特徴とする位相シフトマスク。
続きを表示(約 1,400 文字)
【請求項2】
前記位相シフト膜の透過率T
P
は、10%以上であることを特徴とする請求項1記載の位相シフトマスク。
【請求項3】
前記修正膜の透過率T
M
は、10%以上であることを特徴とする請求項1記載の位相シフトマスク。
【請求項4】
前記修正膜を透過した前記露光光と、前記修正膜の膜厚と同じ距離だけ空気中を透過した前記露光光との間に生じる位相差Φ
M
は、100度以下であることを特徴とする請求項1記載の位相シフトマスク。
【請求項5】
前記露光光は、波長365nmの光を少なくとも含むことを特徴とする請求項1記載の位相シフトマスク。
【請求項6】
透光性基板上に、転写パターンが形成された位相シフト膜を備える位相シフトマスクの製造方法であって、
前記透光性基板上に設けられた前記位相シフト膜にホール形状の透光部からなるホール部を含む転写パターンを形成する工程と、
前記位相シフト膜の転写パターンに対し、欠陥検査を行って欠陥が存在するホール部を特定する工程と、
前記欠陥を修正する工程を有するものであり、
前記欠陥を修正する工程は、前記欠陥が存在するホール部に対し、前記透光部の外周を囲うように修正膜を形成する工程と、前記透光部の前記透光性基板の表面を掘り込み、掘り込み透光部を形成する工程とを含み、
前記位相シフト膜を透過した露光光と、前記位相シフト膜の膜厚と同じ距離だけ空気中を透過した前記露光光との間に生じる位相差Φ
P
は、150度以上210度以下であり、
前記修正膜を透過した前記露光光と、前記修正膜の膜厚と同じ距離だけ空気中を透過した前記露光光との間に生じる位相差Φ
M
は、前記位相差Φ
P
よりも小さく、
前記修正膜を透過した前記露光光と、前記掘り込み透光部を透過した前記露光光との間に生じる位相差Φ
H
は、150度以上210度以下であり、
前記露光光に対する修正膜の透過率T
M
と前記露光光に対する位相シフト膜の透過率T
P
との差は、2%以下であることを特徴とする位相シフトマスクの製造方法。
【請求項7】
前記位相シフト膜の透過率T
P
は、10%以上であることを特徴とする請求項6記載の位相シフトマスクの製造方法。
【請求項8】
前記修正膜の透過率T
M
は、10%以上であることを特徴とする請求項6記載の位相シフトマスクの製造方法。
【請求項9】
前記露光光は、波長365nmの光を少なくとも含むことを特徴とする請求項6記載の位相シフトマスクの製造方法。
【請求項10】
請求項1から5のいずれかに記載の位相シフトマスクを露光装置のマスクステージに載置する工程と、
前記位相シフトマスクに露光光を照射して、表示装置用の基板上に設けられたレジスト膜に転写パターンを転写する工程と、
を有することを特徴とする表示装置の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、位相シフトマスク、位相シフトマスクの製造方法、及び表示装置の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、OLED(Organic Light Emitting Diode)を代表とするFPD(Flat Panel Display)等の表示装置では、大画面化、広視野角化、折りたたみなどのフレキシブル化とともに、高精細化、高速表示化が急速に進んでいる。この高精細化、高速表示化のために必要な要素の1つが、微細で寸法精度の高い素子および配線等の電子回路パターンを作製することである。この表示装置用電子回路のパターニングにはフォトリソグラフィが用いられることが多い。このため、微細で高精度なパターンが形成された表示装置製造用の位相シフトマスクが必要である。この位相シフトマスクは、バイナリマスクの遮光部に相当する部分を、低い透過率と180度の位相シフト量をもつハーフトーン膜によって形成したものである。
【0003】
例えば、特許文献1には、透明基板1上に、半透光膜2がパターニングされてなる半透光部を含む転写用パターンを備えた位相シフトマスクの製造方法であって、半透光部12は、露光光の代表波長に対して所定の透過率と略180度の位相差とを有する位相シフトマスクの製造方法において、半透光部の欠陥を含む所定領域に修正膜4を形成する修正膜形成工程を含み、修正膜は、レーザCVD法により形成された修正膜A4aと、集束イオンビーム法により形成された修正膜B4bとを備えた積層膜である、位相シフトマスクの製造方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2022-20120号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば、上記表示装置に用いられる薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor、「TFT」)で言えば、TFTを構成する複数のパターンのうち、層間絶縁膜に形成されたコンタクトホールが、確実に上層及び下層のパターンを接続させる作用をもたなければ正しい動作が保証されない。その一方、表示装置の開口率を極力大きくして、明るく、省電力の表示装置とするためには、コンタクトホールの径が十分に小さいことが求められる。これに伴い、このようなコンタクトホールを形成するためのフォトマスクが備えるホールパターンの径も微細化(例えば3μm未満)が望まれている。例えば、径が2.5μm以下、更には、径が2.0μm以下のホールパターンが必要となり、近い将来、これを下回る1.5μm以下の径をもつパターンの形成も望まれると考えられる。こうした背景により、微小なコンタクトホールを確実に転写可能とする、表示装置の製造技術が必要とされている。
【0006】
例えば、ハーフトーン型位相シフトマスクが有する、位相シフト膜によって形成されたパターン部分に欠陥が生じた場合、これを修正することは必ずしも容易ではない。
一般に、位相シフトマスクに欠陥が生じ、これを修正膜によって修正しようとするとき、修正手段として、FIB(集束イオンビーム)装置を用いることが知られている。
しかしながら、FIB装置を用いて、単純に位相シフトマスクの欠陥部分に修正膜を堆積する方法では、欠陥が生じていない位相シフトマスクと同様の機能が回復できない場合があることが分かった。FIB装置を用い、位相シフトマスクの欠陥部分に修正膜を堆積しても、露光光に対する位相シフト量が略180度であり、かつ、正常な部分の位相シフト膜に設定された所望の透過率をもつ修正膜の形成は、容易でないことが分かった。
一方、半透光部を形成する位相シフトマスクの欠陥修正に、レーザCVD法を用いる方法も知られている。しかしながら、レーザCVD法を用いる方法の場合、堆積させた修正膜をウェットエッチングによって除去する工程等が不可避的に生じ、微小なホールパターンの欠陥修正を所望の精度で行うことは困難であった。
【0007】
本発明は、上述の問題を解決するためになされたものである。すなわち、本発明は、表示装置製造用マスクの露光環境に有利に適合し、微細なホールパターンを安定して転写できる優れた位相シフトマスク及びその製造方法、および表示装置の製造方法を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は上記の課題を解決する手段として、以下の構成を有する。
【0009】
(構成1)透光性基板上に、修正ホール部を含む転写パターンが形成された位相シフト膜を備える位相シフトマスクであって、
前記修正ホール部は、前記透光性基板の表面が掘り込まれたホール形状の掘り込み透光部と、前記掘り込み透光部の外周を囲うように形成された修正膜と、前記修正膜を囲うように形成された位相シフト膜とからなり、
前記位相シフト膜を透過した露光光と、前記位相シフト膜の膜厚と同じ距離だけ空気中を透過した前記露光光との間に生じる位相差Φ
P
は、150度以上210度以下であり、
前記修正膜を透過した前記露光光と、前記修正膜の膜厚と同じ距離だけ空気中を透過した前記露光光との間に生じる位相差Φ
M
は、前記位相差Φ
P
よりも小さく、
前記修正膜を透過した前記露光光と、前記掘り込み透光部を透過した前記露光光との間に生じる位相差Φ
H
は、150度以上210度以下であり、
前記露光光に対する修正膜の透過率T
M
と前記露光光に対する位相シフト膜の透過率T
P
との差は、2%以下であることを特徴とする位相シフトマスク。
【0010】
(構成2)前記位相シフト膜の透過率T
P
は、10%以上であることを特徴とする構成1記載の位相シフトマスク。
(【0011】以降は省略されています)
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