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公開番号
2024176089
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-12-19
出願番号
2023094325
出願日
2023-06-07
発明の名称
全固体電池及び全固体電池の製造方法
出願人
マクセル株式会社
代理人
青稜弁理士法人
主分類
H01M
10/0585 20100101AFI20241212BHJP(基本的電気素子)
要約
【課題】耐衝撃性を向上できる全固体電池及び全固体電池の製造方法を提供する。
【解決手段】全固体電池は、電池セルと、電極体の一部を覆うように電池セルに装着された衝撃吸収材と、空間が形成され、空間に衝撃吸収材が装着された電池セルが収容された外装体と、を備える。正極タブ及び負極タブのそれぞれは、1つの曲げ点で折り返された折り返し形状又は複数の曲げ点で交互に反対方向に折り返された折り返し形状を有する。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
正極、負極、及び、前記正極及び前記負極の間に介在する固体電解質を含み、正極側面及び負極側面を有する電極体と、前記電極体の前記正極側面に付けられた正極タブと、前記電極体の前記負極側面に付けられた負極タブと、を含む電池セルと、
前記電極体の一部を覆うように前記電池セルに装着された弾性部材と、
空間が形成され、当該空間に前記弾性部材が装着された前記電池セルが収容された外装体と、
を備え、
前記正極タブ及び前記負極タブのそれぞれは、1つの曲げ点で折り返された折り返し形状又は複数の曲げ点で交互に反対方向に折り返された折り返し形状を有する、
全固体電池。
続きを表示(約 1,800 文字)
【請求項2】
請求項1に記載の全固体電池において、
前記外装体は、負極端子として機能する第1外装部と、正極端子を含む第2外装部とにより構成され、
前記電池セルは、前記第1外装部と前記第2外装部との間に配置されており、
前記正極タブの一端部は前記電極体の前記正極側面に溶接又はロウ付けされ、前記正極タブの他端部は前記正極側面と対向する領域にある前記正極端子に溶接又はロウ付けされ、
前記負極タブの一端部は前記第1外装部の前記負極側面と対向する領域に溶接又はロウ付けされ、前記負極タブの他端部は前記電極体の前記負極側面に溶接又はロウ付けされた
全固体電池。
【請求項3】
請求項1に記載の全固体電池において、
前記外装体は、負極端子として機能する第1外装部と、正極端子として機能する第2外装部とにより構成され、
前記電池セルは、前記第1外装部と前記第2外装部との間に配置されており、
前記正極タブの一端部は前記電極体の前記正極側面に溶接又はロウ付けされ、前記正極タブの他端部は前記第2外装部の前記正極側面と対向する領域に溶接又はロウ付けされ、
前記負極タブの一端部は前記第1外装部の前記負極側面の対向する領域に溶接又はロウ付けされ、前記負極タブの他端部は前記電極体の前記負極側面に溶接又はロウ付けされた、
全固体電池。
【請求項4】
請求項1に記載の全固体電池において、
前記弾性部材は、衝撃吸収材であり、
前記衝撃吸収材は、前記正極側面の前記正極タブとの接触部分及び前記負極側面の前記負極タブとの接触部分を避けて前記電極体の一部を覆う、
全固体電池。
【請求項5】
請求項1に記載の全固体電池において、
前記電極体は、互いに向かい合う前記正極側面及び前記負極側面と、前記正極側面と前記負極側面との間の側面とを含む形状であり、
前記弾性部材は、衝撃吸収材であり、
前記衝撃吸収材は、前記電極体の前記正極側面の周端部、前記負極側面の周端部及び前記側面の一部を少なくとも含む前記電極体の一部を覆う、
全固体電池。
【請求項6】
請求項5に記載の全固体電池において、
前記外装体は、開口部を有する金属の円筒缶と、正極端子及びガスケットを含み、前記円筒缶の前記開口部を塞ぐように前記円筒缶と組み合わさる金属キャップと、により構成され、
前記電池セルは、前記円筒缶と前記金属キャップとの間に配置され、
前記正極タブは、前記金属キャップと前記電極体の前記正極側面との間に配置され、
前記負極タブは、前記円筒缶の底面と前記電極体の前記負極側面との間に配置された、
全固体電池。
【請求項7】
請求項6に記載の全固体電池において、
前記正極タブの一端部は前記電極体の前記正極側面に溶接又はロウ付けされ、前記正極タブの他端部は前記正極端子に溶接又はロウ付けされ、
前記負極タブの一端部は前記円筒缶の前記底面に溶接又はロウ付けされ、前記負極タブの他端部は前記電極体の前記負極側面に溶接又はロウ付けされた、
全固体電池。
【請求項8】
請求項7に記載の全固体電池において、
前記正極タブは、溶接又はロウ付け箇所を含む前記正極タブの一部の面が、前記正極端子の面と接触した状態になっており、
前記負極タブは、溶接又はロウ付け箇所を含む前記負極タブの一部の面が、前記円筒缶の面と接触した状態になっている、
全固体電池。
【請求項9】
請求項7に記載の全固体電池において、
前記衝撃吸収材は、前記電極体の一部として、前記電極体の前記正極側面の周端部、前記電極体の前記負極側面の周端部及び前記電極体の前記側面を覆う、
全固体電池。
【請求項10】
請求項7に記載の全固体電池において、
前記衝撃吸収材は、前記電極体の一部として、前記電極体の前記正極側面の周端部、前記電極体の前記負極側面の周端部及び前記電極体の前記側面の一部を覆う、
全固体電池。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、全固体電池及び全固体電池の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)
【背景技術】
【0002】
全固体電池を実用化するための開発が活発に行われている。例えば、特許文献1が開示する全固体電池は、硫化物固体電解質を有した電極体と、電極体を収容する外装体と、電極体と外装体との間に配置され、加熱によりガスを生じることなく膨張する材料から得られる加圧部材と、を備える。この特許文献1の開示によれば、硫化物全固体電池であっても、外装体に密閉してから加熱して加圧力を得ることができるため、加圧部材を効率よく配置し、生産性を向上することができる。
【0003】
また、特許文献2が開示するコイン形の全固体電池では、正極缶および負極缶と電極体との間に、黒鉛の成形体で構成され可撓性を有する導電性多孔質部材(カーボンシート)が配置される。この特許文献2の開示によれば、電池の組み立て時に電極(主に負極)にかかる応力が緩和され、電極の割れを防ぐことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2022-156220号公報
国際公開第2020/66323号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
全固体電池では、耐衝撃性を向上することが求められている。そこで、本発明の目的の一つは、耐衝撃性を向上できる全固体電池及び全固体電池の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の全固体電池は、正極、負極、及び、前記正極及び前記負極の間に介在する固体電解質を含み、正極側面及び負極側面を有する電極体と、前記電極体の前記正極側面に付けられた正極タブと、前記電極体の前記負極側面に付けられた負極タブと、を含む電池セルと、前記電極体の一部を覆うように前記電池セルに装着された弾性部材と、空間が形成され、当該空間に前記弾性部材が装着された前記電池セルが収容された外装体と、を備え、前記正極タブ及び前記負極タブのそれぞれは、1つの曲げ点で折り返された折り返し形状又は複数の曲げ点で交互に反対方向に折り返された折り返し形状を有する。
【0007】
本発明の全固体電池の製造方法は、正極、負極、及び、前記正極及び前記負極の間に介在する固体電解質を含み、正極側面及び負極側面を有する電極体と、前記電極体の前記正極側面に付けられた正極タブと、前記電極体の前記負極側面に付けられた負極タブと、を含む電池セルと、前記電極体の一部を覆うように前記電池セルに装着された衝撃吸収材と、空間が形成され、当該空間に前記衝撃吸収材が装着された前記電池セルが収容される負極端子となる円筒缶及び正極端子を含む又は正極端子として機能する金属キャップで構成される外装体と、を備え、前記正極タブ及び前記負極タブのそれぞれは、1つの曲げ点で折り返された折り返し形状又は複数の曲げ点で交互に反対方向に折り返された折り返し形状を有する全固体電池を製造する全固体電池の製造方法であって、前記衝撃吸収材が装着された前記電極体の前記正極側面に前記正極タブの一端部を溶接又はロウ付けにより接合し、前記金属キャップの前記正極端子又は正極端子として機能する前記金属キャップに仮曲げ状態の前記正極タブの他端部を溶接又はロウ付けにより接合することと、前記円筒缶の底面に仮曲げ状態の前記負極タブの一端部を溶接又はロウ付けにより接合し、前記衝撃吸収材が装着された前記電極体の前記負極側面に前記負極タブの他端部を溶接又はロウ付けにより接合することと、前記金属キャップ及び前記円筒缶の間に、前記正極タブ、前記電極体及び前記負極タブが配置されるように位置を合わせることと、前記金属キャップと前記円筒缶との間の距離が近くなるように、前記金属キャップ及び前記円筒缶の少なくとも一方に力を加えることにより、前記金属キャップ及び前記円筒缶を組み合わせると共に、仮曲げ状態の前記正極タブを曲げ、仮曲げ状態の前記負極タブを曲げることにより、前記折り返し形状を形成することと、を含む。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、耐衝撃性を向上できる。なお、ここに記載された効果は必ずしも限定されるものではなく、本開示中に記載された何れかの効果であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1は本発明の第1実施形態に係る全固体電池の外観を示す斜視図である。
図2は本発明の第1実施形態に係る全固体電池の構成例を説明するための分解斜視図である。
図3は図1のI-I線に沿った全固体電池の断面図である。
図4は衝撃吸収材付き電池セルの分解斜視図である。
図5Aは電池セルを正極側から見た場合の斜視図である。
図5Bは電池セルを負極側から見た場合の斜視図である。
図5Cは図5AのII-II線に沿った電池セルの断面図である。
図6Aは正極タブの形状を説明するための図である。
図6Bは負極タブの形状を説明するための図である。
図6Cは正極タブの形状及び負極タブの形状の他の例を説明するための図である。
図7は衝撃吸収材を説明するための斜視図である。
図8Aは正極タブ及び負極タブによる作用効果を説明するための図である。
図8Bは正極タブ及び負極タブによる作用効果を説明するための図である。
図9Aは全固体電池の製造方法を説明するための図である。
図9Bは全固体電池の製造方法を説明するための図である。
図9Cは全固体電池の製造方法を説明するための図である。
図9Dは全固体電池の製造方法を説明するための図である。
図9Eは全固体電池の製造方法を説明するための図である。
図9Fは全固体電池が完成した状態を示す図である。
図10は本発明の第2実施形態に係る全固体電池の衝撃吸収材付き電池セルの斜視図である。
図11は本発明の第2実施形態に係る全固体電池の衝撃吸収材付き電池セルの分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<<本発明の概要>>
まず本発明の理解を容易にするため、本発明の概要について説明する。電解液を使用していない全固体電池は、安全性に優れ、且つ、低温~高温などの幅広い温度環境に対応でき、且つ、長寿命であることが長所になっている。
(【0011】以降は省略されています)
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