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公開番号2024175227
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-18
出願番号2023092814
出願日2023-06-06
発明の名称コンクリート組成物の製造方法
出願人信越化学工業株式会社,株式会社大林組
代理人弁理士法人英明国際特許事務所
主分類C04B 28/02 20060101AFI20241211BHJP(セメント;コンクリート;人造石;セラミックス;耐火物)
要約【課題】耐凍害性、流動性及び材料分離抵抗性が改善されたコンクリート組成物を容易に製造できるコンクリート組成物の製造方法を提供する。
【解決手段】(i)有機概念図におけるIOB値が0.3~1.8であって、ゲル浸透クロマトグラフィー分析によるポリスチレン換算の重量平均分子量Mwが300~2500であり、分子中にRCOO(C2H4O)n-(Rは炭素数10~24の直鎖状又は分岐鎖状の1価炭化水素基、nは3~40の整数である。)を少なくとも1つ有し、官能基としてポリエチレングリコール末端OH又は-OH基を有するPEG誘導体を水溶性多孔質粉体に含浸させた粉末状添加剤を調製し、又は(ii)粉末状添加剤にさらに水溶性セルロースエーテルを添加した粉末状増粘剤を調製し、粉末状添加剤又は粉末状増粘剤をコンクリート組成物を構成する成分の混合工程に投入するコンクリート組成物の製造方法である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
(A)セメント、(B)水、(C)骨材、(D)減水剤、(E)水溶性セルロースエーテル及び(F)ポリエチレングリコール誘導体を含むコンクリート組成物の製造方法であって、
上記(F)ポリエチレングリコール誘導体が、有機概念図におけるIOB値が0.3~1.8であって、ゲル浸透クロマトグラフィー分析によるポリスチレン換算の重量平均分子量Mwが300~2500であり、分子中にRCOO(C



O)

-(Rは炭素数10~24の直鎖状又は分岐鎖状の1価炭化水素基、nは3~40の整数である。)を少なくとも1つ有し、官能基としてポリエチレングリコール末端OH又は-OH基を有するポリエチレングリコール誘導体であり、
(I)該ポリエチレングリコール誘導体を水溶性多孔質粉体に含浸させた粉末状添加剤を調製し、又は
(II)該粉末状添加剤にさらに上記(E)成分の水溶性セルロースエーテルの少なくとも一部を添加した粉末状増粘剤を調製し、
上記粉末状添加剤又は粉末状増粘剤を上記コンクリート組成物を構成する成分の混合工程に投入することを特徴とするスランプフローが35cm以上75cm以下であるコンクリート組成物の製造方法。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
上記(F)成分が下記一般式(F1)及び(F2)で表される化合物のうち、少なくともいずれか1つのものである請求項1に記載のコンクリート組成物の製造方法。
RCOO-(C



O)

-H (F1)
(RCOO-(C



O)
n1




((OC




n2
-OH)

(F2)
〔式(F1)、(F2)中、R、nは上記と同じであり、R

は、2~5個の水酸基を有する多価アルコールから該水酸基を除いた残基であって、2~5価の炭素数2~5の直鎖状又は分岐鎖状の炭化水素基であり、t及びuは、それぞれ1~4の整数であって、tとuの和は2~5の整数であり、n1、n2は、それぞれ0以上の整数であり、n1×t+n2×uは3~30の整数である。〕
【請求項3】
上記水溶性多孔質粉体が水溶性多孔質の多糖類である請求項1又は2に記載のコンクリート組成物の製造方法。
【請求項4】
上記水溶性多孔質粉体の嵩比重が0.10~0.25g/cm

である請求項1又は2に記載のコンクリート組成物の製造方法。
【請求項5】
ゲル浸透クロマトグラフィー分析により求めた上記水溶性多孔質粉体の積算分子量分布における分子量10,000の濃度分率が30~90%である請求項1又は2に記載のコンクリート組成物の製造方法。
【請求項6】
上記水溶性多孔質粉体のデキストロース当量(DE)が2~18である請求項1又は2に記載のコンクリート組成物の製造方法。
【請求項7】
上記水溶性多孔質粉体の乾式レーザー法による平均粒子径が10~230μmであり、かつ粒子径300μm以上の体積割合が0~10%である請求項1又は2に記載のコンクリート組成物の製造方法。
【請求項8】
上記(F)成分のポリエチレングリコール誘導体を含浸させた水溶性多孔質粉体の乾式レーザー法による平均粒子径が40~280μmであり、かつ粒子径300μm以上の体積割合が0~10%である請求項1又は2に記載のコンクリート組成物の製造方法。
【請求項9】
上記(E)成分の水溶性セルロースエーテルがヒドロキシアルキルアルキルセルロースである請求項1又は2に記載のコンクリート組成物の製造方法。
【請求項10】
上記(E)成分の水溶性セルロースエーテルの20℃における2質量%水溶液の粘度が、15,000~450,000mPa・sである請求項1又は2に記載のコンクリート組成物の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、流動性の高いコンクリート組成物の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
一般的に使用されるコンクリート組成物(普通コンクリート組成物)に混和剤を添加して、流動性の高いコンクリート組成物が得られることが知られている。流動性の高いコンクリート組成物には、高流動コンクリート組成物や中流動コンクリート組成物と呼ばれるものがある。
【0003】
高流動コンクリート組成物は、スランプフローが50~70cm程度の高い流動性を有するため、コンクリート自体が鉄筋構造の隙間を通過し、型枠の隅々まで均質に充填できる。従って、コンクリート施工時の締固め作業(型枠に流し込んだコンクリート組成物に対してバイブレータによって振動を与える作業)を省略できるため、施工性が格段に向上する。
【0004】
また、中流動コンクリート組成物は、スランプフローが35~50cm程度の高い流動性を有するため、普通コンクリート組成物に比べて流動性や鉄筋構造への充填性が高く、締固め作業を簡略化できる。
【0005】
高流動コンクリート組成物や中流動コンクリート組成物としては、水溶性セルロースエーテルなどの増粘剤を添加して、高い流動性を有しながら材料分離抵抗性を確保したコンクリート組成物が幅広く使用されている。しかし、水溶性セルロースエーテルは空気連行性も有しているため、コンクリート組成物中の空気量が通常(4.5±1.5%)よりも増加してしまい、コンクリート硬化物の圧縮強度を低下させるおそれがあった。そのため、消泡剤を併用して気泡を消して空気量を低減する方法などが行われていた。
【0006】
消泡剤としては種々の化合物が知られているが、例えば、特開2008-037663号公報(特許文献1)においては、非イオン系の消泡剤である界面活性剤として、ポリエーテル系化合物が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2008-037663号公報
特開2011-184236号公報
特開2017-065995号公報
特開平05-085791号公報
【非特許文献】
【0008】
“乳化処方設計へのアプローチ(日本語版) p.2-9”[online]、日本エマルジョン株式会社、有機概念図による乳化処方設計とは?[2023年1月10日検索]、インターネット<https://www.nihon-emulsion.co.jp/tech/organic.html>
コンクリート構造物の耐久性シリーズ 凍害(長谷川寿夫,藤原忠司:技報堂出版,pp.63,1988.2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、ポリエーテル系化合物は、液体又はワックス状の固体であるために、AE減水剤などに溶解させて使用する必要があり、取り扱いが煩雑であるという課題があった。この課題については、特許文献1及び特開2011-184236号公報(特許文献2)に記載されているようなシリカなどの吸油性の高い無機粉体に含浸させ、粉体化したものを用いることにより解消できる。しかしながら、引用文献1及び2で報告されているセメント組成物や水硬性組成物について、特開2017-065995号公報(特許文献3)で提案されている気泡間隔係数を測定すると、無機系粉体に含浸された消泡剤は、含浸させない場合(消泡剤単独の場合)と比較して、耐凍害性に有用であるとされる直径50~500μmの微細な気泡であるエントレインドエア(非特許文献2)を選択的に消泡してしまう傾向にあることがわかった。このように、特許文献1及び2で提案されている無機粉体に含浸された消泡剤は耐凍害性を悪化させてしまう場合があり、改善の余地が残されていた。
【0010】
また、水溶性セルロースエーテルを用いても耐凍害性にも優れる水硬性組成物として、例えば、セメント結合材、骨材、水、減水剤及びAE剤からなるコンクリート配合物に、セメント結合材に対して0.02~0.5重量%のスルホエチルセルロースのアルカリ金属塩と非イオン性水溶性セルロースエーテルを添加したコンクリート組成物が提案されている(特開平05-085791号公報(特許文献4))。
しかしながら、特許文献4で使用されているスルホエチルセルロースは、水硬性組成物の空気連行性を増加させることはないものの、流動性を悪化させてしまう点で問題があった。また、スルホエチルセルロースは高価であるため、経済的観点からも好ましくないため、改善の余地が残されていた。
(【0011】以降は省略されています)

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