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公開番号2024173243
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-12
出願番号2023091541
出願日2023-06-02
発明の名称α+β型チタン合金部材及びその製造方法
出願人武生特殊鋼材株式会社,個人
代理人弁理士法人アイミー国際特許事務所
主分類C22C 14/00 20060101AFI20241205BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】良好な強度特性および良好な延性を有するα+β型チタン合金部材を提供する。
【解決手段】α+β型チタン合金部材は、顕微鏡で観察される断面組織において、互いに離れて位置する複数のα相領域部と、β相安定化元素を含み、隣接する上記α相領域部間に延在して各α相領域部を取り囲むネットワークを形成するα+β二相領域部とを備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
顕微鏡で観察される断面組織において、
互いに離れて位置する複数のα相領域部と、
β相安定化元素を含み、隣接する前記α相領域部間に延在して各α相領域部を取り囲むネットワークを形成するα+β二相領域部とを備える、α+β型チタン合金部材。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
前記α+β二相領域部は、前記α相領域部の外面に沿って延びる帯状領域を含み、
前記帯状領域の平均帯幅寸法は、前記α相領域部の平均結晶粒径よりも小さい、請求項1に記載のα+β型チタン合金部材。
【請求項3】
前記α+β二相領域部は、帯幅が3μm以下の帯状領域を含み、顕微鏡で観察される断面組織の視野全体の中で、前記帯状領域は7%以上の面積を占める、請求項1に記載のα+β型チタン合金部材。
【請求項4】
前記α+β二相領域部は、帯幅が5μm以下の帯状領域を含み、顕微鏡で観察される断面組織の視野全体の中で、前記帯状領域は10%以上の面積を占める、請求項1に記載のα+β型チタン合金部材。
【請求項5】
顕微鏡で観察される断面組織の視野全体の中で、α+β二相領域部が占める面積は10%~25%であり、
前記α+β二相領域部の中で、帯幅が3μm以下の前記帯状領域が占める面積は35%以上である、請求項3に記載のα+β型チタン合金部材。
【請求項6】
顕微鏡で観察される断面組織の視野全体の中で、α+β二相領域部が占める面積は10%~25%であり、
前記α+β二相領域部の中で、帯幅が5μm以下の前記帯状領域が占める面積は50%以上である、請求項4に記載のα+β型チタン合金部材。
【請求項7】
前記β相安定化元素は、V、Fe、Mo、Mn、Co、Ni、Cr、W、Nb、TaおよびReからなる群から選ばれた元素であり、
前記β相安定化元素の含有量は、Mo当量で0.8~3.0質量%である、請求項1に記載のα+β型チタン合金部材。
【請求項8】
引張強さが1100MPa以上1300MPa以下であり、破断伸びが12%以上25%以下である、請求項1に記載のα+β型チタン合金部材。
【請求項9】
顕微鏡で観察される断面組織において、互いに離れて位置する複数のα相領域部と、隣接する前記α相領域部間に延在して各α相領域部を取り囲むネットワークを形成するα+β二相領域部とを備えるα+β型チタン合金部材の製造方法であって、
出発原料としてα相のチタン粉末と、β相安定化元素を含むα+β二相のチタン合金粉末とを準備する工程と、
前記チタン粉末と前記チタン合金粉末とを混合して混合粉末を作製する工程と、
前記混合粉末を焼結して焼結体を作製する工程と、
前記焼結体を熱間で塑性加工してチタン合金部材を作製する工程と、
前記チタン合金部材を熱処理する工程と、
前記熱処理後のチタン合金部材を空冷で室温にまで冷却する工程とを備え、
出発原料としての前記α相チタン粉末の平均粒径は40μm以下で、前記α+β二相チタン合金粉末の平均粒径は20μm以下であり、
出発原料粉末全体に対する前記β相安定化元素の含有量は、Mo当量で0.8~3.0質量%であり、
前記焼結処理の温度はβ単相温度域であり、
前記熱間塑性加工時の加熱温度はα+β二相温度域であり、
前記熱処理時の加熱温度がα単相温度域である、α+β型チタン合金部材の製造方法。
【請求項10】
前記熱処理時の加熱温度は、700~780℃の範囲内である、請求項9に記載のα+β型チタン合金部材の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
この発明は、β相安定化元素を含むα+β型チタン合金部材およびその製造方法に関するものである。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
β相安定化元素を含むチタン合金部材は、α相およびβ相の二相を含む結晶組織を有する。一般的に、V、Fe、Mo、Mn等のβ相安定化元素を合金成分として含むチタン合金部材では、強度や延性等の材料特性を安定させるために、合金元素をマトリクス中に均質に固溶させる。言い換えれば、V等のβ相安定化元素を局所的に含むようなチタン合金部材は一般には見られない。
【0003】
金属材料または合金材料の分野では、材料の強度(引張強さ等)と延性(伸び)とがトレードオフの関係にあることはよく知られている。
【0004】
特開2018-141223号公報(特許文献1)は、延性をある程度確保しつつ、より強度に優れた金属材料を提案している。この金属材料の金属組織は、微細結晶粒によって構成されている微細粒組織領域と、この微細粒組織領域の平均結晶粒径よりも大きい平均結晶粒径の粗大結晶粒によって構成されている複数の粗大粒組織領域とを含む。微細粒組織領域は、複数の粗大粒組織領域が当該微細粒組織領域内に分散点在することによって網目状組織とされている。微細粒組織領域は、塑性変形した組織である。
【0005】
特開2020-143310号公報(特許文献2)は、双晶変形を生じるチタン合金に、β相安定化元素を含有させて、双晶変形を抑制するチタン合金の製造方法を開示している。この特許文献2では、チタン合金としてβ型チタン合金が用いられており、本発明のα+β型チタン合金部材とは前提が異なっており、後に詳述する本願発明の特徴である組織、すなわちα相を取り囲むようなα+β二相ネットワーク組織は形成されない。特許文献2においても、特許文献1と同様に、微細結晶粒領域が立体的なネットワーク組織を構成する調和組織を呈するようにしている。
【0006】
特許文献1および特許文献2では、上記の金属組織を得るために、出発原料粉末に対してメカニカルミリング処理を行い、被処理粉末の表面全体に対して均一に強塑性加工を施す。この強塑性加工により、粉末粒子の表面に微細な結晶粒である表面部微細結晶粒からなる表面部微細粒組織領域を形成することができる。表面部微細粒組織領域は、粉末粒子の表面全体に対して均一に形成される。
【0007】
上記の表面部微細粒組織領域を有する粉末粒子の集合体を焼結すると、各粒子の表面部微細粒組織領域が互いに結合することで、網目状組織とされた微細粒組織領域が形成される。また、メカニカルミリング処理を施した各粉末粒子の内部に含まれている粗大粒組織領域は、表面部微細粒組織領域が網目状組織の微細粒組織領域となることで、微細粒組織領域の網目内部に配置され、微細粒組織領域内に分散点在する。
【0008】
特許文献1には、出発金属材料に対して、塑性加工が施され、かつ複数の粗大粒組織領域が分散点在する網目状組織の微細粒組織領域と、当該粗大粒組織領域とで構成された金属組織を有しているため、優れた強度を有しており、かつ延性を備える金属材料となる、と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特開2018-141223号公報
特開2020-143310号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特許文献1は、出発原料粉末の表面全体に対して機械的な強加工を施して各粉末粒子の表面に微細な結晶粒である表面部微細結晶粒からなる表面部微細粒組織領域を形成し、その後の焼結によって各粒子の表面部微細粒組織領域が互いに結合し、網目状組織とされた微細粒組織領域を形成している。
(【0011】以降は省略されています)

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