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公開番号2024172244
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-12
出願番号2023089829
出願日2023-05-31
発明の名称鉄道車両
出願人日本車輌製造株式会社
代理人弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
主分類B61K 9/04 20060101AFI20241205BHJP(鉄道)
要約【課題】車輪の回転運動に関与して発熱する発熱部における温度異常を簡単且つ効率的に監視でき、発熱部の故障に対する予兆を把握しやすいモニタリング装置を備えた鉄道車両を提供すること。
【解決手段】発熱部12における温度異常を監視するモニタリング装置2を備えた鉄道車両10である。モニタリング装置は、発熱部に装着した熱電発電部21と、熱電発電部が発電した電力を蓄電する蓄電部22と、蓄電部に蓄電した蓄電量が所定値に達したときに放電指令する放電制御部23と、放電された電力によって送信信号を送信する送信部24と、を有する子機2aと、送信部から送信された送信信号を受信する受信部25と、受信部が送信信号を一定時間内に受信した通信頻度に基づいて、発熱部の温度異常の有無を判定する演算・判定部26と、を備えた。
【選択図】 図3
特許請求の範囲【請求項1】
車輪の回転運動に関与して発熱する発熱部における温度異常を監視するモニタリング装置を備えた鉄道車両であって、
前記モニタリング装置は、
前記発熱部の外表面に装着した熱電変換素子からなる熱電発電部と、
前記熱電発電部が発電した電力を蓄電する蓄電部と、前記蓄電部に蓄電した蓄電量が所定値に達したときに放電指令する放電制御部と、前記放電制御部の放電指令に基づいて前記蓄電部から放電された電力によって送信信号を送信する送信部と、を有する子機と、
前記送信部から送信された前記送信信号を受信する受信部と、前記受信部が前記送信信号を一定時間内に受信した通信頻度に基づいて、前記発熱部の温度異常の有無を判定する演算・判定部と、を有する親機と、
を備えたことを特徴とする鉄道車両。
続きを表示(約 530 文字)【請求項2】
請求項1に記載された鉄道車両において、
前記演算・判定部は、
前記通信頻度が高温側異常しきい値より大きいと認定した場合、前記発熱部の温度は高温側異常と判定することを特徴とする鉄道車両。
【請求項3】
請求項1に記載された鉄道車両において、
前記演算・判定部は、
前記通信頻度が低温側異常しきい値より小さいと認定し、かつ車両速度が速度しきい値より大きいと認定した場合、前記発熱部の温度は低温側異常と判定することを特徴とする鉄道車両。
【請求項4】
請求項1に記載された鉄道車両において、
前記親機は、前記演算・判定部が判定した判定結果を出力するモニタ・表示部を備え、前記モニタ・表示部は、期間又は走行距離に対する前記通信頻度の推移グラフと、前記発熱部の温度異常との相関図を表示することを特徴とする鉄道車両。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載された鉄道車両において、
前記子機には、前記送信部が送信する前記送信信号に対して、前記熱電発電部を装着した前記発熱部の所在地又は名称を付与するアドレス付与部を備えたことを特徴とする鉄道車両。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄道車両に関し、より詳しくは、車輪の回転運動に関与して発熱する発熱部における温度異常を監視するモニタリング装置を備えた鉄道車両に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
近年、鉄道車両の走行時における安全性、安定性、快適性等をより高めるため、車輪の回転運動に関与して発熱する発熱部における温度異常を監視するモニタリング装置を備えた鉄道車両が、注目されている。例えば、特許文献1には、鉄道車両における輪軸の軸受温度を監視する軸受監視装置が開示されている。この軸受監視装置は、軸箱を通じて軸受の温度を検知する温度センサと、発信機能を含む制御回路と、を備えている。また、軸箱の外表面に装着された熱電交換素子及び蓄電池から成る電源装置を備え、当該電源装置から軸受監視装置に電力が供給され、温度センサによって得られた所要の検知信号が、制御回路から無線で運転台のモニタ等に伝送されるシステムになっている。
【0003】
この鉄道車両の軸受監視装置によれば、輪軸の回転に伴って発熱した軸箱の温度と、雰囲気の温度との温度差を利用して、熱電交換素子が発電した電力を蓄電池に蓄電し、その電力を利用して制御回路を作動させることができる。そして、温度センサによって得られた所要の検知信号が、制御回路から無線で運転台のモニタ等に伝送されるので、軸受の温度異常を運転台のモニタ等で監視でき、軸受監視装置に対して、わざわざ、他から電力を供給する必要がないという効果があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2011-69402号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載された軸受監視装置では、以下のような問題があった。すなわち、温度センサの検知信号は、温度センサが装着された部位における軸箱の外表面の温度であり、温度センサの装着部位や外気温等の影響を受けやすく、発熱部である軸受の温度異常を反映しにくいという問題があった。また、温度センサが検知した温度は、その時点での温度データを表し、時間経過に伴う温度推移が分からず、故障に対する予兆を把握しにくいという問題があった。さらに、上記軸受監視装置は、温度センサと熱電交換素子とを備えているので、広い設置スペースが必要となると共に、コストが嵩むという問題もあった。
【0006】
本発明は、かかる課題を解決するためになされたものであり、車輪の回転運動に関与して発熱する発熱部における温度異常を簡単且つ効率的に監視でき、発熱部の故障に対する予兆を把握しやすいモニタリング装置を備えた鉄道車両を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係る鉄道車両は、以下の構成を備えている。
(1)車輪の回転運動に関与して発熱する発熱部における温度異常を監視するモニタリング装置を備えた鉄道車両であって、
前記モニタリング装置は、
前記発熱部の外表面に装着した熱電変換素子からなる熱電発電部と、
前記熱電発電部が発電した電力を蓄電する蓄電部と、前記蓄電部に蓄電した蓄電量が所定値に達したときに放電指令する放電制御部と、前記放電制御部の放電指令に基づいて前記蓄電部から放電された電力によって送信信号を送信する送信部と、を有する子機と、
前記送信部から送信された前記送信信号を受信する受信部と、前記受信部が前記送信信号を一定時間内に受信した通信頻度に基づいて、前記発熱部の温度異常の有無を判定する演算・判定部と、を有する親機と、
を備えたことを特徴とする。
【0008】
本発明においては、モニタリング装置は、発熱部の外表面に装着した熱電変換素子からなる熱電発電部と、熱電発電部が発電した電力を蓄電する蓄電部と、を備えているので、熱電変換素子が装着された発熱部の外表面の温度と雰囲気の温度との温度差に略比例して、熱電発電部が発電して蓄電部に蓄電する蓄電量が、増加する。具体的には、熱電変換素子が装着された発熱部の外表面の温度と、雰囲気の温度との温度差が増大するほど、熱電発電部が発電して蓄電部に蓄電する蓄電量の増加スピードが速くなる。また、熱電変換素子が装着された発熱部の外表面の温度と、雰囲気の温度との温度差が減少するほど、熱電発電部が発電して蓄電部に蓄電する蓄電量の増加スピードが遅くなる。
【0009】
ところで、発熱部の外表面は、外気に接しているので、発熱部の外表面の温度自体は、雰囲気の温度の影響を受けて変動するが、発熱部の外表面の温度と雰囲気の温度との温度差は、雰囲気の温度の影響を受けにくい。したがって、熱電発電部が発電して蓄電部に蓄電する蓄電量の増加スピードは、雰囲気の温度の影響を受けにくく、発熱部の温度の変動を反映しやすい。
【0010】
そして、放電制御部は、蓄電部の蓄電量が所定値に達したときに放電指令し、送信部は、放電指令に基づいて蓄電部から放電された電力によって、送信信号を受信部に送信する。そのため、受信部が送信信号を一定時間内に受信する通信頻度は、発熱部の温度の変動を反映して、増減する。また、通信頻度は、発熱部の時間経過に伴う温度変化を表している。また、発熱部の温度異常を温度センサを用いることなく、推定することができ、コスト低減や設置スペースの低減に寄与できる。
(【0011】以降は省略されています)

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