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公開番号2024171371
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-12
出願番号2023088335
出願日2023-05-30
発明の名称搬送装置
出願人大成建設株式会社,株式会社北川鉄工所
代理人弁理士法人磯野国際特許商標事務所
主分類B66C 5/02 20060101AFI20241205BHJP(巻上装置;揚重装置;牽引装置)
要約【課題】搬送対象物を吊った状態にあるときは横行できない機能を備えた搬送装置を提供する。
【解決手段】
スリング35を介して搬送対象物を昇降可能であるとともに支持レール11に沿って移動可能な吊持手段3と、搬送対象物がスリング35に吊られた吊持状態であるか、搬送対象物がスリング35に吊られていない非吊持状態であるかを判定する判定手段41と、吊持手段3の移動を阻止する状態と許容する状態とを切り替える横行制御手段42とを備え、横行制御手段42は、判定手段41により吊持状態であると判定されたときは、吊持手段3の移動を阻止する制御を実行し、判定手段41により非吊持状態であると判定されたときは、吊持手段3の移動を許容する制御を実行する。
【選択図】図5
特許請求の範囲【請求項1】
スリングを介して搬送対象物を昇降可能であるとともに支持レールに沿って移動可能な吊持手段と、
前記搬送対象物が前記スリングに吊られた吊持状態であるか、前記搬送対象物が前記スリングに吊られていない非吊持状態であるかを判定する判定手段と、
前記吊持手段の移動を阻止する状態と許容する状態とを切り替える横行制御手段とを備え、
前記横行制御手段は、前記判定手段により吊持状態であると判定されたときは、前記吊持手段の移動を阻止する制御を実行し、前記判定手段により非吊持状態であると判定されたときは、前記吊持手段の移動を許容する制御を実行する、ことを特徴とする搬送装置。
続きを表示(約 900 文字)【請求項2】
前記吊持手段は、前記支持レールに沿って走行可能な吊持台車と、前記吊持台車に駆動力を付与する台車用駆動源とを有し、
前記横行制御手段は、前記判定手段により吊持状態であると判定されたときは、前記台車用駆動源を非作動とすることを特徴とする請求項1に記載の搬送装置。
【請求項3】
前記吊持手段は、前記支持レールに沿って走行可能な吊持台車と、前記吊持台車の走行を阻止可能なロック機構とを有し、
前記横行制御手段は、前記判定手段により吊持状態であると判定されたときは、前記ロック機構を作動させることを特徴とする請求項1に記載の搬送装置。
【請求項4】
前記吊持手段は、前記吊持台車上において前記支持レールと交差する横方向に移動可能な支持フレームと、前記支持フレームに駆動力を付与するフレーム用駆動源と、前記搬送対象物に接続されるスリングと、前記スリングの繰り出し長さを調節する操出部とを有し、
前記横行制御手段は、前記判定手段により吊持状態であると判定されたときは、前記フレーム用駆動源を非作動とすることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の搬送装置。
【請求項5】
前記吊持手段は、前記吊持台車上において前記支持レールと交差する横方向に移動可能な支持フレームと、前記支持フレームの移動を阻止するロック機構と、前記搬送対象物に接続されるスリングと、前記スリングの繰り出し長さを調節する繰出部とを有し、
前記横行制御手段は、前記判定手段によって吊持状態であると判定されたときは、前記ロック機構を作動させることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の搬送装置。
【請求項6】
前記吊持手段は、前記搬送対象物に接続されるスリングと、前記スリングの繰り出し長さを調整する操出部と、前記スリングに作用する引張力を測定するロードセルとを有し、
前記判定手段は、前記ロードセルで計測された引張力の大きさが閾値を超えたときに、吊持状態であると判定する、ことを特徴とする請求項1に記載の搬送装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送装置に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
例えば道路橋等における床版取替工事では、既設床版を搬出する作業や新設床版を搬入し設置する作業を繰り返し行う必要がある。このような作業は、クレーン車を用いて行うことができるが、作業時におけるアウトリガーの張出幅員制限や空頭制限等によって最適なクレーン車を使用できない場合には、床版を搬送可能な搬送装置を作業エリアに設置する場合もある。
クレーン車に代わる搬送装置として、特許文献1~3には、作業エリアの上方に横架されるレールと、当該レールに沿って横行可能なチェーンブロック(巻上機)とを備えるものが開示されている。特許文献1~3の搬送装置では、巻上機によって床版を吊り上げ、そのまま横行させることで、床版を移動させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2004-300688号公報
特開2004-300689号公報
特開2022-169347号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
巻上機に吊り上げられた床版は、前後左右に揺れやすい状態にあり、横行の開始・停止時は、床版に作用する慣性力によって床版の揺れが大きくなる虞がある。しかも、橋梁上は強風に晒されやすいため、横行の開始・停止時のみならず、巻上機の横行中においても、慎重な作業が要求される。
巻上機を床版の昇降作業のみに使用し、別途用意した台車等で床版を横行させるという作業手順を採用すれば、上記の問題は解消できるが、巻上機を横行させる機能(巻上機の作業位置を変更する機能)が備わっている場合には、作業手順を逸脱できないよう、床版を吊った状態にあるときは横行できないようにすることが望まれる。
このような観点から、本発明は、搬送対象物を吊った状態にあるときは横行できない搬送装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る搬送装置は、スリングを介して搬送対象物を昇降可能であるとともに支持レールに沿って移動可能な吊持手段と、前記搬送対象物が前記スリングに吊られた吊持状態であるか、前記搬送対象物が前記スリングに吊られていない非吊持状態であるかを判定する判定手段と、前記吊持手段の移動を阻止する状態と許容する状態とを切り替える横行制御手段とを備える。
前記横行制御手段は、前記判定手段により吊持状態であると判定されたときは、前記吊持手段の移動を阻止する制御を実行し、前記判定手段により非吊持状態であると判定されたときは、前記吊持手段の移動を許容する制御を実行する。
【0006】
本発明に係る搬送装置は、横行可能な吊持手段を備えているものの、搬送対象物がスリング(ワイヤーロープスリング、チェーンスリング、ベルトスリング等)に吊られた状態(吊持状態)であるか否かを判定することができ、かつ、吊持状態であると判定されたときは吊持手段の移動(横行)を阻止する状態となる。つまり、本発明に係る搬送装置によれば、搬送対象物を吊った状態にあるときは横行させないという作業手順を遵守することができる。
一方、判定手段において非吊持状態であると判定されたときは、吊持手段の移動を許容する状態となるので、搬送対象物の移動元の位置に応じて吊持手段を移動させたり、他の使用位置に回送させることが可能になる。
【0007】
前記吊持手段として、前記支持レールに沿って走行可能な吊持台車と、前記吊持台車に駆動力を付与する台車用駆動源とを有する構成を採用してもよい。この場合、前記横行制御手段は、前記判定手段により吊持状態であると判定されたときは、前記台車用駆動源を非作動とすることが好ましい。
また、前記吊持手段として、前記支持レールに沿って走行可能な吊持台車と、前記吊持台車の走行を阻止可能なロック機構とを有する構成を採用してもよい。この場合、前記横行制御手段は、前記判定手段により吊持状態であると判定されたときは、前記ロック機構を作動させることが好ましい。
吊持状態であると判定されたときに、台車用駆動源(例えば、モータやシリンダ等)を非作動とするか、吊持台車の走行を阻止するロック機構を作動させれば、吊持台車の横行を簡易かつ確実に阻止できる。
【0008】
前記吊持手段として、前記吊持台車上において前記支持レールと交差する横方向に移動可能な支持フレームと、前記支持フレームに駆動力を付与するフレーム用駆動源と、前記搬送対象物に接続されるスリングと、前記スリングの繰り出し長さを調節する操出部とを有するものを採用してもよい。前記横行制御手段は、前記判定手段により吊持状態であると判定されたときに、前記フレーム用駆動源を非作動とすることが好ましい。
また、前記吊持手段として、前記吊持台車上において前記支持レールと交差する横方向に移動可能な支持フレームと、前記支持フレームの移動を阻止するロック機構と、前記搬送対象物に接続されるスリングと、前記スリングの繰り出し長さを調節する操出部とを有するものを採用してもよい。前記横行制御手段は、前記判定手段により吊持状態であると判定されたときに、前記ロック機構を作動させることが好ましい。
吊持状態であると判定されたときに、フレーム用駆動源(例えば、モータやシリンダ等)を非作動とするか、支持フレームのスライドを阻止するロック機構を作動させれば、支持フレームの移動(横行)を簡易かつ確実に阻止できる。
【0009】
前記吊持手段として、前記搬送対象物に接続されるスリングと、前記スリングの繰り出し長さを調節する操出部と、前記スリングに作用する引張力を測定するロードセルとを有するものを採用してもよい。この場合、前記判定手段は、前記ロードセルで計測された引張力の大きさが閾値を超えた場合に吊持状態であると判定することが好ましい。
このようにすると、前記搬送対象物が前記スリングに吊られているか否か(操出部に搬送対象物の重量が作用しているか否か)を容易かつ確実に判定できる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、搬送対象物を吊った状態にあるときは横行させないという作業手順を遵守することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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