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公開番号2024170474
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-10
出願番号2024148514,2020070782
出願日2024-08-30,2020-04-10
発明の名称圧縮コイルばね
出願人日本発條株式会社
代理人個人
主分類C22C 38/00 20060101AFI20241203BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】結晶粒間の歪と結晶粒内の歪を低減することによって介在物を起点とする折損を抑制して耐疲労性を向上させた圧縮コイルばねを提供する。
【解決手段】圧縮コイルばねの有効部任意横断面のコイル内径側表面から0.2mm深さとd/4深さ(dは線材径)において以下の物理的特性を有する圧縮コイルばねである。(1)SEM/EBSD(ElectronBackScatterDiffraction)法によるGOS(GrainOrientedSpread)マップの測定で、GOS値が3°未満の結晶の面積率が85%以上である。(2)SEM/EBSD法によるKAM(KarnelAverageMisorientation)マップの測定で、KAM値が3°未満のピクセルの面積率が95%以上である。(3)硬さが580~700HVである。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
重量%で、Cを0.45~0.8%、Siを0.15~3.0%、Mnを0.3~1.2%含むと共に、任意成分としてCrを0.5~2.0%、Niを1.5%以下、Vを0.5%以下、Moを1.5%以下、Wを0.5%以下のうち1種または2種以上を含み、残部が鉄および不可避不純物からなる円相当直径dが1.5~10.0mmの鋼線材を用いた圧縮コイルばねであって、前記圧縮コイルばねの有効部任意横断面のコイル内径側表面から0.2mm深さとd/4深さ(dは線材径)において以下の物理的特性を有する圧縮コイルばね。
(1)SEM/EBSD(Electron Back Scatter Diffraction)法によるGOS(Grain Oriented Spread)マップの測定で、GOS値が3°未満の結晶粒の面積率が85%以上である。
(2)SEM/EBSD法によるKAM(Karnel Average Misorientation)マップの測定で、KAM値が3°未満のピクセルの面積率が95%以上である。
(3)硬さが580~700HVである。
続きを表示(約 350 文字)【請求項2】
前記圧縮コイルばねの有効部任意横断面のコイル内径側表面から0.2mm深さにおけるSEM/EBSD法によるIPF マップ(方位角度差3°以上の境界を粒界とする)の測定で、平均結晶粒径が2.0μm以下である請求項1に記載の圧縮コイルばね。
【請求項3】
前記圧縮コイルばねの有効部任意横断面のコイル内径側表面からd/4深さにおけるSEM/EBSD法によるIPFマップの測定で、平均結晶粒径が2.0μm以下である請求項1または2に記載の圧縮コイルばね。
【請求項4】
ばね指数が3~8である請求項1~3のいずれかに記載の圧縮コイルばね。
【請求項5】
表面粗さRzが20μm以下である請求項1~4のいずれかに記載の圧縮コイルばね。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば自動車のエンジンやクラッチ内で使用される圧縮コイルばねに関し、特に、高応力下の使用環境においても優れた耐疲労性を有する圧縮コイルばねに関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
近年、環境問題を背景に自動車への低燃費化の要求が年々厳しくなっており、自動車部品に対する小型軽量化がこれまで以上に強く求められている。この小型軽量化の要求に対し、たとえばエンジン内で使用されるバルブスプリングや、クラッチ内で使用されるクラッチトーションスプリングをはじめとする圧縮コイルばね部品においては、材料の高強度化や、表面処理による表面強化の研究が盛んであり、その結果をもってコイルばねの特性として重要な耐疲労性の向上や、耐へたり性の向上を図ってきている。
【0003】
材料の高強度化や窒化やショットピーニングなどの表面強化技術が進歩し、その結果、疲労折損の起点が表面ではなく内部に移行してきている。また、内部起点については、その殆どが介在物を起点としたものであることが知られている。
【0004】
内部起点による破壊に対しては、圧縮残留応力を付与することが有効である。たとえば、特許文献1では、高周波加熱で線材をオーステナイト域に加熱後、コイリングを行うことで、加工による残留応力の発生を防止することができ、優れた耐疲労性を得ることができるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第5064590号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載された技術のように圧縮残留応力を付与しても、介在物を起点とする内部破壊はゼロとはならないことが判明している。すなわち、圧縮残留応力を付与しても、結晶粒間の歪や結晶粒内の歪が大きい場合に介在物折損の確率が上がることが分かった。
【0007】
したがって、本発明は、結晶粒間の歪と結晶粒内の歪を低減することによって介在物を起点とする折損を抑制して耐疲労性を向上させた圧縮コイルばねを提供することを目的としている。
【0008】
本発明者は、上記事象から、結晶粒間の歪と結晶粒内の歪が小さい場合には、介在物折損の確率が減少するとの知見を得て、適切な高周波加熱条件、コイリング条件、焼入れ焼戻し条件を組み合わせることにより、結晶粒間の歪と結晶粒内の歪を低減させることが可能であることを見出した。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記知見に基づいてなされたもので、重量%で、Cを0.45~0.8%、Siを0.15~3.0%、Mnを0.3~1.2%含むと共に、任意成分としてCrを0.5~2.0%、Niを1.5%以下、Vを0.5%以下、Moを1.5%以下、Wを0.5%以下のうち1種または2種以上を含み、残部が鉄および不可避不純物からなる円相当直径dが1.5~10.0mmの鋼線材を用いた圧縮コイルばねであって、前記圧縮コイルばねの有効部任意横断面のコイル内径側表面から0.2mm深さとd/4深さ(dは線材径)において以下の物理的特性を有することを特徴とする圧縮コイルばねである。
(1)SEM/EBSD(Electron Back Scatter Diffraction)法によるGOS(Grain Oriented Spread)マップの測定で、GOS値が3°未満の結晶粒の面積率が85%以上である。
(2)SEM/EBSD法によるKAM(Karnel Average Misorientation)マップの測定で、KAM値が3°未満のピクセルの面積率が95%以上である。
(3)硬さが580~700HVである。
【0010】
ここで、GOS値とは、各結晶粒内における全ピクセル間の方位差の平均値をその結晶粒の値として示した結晶粒間における歪勾配を表す指標である。「GOS値が3°未満」を「GOS
<3°
」と表す。本発明では、GOS
<3°
の結晶粒が占める観察視野全体に対する面積率を85%以上と規定する。GOS
<3°
の結晶粒が占める観察視野全体に対する面積率が85%以上であると、結晶粒間の歪が少ない組織が得られていることを意味する。
(【0011】以降は省略されています)

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